●あみゅーずめんと?
世の中には、色んな遊園地がある。中には、『アミューズメント・バー』と称して、遊園地と食事とを一緒に楽しめる場所もある。彼らが訪れたのは、そんなアミューズメント系レストランだった。
「よう! 今日は客としてきたぜ!」
タベルナの臨時バイトを終えた森里が、その稼いだお金を片手に、飲み屋のノリで、扉をくぐる。
「ようこそ、お屋敷へ。2名様でよろしいでしょうか?」
上から下までばっちり執事服に身を包み、出迎えたのは、森里も何度か顔をあわせた事のある芸能関係者。
「って、なんでお前さんがこんなところで‥‥」
連れの片倉の旦那、頭を抱えている。その御仁曰く、『仕事ですから』だそうで。
「そーかそーか、仕事なら、仕方ないなー」
「お手やわらかに願います」
顔を引きつらせながらそう言う彼に、片倉の旦那はにやりと笑う。まるで、これから起きる惨劇を予想するかのように。
「本日は混雑しておりますので、ご相席をお願いしたいのですが」
「まぁ、仕方ねぇな。どうしてもっと言うなら、つき合わせてやるよ」
お給料入って、気が大きくなっているせいか、ふんぞり返る様に、そう言う森里。と、そんな彼に、執事のにーちゃんは、にやりと笑ってこう一言。
「かしこまりました。既にお部屋にはお通ししておりますので、こちらへどうぞ」
くるりと回れ右して、何故か『予約席』と書かれた個室へご案内される。それを、後ろから付いてった片倉の旦那。いぶかしげに呟く。
「っておい、個室で相席って、ありえなくねーか?」
「はっはっは。きっと爽やかな俺のバイト風景を見たファンだ!」
が、森里くん、まったく聞く耳を持たない。ていうか、そもそも爽やかと言う文字から、かなぁりかけ離れたバイトだったよーな気がするが、そんな事はさておき、ルンルン気分で乱入した森里少年がみたものは!
「どうぞ」
執事が扉を開く。そこには、かなり嫌んな予感のする片倉センセの予想したとおりのものが!
「よう」
そう。しっかり汁蕎麦すすりつつ、片手を上げる打たれ過ぎ被り芸人。
「って、M川っ!? なんでお前がここにっ!」
いまさらのように驚く森里。M川こと、佐渡川ススムは、びしぃっと指先をつきつけ、こう言い返す。
「つーか、その名前で呼ぶなっつーの! 俺の名前は佐渡川だっ!」
「どっちでもいいだろ‥‥」
「「よくないっ!」」
片倉のツッコミに、声を揃えて言い返す森里と佐渡ちゃん。
「えぇい、そんな事はどうでもいい。今日は稼いだお金で、豪勢な食事をするんだ! そう決めたんだ」
気を取り直した森里、膨らんだ給料袋を握り締め、そう叫ぶ。が、そこへ横脇から、ツッコミボイスが飛んできた。
「誰がだ」
「俺が! って、まてぇい、どうしてここにオフィスPの偉い人がいる!?」
見れば、しっかりカメラを従えたプロデューサーだかディレクターだかが、既に陣取って、ニラレバをつついていた。
「はっはっは。神出鬼没と言うのは、我らの事を言うのだ!」
「と言うのは冗談で、これ、V回した方が面白いからな」
「なぁにぃぃぃぃ!」
ふんぞり返るスタッフに、頭を抱える森里。今回『も』、予定通りただでは済みそうに無い状況のようだ。
「さぁっ、ディナーコースを頼むんだろう? さぁっさと頼みやがれ」
「あ! 汚いぞ佐渡川! どさまぎで俺にたかるつもりだろう!」
どんっとメニューを突き出す佐渡ちゃんに、森里は食って掛かる。が、彼もそこはふんぞり返って迎撃していた。
「当たり前だ! お前だけに美味しい思いはさせねぇぞ! 少年!」
結局、そのプロデューサーが持っていたニラレバを奪い合う森里と佐渡ちゃん。やれやれと言った調子で、茶をすすってた片倉先生、ぼそりと一言。
「浅ましい奴だなー。大人しく座って食えないのかよ」
「「できんっ」」
声を揃えて即答されてしまう。しかも、顔の向きまでシンクロしていた。その様子に、困惑した表情の執事さん、申し訳なさそうに尋ねてくる。
「あのー、ご注文は‥‥」
「「ディナーコース!!」」
またもや、声がハモる。こうなりゃ意地でも、美味しいモンを食べて帰ろうと言う魂胆が見え見えだ。
「‥‥で、ごにょごにょごにょ」
「かしこまりました。少々お待ちください」
と、スタッフは執事さんに、なにやら相談を持ちかけていた。だが、それに気付いたのは、片倉1人である。他の2人は、『なにおー』だの『やるかー』だの、にらみ合っていて、まったくこちらを向いていなかった。
数分後。
「それにしても、遅ぇな」
タバコを片手に、片倉がぼそりと呟く。普通なら、とっくの昔に前菜くらいは来ていても良い頃合だが。
「めしはまだかー」
「腹減ったー」
森里と佐渡ちゃんは、既に喧嘩するのも飽きたのか、既に箸とフォークを両手に持って、茶碗を叩かんばかりに、そう要求し始めている。
「お前ら子供か‥‥」
げんなりして片倉がそう呟くと、2人はけろっとしてこう答える。
「俺、健全な少年A」
「俺、健康な若者A」
なんだか、果てしなくツッコミ満載な返答だが、健全かはともかく、健康な青少年なのは確かだ。そりゃもう、多少叩いたりツッコんだりしたくらいじゃ、壊れないくらいの。
「お待たせしました。ディナーコースの用意ができました」
と、そこへようやく執事さんが、がらがらとワゴンを用意してくる。だが、その上にあったのは。
「扉!?」
嫌ーな予感のする森里くん。結構な大きさを誇るそれは、まるでバラエティで使用するゲスト用で入り口みたいな大きさだ。
「さぁ、いってらっしゃい!」
「って、やっぱりぃぃぃ!」
にこやかに笑って突き落とされ、奈落の底へとまっしぐらになりながら、森里はおのれの感のよさを呪うのだった。
●れっつらサバイバル
気がつくと、そこは壮絶な森になっていた。
「はっ。ここは!」
目を覚ました森里、周囲を見回して、愕然とする。扉はまだ残っていたが、明らかに怪しげな叫び声がこだまする、魔境と化していたからだ。
「不穏な空気‥‥。これ、戻った方が‥‥」
佐渡ちゃんが顔を引きつらせて、回れ右をする。今からダッシュで戻れば、間に合うはず! と、普段叩かれなれている脚力をフル稼働させて、開いたままの扉へ戻ろうとするのだが。
ばたん。
「だぁぁぁ! 閉められたぁぁぁぁ!!」
無常にも、その手が触れる直前で、扉は閉められてしまった。そう、まるでホラー映画で、登場人物に引導を渡すかのように。
「いやー、閉じ込められたね‥‥」
「執事さん、これは一体!?」
まるで他人事のように、そう言う執事さんを見つけ、問いただす森里。と、彼は渡された紙に目を落とし、こう告げた。
「いえ、なんでも同行されていたディレクターの話では、食材はおのれの手で勝ち取る者だと、これを」
「「なにぃぃぃぃ!」」
ちらりと垣間見えるそれには『生き残れ』の4文字。その問答無用な展開に、片倉の旦那は、ため息をつきながら、「やっぱりな」と呟く。
「くそう。絶対何処かでカメラを回して、ケラケラ笑い転げているに決まってる!」
「こうなったら、奴を探して、病み鍋の犠牲にしてやるのだ!」
森里と佐渡ちゃんはと言えば、明らかに作り物っぽい茂みの向こうに隠されたカメラとスタッフを、必死で探しているのだが、よほど巧妙に作られているらしく、引っこ抜いても見つからない。
「つか、それでも食べるんだな」
「当たり前っす。腹が減っては戦が出来ないっすよ」
ぎゅるるるるーと、盛大な音を立てる森里の腹。若者は内臓の具合からして、健康すぎる模様。
「それにしても、結構巻き込まれた奴がいるんだな」
現金な若者に、そんな事を考えながら、周囲を見回すと、彼らの他、何人かの『ゲスト』がいた。
「店に返して欲しいです‥‥」
ため息をつく従業員の執事さんは、言うに及ばず、どこかのレポ番組から、引っ張り込まれたらしい豊満な女性が、「って言うか、私は旅番組のリポートで呼ばれたはず何だけど‥‥」と、頬を膨らませていたり、お食事中だったらしい二人連れが「お兄ちゃん、なんだか怪しいところだね」だの「うーん、帰り道はどこだろう」だのと、不安そうに顔を見合わせていたりする。
「と、とりあえず。あいつらには各自で頑張ってもらうとして。俺達は俺達でメシを探すか‥‥」
ただでさえ、手のかかる二人がいるのである。どうみても、芸能関係者な彼らの事だ。もしNW辺りが現れても、てめぇで対処できるだろう。
「お! でかいカニのいそうな川はけーん!」
と、そう考えていた片倉が付いて行くと、佐渡川がざらざらと音を立てる急流を発見する。いや、急流ばかりではなく、その隙間から、カニの爪が見えている。
「今夜はカニ鍋じゃあ!」
「待ちやがれ、M川! 先をこされてたまるか!」
そのカニ爪めがけて、じゃばじゃばと川へ乱入する佐渡川。無論、対抗心を燃やした森里も後を追う。
「やれやれ、若いモンは早ぇーなー」
俺はどう行こうかなーと片倉。さすがに分別と言う物を強要される大人な彼、むやみやたらに川へ入るなんて真似はしたくないようだ。
「さて、ここでルールを紹介しよう。今回用意されたディナーは、北海道から空輸した活きの良い食材だ」
と、そこへカメラにフレームインしてきた執事さん、そう言って、その川を指差す。きっと今頃画面では『スポンサー太っ腹』と書かれている頃だろう。
「って、お前さん、まだ居たのか‥‥」
ちなみに、片倉にしてみれば、そんな事より、置いていかれた執事さんに同情しているようだが。
「プロデューサーから、司会進行と面倒見るのを頼まれた‥‥」
「ご苦労様だな‥‥。よし、半分手伝ってやろう」
しくしくと無言の滝涙をこぼすその執事さんに、ちょっぴり同情した片倉の旦那、まぁ森里と佐渡川の2人分くらいなら、何とか面倒見る事も出来るだろう。そう思って、マイクやカンペを受け取った刹那である。
「頼みます‥‥」
考えてみれば、熱帯気温の高温多湿で、襟まできっちりしめたスーツである。倒れても仕方ない。で、そのまま力尽きるように倒れる執事さん。
「後で処理だ。とりあえず、俺は腹が減った!」
「俺もだーー!」
しかし、佐渡川と森里にとっては、倒れた野郎をどうこうするよりも、てめぇの腹を満たす方が先決らしい。ばしゃばしゃと水音を立てながら、カニを探して回っている。やれやれ‥‥と思った片倉、その彼らからちょっと離れた森の中を指し示した。
「そんな欠食児童には、あのあたりがちょうど良いんじゃないか?」
しゃげぇぇぇぇ! と、ありえない叫び声を上げて、森の奥から姿を見せたのは。
「で、でけぇ‥‥」
ごくりと喉を鳴らす佐渡川。ざっと熊ほどはあるだろうか。普通の羊の3割り増しな体躯は、あちこちが妙な形に盛り上がっていて、すっかり立派な妖怪変化になっていた。
「佐渡川さーん。なんか、見覚えある羊モドキなんですけど‥‥」
森里が、顔を引きつらせながら、後ずさり。見れば、その羊さんは、ところどころに雷で焦がされた跡や、剣で切られた跡、さらには背中からボコにされた後、その上、縄目の恥辱まで完備だ。
「気のせいだっ」
「そうかぁ? しかもアレ、お前さんを狙ってるぜ」
あさっての方向に目を泳がす佐渡川。しかし片倉の指摘どおり、彼がちょっとでも体を動かすと、羊の照準もその方向へとずれる。
「そ、そう言えば、昔ミンチにした覚えがっ」
確か、似た様な羊と、以前札幌郊外で戦ったことのある佐渡川。その時の悪夢が、まざまざとよみがえる。
「って事は、粉砕したら、具にならねぇって事ですか!」
その場にいた森里も、そーいえば、手加減抜きでぶっ倒した所、ジンギスカンの具にするはずが、ラム肉ハンバーグになったのを思い出す。
「その通りだな」
「あっさり言うなぁ! そしたら、葱だけの寂しい鍋にっ」
片倉センセが、うんうんと頷く中、森里は周囲に生えている葱を指し示す。いわゆるブランド葱と言う奴なのだろう。普通の倍はある極太サイズは、煮ても焼いても良さそうだ。
「葱も美味いと思うぞ。なんなら挿すか?」
「「お断りだっ」」
普段、挿され慣れている森里も佐渡川も、この状況でそんなのは挿されたくないようである。
いや、戦闘中じゃなくても嫌だが。
●壮絶なる戦い
で、その結果。
「そっち行ったぞ! 少年!」
「こっちだって死に物狂いなんっすよぉぉぉ!!」
とりあえず、3人ででか羊を殺る事になった。問答無用で、森里が囮にされ、佐渡ちゃんが追っかけると言う算段である。
「皆さん、頑張ってくださいね‥‥」
だが、ようやく目の覚めた司会の執事さんは、何故か片倉のおっさんと、茶杯を傾けている。
「ってかそこ! 何を和んでやがる!」
「いやー、なんかほっとかれると寂しくて‥‥」
「俺も暇なんで、飲み仲間が欲しかったんだよな」
森里がツッコむと、2人はそう答えていた。良く見りゃ、その茶杯からは、ほんのり酒の香りが漂っている。
「つーか、手伝え、おっさん!」
「仕方ねぇなぁ‥‥」
飲み会と化した茶会を、いつまでもほったらかしておくわけにいかないらしく、やっぱり佐渡ちゃんにツッコまれてしまう片倉。かったるそうに杯を置いた彼は、ぼそりとこう言った。
「右45度に、再生デカ羊が潜んでるぞ」
「え」
ぐるんと振り返ってそちらを見れば、茂みの影に、見覚えのある角。
「あ、右斜め下にエビ」
「うわ、ホントにいた!」
さらには、足元の池に潜んだ巨大エビまで発見してしまう。酔っ払ってはいても、その優れた視覚嗅覚は健在なようだ。
「羊とエビ、入れ替わったぞ」
「くそう。待ちやがれ!」
まるで手を結んだように、コンビネーション技をご披露するエビと羊。それを追いかけていく佐渡ちゃん。だが、二匹ともなかなかしぶとく、相変わらずしゃげしゃげとエラい叫び声を上げている。
「なかなかしぶといな‥‥」
すでに数時間単位で戦ってはいるのだが、それでもでかいだけあって、ヒットポイントはかなり高いらしい。次第にぼろぼろになって行く森里を見て、佐渡ちゃんはおめめをきらんと輝かせた。
「こ、こうなったらなんでも良い。食材をゲットすれば、出られるはず!」
彼が手を伸ばしたのは、葱畑の向こうに生えていた、赤くて美味しそうな果物だ。
「卑怯っすよ! 佐渡ちゃん!」
「うるせぇ! 早いモン勝ちだ!」
文句をつけた森里、後をおいかけるように、自分もその果物へ手を伸ばす。
「負けるかぁ!」
ガタイの差で、佐渡ちゃんの勝利。森里の手が届くより先に、その赤い果物をもぎ取ってしまう。
が。
「貰ったぁぁぁぁーーーーあーーーーー!?」
勝利の雄たけびをあげた佐渡ちゃんを、その果物の枝が絡み取っていた。良く見れば、幹の部分は、触手城の蔓が集まった物体である。さらに、果物にはご丁寧に小さな牙がぞろりと生えていた。
「あれ、影ん所に、森里そっくりの奴がいたよーな気がするけど」
「取らなくて良かったー」
片倉の台詞に、ほっと胸をなでおろす森里。片倉の指摘に気がつけば、蔓幹の中心部に、少年の姿を模した白い人形のようなモノが潜んでいた。しかも、その蔓は、佐渡ちゃんだけではなく、勢い余って観戦していただけの執事さんまで巻き込んでいる。
「はっ。ここはっ!」
で、その捕獲されちゃった佐渡ちゃんはと言うと。
「も、森里少年? いったいどういう‥‥」
両腕を蔓で、ぐるぐる巻きに去れて、まるで何処かの首吊り台のごとく、宙に浮かされていた。オマケに、既に上着は引っこ抜かれて、足元に転がっている。
「って、こいつ森里違う! ただのモンスター!」
外見は、森里くんそっくり。しかし、まるでマネキンのような造詣に、佐渡ちゃんはそいつがただのダミーで、実は自分のエネルギーを吸収しようとしている化けモンだと気付く。
「オ イ シ ソ ウ‥‥」
「美味しくない! 俺は美味しくない!」
じたばたと足をばたつかせて、脱出しようとする佐渡ちゃんだが、どういうわけか、体に力が入らない。しかも、その拍子に、ズボンが落ちた。
「イ タ ダ キ マ ス‥‥」
「うっぎゃああああ!」
悲鳴は、少し離れた場所にいたはずの片倉と森里にも聞こえたと言う。
「食われたなぁ。さて、どうする少年?」
「ライバルが消えた、今こそちゃーんす!」
のんびりと危機感を感じない声で、片倉がそう尋ねると、少年はにやりと笑って、エビに手を伸ばす。
「まったく。こんな事なら、ラーメンかカツ丼にでもしとくトコだったぜ」
「今夜はご馳走じゃあああ!」
ぼやく片倉の前で、森里少年はそんな事を叫びながら、その拳を羊に向かって振り下ろしていた。
「‥‥あわてるなんとかは、貰いが少ないって言うけどな」
「おわぁぁぁっ! 俺を巻き込むなぁ!」
それにあわせるようにして、片倉から飛羽針撃が放たれる。羽を模したようなそれは、羊だけではなく、森里にまで襲い掛かっていた。
「少しくらい耐えろ。路上格闘少年」
「しくしく‥‥」
一応、そう名乗っている以上、下手なダメージでぎゃあぴいとは言えない。こうして、結局片倉の羽手裏剣な一撃でもって、二匹は美味しく解体されてしまうのだった。
「ケツが痛い‥‥」
「俺もっす‥‥」
何とか生き残ったらしい佐渡ちゃんと森里、それぞれ腰から下の辺りがずきずきしているようだ。
だが、一行には、もう1人犠牲者がいた。
「あれ、執事の奴は?」
「どうも、お持ち帰りされちゃったみたいだな」
一緒に捕獲された筈だけど‥‥と、あたりを見回す佐渡ちゃんに、1人無傷な片倉の旦那が、そう答える。
「「南無‥‥」」
きっと、とんでもない目にあってるんだろうなぁと、容易に思いついた佐渡ちゃんと森里は、そう言ってふかーく同情するのだった。
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