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【魔女っ子選手権】
■姫野里美■

<ブラック・ドリルガール/東京怪談 SECOND REVOLUTION(2644)>
<銀野・らせん/東京怪談 SECOND REVOLUTION(2066)>
<一花/神魔創世記 アクスディアEXceed(w3c749ouma)>
<彩/神魔創世記 アクスディアEXceed(w3c656ouma)>
<リフィーティア・レリス/エターナルヴォイスLegend〜聖獣の息吹〜(0702)>
<リルリア・ティシス/エターナルヴォイスLegend〜聖獣の息吹〜(0380)>
<ファルディラ・リーティス/エターナルヴォイスLegend〜聖獣の息吹〜(0581)>
<ミリオラーネ・ルノターン/KING'S FIELD ADDITIONAL Anthology Contents(a6681)>

 宇宙と言うのは壮大な世界で、まだ解明されていない部分も多い。
 そんな宇宙にろまんを抱いている奴は、別に地球人類に限った事でも、現代の人間に限った事でもなく、それこそ異世界から遠くない未来に生息する人間まで、ろまんに浸る奴は多かった。
 そんな、世界の片隅で、電話をかける少女が一名。
「えー。やっぱりやらなきゃ駄目なんですかー」
 電話の相手は、なにやら指示をしているらしい。不満そうな表情で、応対していた彼女は、こう言って口を尖らせる。
「そりゃあ、ごめーれーとあればやりますけどー。なんで来ないんです?」
 回答を聞いていた彼女、一瞬止まる。なんでも、『デートで忙しい』そうで。
「ああ、そーですかっ! どうぞごゆっくり!」
 その言い方に、腹を立てた彼女、はき捨てるように言って、電話を叩き切る。
「まったく。自分が出られないからって、何考えてるのかしら‥‥。ま、いいけど」
 ぶつぶつとまだ文句垂れている彼女。が、ややあってその表情に、企んだ笑みを浮かべた。
「ふふん。こうなったら、出なかったことをぎゃふんと言わせて上げますわ☆」
 くるりと振り返った彼女。その背中で、長い髪と白衣が揺れた。

 さて、ここは地球。何の因果か、古今東西における侵略者だの宇宙人だのに狙われる回数の多い日本である。そこでは、そのろまん溢れる大会が、とある全天候型イベント施設で行われることになっていた。
「ホントにやるのか?」
「当たり前でしょう? もう一時審査通っちゃったんですから」
 リフィ以下3名が見上げる先には、やたらピンクだのオレンジだの水色だの、おおよそ女の子が好きそうな文字が並んでいる。それには、こう書かれていた。

【全宇宙魔法少女選手権】

 が、その割には、おおよそ『少女』とは思えない連中も、多数受け付けに並んでいた。中には、ごっつい体躯の兄貴までいる。
「うち、少女と言う年齢ではないのどすが‥‥。大丈夫なんでっしゃろか‥‥」
「そう言うな‥‥。私も何故自分がこんなところにいるのか、さっぱりわからない‥‥」
 少女と言う年齢は既に卒業している年頃の女性が2人、そう言いながら受付を済ませていた。どうも、誰かの代理だったり、どこかの怪しげな洞窟から紛れ込んじゃったりと、かなりファンタジーな理由で、出場している輩も多そうだった。
「やっぱり嫌だ。こんな事」
 人の事は言えないリフィ、杖の姿になったファルに、そう言っている。女性めいた顔立ちだが、実際は男の子なので、さもあらんと言ったところだろう。しかし、ピンクのハート杖姿のファルは、なだめるように告げた。
「まぁまぁ、そう言わない出くださいよ。賞金だって出るんですから」
 その刹那、リフィの動きがぴたりと止まる。
「賞金?」
「ほら、ここに書いてあるでしょう?」
 こんこんっと壁にずらりと貼り付けられたポスター。掲げられた大会タイトルと同じ色調で、アニメ絵の少女が愛嬌を振りまいているそれには、『賞金百万宇宙ドル』と書かれていた。
「でなければ、お勧めしていませんよ。ねぇ?」
 ピンクの杖が、自慢げに胸をそらす。それを見て、リルもこう尋ねた。
「どうするんだ? リフィ」
「‥‥やる。賞金出るなら、話は別だ! 行くぞ、リル! ファル!」
 ダッシュで受付まで走っていくリフィ。すでに『単位が自分達の世界では使えない』事なんぞ、頭から綺麗さっぱり消えている。
「ふふふ。こうして引っかかる子が一人‥‥」
 その様子を見て、1人ほくそ笑む白衣ロンゲの少女がいたが、人ごみに紛れて、すぐに見えなくなってしまうのだった。

 受付を済ませると、参加者達は『控え室』と書かれた場所へと案内された。中には自力で変身できない人達の為の更衣室や、各種魔法ステッキの充電器などが置かれている。かなり広い控え室だった。
「うーん。いろんな人が居るなー」
 きょろきょろと周囲を見回す正直モノのリル。
「何々‥‥参加者は武器とペットを連れて、お待ちください‥‥?」
 リフィもそれなりに興味はあったが、ここでそれを示すと、ファルにツッコまれそうなので、あえて関係ないふりをして、注意事項を読み上げる。
「って、ペットって何だ?」
「魔法少女にはつき物でしょう。ちょうどここにいるし」
 杖がこんこんっと勝手に指し示したのは、きょとーんとした表情のリル。一瞬、何の事か分からなかったようだが、すぐさま気付いたらしく、両手をぱたぱた振り上げて抗議。
「何ー。俺はペットじゃないぞ!」
「じゃあ番犬」
 あっさりとそう言うファル杖に、「それなら‥‥」と納得するリル。この辺りが、バカ正直なわんこと呼ばれるゆえんのようだ。
「お供どすか‥‥。この子達でいいどすな?」
「私はどうするかな‥‥。まぁいい。これさえあれば、どうにかなるだろう」
 一方、『彩』と名札をつけた巫女さんは、普段連れている鳥形魔獣殻をペットと言い張ることにしたよーだ。一方、『ミリオラーネ・ルノターン』と名札をつけた女性は、持ち込んだステッキに全てを任せる事にしたよーだ。
「皆さん。時間になりましたので、ステージの方へどうぞー」
 と、しばらくして係りの人が呼びに来る。渡された順番どおりに出て行くらしい。
「ほら、ダダこねてないで、行きますよ?」
「待て! わかったから、引っ張るな〜!」
 杖に耳をつかまれると言う、器用な真似をしながら、リフィは仕方なくステージへと赴く。その後ろを、なんだか面白い見世物でも見物するような表情で、追いかけていくのだった。

 いよいよ、本番。
 劇場まるまる借り切ったのか、広い舞台に満員の観客。当然、人間じゃない人や、地球出身じゃない人も混ざっている。壁には『永世中立地帯につき、暴走行為は厳禁です』と書かれ、宇宙間戦争にも配慮されているようだ。
「れでぃーすえーんじぇんとるめーん♪」
 イメージキャラなのだろう。司会らしいコスプレ姿のおねーさんが、そう言ってナレーションを入れている。彼女が実況をしてくれるそうなので、時々交代していると思いねぇ。
「‥‥どうしてこんな格好をしなきゃいけないんだ‥‥」
 強制的に着替えさせられたリフィ。その格好はと言えば、やたらとフリルやレースの付いたセーラー服だ。下はミニスカートにスパッツ、オーバーニーソックス。当然、髪はツインテールにリボンが装備済みである。
『我慢してください。賞金と副賞の為ですから』
『結構可愛いぜ? お前』
 冷たくそう言う杖のファルに、ケタケタと笑い転げているリル。今に見てろ‥‥と、リフィが悔しそうにする中、とうとう彼のエントリーナンバーが呼ばれ、名前がコールされてしまう。
『『ほら、行ってこい!』』
「うわぁっ」
 ペットと杖に蹴り飛ばされ、無理やり舞台の中央に押し出されるリフィ。あろうことか、とととっとバランスを崩した彼、張り巡らされた照明用コードにけっ躓き、舞台の上で、しなを作った格好になってしまう。
「アピールタイムは30秒です。どうぞ!」
「え、えーと‥‥」
 同振舞って言いか分からず、戸惑うリフィ。
『ほら、頑張って!』
『負けたら賞金出ないぞ!』
 ファルとリルからそうせっつかれ、彼は意を決したように、杖を振り上げる。
「ま、マジカルプリンセス☆ ほーりーあーっぷ!」
『『GOGO〜』』
 座ったまま魔法を使うと言う器用な真似をしつつ、彼はあらかじめファルに教えられた通りの決め台詞を口にした。
「貴方の心をがっちりキャッチ。スノークリスタル☆」
 顔を引きつらせながら、それでもウィンクしてみせると、観客から「おーーー!」と声が上がる。
 と、その時だった!
「お待ちなさい!」
 舞台の反対側‥‥都合よく伸びた花道にスポットライトが当たる。そこに居たのは、長い髪に白衣の少女。どうやら、乱入らしい。
「ある時は味方、ある時は頼れるいい人、ある時はどっからどうみても敵。策謀メイド・悪の幹部等々何でもござれ、黒幕系魔法少女「マジカルメイデン プリンセス・イツカ♪」ただいまネットで好評配信中!!」
 よくわからないナレーションをかましつつ、彼女‥‥一花さんは、びしぃっとリフィに指先を突きつけていた。
「甘いですわ! プリンセス・リフィ! この私が、真の魔法少女らしさと言うものを、教えて差し上げますわ!」
 彼女はそう言うと、どっからともなくハルバードを召還し、高々と掲げてみせる。
「ここに、キエフ在住の某新妻Pさんから奪ってきた、ライトハルバードがありますわ。見てらっしゃい」
 が。
「おもっ!」
 少女、いきなりその重さに押しつぶされるように、ひっくり返る。どうやら、ちょっとドジっ子入っているようだ!
「あ、あははは。よくもやってくれましたね。こうなったら、必殺魔法をっ」
 何とか起き上がり、一応メイド服に黒ローブ、おかっぱ頭の少女になっている事を確認すると、彼女はそのマントを翻しながら、そう言った。なお、この番組では、相手が必殺魔法を放つ、もしくは変身し終わるまでは、攻撃しては行けないルールになっている。そう言うわけで、周囲が手を出さない中、彼女はごそごそと持っていたバックをあさる。
「え、えーと、あ、あれ? 必殺技の書かれた禁断の書は‥‥ああ、あったあった」
 取り出したそれには、謎の文字が記されていた。結構な厚さのそれには、どういうわけか少年の裸が、あちこちに描かれている。
「ふふふ。食らいなさい! 腰の後ろに‥‥わぁぁぁ!!」
 その台詞を読み上げようとした彼女だったが、その瞬間、黒い服の集団が現れ、画面をさえぎってしまった。
「なお、この番組は、全宇宙に実況生中継されておりますので、放送に耐え切れない単語は、自動的に削除されるようになっておりまーす」
 そう言うことだ。
「えぇい、こうなったらヤケよ! やっておしまいなさい!」
 ぱちんと指を鳴らす一花さん。と、どこからともなく風が吹き込み、彼女のスカートから、ちらりとドロワーズを覗かせる。
「あ、あれはっ!」
 その風が収まった瞬間、現れたのは、さらに別の少女だ。
「‥‥ふん。お前に手を貸す気はないが、奴が出ると言うのなら、対抗させてもらおう」
 そう言って、舞台の上に降り立ったのは、ブラックドリルガール。
「さぁっ。大変な事になってまいりました。しかし、彼女が現れたと言うことはっ!」
 そう、黒きドリルの表れるところ、必ず駆けつける正義の銀風がいる。その名は!
「そうはさせないわ!」
 軽快な音楽が流れる中、何故か観客席から、そんな声が上がる。
「説明しようっ! 銀野らせんは魔法のドリルを召喚し装着する事で正義のヒロイン、ドリルガールに変身するのであるっ!」
 半ばお約束と化したナレーションが流れる中、きらきらと降り注いだ光のドリルは、その観客一名な少女を、正義のヒロイン、ドリルガールに変身させる。ちなみに、お供のペットは、白やぎさん。変身後は、めかしろやぎとなって、ドリルガールに精神的支援(別名ただの声援)をしてくれる‥‥らしい!
「やはり現れたな。今日こそ決着をつけてくれる」
 かくして始まるライバル同士の一大決戦。
「食らうが良い。我が最終兵器を!」
 ブラックドリルガールが、ぴっと何かのボタンを押すと、会場の天井がごごごごご‥‥と開き、上空はるか彼方から、巨大な飛行ユニットが現れた。
「あーら。そんな事しないと、あたしに勝てないわけ?」
「ほざけ! 消し炭にしてくれる!」
「ちょっとぉ! 舞台ごと壊さないでよぉーーー!」
 放たれたミサイルに、あわててドリルを回転させるドリルガール。聖なるドリルは、その回転数に応じて、様々な技を出す事が出来るのだ! その結果、ブラックのミサイルは、彼女の起こした空間湾曲によって、異界の彼方へとぶっ飛ばされていく。
「よくも色々やってくれたわねー! 今度こそ決着つけてあげるから!」
 お返しとばかりに、回転数を上げるドリルガール。きゅぃぃぃぃんと、まるで歯医者のような音を立てたドリルが、正面から振り下ろされる。
「そうはいくか! デンドロミーティア、起動!」
 しゅぱしゅぱしゅぱーーーっと、宇宙用語でE−Turnサーカスと呼ばれる白煙が、四方八方に飛び散り、視界を遮ってしまう。
「こ、これはっ!」
「知っているのか? プリンセス・イツカ!」
 しっかり実況解説席に陣取ったリフィに、一花はフリップを片手にこう説明。
「説明してあげましょうっ。デンドロミーティアは、ブラックドリルガールが装備することにより、バルキリーフォームとなるのです!」
「む‥‥。しかしこのままでは、観客席にも被害が出てしまうな‥‥」
 舞台袖で見守っていたミリオラーネさんは、ぼそりと呟いて、とある洞窟で手に入れたステッキを握り締めた。都合のよいことに、舞台上では、開き直ったスタッフが、「さー、大変な事になってまいりました。ここは一つ、バトロワ状態でバトルアピールをしてもらいましょうっ!」と言うことにしてしまっている。
「なるほど。要はこれを使って、この場を収めればいいのだな‥‥」
 そのステッキに、根拠のない自信を揺さぶられた彼女、舞台袖でそれを振り上げた。
「いくぞ‥‥。呪文に意味があるかはわからぬが、唱える事が正しい気がいたす」
 すぅっと息を吸い込み、心に浮かんだ呪文を唱える。
「マジカルミラクル、シハキクマノリレケム、メルネモミコヒソサツ、セラニナンカスイテタ イェイ!」
 ぱぱぱぱーーーっと、パステルカラーの光が周囲を取り囲み、どこからともなくナレーションが入った。
「説明しよう! ミリオラーネ・ルノターンは、謎の呪文を唱えると、魔法少女ピュアミリーになれるのだ!」
 彼女の身に着けていた鎧が、瞬く間にカメラを逆回転させるかのように脱げていき、その一つ一つが、ドレスのパーツになっていく。最後にそれらが一つに合わさり、髪型も夜会用のそれにアップされ、挿入歌がサビを終える頃には、彼女は魔法少女ピュアミリーとなっていた!
「魔法少女になってしまえば、こっちのもの。なんだって出来る。いざ!」
 ちなみに、魔法少女になると、何故か得意の剣が振るえなってしまうが、気にする事はない。直接戦闘では、剣振り下ろしてた方が優位じゃないのかと言う突っ込みも、とりあえず蚊帳の外。
「えぇい、こうなりゃヤケだ! マジカルプリンセス☆リフィ、ミラクルウィンド!」
 と、それにあわせるようにして、今度はリフィが風の刃を放つ。緑銀色のそれは、それぞれの女性陣へと届き、彼女達の服の留め金を掠めるように飛んでいく。
「きゃあああ!!!」
 で、その留め金をはずされた魔法少女達、はらりと上着がはだけ落ちる。いや、人によっては下も。
「あー、予備の男袴持ってきてよかったどすなー。こんな事もあろうかと、隠しておいたのどす」
 ただ1人、そんなサービスショットにも動じなかったのは、巫女姿の彩。一瞬、下着が見えたかな? と思った直後、色の違う袴を装着してしまっている。
「まったく。いい加減にしなはれ。烈風、いくどすぇ」
「えぇい、つつくな! 俺が悪いわけじゃない!」
 彩が、ハリセン片手に、鳥形魔獣殻で突っ込みを入れると言う、なかなか激しいアピールをしている中、ある意味被害者とも言えるリフィは、頭を抑えて舞台袖へ。
「皆さん。争いごとはよくないのどす。私の歌で癒されて欲しいのどす」
 その間に、人化を解いて、水も滴るいい女になった彩さん、そう言って得意のお歌を披露し始めた。
「ああ、力が抜けていく‥‥」
 魔力を伴ったらしいそれは、各魔法少女達を、舞台の上へとへたり込ませる。半分くらいは下着姿なので、それが妙に色っぽい。
「なぜだ。こんにゃく以外は、我がステッキに敗れぬものは無いはずなのに!」
 ピュアミリーが不思議そうに尋ねると、彼女はこう言った。
「教えてあげるどす。この歌は、争いをやめさせる歌。人々を平穏な心に導く歌どすえ」
「なるほど。戦うばかりが魔法少女ではないと言うことだな‥‥」
 その台詞を聞いて、納得した表情のミリー。変身しても中身はミリオラーネのままなので、自分がなるほど‥‥と思った事には、素直に従っているようだ。
「これ以上戦おうと言う方には、容赦しまへんえ?」
「って、原因は?」
 ハリセンを片手に、カメラに向かってそう言うが、騒ぎの発端を作った二人は、とっくの昔に画面外。
「あぁ、さっきの黒い方か? それなら、イツカと連れていた猫を追いかけて、画面外に消えて行ったぞ」
「‥‥逃げたわね」
 ぼそりと呟くドリルガールさん。まぁここは、戦略的撤退ってことにしておいてあげましょう。
「怪我した方はおられまへんか?」
「大丈夫」
 彩が尋ねると、ドリルガールは、にこりと笑顔で答えてくれる。この辺りは、普通の女の子と変わらない。
「それはようござんした。それにしても、必殺技を見せる機会があらへんどしたなー」
「ではここに、アピール用フルアクションドールがありますので、それに向けてどうぞー」
 残念そうに言う彩に、今度はスタッフさんが、自動車実験に出てくるようなマネキンを用意してくれた。しかも、手足に糸が付いており、上を見ると、他のスタッフが巨大な操り人形にしているようだ。
「面白そうだな。俺にもやらせろ」
「ふむ。手合わせしてみたいのは確かだな」
「私、動かしてみたいー!」
 リフィ、ミリー、ドリルガールが、それぞれ興味を示す。しかし、優先順位は、彩さんにあるので、彼女の許可が必要だ。
「では、順番と言う事で」
 相談の結果、競技の一種として、認められたらしい。ペットと共に、応援してくれる少女達に見守られ、彼女は烈風に吊り下げられるように、空中へと舞い上がった。
「それじゃ、いくどすぇ!」
 マネキンの上まで来たところ、彼女は自身の体を、烈風から切り離し、手にした小太刀『月光』を、横薙ぎに払い込む。マネキンの体に、刀傷が付いた直後、その向こうへ着地。
「大自然のおしおきどす☆」
 振り返った彼女、そう言ってカメラにアピール。
 こうして、魔法少女選手権は幕を閉じた。
 なお、協議の結果は『宇宙時間で一ヶ月後』なので、当分先のようである。




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この小説は株式会社テラネッツが運営するオーダーメイドCOMで作成されたものです。

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