■INNOCENCE / 制服プレイ (限定受注)■
藤森イズノ |
【7192】【白樺・雪穂】【学生・専門魔術師】 |
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DEAR = INNOCENCE
CHARGE = \150000
OPTION = NONE
ORDER = MAYUMI SASAKI
DEGREE = class "B"
REQUEST =
<図書室に潜む魔物の討伐>
依頼人は、セレノイア高等学校の女教師。
校内図書室に潜んでいる魔物を討伐して欲しいとのこと。
魔物は、本に憑依しており、数が多いらしい。
DEGREE CLASS=
CRAZY // SS-S-A-B-C-D // EASY
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INNOCENCE // ギップルスパイル
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OPENING
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討伐依頼
対象モブ:ギップルスパイル
討伐報酬:¥250000
追加報酬:なし
<図書室に潜む魔物の討伐>
依頼人は、セレノイア高等学校の女教師。
校内図書室に潜む魔物を討伐して欲しいとのこと。
魔物は、本に憑依しており、数が多いらしい。
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魔物が潜む場所が、校内図書室ということで、
討伐にあたることになったエージェントも、制服を着用。
生徒達には魔物の発生は知らされておらず、
突然図書室が閉鎖されたことで、皆、疑問を抱いているそうだ。
異界にある学校とはいえ、能力者が集っているわけではない。
中にはそういう者もいるだろうが、大半は普通の学生だ。
まぁ……今はまだ普通の学生、と言ったほうが正しいのかもしれないが。
依頼人である女教師は、なるべく迅速に片付けて欲しいと願った。
生徒達が気付き、混乱してしまっては大変なことになるから、と。
今回、この任務を遂行することになったエージェント。
イノセンスが誇る、優秀なエージェント。海斗と雪穂。
……どこからか、ツッこみが飛んできそうではあるが。
まぁ、その辺りはスルーして頂きたく思います。
「あの先生、綺麗だったなー」
「ふぅん。海斗って、ああいうのがタイプなのかぁ」
「や。タイプっつーかさ、大人の女って感じで、かっこいーなーと」
「……だから、そういうことでしょ? 要するに」
「やー。違うんだよなー。何て言えばイイのかなー。何つーかさー、こう……」
「いいから。早くしなよ。ほら、ネクタイ締めて」
「ぐへ。苦しい! 締めすぎ! 締めすぎだって……!」
任務遂行の為、セレノイア高等学校の制服へと着替えた二人。
男子生徒は学ラン。女子生徒はセーラー服。
デザイン的にはありがちなものだが、色が一風変わっている。
どちらも赤基調なのだ。可愛いのだが、ちょっと目に痛いかな。
着替え終わって鏡を見やり、クルッと一回転してみる夏穂。
うん。まぁ、こんな感じかな? 制服って初めてだよ、僕。
何かドキドキするんだね。これ着ると。
楽しそうな雪穂を見やりつつ、ポケッとしている海斗。
その視線に気付いて、雪穂は首を傾げた。
「ん? なぁに?」
「あ。いや。何つーかさ、違和感ねーなぁと思って」
「はは。僕、一応小学生なんだけどね」
「だよなぁ。やっぱ、背ぇデカいからかな」
「ん〜。それもあるかも。まだ伸びてるしね」
「うへ。マジで?」
「うん。だって成長期だし」
「俺よりデカくなんじゃねーのか」
「かもねぇ。さ、行こう。急がなきゃ」
「それはちょっとヤダなー。って、おー」
*
現場である図書室に到着して早々、二人の口はポカンと半開き。
なるほど。確かに……図書室内を、縦横無尽に本が飛び交っている。
まるでポルターガイストのような光景だ。
これはこれで見ていて楽しいけれど。
さすがに放っておくわけにはいかない。
せっかくの本が滅茶苦茶になってしまっている。
うわぁ。すごい図だなぁ。予想してたのより、ずっと激しいや。
僕はね、こう……悪魔の本みたいなやつがデンと構えてるのかと思ったんだ。
まさか、こんなに元気一杯な魔物だったは。ちょっと意外。
でも数が多いってことは、きっと全部ザコクラスだよね。
弱いやつほど群れたがる〜とか何とか、言うし。
まぁ、これは猫さんが、この間言ってたことなんだけど。
報酬額からしても、ザコクラスっぽいしね。
さて。んじゃあ、ささっと終わらせちゃおうか。
口にヘアゴムを咥え、キュッと高い位置で髪を束ねる雪穂。
髪を結いながら、雪穂は海斗に確認した。
「本ごと、やっちゃってもOKなんだっけ?」
「なるべく抑えてとは言ってたけどなー。いーんじゃね? やっても」
「うん。じゃあ、頑張って抑えつつやろうか」
「抑えれるかなー。あははは」
「……抑える気、ないよね。キミは。っていうか、何それ。どこから持ってきたの?」
「ん。そこにあったから、かけてみた。どー? 似合うー?」
机の上にあった、誰のものとも知れない眼鏡を掛けて笑っている海斗。
そんな海斗を見つつ、雪穂はヤレヤレ、と肩を竦めて笑い返した。
そうして見ると、キミって本当。子供っぽいよね。
キミこそ、何の違和感もないよ。普通に現役学生っぽい。
……遅刻常習犯の問題児とか、そのあたりだけどね。
準備完了と頷き、指を弾いて、指先にポッと赤い光を灯した雪穂。
標的は本。要するに神なわけだから、燃やしてしまうのが手っ取り早いだろう。
「んじゃ、やるよ〜?」
「おけー。いつでもー」
何とも締まらない合図だが。その遣り取りを境に、二人は討伐を開始。
だた単に本に憑依しているだけの魔物は、どれもザコだ。
反撃っぽいものを仕掛けてはくるが、飛んでくるだけ。
バシッと手で叩き落とすだけで、その攻撃は回避できる。
けれどなかなかしぶといというか、しつこい魔物だ。
何度叩き落としても、歯向かって来る。弱いくせに。
しつこいなぁ、と笑いつつ、トドメを刺す二人。
雪穂の赤光、海斗の炎。それらに焼かれて、本は次々と炭と化していった。
討伐完了は目の前。もう、数えられるほどしか残っていない。
手こずることはないとは思っていたけど、何だかな。
ここまでアッサリしてると、正直つまらないよねぇ。
余裕から、苦笑を浮かべたときだった。
「―……! 痛っ!」
マグレというべきか、渾身の一撃というべきか。
魔物の一匹が勢い良く飛びついてきたことにより、
紙で、雪穂の手の甲が傷付いた。
だが、両手に黒い手袋をしていたが故に、ダメージは掠り傷。
大丈夫か、と海斗が駆け寄ったとき。
彼は、ふと雪穂の手の甲に、妙な痣を見つけた。
痣……ではなく、タトゥーか? 赤い、蜘蛛のような。
そういえば、雪穂はいつも、どんな服装でも手袋をしている。
もしかして、そのタトゥーを隠す為に?
そう思い首を傾げた海斗。
それと同時に、雪穂の身体に異変が起こる。
スッと目から光が消え、ダラリと両腕を下ろして。
その妙な動作は、操り人形のようだった。
何だ、一体、何が起こった?
そう尋ねようとする間もなく。
雪穂は、ニヤリと不敵に笑い、バッと両手両指から、白い糸を放った。
ただの糸じゃない。真っ直ぐに、垂れることなく伸びる糸は……針のようだった。
その糸に触れた瞬間、残っていた魔物は、全てバラバラに。
窓から入ってくる風に煽られ、図書室内をグルグルと回る……紙吹雪。
一匹残らず魔物討伐は完了。あっという間の出来事だった。
「お終いっ。散らかしちゃったねぇ。片付けないと」
クスクス笑いながら、部屋中に飛び散った紙を拾い集めていく雪穂。
チラリと見やって確認すると、いつもの可愛らしい目に戻っていた。
「……なぁ、雪穂」
「うん〜?」
「そのさ、手にある蜘蛛のタトゥーって、何なの?」
「ん〜。これはねぇ、隠し能力っていうかねぇ」
「ふーん……」
また何とも巧く、はぐらかされたものだ。
けれど、海斗はそれ以上追求することはなかった。
無理やり聞き出しても、意味がない。
雪穂が自ら、その口で声で教えてくれるまでは、待つべきだろう。
そう判断した海斗は、紙くずの掃除を笑って手伝った。
せっかく制服を来たんだ。ちょっと、もう少しだけ。
学生気分を味わってみようか。
雪穂と海斗は、報酬を受け取った後、
制服姿のまま、校内をウロウロと散策。
真面目に授業を受けている学生を窓から覗いて感心してみたり、
学生食堂で、一番人気のA定食を食べてみたり。
みんなで来たら、楽しそうだよね、無理だろうけど。
あははっと笑う雪穂に、眼鏡を外して、そだなーと笑い返す海斗。
いつかは教えてくれる。そうは思うけど。
何だろーな、この感じ。ミョーに気になるっつーか。
まぁ、言えないことってのは誰にでもあるし。
隠し事なら、俺にだって……あるしな。
……ま、いっか。めんどくせ。どーでもいーや。
「つか、美味っ。A定食、美味っ!」
「エビフライが美味しいよねぇ」
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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■
7192 / 白樺・雪穂 (しらかば・ゆきほ) / ♀ / 12歳 / 学生・専門魔術師
NPC / 黒崎・海斗 (くろさき・かいと) / ♂ / 19歳 / INNOCENCE:エージェント
シナリオ参加、ありがとうございます。
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2008.07.29 / 櫻井 くろ (Kuro Sakurai)
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