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■どっちがイイ?■

藤森イズノ
【7707】【宵待・クレタ】【無職】
 何を今更、恥ずかしがってるの?
 こっち見て。ちゃんと質問に答えて。
 キミの言うとおりにしてあげるから、言ってごらん。
 簡単でしょ。選択肢は二つしかないんだ。
 どっちかひとつ、キミは選んで教えてくれれば良いだけ。
 簡単でしょ? ほら、こっち見て。ちゃんと質問に答えて。
「激しいのと優しいの、どっちがイイ?」
 どっちがイイ?

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 何を今更、恥ずかしがってるの?
 こっち見て。ちゃんと質問に答えて。
 キミの言うとおりにしてあげるから、言ってごらん。
 簡単でしょ。選択肢は二つしかないんだ。
 どっちかひとつ、キミは選んで教えてくれれば良いだけ。
 簡単でしょ? ほら、こっち見て。ちゃんと質問に答えて。
「激しいのと優しいの、どっちがイイ?」

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 淡く微笑みながら、クレタの頬に触れて囁くJ。
 その声、掌の温度。心地良さから、クレタは目を伏せた。
 どっちが良いかだなんて……あなたは、本当に意地悪な人だ。
 そんなの聞かなくても理解るでしょう……?
 どうして? どうして、今日に限って、そんなこと聞くの?
 いつもなら、尋ねることもせず、思うが侭にするくせに……。
 どうせ、言ったところで……絶対に応じてくれるってわけでもないんでしょう……?
 あなたは意地悪な人。意地悪で……悪戯な人だ。
 楽しんでるだけ。僕の反応を楽しんでるだけ。
 あぁ、今日もいつもと何ら変わりなく、僕はあなたに惑わされるんですね。
 いつだって、主導権はあなたが握る。
 その事実は、どう足掻いても変わることなく。
 何もかもが、あなたの思い通り。
 こうして目を伏せ、戸惑う姿も。
 ジワジワと熱くなってくる耳朶も。
 落ち着こうと必死になればなるほど、乱れていく呼吸も。
 何もかもが、あなたの思うが侭。
 悔しいね。何度体験しても、やっぱり悔しい。
 どうしようもないくらい、ドキドキしてしまうから悔しい。
 無駄な抵抗なんて……もう、しない。
 したところで、何にもならないから。
 時間を無駄に消費してしまうのならば、
 このまま……このまま、素直に求めるべきで……。
「優しいのは……今日はヤダ……」
「どうして?」
「……そういう気分だから」
「答えになってない」
「……。僕も……」
「うん? 何? 聞こえない」
「僕も……激しく求めたいから」
 僕の全てを、あなたに。身体だけじゃなく、心も。何もかも。
 繋がりたいんだ。あなたと。溶かして欲しい。蕩けさせて欲しい。
 ねぇ、僕の顔……もっと見て。もっと、もっと。
 目を逸らして逃げて見せるから、追いかけて。
 鬱陶しいくらい、追いかけてきて。そして、捕まえて。
 逃げても無駄だって、唇を塞いで理解らせて。
 ねぇ、僕の声……ちゃんと聞いて。もっと、もっと。
 掠れた声で、何度でも。あなたの名前を呼ぶから、頷いて。
 ねぇ、僕の肌……もっと触れて。もっと、もっと。
 火照る身体を、熱を感じ取って。笑って辱めて。
 あなたが思うよりも、僕はね……ずっと、ずっと欲張りなんだ。
 抱かれながら、感じながら、もっともっと頂戴って願ってる。
 口に出すことは滅多にしないけれど、今日は……伝えるよ。
 黙っていても、あなたは僕の気持ちを汲んで与えてくれるけれど。
 今日は、全部さらけ出してあげる。呆れるくらい、聞かせてあげる。
 ねぇ、もっと。もっと、激しく。
 ゾクゾクさせて。囁いて、掻き乱して。
 数え切れぬくらい、幾夜も重ねた肌の温もりを、もっと心の奥深くまで。
 いつだって僕は臨戦態勢。かかってきてよ。遠慮なんていらないから。
 あなたの全てを、受け止めてみせる。ほら、こっち。
 ねぇ、ボーッとしてる暇なんてないんだよ……?
 手招きするように、身体を捩って誘ってみせようか……。
 ほら、こっち。見惚れてる暇なんて、ないんだよ、J。
 ねぇ、聞こえてる? ねぇ、ちゃんと見えてる?
 捕まえて。ほら、早く。
 あなたにしか捕まえられないんだから。

 腕の間を擦り抜けるように、微笑みながら身体を捩って逃げる姿。
 何て挑発的な姿だろう。キミは、どこまで艶やかに変化を遂げるんだろう。
 もちろん嬉しいし、喜ばしいことなんだけれど。
 微妙に……不安な気持ちにもなってしまう。
 どこで覚えたの?
 そんな顔、そんな声、どこで覚えたの?
 キミには驚かされてばかりだ。毎夜毎夜、色も形もコロコロ変わる。
 どこで覚えてくるのかな? そういうの。俺の為に覚えてる?
 いや、そうじゃないとか言われたら、俺、何しでかすかわかったもんじゃないけど。
 ちょっとだけ見てみたい気がする。
 俺の傍にいない時、俺が傍にいない時、キミはどうしてるんだろうね。
 絶対に見せられない、恥ずかしいこととか……してるんじゃないの?
 誰にも見られないように、こっそり隠れて。自分で自分を満たしたり?
 あぁ、違うよ。それがイケないことだなんて言わない。
 そんなこと、言うつもりは、まるっきりないよ。
 寧ろ、良いことだと思う。どんどん乱れていけば良いと思う。
 まぁ、頭ン中に思い浮かべるのが俺であること前提なんだけどね?
 拙くも健気な御誘い。
 全身で表現する、あなたが好き。その気持ち。
 ねぇ、もっと。まだだよ。まだまだ足りないんだよ……。
 こうやってね、余計なことを考えることが出来ないくらい蕩けたいんだ。
 ねぇ、J。どうする? 僕、まだ、こうやって我侭を口にしてるよ?
 余裕があるんだ。まだ、余裕があるってことだよ……。
 ねぇ、どうする? このままで良いの? まさかね?
 クスクス笑いながら背中に腕を回し、嬉しそうに微笑むクレタ。
 Jは、その可愛らしい挑戦状に、肩を竦めて微笑み返す。
 抱き寄せて、しがみついて、離れない。
 朝までずっと。ううん、朝がきても、離れてやるもんか。
「随分と生意気なこと言えるようになったね」
「……かかってこい」
「……。何それ。俺の真似?」
「……のつもり」
「っくくく……。似てない」
「……わかってるよ」

 わかってるけど、効果は抜群でしょ……?
 だって、ほら。あなたの鼓動が、早くなった。あなたの呼吸が、荒くなった。
 乱暴に、本能のままに。それで良いの。それが良いの。
 もっともっと、我を忘れて。もっともっと、貪って。
 骨も残らないくらい、食べ尽くして。

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 ■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

 7707 / 宵待・クレタ / 16歳 / 無職
 NPC / J / ??歳 / 時狩(トキガリ)

 シナリオ参加、ありがとうございます。
 不束者ですが、是非また宜しくお願い致します。
 参加、ありがとうございました^^
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 櫻井かのと (Kanoto Sakurai)
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