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■魂銃タスラム■

藤森イズノ
【7192】【白樺・雪穂】【学生・専門魔術師】
 見た目がゴツいから、重いものかと思っていたけれど。
 めちゃくちゃ軽い。持ってる感覚がないくらいに軽い。
 メンバーの証として受け取った、魂銃タスラム。
 まさか、入手できるとは思いもしなかった。
 そもそも、組織に加入できたのが、まず凄い。
 しかも、来て早々にだし……。
 別に、組織に加入することを目的として来たわけじゃないけれど、
 この世界の中枢に触れることが出来るのは、色んな意味で美味しい。
 そんなことを考えていると、事前とニヤけてしまう。
 あぁ、いやいや。笑ってる場合じゃないや。
 フルフルと軽く頭を振って、気持ちを切り替える。
 目の前には "いつでもどうぞ" と構える仲間。
 試し撃ちを兼ねて、擬似バトル。
 提案されたから応じてみたけれど……。
 どうせなら、勝ちたいなぁ。
 魂銃タスラム

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 見た目がゴツいから、重いものかと思っていたけれど。
 めちゃくちゃ軽い。持ってる感覚がないくらいに軽い。
 メンバーの証として受け取った、魂銃タスラム。
 まさか、入手できるとは思いもしなかった。
 そもそも、組織に加入できたのが、まず凄い。
 しかも、来て早々にだし……。
 別に、組織に加入することを目的として来たわけじゃないけれど、
 この世界の中枢に触れることが出来るのは、色んな意味で美味しい。
 そんなことを考えていると、自然とニヤけて……。
 あぁ、いやいや。笑ってる場合じゃないや。
 フルフルと軽く頭を振って、気持ちを切り替える。
 目の前には "いつでもどうぞ" と構える仲間。
 試し撃ちを兼ねて、擬似バトル。
 提案されたから応じてみたけれど……。
 どうせなら、勝ちたいなぁ。

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 何だか難しそうな顔で魂銃を構える雪穂。
 対戦相手は、藤二だ。向かいで、楽しそうに装填している。
 応じたものの、実際、こういうのはどうなんだろう。
 まぁ、試用ってことだし、あまり深く考える必要はないのだろうけど。
 銃を受け取った際、一通りの説明も聞いた。魔力の装填方法だとか。
 装填物が "魔力" であること以外は、他の一般的な銃と同じ。
 狙いを定めて引き金を引けば "ドーン" と出る。
 飛び出すのは銃弾ではなく魔法だけど。
「あんまり気負わず、気楽にな」
 ニコリと笑って言った藤二。
 うん、まぁ。試し撃ちだし、彼の言うとおり気楽な感じで良いと思う。
 けれど、雪穂は相変わらず難しい顔。何故ならば。
「頑張ってはみるけど〜……苦手なんだよね〜……」
 そう。雪穂は、銃の扱いに自信がない。というか、下手。
 双子の姉が得意としている武器だから、自分も、と練習してはみたのだけれど。
 どうにも、うまくいかない。何度やっても、見当違いの方向へ飛んで行ってしまう。
 双子の姉が使っている銃は、雪穂が作ったものだ。
 作るのは得意。でも、使うのは下手。
 まぁ、それはあくまでも一般の銃の話で。
 この銃は、魔法を用いる、いわば魔具の一種。
 どこかに魔法が関与しているのではなく、
 直接、放たれるのが魔法だという点で、
 もしかしたら、巧く使えるかもしれない。
 そんな淡い期待を胸に、雪穂は装填を始めた。
「……!」
 雪穂が装填を始めた途端、藤二は目を丸くする。
 これは驚いた。何と、雪穂は同時に3つもの属性を装填したのだ。
 生きているかのように揺れる "炎" バチバチと発光する "雷" それから―
 ……はて。あの属性は、何だろう。
 ユラユラと、白い煙が昇っているけれど。
 ひとつだけ、把握できない属性はあるものの。
 3つの属性を同時に装填したのは事実。
 ありえない装填だ。基本的に、魂銃にはひとつの属性しか装填できない。
 藤二も、何度か試してみたことはある。
 そもそも、魂銃は藤二が作った魔具だ。
 もっと効率よく出来ないものかと思案するのは、製作者として当然のこと。
 だが、どう足掻いても無理だった。ひとつしか装填できない。
 藤二だけじゃなく、他の既存メンバーもできないのだ。
 それなのに。雪穂は、3つの属性を装填した。
 それも、平然と。あたりまえかのように。
(へぇ。これは、もしかすると……)
 魂銃を構えながら藤二は笑った。
 雪穂も装填を終えて、クルクルと銃を手元で回す。
「怪我させたら、ごめんね〜」
 苦笑しながら事前宣告を済ませた雪穂。
 藤二は微笑みながら頷き、指先で挑発する。

 雪穂は "銃の扱いが苦手" である。

 いや、先ほども言ったけれど。大事なことなので二回言った。
 初発。雪穂は、炎をイメージしながら引き金を引いた。
 装填された3つの属性の中から、イメージと一致する "炎" が選出され、銃口から放たれる。
 だが。
 ゴォォォォォ―
「…………」
「…………」
 炎は、見当違いの方向へ飛んでいった。
 何で? 何で、そっちに行った? さっぱり理解らない。
 幸い、ここはトレーニングルーム。分厚い魔壁が施されている為、
 燃えさかる炎に焼かれても、天井は焦げることなく綺麗なままを保つ。
「ははははっ。ノーコンか」
 笑いながら藤二が言った。
 雪穂は頬を膨らませ、ちょっと恥ずかしそうに笑う。
「だから、苦手だって言ったでしょ〜」
「くっくっ。にしても、これは酷いぞ?」
「だって〜。普段は剣でバサー、レイビアでブスッ、大鎌でザシュッ! なんだも〜ん」
 随分サラリと恐ろしいことを言うものだ。
 まぁ、言い訳のつもりなんだろうけれど。
 藤二は、クスクス笑いながら、クイクイと何度か連続で引き金を引いてみせた。
 今度は、藤二のターン。銃口から放たれるのは、風。
 ヒュンヒュンと、まるで、かまいたちのような風が飛んでくる。
 手加減しているのだろう。スピードは遅い。
 雪穂は、ヒョイヒョイと風を避けながら考えた。
(ん〜〜〜〜……)
 あんな風に、ちゃんと狙ったところに飛んでいけば良いのだけれど。
 多分、何度やっても同じ結果に終わるだろう。
 天井に猛攻を仕掛けても意味がない。
 ならば、どうするべきか。
 雪穂は、手に持つ魂銃を見やって小さく頷く。
 一応、装填は済ませてある。実際に使えるかどうかは理解らない。
「試してみるべきだよね〜。せっかくだし〜」
 そう言って、雪穂は風を避けながら、懐からスペルカードを取り出した。
 いまいち、把握できなかった謎の属性。雪穂が装填した、3つめの属性。
 それは、異質なものだった。名付けるならば "融" とでもしようか。
 魂銃を左手に持ち替え、取り出したスペルカード【聖小刀】を高速詠唱。
 カードがキラキラと輝き、その効果を発動し始めたと同時に。
「えぃっ」
 雪穂は、ペタッと貼り付けた。
 魂銃に、発動途中のスペルカードを。
 すると、どうだ。魂銃が、その形を変えたではないか。
 銃とナイフ、ふたつの性能を兼ね備えた "ガンナイフ" へと。
「大成功だ♪」
 嬉しそうに笑って、身構える雪穂。
 これならば、接近戦の武器としても使える。
 至近距離だったら、もしかすると撃ち当たるかもしれないし。
「へぇ……」
 ニッコリと笑う雪穂に、藤二は感心した。
 なるほど。そういう応用もあるか。
 まぁ、雪穂ならではの応用法だけれど、素晴らしいアイディアだ。

 *

 疑似バトルの結果、勝利したのは……雪穂だった。
 何でって? 簡単なこと。体術では敵わないから。
 もともと、頭脳派な彼は、接近戦が苦手だ。
 何度も懐に飛び込まれてしまえば、成す術はない。
 壁に凭れて、苦笑する藤二。
 あまり得意じゃないんだけどと言いつつも、雪穂は不慣れな治癒魔法をかける。
 負けてしまった。まさか、負けるだなんて思いもしなかった。
 けれど、今は、負けて当然かなぁと思っている。
 そう思わせるもの。それは、雪穂の魔力だ。
 最後まで、雪穂は "融" の属性を発動していた。
 貼り付けられたスペルカードは、銃に取りこまれていた状態だ。
 要するに、彼女は、ずっと魔法を詠唱・発動しながら戦っていたということ。
 ナイフでの攻撃も見事だったけれど、
 それよりも驚くべきなのは、その間ずっと、ナイフが "持続魔具" として在ったこと。
 並の魔力ならば、魔法は溶けてしまい、ただのナイフと化してしまう。
 常軌を逸した魔力。何よりの敗因は、それだった。
 見たところ、雪穂に疲労の気配はない。
 まだまだ、魔力が残っている状態なのだろう。
 凄い子が加入してくれたものだ。
 藤二は満足そうに微笑むと、懐から青い小箱を取り出した。
「はい。プレゼント。勝利のお祝いに」
「え〜? いいの〜?」
「うん。まぁ、勝っても負けてもあげるつもりではいたんだけど」
「ありがと〜。何かな〜? 何かな〜?」
 目をキラキラさせながら蓋を開けてみた雪穂。
 箱の中には、様々な形、種類のドライバーが入っていた。
 藤二の手作りらしい。雪穂の小さな手にフィットするよう、小振りな作りだ。
 雪穂が、魔具精製を趣味にしていることを、藤二は知っていた。
 同じ趣味を持つ仲間として、同じチームの仲間として。
 その証に、と用意したものらしい。
「わ〜! 可愛いね〜! ありがと〜!」
 嬉しそうにニッコリ微笑んだ雪穂。
 藤二は、ゆっくりと立ち上がって雪穂に手を差し伸べた。
「魔具について、色々話そうか。お茶でも飲みながら」
「いいよ〜! あ、でもさ〜 藤二兄って "手が早い" んでしょ〜?」
「ははははっ。誰に聞いたんだ、それ」
「千華姉〜。気をつけるのよ! って言ってたよ〜」
「はははは。大丈夫だよ」
「ほんと〜? んじゃ、お話するよ〜!」
「うん。じゃ、行こう(……あと10歳プラスだったら、それもアリだけどな)」

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 ■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■

 7192 / 白樺・雪穂 / 12歳 / 学生・専門魔術師
 NPC / 藤二 / 25歳 / ハンター(アイベルスケルス所属)

 こんにちは、いらっしゃいませ。
 シナリオ『 魂銃タスラム 』への御参加、ありがとうございます。
 所有アイテム、ふたつ増えてます。ご確認下さい^^
 "融" の属性、良いですね!面白いですねー!(←嬉しそう)
 不束者ですが、是非また宜しくお願い致します。
 参加、ありがとうございました^^
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 櫻井かのと (Kanoto Sakurai)
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