ちーむ・かわうそ?
ダイジェストコミック+挿絵+ゲームノベル
ヤギとナマモノとの遠足日和
あるひ、かわうそ?と白ヤギがいました。
寺根駅で遠足を楽しむ人を待つために、黄色い旗を持って待っています。
「まだ人がいませんねぇ」
白ヤギさんが言いました。
|Д゚) まあ、まったりまつ
小麦色はポーカーフェイスで答えます。
この2匹があなたをどこかに案内してくれるようです。
ディーゼル機関車がゆっくり駅のホームに着きました。
そして、あなたが降り立つとかわうそ?と白ヤギはぺこりとお辞儀をしています
|Д゚) ルートはこのしおりのとおりに……
|Д゚) って、ヤギ食うなっ!
「お、おなかが減ったんだもん!」
なんと、大事な道案内のしおりを白ヤギさんが食べちゃったのです。
いきなりのトラブルさあ大変です。
かわうそ?はぽかぽかヤギを叩いています。
|Д゚) しかたない。内容うろおぼえのかわうそ? 案内
|Д゚) 寺根高山、ピクニックなり
ため息をつくかわうそ?
トラブルが満載、不安と期待いっぱいのピクニックの始まりです。
列車が駅に着きました。
かわうそ?と白ヤギは振り向きます。
|Д゚) だれかきたなり!
二人は、駅のホームまで向かいます。
ホームには少女が1人。銀野らせんさんが立っていました。いつもは学生服で見かけるわけですが、今はピクニックなどに行くにふさわしい服装で、少しピンク色のようです。
「きゃー! かわうそ?ちゃーん! 白やぎくーん!」
彼女は二人を見るなり、目をハートにして抱きつきました。
力は通常の3〜5倍で抱き締め、ほおずりします。かわうそ?も白ヤギも真っ青に苦しんでいます……。やりすぎです。
「く、くるしいです〜らせんさ〜ん!」
|Д゚) いきなりこれかー!
じたばたもがくナマモノ達。
しばらくはこのまま時間が過ぎ去りそうです。
らせんは我に返ると、青くなっている2匹を見て、悲鳴を上げるのでした。
やっと説明に入ります。目的地に出発する手順をかわうそ?が説明をします。うんうんと、頷くらせんさん。すでに、心はパラダイス。かわうそ?の言っていることの半分は、右から左に聞き流しているような感じさえします。
|Д゚) では、しおりを……
|Д゚) って!
かわうそ?は驚きました。
白ヤギがしおりを食べているのです!
それにはらせんさんも呆然とするしかありません。
仕方なく、1人と2匹はしおりなしに森の中を進むことになりました。かわうそ?が言うにはまあそれほど迷うことはないようです。多分。
と、言っているそばから霧が出てきて、案の定迷ってしまいました。
「かわうそ?ちゃーん! やぎくーん!」
らせんさんは2匹を呼びます。はぐれてしまったようです。
遠くの方で、
|Д゚) いや〜!
と、いう小麦色の声が聞こえる気もします。
「た、大変! かわうそ?ちゃんがピンチ!」
と、らせんさんは慌てました。
霧の中で下手に動けば余計に危ないです。ナマモノだからといっても、危ないのです。
「きゃああああ」
今度は白ヤギの悲鳴が聞こえました。
これは2匹の命が危ない!
「出よ! 魔法ドリル!」
らせんさんは決意して魔法のドリルを呼び出しました。
右腕にドリルのついた大きな小手がはめられ、瞬く間にドリルガールになりました!
「まっててね! 二人とも!」
空を飛びます。しかし、思いっきり大きな枝にぶつかって木の葉が落ちるようにらせんは落ちてしまいました。慌てすぎはいけません。
「気を取り直してもう一度!」
ゴーグルに2匹の座標を表示します。しかし、
「ナマモノ能力でステルスするナー! かわうそ?ぉぉ!」
なんと言うことでしょう。白ヤギは表示されましたが、かわうそ?には“謎”が働いて表示されません。
仕方ないので自分もナマモノとなります。ドリルでナマモノ認定証をスキャンして調べました。
まずは白ヤギくん。危うく、オオカミ?に食べられそうなところになっていました。らせんさんはドリルにてオオカミを撃退し、白ヤギを抱えます。
「た、たすかりましたぁ」
「もう、1人でうろちょろしたらだめでしょう?」
「はい、ごめんなさい」
「次は小麦色ね」
と、レーダーを使って捜索します。
歩いていくと、日の光が強くなりました。裂け目に突き当たったようです。
裂け目の底の深さは10m以上あるのではないでしょうか? 周りは木々に囲まれて、うっそうと森が生い茂っています。
「まさか、ここで……かわうそ?ちゃーん!」
らせんが大声で呼びます。
不安がよぎります。
しかし、こだましか聞こえないようです。
「かわうそ?ちゃん、落ちて流されちゃったの?」
愕然とするらせんさんでした。
しかし、目の前に何かが飛んでいます。
「らせんさん! あれ! あれ!」
「? ……!?」
|Д゚)ノ いよぅ
白ヤギは指さした先には、風に乗って、かわうそ?が飛んでいました。自分の皮をのばして……。
「しんぱいしたんだから〜! かわうそ?ちゃん!」
|Д゚) いやー、落ちるとき、死ぬかと
小麦色は反省の色がありません。
全くはた迷惑なナマモノです。
何とか合流した後、3人は先を進みます。
そして、高原が見えそうなところで、3人は気づきました。少し、蒸す感じがします。
|Д゚) ……温泉くさくない?
「そう言えば」
温泉の独特のにおいがします。硫黄臭いというのか何というのか。
森の中を抜けると、底には自然に出来た温泉がわき出ていました。
「わぁ〜。すごーい」
らせんさんはうれしそうに目を輝かせています。
|Д゚) うあ! 森にそんなの設定してねー!
|Д゚) これ、何かの陰謀!
と、かわうそ?は騒ぎ立てていますが、其れは何に対して叫んでいるのかわかりません。
「ねね! 皆で一緒に入ろう!?」
すでに、ドリルガールの変身を解いていつの間にかバスタオルに桶、浴衣姿です。
「さすがなまものですね〜」
「其れ禁句―」
|Д゚) !? まさか!?
「?」
|Д゚) 何でもない
|Д゚) 入ろう。うみ
と、3人は温泉入ることにしました。
「わぁ、気持ちが良い〜」
らせんさんは、もうすっかりご機嫌。
白ヤギの背中を洗ったり、かわうそ?を洗ったり気分もうパラダイスなのです。至福の一時になっています。
ごくごく普通の温泉のようですが、実は違います。
ナマモノ温泉らしいので、ナマモノでないと入れないようです。
しかし、今居る3人はナマモノ扱い。問題なしなのでした。
気持ちよすぎて、らせんは眠ってしまいました。
「かわうそ?ちゃ〜ん 白ヤギくーん……」
と、幸せそうに寝言を言っています。
列車に揺られて……
|Д゚) 次は〜寺根駅〜
|Д゚) 寺根駅〜
|Д゚) お忘れ物の無いように〜
と、車掌のアナウンスが聞こえます。
「……あ、そろそろなんだ」
ぱちっと目を覚ましました。しかし、
「何か楽しい夢だったような……でも、なんだったかな?」
と、覚えていません。
――らせんさんは、このとき知りませんでした。
あの温泉の効果は……夢が繰り返される温泉なのでした。
永遠というわけではありませんが、主催の例のアレが飽きるまで……この遠足は続くのでしょう……。
|Д゚) つまり、だ
|Д゚) 予定通りに高原まで行けば
|Д゚) 夢は終わる?
|Д゚) 其れまで楽しい夢を
END
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