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■孤児院院長、たまには頑張る。■ |
夜狐 |
【3434】【松浪・心語】【異界職】 |
「シゥセ?」
――その時、見た目は10かそこらの少年にしか見えない、常は冷静沈着なハーフエルフの背後に、彼を育てた義理の母兼パートナーの孤児院院長は鬼を見た。どす黒い殺気が立ち上っていて、歴戦の傭兵である彼女ですら不用意に反論は出来ない状態だったと言う。
「僕の見間違いでなければ、この貯金箱の中身は、先週の半分になってるよね?」
「…み、みまちがいではありませんか?」
思わず丁寧語で返してしまった孤児院院長・レシィに、にっこり。少年・ヨルは笑顔を返した。ただし見る者の心臓を冷やすような、何とも恐ろしい笑顔だったが。
「見間違いかぁ。そうだったらいいよね? でもねシゥセ、間違いなく、イングリッドの学費が足りない計算になっちゃうのはどうしてだろうね? 先週までは確かに足りてたはずなのにねぇ?」
「け、けいさんまちがいではないでしょうか」
ヨルはやっぱりにこにこと笑顔だった。笑顔だったが、彼は「そうかー、計算間違いかー」と言った後、
「ところで母さん、僕、しばらく家事やめようと思うんだ。ご飯は自分で作ってね?」
「私が悪かった」
――壊滅的な家事センスを持つレシィは、一瞬で土下座の体制に移行した。
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そう言う訳で、レシィは孤児院から一時的に追い出される羽目になったのだ。
「せめてイングの月謝分一か月分くらいは稼いで来ること! それまで帰ってくるな!」
何しろ彼女の愛してやまない可愛いハニーから厳しくそうお達しが出てしまったのである。それに彼女自身も、一応は反省しないこともない。これでも子供達のことは大好きなのだ。
「母さん、無理しなくってもいいわよ。父さんには私からも伝えるし…」
そんな彼女を町のはずれに見送りに出てきた少女、イングリッドは酷く申し訳なさそうだ。その後ろには、他にも孤児院の女の子達が揃っている。
「…私やジェーンのドレスを買うために、あのお金、使っちゃったんでしょ…?」
「いや、ま、そうなんだけどさ。…うーん、今回ばかりはハニーの言い分が正しいからなぁ」
娘達の、目先の楽しみのために、うっかり学費を使いこんでしまったのだから、それは叱られて当然だろう、と、珍しく反省しながらレシィはそう思う。いくら孤児院の子供が皆、町の子供達のお下がりばかり着ていて、たまのお祭りくらい新しい洋服で着飾らせてやりたいと思ったのだとしても、やっぱり貯金に手を出すべきではなかった。
「…私やイング姉が、祭りのダンスで恥ずかしい想いをしないようにって、母さん気遣ってくれたんでしょ。父さんはそういうところ、ちょっと鈍感だもん」
「鈍感か! いや全く、どうして私が育てたのに、ああもカタブツになったんだかなぁ、ハニーときたら」
少し棘のあるもう一人の孤児院の娘の評にけたけたと下品な笑い声を上げた後、レシィはさてと、と呟いて町の向う側を見やる。にんまりと笑う表情はまるで悪党のよう。
「ガキどもは帰りなさい、ハニーが心配するだろうし」
「…母さんはどうするの?」
心配そうな娘達に、母はしたたかなウィンクを飛ばして見せる。
「私はこれでも元魔女、元傭兵だぞ? 心配しなくったって、お金を稼ぐ方法なんて沢山あるんだからな! 例えばそう、悪魔退治とか、モンスター退治とか」
「ホントに大丈夫、それ?」
「大丈夫だいじょーぶ! 帰ったらいっぱい武勇伝聞かせてやるから、待ってろよ!」
さて、目指すは近場の大きな街。酒場に行けば、儲け話のひとつもあるだろう。
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◆元魔女なりの、さえたやり方
――ほら、あそこで飲んだくれてる灰色の女がいるだろう、アレは「元」魔女だそうだ。元とはいえ多少は魔法の心得もあるだろうし、仕事を探しているとも言っていたから、声をかければついてくるんじゃないか?
そんなおざなりな紹介だけで、心語は今、「元」魔女の女と共に聖王都郊外の廃墟へと向かっている。
そもそもはいい加減な情報しか無い依頼であった。聖王都の周りは人の流れが多く、その為よからぬ輩は珍しくない。至急、と注意書きされた依頼書には、とにかく急いで盗賊団を排除して欲しい、と街の有力商人数名の連名と共に記されていた。何でもそれなりに規模がある上に性質の悪い盗賊連中らしく、物流を担う商人達はほとほと困り果てていたらしい。それで急いで酒場に依頼を出したらしいのだが。
「ありゃ、お前さんが引き受けたのか、その依頼」
よりにもよって心語が依頼を請けた、その直後に追加の情報が入ったのである。
――敵の一味に魔法の心得のあるものが紛れている。同じく魔法の心得のある者が望ましい。
今更だよなぁ、と、酒場の主は苦笑いして、そして酒場の隅を指差して――冒頭の台詞を告げた訳である。
*
かくして現在に至る。
廃墟が覗く街道沿いの森の一角、薄暗い場所で、ふと「元魔女」の女――レシィが口を開いた。
「今更だけどさぁ、心語ちゃん」
「…ん…何だ?」
――なお、道中何度か「女性ではないし、こう見えても子供でもないので、『ちゃん』は如何なものか」と問うてみたりもしたが、この元魔女、どうも人の話を聞いていないらしかった。今もまた、緊張感の欠片も無い調子で心語の服の裾を引いて首を傾げている。長身の癖に、妙に挙動や言動に頑是ない子供のような所作の混じる女性だった。
「いや、ホントに報酬、私の取り分が7でいいのか、と思ってさ」
「…要らない、のか?」
対して、長身のレシィの横に居ると余計にその小柄さが目立つ心語はと言えば、少女のような見目とは裏腹に太い声でそう問い返した。背に負うた剣の威圧感も加え、いかにも経験を積んだ戦士らしく、その所作には隙が無い。
そんな彼を見下ろして、レシィはむぅ、と口を尖らせた。
「そりゃ欲しいけど」
「それなら…問題ない、と思う、が…?」
利害の一致、という奴だ。が、レシィは灰色の髪の毛をくるくると指先で巻きながら言い募った。
「んー。でもさー…心語ちゃんが囮で派手に暴れて、その隙に私が魔術師を襲ってドカン、だろ?」
彼女が口にしたのは――擬音が多くて酷く大雑把ではあったが――道中二人で簡単に組み立てた対盗賊戦用の作戦である。相手の数が多いことは事前に依頼主や街を出入りする商人からの証言で判明していたし、いかに戦い慣れしているとはいえどもこちらは手数が圧倒的に少ない。自然と取れる作戦も限られる。
――ああ、成程、私は裏口から入って魔術師をズドーンってすればいいのね。おーけーおーけー。
作戦の提案をした際、それはそれは軽い調子で彼女がそう請け負ってくれた、という部分も、多分には含まれている。
「今更だけど、心語ちゃんのが負担大きくない? 大丈夫?」
「…頼んだのは、こちら、だからな…気にすることは、無い…」
「でもなぁ。心語ちゃん、ウチのハニーにちょっと似てるし。"お母さん"はあなたに無理させたくないの」
笑いながらのふざけた物言いではあるが、遠回しに心配はしてくれているのだろう。ここは冗談で返すべきであろうか、と生真面目に心語は少し考えたのだが、気の利いた言い回しも思いつかなかったし、それに、
「…無理かどうかは…実際の働きで…見た方がいい、だろう?」
彼女の問いかけは本当に「今更」なのだ。彼らの眼前には、盗賊たちが根城にしている廃墟が間近に迫っていた。無造作に会話をしながら歩いているようにも見えたかもしれないが、二人は見張りの視線も、配置された探知用の罠や魔術も、全てかわしてここまで接近していたのであった。
懐から乱暴に書かれた見取り図を取り出し、レシィが舌なめずりをする。
「ん、裏口はあっちか。楽しい相手だといいなァ」
「…情報を聞く、限り、では…名のある魔術師、と聞く…。…武運、を」
軽く目礼すると、元魔女は音を立てて投げキスを返してきた。そのまま、散歩でもするような軽やかな足取りで廃墟の影へと姿を消してしまう。薄闇に、灰色の姿はすぐに溶けた。
それをしばし見送っていたものの、心語はすぐに、鋭い視線を森の葉影の作る薄闇に投げる。
鋭敏な感覚故か、それとも戦い慣れた者の経験故なのか。――奇襲を狙ったものらしい茂みからの弓矢の攻撃に、心語は視線さえ向けずに一挙動で叩き落とし、そのまま跳ねた。大ぶりの枝のひとつに足をつき、そのまま反動で茂みへ突っ込む。数名が逃げ去る気配を追って、心語は身を低く駆けだした。小柄な体躯はこうした障害物の多い場所ではむしろ有利に働く。とはいえ。
(…役割分担を、考えれば…)
身を隠し、奇襲を繰り返すのは戦術としては正しい。だが、今砦に忍んで行ったレシィの負担を減らすのならば、もう少し派手に立ち回った方がいいかもしれない。息をついて、心語は背に負っている大剣を構えた。――森の中で振り回すにはあまり向いているとは言い難いサイズの得物ではあるが、小柄な心語の身長ほどもある大剣は、その対比ゆえに否応なく目を引く。
「侵入者だ!」
「ちっ、商人どもの雇った犬か…!」
今頃になってざわめき始めた周囲の気配に耳を澄まし、神経を研ぎ澄まし。
「……行くぞ」
低く、唸る。大剣をぶん、と一度振るうだけで、空気が揺れた。
事前の情報で聞いてはいたものの、結構な規模の盗賊団であった。木々の切れ間に姿を晒し、茂みから撃たれる弓矢を叩き落としながら半ば心語は呆れてそう、思う。
「このガキ、ちょこまかと!」
苛立たしげに叫び、迫ってきたナイフを持った大男は足元を狙った一撃でバランスを崩し、腹に重たい一撃を入れる。そのまま倒れた身体を盾にし、追撃を仕掛けてきた二人目が怯んだところにまた重剣を撃ちこむ。現状、剣は鞘からは抜いていない。極力生きて捕えてしまおうという魂胆がひとつ、もう一つには、あえて相手を「舐めている」と思わせて、攻撃の手を誘う為だ。案の定、一部が激高した様子で無謀な攻撃を仕掛けてくる。――やり易い相手だ、と、心語はしみじみそんなことを思いながら、後先を考えていない突撃をいなしてかわし、振り向きざまに蹴りをくれてやる。
見目通りウェイトの軽い心語の一撃は、しかし見目に反して重い。吹っ飛んだ男は茂みに突っ込み、慌てて数名の伏兵が逃げ出してくる。飛び出してきてしまった狙撃者に優位があろうはずもなく、地面を蹴って一息に近付いた心語の一刀のもとに三人の弓兵は倒れ伏した。ちょうど背後を大きな樹の幹に預ける格好になったので心語はあえてゆっくり振り返る。
「…さて、…まだ、やるか?」
実力差は充分に思い知った頃だろう、と、剣の切っ先を向けて見据えると、睨まれた数名が息を飲み、互いに目配せをしあった。あと一押しか、と、心語は息をつき、重心を落とす。いつでも切りかかれると、構えでそう意思表示をして、
「……逃げる者に…追撃は、しない」
ついでに、これに懲りたら盗賊なんて真似をやめてくれると非常に助かる。とは思ったが逐一言葉にはしない。
相手が深い呼吸を零すような気配があって、殺意が薄れる。この分なら素直に引いてくれるだろうか、と、心語が思った矢先である。
彼らが拠点としていた砦の方から、不意打ちに近いタイミングで殺気を感じて、反射だけで彼は大樹の傍を飛んで離れた。途端、目の眩むような強烈な光と轟音。咄嗟に眼を閉じることが出来たのは幸運だっただろう。
「ま、まだだ! 俺達の中には魔術が扱える奴だって居るんだからな…こんなガキ一人!」
(砦の、魔術師…か…ッ)
咄嗟に思い浮かんだのは軽い足取りで砦に向かったあの「元」魔女のことで、
(しくじった…か…?)
等とも思ったのだが。
――次いで砦から聞こえてきたのは、轟音であった。今度は心語をめがけたものではない。砦の一角で、爆発が起きたのだ。
その場の全員が展開を読めずに唖然とする中、壁に空いた大穴から、一人の女が姿を見せた。
「あ、おーい、しんごちゃーん!」
その声ときたら能天気、極まりない。緊張感の欠片も無くぶんぶんと手を振りながら、その女は大声で、
「ごめんごめん、一人仕損じてたみたいでさ、そっちに一発流れ弾が飛んじゃった! だいじょーぶー?」
正直危ない所ではあったのだが、良くも悪くも心語はそういった危機感を顔に出す方ではない。無事を伝える為にただ手を振ると、遠目にもほっとした様子で彼女が笑ったのが分かった。
「あー良かった良かった。とりあえずこっちの魔術師どもは片づけたから!」
「か、片づけた…?」
呆然自失、という状態のまま、盗賊たちはいよいよ目配せし合う。その頃には心語は既に立ち上がり、体勢を立て直していた。
「…頼みの綱が…切れた、ようだな?」
「くっ」
一部の盗賊どもは不利を察して既に逃げ去ってしまったようだが、その場に居た数名は射竦められた様に動けなくなっていた。心語の視線と気配には、彼らを委縮させるだけのものが備わっていたのである。
ひとまず残っていた残党どもと魔術師を縛り上げる頃には、時刻は昼を回っていた。奇襲を仕掛けたのは早朝なので、それなりに時間が経過したと言える。
「仕事したらお腹すいたなぁ」
呑気にそんなことを言って、レシィが灰色の猫耳をぴくぴくと動かした。
「…こいつらの…食糧くらいは、あると思う…が」
心語の提案に、うーん、とレシィは腕組みをして考え込むように間を置いてから、首を横に振った。
「まぁいいや、私は我慢しておく。心語ちゃんは平気?」
「? 特に…怪我もしていない…大した消耗もしていない。平気、だ」
「タフだねー」
からからと陽気に笑う彼女の背後には、激しい魔術の戦闘を物語るような、派手な痕跡が残っていた。壁の穴、炎でも使われたのか焦げたような跡は熱を帯びていて、近付くと肌を火照らせる。その痕跡に目をやっていると、彼女はひとつ、肩を竦めた。
「ってか、こいつら程度なら心語ちゃんでも相手出来たんじゃない? 大した魔術師じゃなかったから」
「そういう…もの、だろうか…」
「うん。魔術師なんて、魔術使う前にぶん殴っちゃえばいいだけだし」
あっさりと言われても、心語としては答えに困る。魔術になじみが無いと、そもそも魔術というもの自体の「癖」のようなものが読めない。相手が戦士なら攻撃のタイミングも読めるし、間合いも読めるが、魔術にはそういった常識が通用しないのだ。
「……だが、使われれば…厄介だ、ろう…? 実際…」
「あーうん、まぁ、そうなのかな。でも、ウチのハニー…ああ、現役で『魔女』やってる私の息子ね。そいつは『戦士の方が怖い』って口癖みたいに言うぞ。『懐に入られたら何も出来ない』って」
その言葉に最初に心語が思い浮かべたのは、レシィが実際どうだったのか、という点だった。彼女もかつては「魔女」だったはずだが。だがその点に触れるのは躊躇われ、結局、頷きだけで返すことにする。そもそも、彼女が何故「今は魔女ではない」のかも、仕事の助っ人を頼んだだけの立場の心語は知らないのだ。
「さって、それじゃ、街に戻って依頼主に報告、の前にー」
心語の心中を知る由もない呑気な女は、一度伸びをしてから、矢張り軽い足取りで砦を奥へと歩き出す。どこへ、という怪訝な感情が顔に出たのだろう、彼女は心語を一瞥するとニヤリ、と笑った。
「戦利品をちょっと漁ろうかと」
「…それは、元は…商人団の…商品、だろう…」
元の持ち主に返すべきでは、とさすがに呆れて言えば、レシィはいいからいいから、と手をひらひらと振って見せた。あてがあるのか、迷う様子も無く彼女は砦の廊下を歩いていく。仕方なしに、心語はその後に続いた。
彼女は廊下に並ぶ扉の一つの前で足を止めると、無造作に扉を開く。
そこはどうやら、倉庫のようだった。無造作にいくつかの袋が床に投げられ、扉の棚には煙草や茶葉などの嗜好品が詰められている箱が並んでいる。商人たちがどこかから仕入れて、貴族など、上流階級の人間に売りさばくための商品であろうとすぐに知れた。
レシィはそんな中に遠慮なくずかずかと入り、袋のひとつを手に取ると、また笑う。
「心語ちゃん、やっぱ報酬、心語ちゃんが5でいいよ。貰っておきなよ」
「…? その話は…戦闘の、前に」
終わらせたはずだが、と続けようとしたのだが、彼女が袋から取り出したものを見て、心語はその言葉を続けられなくなった。レシィが引っ張り出したのは、
「………。ぬいぐるみ…?」
熊を模した、ぬいぐるみだ。
盗賊たちがアジトにしていた砦跡には、全く以てそぐわないファンシーな代物であった。何でそんなものが、と眉根を寄せる心語に、レシィはにこにこと笑顔で応じる。
「商人連中が西方から取り寄せた、職人お手製のぬいぐるみだよ。今流行っててさ、結構いい値段するんだよな」
「ああ…なるほど、高級品…なのか」
「前にウチの娘がさ、これ、欲しがってたんだよ」
「……。なるほど」
やっと得心が行って、心語は苦笑を零した。
「仕事の報酬にこれ1個くらいオネダリしても、依頼人は厭な顔しないと思うんだよね」
「……その代わりに…自分の分の報酬は、減らす、と」
「うん。…ぶっちゃけ、必要経費分は前金で実は貰ってるしね。もう少し貯金に回せるくらいのお金があれば良かったんだけど…これ持って帰れば、ハニーも納得してくれると思うし」
言いながら、彼女はぎゅう、とぬいぐるみを抱き締めて破顔した。
「いやー、さすが職人謹製、肌触りいいなぁ。いい布使ってんだろうなぁ」
「……」
「心語ちゃんも、触る?」
「え、あ、いや…」
「いいからいいから。ほらすげー肌触りいいの」
――結局、心語は押し付けられたぬいぐるみを抱えた格好で、聖王都まで帰ることになる。
後日。
収入を手にした心語が街を歩いていると、ふと雑貨屋の棚に目が留まった。そこにあったのは見覚えのある――だがデザインの違う、熊のぬいぐるみだ。値札には思ったよりも安い値段がつけられていた。
「ああ、そうだ、心語ちゃん。対魔術師戦の戦い方。教わりたいならウチのハニーと私で教えるけど、どーする?」
数日前、仕事を共にした元魔女の言葉が、ふと脳裏によみがえる。彼女はにっこり笑ってちゃっかりと、「お金は貰うけどね!」と宣言していたが。
(…手土産を持って行けば、安くなる…かも…しれない、が)
ふ、と、息を落として、少し思案する。
――さて、行くべきか、行かざるべきか。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【3434/松浪・心語 (まつなみ・しんご】
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納品が遅延してしまい申し訳ありませんでした。
楽しんでいただければ、幸いです。
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