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■エレベーター奇譚■

早真さとる
【0170】【大曽根・千春】【メイドな高校生】
「真衣、いっしょーのお願いっ」
 幸田加奈子(こうだ・かなこ)の一生のお願いはこれで6回目になるのだが。
 前回は貸店舗に幽霊が出る、という事だった。
「今回はなに?」
 渋谷真衣は小学校からの幼なじみを見つめる。
「とあるマンションがあるんだけど、そこのエレベーターに幽霊が出るらしいの」
 聞くと、やはり前回同様、後一件部屋を売ることが出来れば、臨時ボーナスが出る、と言う。
 そしてそのマンションは、以前子供達が屋上でふざけていて、一人が転落死してしまった、という場所で。
 エレベーターにはその落ちた子供の幽霊が出るのだと言う。
 そして人が幽霊とは知らずにその子に誘われるままついていくと、いつしか屋上の縁に立っているらしい。今のところ怪我や事故の被害はないが、一歩間違えれば第二の転落死が起こるとも限らない。
 しかし警察に言っても幽霊の事までは管轄外。対処してくれない。
 屋上に越えられない柵や鍵を取り付けても、いつの間にか開錠され、柵も越えられ、屋上の縁に立っているのだと言う。
 子供が出る時間は不定期で、いつもいるわけではないらしいが、ずーっといるときもある。
 マンションの住人は、当然怖がってエレベーターを使用しない。生活に不自由さを感じ、何とかして欲しいと苦情が相次いでいる。
「またお礼するから! お願いっ!」
 お礼、の言葉に、真衣は大きく頷いた。

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なんでも屋本舗久しぶりの調査依頼です。どうぞよろしくです♪

募集参加人数:1名様〜
カラーコミック
P数/参加者により変動