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■デートの御誘い■

藤森イズノ
【6408】【月代・慎】【退魔師・タレント】
 メールでお呼び出し。
 指示どおりに、一人で中庭へと向かう。
 お呼び出しの理由は理解らない。
 中庭へと向かう最中、あれこれと考えてみた。
 呼び出される理由に心当たりがないかと。
(……特にない気がするけど)
 考えてはみるものの、思い当たる節はない。
 一体、何だろう。何の用だろう。首を傾げながら、中庭に到着。
 メールで呼び出しを掛けてきた人物と、すぐさまバチリと視線が交わる。
 離れた位置から、微笑みながら歩み寄ってくる姿。
 何となく、釣られて微笑み返してしまう。
 至近距離で互いに瞬きを、ひとつふたつ。
 えぇと……? ご用件は、何でしょう?
デートの御誘い

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 メールでお呼び出し。
 指示どおりに、一人で中庭へと向かう。
 お呼び出しの理由は理解らない。
 中庭へと向かう最中、あれこれと考えてみた。
 呼び出される理由に心当たりがないかと。
(……特にない気がするけど)
 考えてはみるものの、思い当たる節はない。
 一体、何だろう。何の用だろう。首を傾げながら、中庭に到着。
 メールで呼び出しを掛けてきた人物と、すぐさまバチリと視線が交わる。
 離れた位置から、微笑みながら歩み寄ってくる姿。
 何となく、釣られて微笑み返してしまう。
 至近距離で互いに瞬きを、ひとつふたつ。
 えぇと……? ご用件は、何でしょう?

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「ごめんなさいね。急に呼び出して」
 ニコリと微笑んで言った千華。慎も微笑み返す。
「大丈夫だよ。何かな〜?」
「うん。ちょっと御願いがあって」
「御願い?」
 首を傾げる慎にクスクス笑いながら、千華は説明した。
 突然の呼び出し、その理由と目的。
 千華はモデルとしても活動している。
 それなりに有名だ。雑誌の表紙を飾ることも少なくない。
 先日、撮影終わりにカメラマンから頼まれたらしいのだ。
 慎の写真を撮ってみたい、話をつけて来てくれないか、と。
 教え子であることを知っていたがゆえの依頼だった。
 とはいえ、慎は売れっ子だ。そう容易くOKは出まい。
 そこで、千華の出番。言い方は悪いけれど、
 先生という立場を使って、うまく交渉してくれと。そういうことらしい。
 ちょっと笑いながら、ちょっと躊躇いながら説明した千華。
 役者としての活動がメインの慎は、食いついた。
「いいよ。楽しそうだし」
 ニッコリと笑い、即答した慎。
 千華は、何度も確認した。そんなにあっさりOKして良いの? と。
 楽しそうだと思ったら、すぐに飛びつく。いつものことだ。
 モデルっていうのは、あんまり経験がないんだよね。
 興味はあったし、基本的に撮られるのって好きだし。
 それに、千華先生の御願いだしね。断れないよ。
 でもね、先生。無条件っていうのも、何じゃない?
 フフッと笑って言った慎。千華はクスクス笑いながら尋ねる。
「交換条件ね? なぁに?」
「俺とデートしてよ。先生」
「デート……。私と?」
「うん。駄目?」
「構わないけど。退屈しないかしら」
「ん〜と。それは、どっちが? 先生が? 俺が?」
「慎くんが」
「しないよ」
「即答ねぇ」
「よしっ。んじゃ、さっそく行こ」
 嬉しそうに笑い、千華の腕をグイグイと引っ張って催促する慎。
 千華はクスクス笑いながら、慎について行く。
 既に授業は終わっている。何の問題もない。
 二人の関係が、教師と生徒であること以外は。

 *

 主導権は慎に。いや、エスコートというべきか。
 軽やかな足取りで、慎は千華を、とある店に連れて来た。
 とあるビルの地下にある店。モノトーンで統一された店内はオシャレ。
 並んでいるのは、服やアクセサリー。
 新進気鋭のデザイナーが手掛けている店で、人気も高い。
 ただ、値段が……ちょっと目を丸くさせられるようなものばかりなので、
 一般の人には、あまり縁のない店かもしれない。
 この店は、慎のお気に入りらしい。
 役者としての仕事帰り、学校帰り、暇さえあれば立ち寄っているとのこと。
 ここまでの足取りが、やたらと軽やかだった理由を知り、千華は笑う。
「先生。これ、着てみて」
「え……?」
「あとねー。これと、これも」
「ちょっ……慎くん?」
 店内をウロウロしながら、千華に服や靴、アクセサリーを渡していく慎。
 ずっとね、弄ってみたかったんだ。先生のこと。
 まぁ、普段から先生はオシャレだけどさ。
 もうちょっと色気出してもイイと思うんだよね。
 露出っていうか。下品にならない程度に。
 清楚で上品な感じもイイけど、こういうのも似合うと思うんだ。
 色は〜……やっぱり、黒がメインかな。定番だけどね。
 でも、定番ってのも難しいんだよ。基本がなってないと着こなせないからね。
 アクセントには銀。アクセサリーとかは、シンプルな感じでイイかな。
 次々と渡されるアイテムを両手いっぱいに抱え、苦笑している千華。
 すっかりノリノリの慎。断れるような雰囲気ではない。
 まぁ、せっかくのデートだし。一緒に楽しみましょうか。
 言われるがまま、されるがまま、慎に弄られ彩られていく千華。
 普段は着ない、セクシー路線の服。
 ちょっとだけ恥ずかしい……。
 試着室から出てきた千華は、照れ臭そうに笑った。
 出来栄えに大満足の慎は、パチパチと拍手しながら笑った。
 仕上げに、薔薇のコサージュを。うん、完璧。
「うんうん。可愛いよ、先生」
「そうかしら……」
「ふふ。すぐに理解るよ」
「え?」
 ニコリと笑い、千華の手を引いて歩き出す慎。
 履き慣れない靴に少々フラつきながらも、千華は慎について行く。
 この服は……と訊こうとしたけれど、すぐに理解った。
 店員達の深々と頭を下げている姿を見れば、すぐに理解った。
 ひとまわり以上年下なのに、何て見事なエスコート。
 自然すぎて嫌味のカケラもない。
 慣れてるのかしら……と苦笑する千華。
 店の外に出るや否や、刺さる視線。道行く人は千華に釘付けだ。
 仕事柄、見られることには慣れているけれど。
 いつもと違う格好をしていると、何だか照れ臭い。
 恥ずかしそうに笑う千華。慎は、大満足のご様子。

「やっぱり、デートは、こうじゃないとね」
「嬉しそうね、慎くん」
「もちろんだよ」
 ステータス……っていうと何だかヤな感じだけどさ。
 やっぱり、一緒に歩くなら綺麗な人がイイよね。
 みんなの羨ましそうな視線とか、最高に気持ち良いよ。
 先生も、最初は恥ずかしがってたけど、途中から楽しそうだったよね。
 やっぱり、見られる仕事をしてるからかな。すぐに慣れるね。
 カフェにて、紅茶を飲みながらお話する慎と千華。
 いったい、どういう組み合わせなのか。どんな関係なのか。
 そこは気になるところだけれど、絵になっているから何とも。
 楽しそうに笑いながら、慎は言った。
「先生、今度さ、学校にそれ着て来てよ」
「えぇ?」
「みんなビックリするよ」
「……逆に叱られるんじゃないかしら」
「あはははっ」

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 ■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

 6408 / 月代・慎 / 11歳 / 退魔師・タレント
 NPC / 千華 / 27歳 / HAL:教師

 シナリオ参加、ありがとうございます。
 不束者ですが、是非また宜しくお願い致します。
 参加、ありがとうございました^^
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 櫻井かのと (Kanoto Sakurai)
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