■魔銃 JH-03■
藤森イズノ |
【7888】【桂・千早】【何でも屋】 |
// 魔銃 JH-03(まじゅう)
// 製作難易度:B(難 S・A・B・C・D 易)
// 作り方と概要:
// 特殊な接着剤を使ってパーツを組む。
// 銃口から放たれるのは、着属で宿した魔素。
// むやみやたらに発砲しないこと。
何度か見せたことはあるけど。
魔銃ってのは、これだな。
中には、もう持ってる生徒もいるだろ。
ただ、それは古いタイプだからな。作り直し。
まぁ、作るのは簡単だ。すぐに出来ると思う。
全員が完成したら中庭に移動して、試し撃ちするぞ〜。
早く出来た生徒は、そのまま待機してること。
間違っても、ここで引き金は引くなよ、頼むから。
じゃ、開始。出来たら、俺のとこに持っておいで。
ちゃんと出来てなければ、やり直しだぞ〜。
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魔銃 JH-03
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// 魔銃 JH-03(まじゅう)
// 製作難易度:B(難 S・A・B・C・D 易)
// 作り方と概要:
// 特殊な接着剤を使ってパーツを組む。
// 銃口から放たれるのは、着属で宿した魔素。
// むやみやたらに発砲しないこと。
何度か見せたことはあるけど。
魔銃ってのは、これだな。
中には、もう持ってる生徒もいるだろ。
ただ、それは古いタイプだからな。作り直し。
まぁ、作るのは簡単だ。すぐに出来ると思う。
全員が完成したら中庭に移動して、試し撃ちするぞ〜。
早く出来た生徒は、そのまま待機してること。
間違っても、ここで引き金は引くなよ、頼むから。
じゃ、開始。出来たら、俺のとこに持っておいで。
ちゃんと出来てなければ、やり直しだぞ〜。
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「これで……大丈夫でしょうか」
完成した魔銃を差し出して首を傾げた千早。
藤二は、出来たてほやほやの魔銃を受け取り、細部のチェックを。
製作図どおりに作れば何のことはない。
よっぽどの不器用さんじゃなければ、組み立ては難なく終わる。
手先が器用ならば、それなりに楽しみながら製作できるはずだ。
チェックを終えた藤二は、ニコリと微笑み、千早に魔銃を返す。
「うん。問題なし。じゃあ、席で待機な」
「はい」
先生にチェックしてもらい、無事に組み立てが完成したら待機。
クラスメート全員が組み立てを終えるまで、待たねばならない。
席に戻った千早は、すぐさま鞄から漫画を取り出した。
待機中は、おとなしくしてれば何をしても構わない。
取り出した漫画は、千早が最近ハマッている……少女漫画だ。
とはいえ、男の子でも違和感なく読める、ちょっと異質な少女漫画。
一応、恋愛がテーマなのだが、主人公の恋が成就する気配が、まったくない。
普通、少女漫画で展開される恋愛は、何だかんだでハッピーエンドなものが多い。
あれこれ考えて、奮闘して、時に涙して、時に喜んで。
最終的に、好きな人と結ばれる。それは暗黙のルール的なところがある。
だが、この少女漫画は違う。
主人公の恋が、次から次へと散っていく御話。
必然的に、主人公は恋多き女として描写されてしまう。
あまり印象は良くない。一途のカケラもないのだから。
でも、どうしてか。不思議と応援したくなってしまう。
前向きで、恋に貪欲な主人公を応援したくなってしまう。
この不思議な少女漫画は、学校外でも評判だ。
アニメ化の噂もあるらしい。本当ならば、かなり気になる噂だ。
背筋を正し、良い姿勢で少女漫画を読む千早。
真剣な表情で、少女漫画の主人公に感情移入する男の子。
その姿は、はたから見ると少し滑稽だ。真面目に読んでいるから尚更。
男女問わず人気の、この少女漫画。
当然、それを読んでいるとなれば、クラスメートが放っておかない。
「あっ。最新刊! ねぇねぇ、千早くん。あとで借りても良い?」
「あ、はい。構いませんよ」
「俺も、あとで読ませてぇ〜」
「はい」
前後左右の席、クラスメートが掛ける言葉。
少女漫画でコミュニケーション。今ならではの光景だ。
*
全員が製作を終えたら、中庭に移動して試し撃ち。
出来たての魔銃、その扱いに慣れるための実践。
試し撃ちは、試合形式で行われる。
とはいえ、対戦相手が決められることはなく、好き勝手に組む。
仲の良い者同士が組んで、試合していくのがいつものパターン。
次々と成立していくペア。成立したペアから順に、藤二が見守る中、試合を行う。
(……どうしようかな)
誰と組もうか、辺りを見回しながら考える千早。
そんな千早の背中に、声を飛ばしたクラスメートがいた。
「あの。一緒に組もう?」
「えっ……と。はい。宜しくお願いします」
「こちらこそ」
千早に声を掛けたのはオネだ。
クラスでも目立たない、どちらかというと地味な男の子。
けれど、オネには不思議な魅力がある。
実は結構な物知りだったり、頭が良かったり。
クラスのムードメーカーとは程遠いけれど、何故か欠かせない。そんな存在。
「次、やろうか。こっち、並んでおかないと」
「あ、はい」
「あの。魔銃、使うの初めて……だよね?」
「はい。見たことは何度かありますけど」
「えっとね。ちょっとコツがあって……」
順番待ちの最中、オネは千早に、あれこれと伝授した。
地味に面倒見が良いのも、何気に人気がある理由のひとつなのかもしれない。
オネから情報を聞いた千早は、ウンウンと頷きながら、
現在展開されている試合を見やって観察。
言葉での説明も大切だけれど、目で見るのも大切。
どうやって使っているか、どんな風に使うのが効果的か。
知らないからこそ、精いっぱい観察する。
観察し、自分自身で使い方を覚え、考えていく。
魔銃の実践授業の本質は、そこにある。
深くを語らず、ぶっつけ本番な感じで実施するのも、そういう意図があるからこそだ。
「はい、じゃあ次」
書類に何かを書き留めながら、千早とオネを見やった藤二。
二人は、似たような動作でゆっくりと立ち上がり、試合スペースへと移動。
少し距離を保った状態で対峙し、互いにペコリと一礼。
宜しく御願いします。そんな気持ちを込めて。
試合が開始されると、早々にオネが先制攻撃。
それまでの、まったりとした雰囲気はどこへやら。
オネは、別人の如く躍動的になった。
銃口から放たれる光の波動。
次々と飛んでくるそれらを、千早はヒョイヒョイと避わす。
逃げているだけでは勝てないし、試合の意味もない。
千早は、攻撃を避けながら、慣れない手つきで魔銃へ自身の魔力を宿す。
ふんわりと柔らかい光が魔銃を包み込む。装填は成功。
普通の銃ならば、今までに "何でも屋" の仕事で何度か使っている。
この魔銃も、扱い方はそれと同じ。基本的には同じ。
こう言ってしまうと微妙だけれど、要するに引き金を引けば良いだけ。
ただ、試合前にオネから説明があったとおり、ちょっとコツがある。
射止めるイメージではなく、ただ放つイメージだけで良い。
難しく考える必要はなく、ただ引き金を引くだけで、
放たれる魔弾は、そのとき狙うべき標的へと向かっていくのだそうだ。
極端な話、銃口を見当違いの方向へ向けて発砲しても、
イメージさえしっかり構築できていれば、魔弾は標的へと向かう。
(……このまま、引けば良いんですよね)
オネの攻撃を避けながら、目を閉じて頭の中にイメージを構築し、発砲する千早。
あくまでも、今回は試し撃ちだ。魔銃の扱いに慣れることが大前提。
色々と応用も利きそうだけれど、今回は遠慮しておこう。
せっかく設けられた機会なのだから、有効活用せねば。
特に応用を利かせるわけでもなく、ただ純粋に引き金を引いていく千早。
銃口から放たれる光の珠は、始めは謙虚に、次第に大きく安定したものに変わっていく。
千早もオネも、その身に宿しているチカラは【光】だ。同一の魔素。
二人が放つ光は、弾けて混ざり合い、眩い光を生み出す。
真っ白な光に包まれていく中庭。
狂ったかのように踊る、二つの光。
それらの目の当たりにしてしまえば、まず目を開けていることができない。
観戦しているクラスメートは勿論のこと、藤二も。あまりの眩しさに目を開けていられない。
見えない状況、だからこそ余計に気になる。
「見えない〜〜〜」
「何? 何? 今、どういう状況なの?」
「わかんないよ〜〜〜〜〜!」
目を閉じたまま、ケラケラと笑いながら文句を言うクラスメート。
藤二は藤二で、目を伏せたまま淡く微笑んでいる。
確かに、肉眼では確認できないけれど。
目を閉じたまま、意識を集中すれば、状況を把握できる。
藤二の瞼、その裏には、楽しそうに魔銃を扱う千早とオネの姿が映っている。
普段は地味で、目立たない二人の、イキイキとした表情。
それらを目に、藤二は嬉しそうに微笑んだ。
(これは……。面白いかも)
発砲を続ける、光の中で千早は微笑んだ。
心から楽しんでいる、それが理解る素の笑顔だ。
眩い光の所為で、稀有なそれをクラスメート達が確認することは出来ないけれど。
発砲しながら、千早はあれこれ頭の中でイメージを繰り返す。
応用次第では、かなり使える代物だと実感しながら。
こういう面白い武器も、良いですね……。
今度、対戦してみたいです。彼とも。
彼なら……どんな使い方をするでしょうか。
面白そうですし、勉強にもなりそうです。
ワクワクするなんて……。久しぶりですね。ふふ。
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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■
7888 / 桂・千早 / 11歳 / 何でも屋
NPC / オネ / 13歳 / HAL:生徒
NPC / 藤二 / 28歳 / HAL:教師
シナリオ参加、ありがとうございます。
アイテム 【魔銃 JH-03】が追加されています。
不束者ですが、是非また宜しくお願い致します。
参加、ありがとうございました^^
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櫻井かのと (Kanoto Sakurai)
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