視点→山本・建一
「明日は臨海学校かぁ…」
臨海学校のしおりを見て、建一は一人呟く。
今日は臨海学校の準備をする為に、カレンとエルファリアと三人で買出しに行く事になった。
「遅れてごめんね、待った?」
そう言って待ち合わせ場所に現れたのはカレンだった。続いて「申し訳ありません」と言いながらエルファリアも到着した。
「僕はお菓子以外は用意できているのですが、お二方は準備は出来ていますか?」
建一が問いかけると「えぇ、出来ていますわ」とエルファリアがにっこりと微笑みながら答える。
「私は雨具をまだ用意してないね。お菓子を買う時に一緒に買う事にするよ。建一はお菓子、何を買うの?」
カレンの問いかけに「僕は買いませんよ」と短く答えた。
「え?お菓子を買わないのですか?」
エルファリアは不思議そうな表情で健一を見やる。
「お菓子は千円までと決められていますよね?ですから僕は造っていこうと思っているんです」
建一の言葉に「そういう手もありますわね」とエルファリアは感心したように言葉を返してきた。
それから三人は準備を終わらせるために店へと向かい歩き始めた。
「さすがに混んでいますね‥」
建一は人で溢れ変ええる店内を見て呟く。おそらく店の中にいる大半の人間が明日の臨海学校の準備の為に来ている人間だろう。
「とりあえず、僕は材料を買ってきます。30分後にこの場所に集まりましょう」
そう建一は二人に言って、材料が売ってある売り場へと足を進めた。
「えぇと、どれを買おうかな」
建一は持ってきたメモと商品棚を交互に見ながら歩いている。健一が作ろうと考えているものはケーキやクッキー。ケーキはさすがにホールを作っても持っていけないことからカップケーキにしようと考えている。
「色んな物を作って皆で食べられたらいいな‥」
材料を持っているかごに入れていきレジへと向かう。するとエルファリアとカレンもレジに並んでいた。
「健一さん、お求めの物はありましたか?」
エルファリアがにっこりと微笑みながら問いかけてくる。
「はい、材料はありました。そちらはありましたか?」
建一の言葉に二人は首を縦に振る。それから少し雑談を交わして健一は二人と別れた。
「さて、荷物を詰め込んだり、お菓子を作ったりしないと‥」
建一は自宅へ戻り、まず最初に持っていくお菓子を作り始める。馴れた手つきで作っていき、あっという間に焼くだけとなった。
「後は焼くだけ、意外と簡単でしたね」
一人呟き、建一は焼く合間に荷物のチェックをしようと部屋へ戻る。部屋の片隅には旅行用の荷物を纏めたバッグが置いてある。
「えぇと、まずハンカチ、ちり紙はオッケー‥。雨具も入ってるし、お弁当と水筒は台所に‥あったよね」
少し心配になったのか荷物チェックを中断し、台所へと小走りで行く。キッチンの上に弁当箱と水筒が置いてあるのを確認すると、バッグの所に戻りチェックを再開する。
「えっと、どこまで確認したかな。水筒まで確認したかな。次は着替え二日分、と」
建一はバッグをあさりながら下着、普段着などの着替え(二日分)を確認する。
「あ、水着は〜‥ある」
水着を確かめ、敷物やゴミ袋も入っている事を確認する。
「‥何か忘れているような‥」
あ、と思い出したように呟き台所のテーブルに置きっぱなしにしていた臨海学校のしおりを手にする。
建一はメモを書いた時に台所もしおりを置きっぱなしにしていたのだ。
「これを忘れると大変だしね」
しおりをバッグに入れると、近くにおいてあったバッグを手に取る。しおりにも書いてあるがお土産物が増える事を想定してもう一つ手軽に持てるバッグを用意していた。もちろんリックサックの中は必要最低限のものしか入っていないため、余分に用意したバッグの出番はなさそうだが‥念には念をという言葉もあるため持って行くことにした。
「さて、そろそろ寝ないと明日寝坊してしまうかも‥」
時計を見ると日付を少し変わったところ。先程作っておいたお菓子も弁当箱も台所に置いてあるため明日の朝忘れることはないだろう。
楽しみですね、そう一人笑みを浮かべて建一は横になる。
そして次の日の朝、時間に余裕を持って自宅を出る建一の姿があった。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0929 /山本・建一/男性/ 19歳 /アトランティス帰り(天界・芸能)
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■ ライター通信 ■
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山本・建一様>
初めまして、今回「大磯臨海学校(事前準備)を執筆させていただきました
瀬皇緋澄です。
納品が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
今回の事前準備の話はいかがだったでしょうか?
お気に召すようなものに仕上がっていれば良いのですが‥。
それでは、またお会いできる機会があることを祈りつつ、失礼します。
−瀬皇緋澄
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この小説は株式会社テラネッツが運営するオーダーメイドCOMで作成されたものです。
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