■魂銃タスラム■
藤森イズノ |
【7365】【白樺・秋樹】【マジックアクセサリーデザイナー・歌手】 |
見た目がゴツいから、重いものかと思っていたけれど。
めちゃくちゃ軽い。持ってる感覚がないくらいに軽い。
メンバーの証として受け取った、魂銃タスラム。
まさか、入手できるとは思いもしなかった。
そもそも、組織に加入できたのが、まず凄い。
しかも、来て早々にだし……。
別に、組織に加入することを目的として来たわけじゃないけれど、
この世界の中枢に触れることが出来るのは、色んな意味で美味しい。
そんなことを考えていると、事前とニヤけてしまう。
あぁ、いやいや。笑ってる場合じゃないや。
フルフルと軽く頭を振って、気持ちを切り替える。
目の前には "いつでもどうぞ" と構える仲間。
試し撃ちを兼ねて、擬似バトル。
提案されたから応じてみたけれど……。
どうせなら、勝ちたいなぁ。
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魂銃タスラム
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見た目がゴツいから、重いものかと思っていたけれど。
めちゃくちゃ軽い。持ってる感覚がないくらいに軽い。
メンバーの証として受け取った、魂銃タスラム。
まさか、入手できるとは思いもしなかった。
そもそも、組織に加入できたのが、まず凄い。
しかも、来て早々にだし……。
別に、組織に加入することを目的として来たわけじゃないけれど、
この世界の中枢に触れることが出来るのは、色んな意味で美味しい。
そんなことを考えていると、自然とニヤけて……。
あぁ、いやいや。笑ってる場合じゃないや。
フルフルと軽く頭を振って、気持ちを切り替える。
目の前には "いつでもどうぞ" と構える仲間。
試し撃ちを兼ねて、擬似バトル。
提案されたから応じてみたけれど……。
どうせなら、勝ちたいなぁ。
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「なはは〜♪ 面白そうだね〜。上手に使えるかなぁ〜」
いつものごとく、エンジェルスマイルを浮かべて言った秋樹。
対戦相手は、千華だ。向かいで、微笑みながら装填している。
応じたものの、実際、こういうのはどうなんだろう。
まぁ、試用ってことだし、あまり深く考える必要はないのだろうけど。
銃を受け取った際、一通りの説明も聞いた。魔力の装填方法だとか。
装填物が "魔力" であること以外は、他の一般的な銃と同じ。
狙いを定めて引き金を引けば "ドーン" と出る。
飛び出すのは銃弾ではなく魔法だけど。
「上手に使えるようになるまで、付き合ってあげるわ」
ニコリと笑って言った千華。
秋樹は頷き、教えてもらったとおりに装填を開始した。
(ん〜? そういえば僕、銃って使ったことあったっけなぁ?)
ないですよ。と言ったところで、本人には聞こえないのだけれど。
秋樹は、銃を使ったことがない。というか、持ったこともない。
いま、手にしている魂銃が、初めて持つ "銃" というものだ。
興味がなかったわけではない。
寧ろ、使えるようになれば、色々と便利そうだと思ったから練習しようとした。
けれど、没収されてしまったのだ。妹に、いつも没収された。
その理由は "危ないから"
まぁ、そのとおり。秋樹に銃なんぞ持たせたら、大変なことになってしまう。
射撃の腕、その有無に関わらず "危ない" のだ。
普段からポーッとしている秋樹。
彼に、銃なんて危険なものは持たせてはいけない。
そう判断して没収した妹は、賢い。というか、正解である。
(ま、いっか)
深く考えず、軽く流した秋樹。いやいや……大丈夫だろうか。
だが、そんな不安よりも何よりも、先ず千華は驚いて目を丸くした。
秋樹の手元にある魂銃。そこに、複数の属性が装填されているからだ。
全てを無に帰す "闇" 優しく柔らかな "風" それから―
……はて。あの属性は、何だろう。
キラキラと、白く輝いているように見える。
ひとつだけ、把握できない属性はあるものの。
3つの属性を同時に装填したのは事実。
ありえない装填だ。基本的に、魂銃にはひとつの属性しか装填できない。
千華も、何度か試みてみたことはあるのだ。
でも、無理だった。どう足掻いても、ひとつしか装填できない。
複数の属性を装填できれば、より効率良く狩りが出来るだろうけれど。
千華だけでなく、他の既存メンバーにもできないことだ。
誰もできないことだからこそ、無理なのだとメンバーは判断した。
何だか悔しくはあるものの、無理なものは無理、と言い聞かせた。
それなのに。秋樹は、3つの属性を装填した。
いとも容易く。表情を見るからに、それが凄いことだなんて思っていない。
「……びっくりだわ」
肩を竦めて千華が笑った。
装填を終えた秋樹は、キョトンとした顔で首を傾げる。
「ん? 何がですか〜?」
「ううん。何でもないわ。さぁ、始めましょうか」
どうしてなのか、どういうことなのか。
理解らないけれど、事実は事実。
出来ないはずのことを、あっさりとやってのけた。
それだけで、十分。試し甲斐があるというもの。
頷く千華の表情は、やけに嬉しそうに見えた。
秋樹は "おとぼけ" である。
いや、これがまた、絶妙なのだ。
無関係だなんて、とんでもない。その証拠に、ほら。
「ありゃ〜?」
「……あらら」
闇をイメージして引き金を引いたところ、辺りが真っ暗になってしまった。
本当に真っ暗だ。何も見えない。一気に放出しすぎると、こうなってしまう。
微妙なサジ加減が重要になってくるのだ。それゆえに、魂銃の扱いは難しい。
まぁ、一瞬にして、ここまで真っ暗にしてしまうだなんて、まず出来ないのだけれど。
それだけ、一度に大量の魔力を放出できる体質だということ。
勿論、本人はそんなこと知る由もない。
このままでは疑似バトルもクソもないからと、千華は魂銃を構えた。
千華が装填する属性は "光" だ。闇とは対を成す属性。
また、闇の弱点属性でもある。
だが、千華が何度発砲しても闇は晴れない。
(いったい、どれだけの魔力を放出したの……?)
闇の中、苦笑を浮かべた千華。
そこで、どこからか秋樹の声が。
「すみません〜。ちょっと、動かないでジッとしてて下さい〜」
「え、何―」
キョロキョロしながら千華が言った時だった。
ドッ― パァンッ―
闇が真っ二つに裂け、辺りに明かりが戻った。
いったい、何をしたのか。見やれば、秋樹の魂銃の銃口が "歌って" いた。
いや、歌っているかのように見えたというのが正しいか。
いまいち把握できずにいた属性。秋樹が装填した、3つ目の属性。
それは、いうなれば "音" という名の属性だった。
闇の中、秋樹は音をイメージして発砲し、その波動で闇を裂いたのだ。
「なはは〜良かった♪ けが人なしですね〜」
ニッコリ笑って言った秋樹。
相殺したのか。あれだけの分厚い闇を。
疑似バトルを再開したものの、既に千華には勝機がなかった。
*
そりゃあ、そうだ。敵うはずがない。
あれだけの闇を、音で払ってしまったのだから。
にも関わらず、まるっきり疲労していなかったのだから。
あの後も、休みなく秋樹は攻撃を続けた。
風に音を乗せて。闇に音を乗せて。魂銃は、歌い続けた。
いったい、どれだけの魔力を持ち得ているのか。底が見えない。
「すみません〜。大丈夫ですか〜」
トテトテと歩み寄って、目の前にちょこんとしゃがんだ秋樹。
その、あどけない表情。妙に脱力してしまう。
理解っていないのだろう。自分が、いかに凄いか。
常軌を逸した魔力を、その身に宿していることも。
自覚のない天才。逸材。
スカウトしたのは自分。そう思うと、何だか誇らしい。
千華は嬉しそうに微笑み、素直に負けを認めた。
そして、胸元から銀色の指輪を取り出すと、
それを秋樹の右手中指にはめて、言った。
「勝利のお祝いに」
「お〜。いいんですか〜?」
「えぇ。大したことないものだけど」
少し照れくさそうに笑った千華。
見やれば、リングに、どこかで見たことのある模様が刻まれていた。
この模様……どこかで。首を傾げて数秒後、秋樹は、すぐに思い出す。
いま、目の前にあるじゃないか。千華の右腕に、刻まれているではないか。
そのタトゥーと、まったく同じ模様。
プレゼントしたチャームリングは、千華が自らデザインしたものだった。
本職としている人から見れば、それこそガラクタ同然に見えてしまうかもしれない。
そう思うからこそ、千華は照れくさそうに笑う。
秋樹は、リングをジーッと見つめて呟いた。
「これ、良いですね〜。カッコイイですよ〜」
「そ、そう……?」
「もちろん♪ ありがとうございます〜」
「どういたしまして」
勝っても負けても、どちらにせよプレゼントするつもりでいたの。
ほんの少しでも、あなたを護る役目を成しますように。
微々たる程度だろうけれど。寧ろ、必要ないかもしれないけれど。
声を掛けた、ここに連れてきた、私にはその責任があるから。
それと、もうひとつ。
仲間として、これからもよろしくね。そんな想いをこめて。
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■■■■■ CAST ■■■■■■■■■■■■■
7365 / 白樺・秋樹 / 18歳 / マジックアクセサリーデザイナー・歌手
NPC / 千華 / 24歳 / ハンター(アイベルスケルス所属)
こんにちは、いらっしゃいませ。
シナリオ『 魂銃タスラム 』への御参加、ありがとうございます。
所有アイテム、ふたつ増えてます。ご確認下さい^^
不束者ですが、是非また宜しくお願い致します。
参加、ありがとうございました^^
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櫻井かのと (Kanoto Sakurai)
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