前哨戦■縁結びR(リターンズ)
これ以上はないくらいの、秋晴れであった。
色づきかけた広葉樹に、青空が映える。テラスポ内、フィールドアスレチックコースにはさわやかな風が吹き渡っている。
休憩所の芝生の上でお弁当を広げ、愛するものと語り合いながら楽しいひとときを過ごすには最適な日だ。
これぞ、まさしくデート日和。あの招待券は、もしかしたら縁結びの女神、弁天さまのご手配かも知れない。
(弁天さま、ありがとうございます。もしも今日まるっと一日、月弥と、世界は2人のためにあるんだ的甘々激ラブスイ〜トデートタイムを過ごすことができたなら、初詣のお賽銭は給料3ヶ月分を奉納させていただきます!)
真正面に座っている石神月弥を見つめつつ、御風音ツムギは心の中で手を合わせ、ガッツポーズを取る。
全異世界を網羅する謎の旅行代理店、オリジナルツアー・マジックキングダム・カンパニー(略称OMC)から、寺根スポーツワールド、通称「テラスポ」の招待券がペアで送りつけられてきたのは、つい先日のことだった。寺根町とOMCがタッグを組んだ旅行企画やイベント施設は、今までの参加経験からいってトンデモ方面に暴走する傾向があるので、ツムギは少々悩んではみたのである。
しかし、当の月弥が、
「面白そう。行ってみたいな。……駄目?」
なーんつって可愛らしい顔で見つめたものだから、これは行かずにおらりょうか。
結果、出向いてみたのは大正解だった。
フィールドの『冒険コース』に月弥とともに挑戦し、童心に返りつつも密着して(ここ重要)、ふたりでロープにつかまって飛んだり、揺れる吊り橋を支え合いながら進んだりなどを楽しんだ。
お昼時の今、シートの上に所狭しと並べられているのは、しゃきっとしたエリンギを使った炊き込みご飯、かじきの胡麻しそ焼き、蓮根とさつまいものきんぴら、和風チキンロール、南瓜と鶏団子の煮物、海老とひよこ豆のほっこり春巻き、挽肉入り厚焼き卵etc.である。皆、ツムギの手作りだ。
「美味しそうだね。運動したからお腹すいちゃった」
月弥はにっこりと笑う。シンプルな白いシャツに紺のジーンズといういでたちが、本日の外見年齢14歳という、ちょっとこう、どう接していいのか微妙なギリギリゾーンを引き立てて、ツムギさんてば落ち着かないことこのうえない。
「ああ、美味しそうだね。運動したからお腹が空いたね」
「食べていい?」
「ああ、食べていいよ」
「うわ、迷うな。どれから食べようかな」
「ああ、そうだね、迷うね。どれから食べようかな」
……ツムギさん、なんか会話がおうむ返しになってるけど生きてるか? 魂があさっての方向にバンジージャンプしてるぞ、と、知り合いがみたら目の前で手をひらひらしたくなるような骨抜きっぷりである。
ふたりを祝福するように、カナリアが美しい声で鳴いている。それともあれは小夜啼鳥(ナイチンゲール)だろうか。
いや、自然たっぷりなフィールドにカナリアが飛んでるわけないし、ヨーロッパとアフリカを行き来する忙しい渡り鳥のナイチンゲールが、寺根町を無駄にうろついてる可能性も少ないんで、つまりはツムギさんの脳内鳥。
なんかもう、絶好調?
んが、少なからず事情を知っている者であれば、日本縦断お花見・食い倒れバスツアーでの、ロマンティックを求めて夜桜見物に行ったはずなのにはたと気づくと『つくも神一家の家族旅行 〜屋台を制覇するのは誰だ!? 今、戦いの鐘が鳴る〜』になっちゃってて、しかも狙った桜の下は各種妖怪さんや幽霊さんたちが大宴会中だったためホラーな皆さんと親睦を深めたりなんかして激甘ラブラブどころか超健全(?)な結末と相成ったことを思い起こし、そっと涙するに違いない。
そう――
いかにツムギさんが舞い上がろうと、外野からすれば、仲良し親子の秋の行楽にしか見えないのもまた事実なのだ。
(ふっ。まだまだロマンチックには程遠いわね)
はらはらと黄金色の葉を散らすイチョウの幹に身を隠し、謎めいた女がつぶやく。
(いいこと、ツムギ? いくら仲良しさんでも、ものわかりのいい保護者のままではふたりの距離は縮まらないのよ)
黒いコートにサングラス。まっすぐな黒髪をなびかせながら、女は腕組みをした。
桜色のくちびるに、笑みが浮かぶ。
(まあいいわ。わたしが乗り出した以上は、あなたたちを急接近させてあげる。今まで以上に、ね)
++ ++ ++
そんなわけで、フィールドアスレチックコースに、ほのぼのなんだか不穏なんだかわからない雰囲気が漂う少し前に、ちょいと時間は戻る。
さて、こちらは10月上旬の井の頭公園である。
10月つったら、くどいようだが神無月。毎年毎年毎年毎年、弁天が何かと理由をつけては、八百万の神々が集う出雲の会議への出席をサボり続けてきた、神無月である。
「会議なぞ時間の無駄じゃ。そんな暇があったら、現場に出て悩める人々に縁結びのひとつも施すのが神々のつとめであろう」
とか言いながら、今日も弁財天宮1階カウンターで、弁天は、石見銀山の第19代代官井戸平左衛門にちなんで考案された「芋まんじゅう」をもぐもぐ食べていた。女神さまがお散らかしになったセロファン袋を拾い上げながら、蛇之助は心底情けなさそうに肩を落とす。
「わざわざネット通販で出雲名物のお菓子を取り寄せるくらいなら、直接お出かけになればいいじゃありませんか。出雲大社こそ、霊験あらたかな縁結びの本場ですよ。大国主大神さまの正后、須勢理姫(すせりひめ)さまは、大変な実力派の縁結びのエキスパートでいらっしゃると聞いております」
さすがはスサノオさまの御娘であられる須勢理姫さま、女神さまとしての格が違いますよね、と感心しきりの蛇之助を、弁天はじろりと睨む。
「……聞き捨てならぬのう。弁財天の眷属が、他所の女神をかくも崇拝するのかえ?」
「そんなつもりではありませんが……。須勢理姫さまのようなかたにでしたら、さぞお仕えしがいがあろうとは思います」
昨今の弁天の業務放棄ぶりに手を焼いていた蛇之助は、あえてきつい調子で言った。
従順な眷属の、珍しくも辛口の進言に弁天は顔色を変える。
「ぬわぁんじゃとう〜〜〜! デュークっ! デュークをこれへ!」
「どうなさいました、弁天どの」
弁天の絶叫を聞き、『への27番』から、デューク・アイゼンが駆けつけてきた。
「蛇之助が……蛇之助がわらわに反抗するのじゃあ〜〜〜〜。もとをただせば蛇之助は、地域開発のあおりをくらって消失しかけていた神社の蛇神。その命を惜しみ、我が眷属としたというに。わらわを捨てて、もっと格式高い女神のところに転職するつもりなのじゃあ〜〜〜」
子どもが駄々をこねるようにカウンターをどんどん叩く弁天を見て、デュークは声を落とす。
「……そうなのですか、蛇之助どの?」
「いやぁ、そこまでは言ってないんですけどね。たまにはお灸を据えませんと、弁天さまのためにならないので」
「なるほど」
少し考えてから、デュークは胸ポケットに手を伸ばした。カウンターに招待券を3枚乗せる。
「……これはなんじゃ?」
「この秋、寺根町に巨大スポーツレクリエーション施設がオープンしたのはご存じでしょうか? 寺根スポーツワールド、通称『テラスポ』というのですが」
「そういえばおぬし、ライター『D』として、アトラスの仕事で取材してきたそうじゃの」
「はい。その折りにいただいた招待券です。宜しければ、蛇之助どのとご一緒に行ってみられては? ご案内がてら私もお供いたしますので」
「……? 何ゆえに?」
「先ほど、不忍池弁天どのからメールをいただきました。須勢理姫どのが出雲を離れ、寺根町に向かわれたようだと。――縁結びの依頼をまっとうするために」
「須勢理姫が自ら出向いた……? 神在月の会議の席から離れてまでテコ入れせねばならぬとは、よほど難しいカップルなのじゃな。どこの誰じゃ?」
「それは」
デュークは律儀に携帯を取りだし、メール受信画面を見せた。
「ツムギどのと月弥どのです。ただ、ツムギどのが須勢理姫どのに正式な依頼をなさったというわけではなさそうで……」
決戦■仲良きことはうつくしきかな
そして、弁天・蛇之助・デュークの3名は、一路寺根町へと移動した。
テラスポの正面ゲートを凄まじい勢いで突っ切ってフィールドに到着するやいなや、イチョウの幹の影で問題のカップルの様子を伺っている黒ずくめの女――須勢理姫を見つけたのである
「くぉら! すっちー! ツムギはわらわの大事なクライアントじゃ。ツムギから縁結び依頼を受けているのはわらわのはず。横からしゃしゃりでて、何をしようというのじゃ」
「……須勢理姫さま。お噂はかねがね。お会いできて光栄です。あの、いろいろご教授いただきたいので、あとでお時間をいただければ嬉しいです」
「出雲大社の女神御自らのお仕事中、ご無礼をお許し下さい。御風音ツムギどのと石神月弥どのは井の頭弁財天どのの知己でして、ツムギどのからは折りに触れ、ご相談を受けているのです。差し支えなければ、貴女様がこの場にいらっしゃる理由をお聞かせいただけますか?」
クライアントの横取りをなじる弁天と、尊敬と憧れの目で見つめる蛇之助と、礼儀正しく事の次第をただすデュークを面白そうに見て、須勢理姫は肩をすくめる。
「ちょっとね、会議に飽きちゃったの。現場に出て仕事してないと充実感がないのよ。それも、難しいケースをきちんとまとめないとね」
「素晴らしいです。聞きましたか弁天さま!」
「ふふ。ありがとう、かわいい眷属さん――そう、ツムギと月弥の縁結びを井の頭弁天にまかせておいたら埒があかないって、東京から来た神々が雑談してたのね。だから、じゃあそれを手伝ってあげようかなって思ったの」
「余計なことをするなぁ〜〜。おぬしはさっさと出雲に戻れ!」
むかっ腹を立てた弁天が、須勢理姫のコートの襟を掴む。
「言葉を謹んで下さい。失礼にもほどがありますよ。せっかくいらしてくださった須勢理姫さまに何て事を」
「おぬしこそ控えておれい。何でそう、すっちーの肩を持つのじゃ! ええい離せ!」
なおも言いつのって狼藉を働こうとするのを、蛇之助が羽交い締めにする。弁天はじたばたもがいた。
「離せというに! いったいおぬしは誰の眷属じゃ!」
「お仕えする女神さまが、仕事熱心でいてほしいと思っているだけですよ」
「そんなに須勢理姫が良いなら、そっちに行けばよかろう」
「――それ、本気で仰ってますか?」
蛇之助が顔色を変え、すっと力を抜いた。解放された弁天は、乱れた髪を直しながら憮然とする。
「本気じゃとも。わらわを見限った眷属が、弁財天宮にいる必要はないゆえ」
「そうですか。わかりました」
売り言葉に買い言葉。片膝を折り、蛇之助は頭を下げる。
「では、そうさせていただきます。長い間、お世話になりました」
「うむ、達者でな。すっちーにべったりしすぎて大国主の不興を買わぬよう、せいぜい気をつけるがよいぞ」
「お待ち下さい、弁天どの。それは言い過ぎというものです」
冷静に成り行きを見守っていたデュークが、とうとう割って入る。
「失言はお取り消しを。蛇之助どのも、少し落ち着きなさい。あなたらしくもない」
「……ですが、公爵さま。これは弁天さまに非が」
「じゃがのう、デューク。蛇之助があまりにも不遜で」
板挟みになって思わず天を仰ぐデュークに、須勢理姫はくすくす笑う。
「あなたも大変ね。異世界のかた」
「おふたりを仲違いさせるために、こちらの招待券をお渡ししたわけではないのですが」
++ ++ ++
「あ、弁天さまだー! 蛇之助さんとデュークさんもいる。こんにちはー!」
「これは皆さん、お揃いで――あの、そちらの方は?」
大揉めに揉めていたせいで、女神たちと眷属と闇のドラゴンがイチョウの幹に隠れていたことがバレてしまった。というか、大声でやりとりしていたせいで、むしろ人々の注目の的になってしまっている。
月弥は無邪気に手を振っているが、ツムギは思わぬ水入りに、ちょっぴり舞い上がりがおさまったようだ。
弁天と蛇之助とデュークの他に、只者ではない雰囲気の女性がいるので、怪訝に思ったらしい。
「須勢理姫というの。出雲大社から来たのよ。井の頭弁天とは神様仲間なの。どうぞよろしくね」
あっさり出自を打ち明けた須勢理姫に、ツムギは目を見張る。
「出雲大社の女神……。では、縁結びの手練れでいらっしゃる……?」
「うふふ、ご相談があったらいつでもどうぞ? 力になってあげるわ。井の頭弁天に頼むより効果絶大よ?」
ちらっと月弥を見て、須勢理姫は言う。ツムギは伏し拝まんばかりになった。
「弁天さまよりも!? で、ではさっそくお願いが」
親子な行楽も悪くはないが、できればそろそろスイ〜ト方面に移行したいなぁと思っていたツムギさんが、渡りに舟と声を潜めて耳打ちしかけたとき。
ずっとお互いそっぽを向いたままの弁天&蛇之助と、困惑顔のデュークに気づいた月弥が首を傾げた。
「弁天さま、蛇之助さんと喧嘩したの?」
「いいや。喧嘩ではなく絶縁じゃ。先ほど暇を出した」
「蛇之助さん、弁天さまを怒らせちゃった?」
「怒っているのは私のほうなんですよ、月弥さん。このたび、眷属を辞することにいたしました」
「ええ? そんなのだめだよ」
月弥は弁天と蛇之助の袖を同時に引っ張った。
「ねぇ、弁天さま。蛇之助さんがいなくなったら淋しくなるよ。蛇之助さんだって、弁天さまと離れたらきっと辛いと思うよ」
「む……。月弥にそう言われると弱いが、こればかりは」
「申し訳ありません。月弥さんにまで心配をおかけして。ですが、如何に月弥さんが仰ってくださっても、もう」
「だめだめ、ふたりとも今までどおり仲良くしなきゃ。ねえ先生。先生もそう思うよね?」
「う……? う、ん。そう、だね」
話を振られて、ツムギは狼狽える。ツムギさん的には弁天と蛇之助の内輪もめよりは、月弥とのひとときの方が1億倍ほど関心の温度差があるっていうか、あのね、その、今ね、パパ、須勢理姫さんと大人の相談をしたいんですけどっていうか。
しかし、そんなツムギさんの気も知らず、月弥くんは保護者をさしおいて、縁結びのエキスパート須勢理姫にこんなことを言ったのだ。
「お願いだよ。須勢理姫さま。弁天さまと蛇之助さんを仲直りさせてあげて?」
「あらあら、それはご依頼かしら? 縁結びの」
だったら断るわけにはいかないわね、と、出雲の女神は、ずれたサングラスをかけ直した。
++ ++ ++
「ふ、ふん。おぬしなんぞに口出しされてたまるか。そもそもの原因のくせに」
とりつく島もない弁天を、須勢理姫は、月弥とツムギ、デュークのほうに押しやる。
「皆さん、しばらくこのひとのお守りをしてて。……弁天、あなたを説得しようとは思わないわ。この場合、キーになるのは眷属さんのほうだから。蛇之助、こちらへ」
蛇之助は須勢理姫に腕を掴まれ、一同から少し離れて、芝生に腰を下ろすことになった。
「かわいい眷属さん。おそらくあなたの言い分のほうが、筋は通っているのでしょう。でもね、折れておあげなさい」
「私から謝れと? しかし」
「あなたは自分の意思で、井の頭弁天に仕えることを決めたはずよ。決して、命を長らえたいからだけではなく。決意した日のことを思い出して」
「決意した日、ですか」
蛇之助はため息をつく。わざわざ思い出すまでもなく、あのとき自分が何を言ったかは鮮明に覚えている。
――私にはよくわかっています。あなたが我が儘で気まぐれで大食らいで着道楽で面食いで、そして――お節介でおひとよしだということを。私がいないとお困りでしょう? お側に置いてください。
「……あれから相当の年月が経っているのですが……。問題はですね、私も弁天さまも、あの頃から全然変わってないということで……。成長してないんですよねぇ」
++ ++ ++
「私が全面的に悪うございました。お許しください。罰はいかようにもお受けします」
「ほーっほっほっほ。わかればよいのじゃ。わらわにも改めるべきところがあったかも知れぬゆえ。取りあえず、すっちーとデュークとわらわのために豪華弁当を用意せい。食事が終わった月弥とツムギには、気の利いたスイーツを差し入れるように」
「かしこまりました」
須勢理姫としばらく話して戻ってくるなり、蛇之助は弁天に詫び、弁天は上機嫌でそれを受け入れた。
あっという間に、いつも弁財天宮で展開されているようなやりとりが行われる。
「素晴らしい。すごい手腕でいらしゃいますね」
デュークは感心しながら原稿用紙を取りだしてメモを取っている。いつか、何かの記事にするつもりらしい。
「須勢理姫さま。ありがとう!」
月弥は満面の笑顔で礼を言う。
「どういたしまして。これであなたからの依頼はまっとう出来たかしら?」
そしてツムギはといえば。
(本当だ……! もの凄いエキスパートだ。こ、これなら……!)
再び、脳内にカナリアとナイチンゲールが大合唱したのである。
++ ++ ++
だ が し か し。
ツムギにとっては不幸なことに、須勢理姫さまの「現場で仕事して充実感を味わいたいの欲」は、弁天&蛇之助を元の鞘に収めたことで、ひとまず沈静化してしまった。ツムギの相談は「またあとでね」になったのである。嗚呼。
そして、会議に飽きてここに来た出雲の女神は、フィールドアスレチックで遊ぶ気まんまんだった。
弁当とデザートを食べ終わった一同は、揃って「水上コース」へと突入し、時を過ごすこととなり――
「うわおー! 落ちる〜〜!」
「大丈夫ですか、弁天どの。私につかまってください」
「す、すまぬ〜。デュークは紳士的で優しいのう。どこかの気の利かぬ眷属と違うて」
「支えたいのはやまやまですが、私にそんな余裕はなく……。うわぁ〜〜。公爵さまぁ〜〜!」
「蛇之助どの! ……危なかったですね、お怪我は?」
「はあ、申し訳ありません。何とか無事でした」
「これデューク! なにゆえ、わらわは引っ張り上げるだけで、蛇之助はお姫様だっこなのじゃあ〜!」
「何となく、なりゆきで」
「うわ」
「月弥!」
「月弥どの!」
足を滑らせた月弥をツムギとデュークが同時に助けようとし、先に抱き上げたのがデュークだったというオチがついたところで、この縁結び話は収束に向かう。
どこが縁結び?? という疑問を盛大に散りばめながら。
――Fin.
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