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【【お仕置きは初夏の薫りの中で☆】】
■切磋巧実■

<チカ・ニシムラ/アシュラファンタジーオンライン(ea1128)>
<クレア・クリストファ/アシュラファンタジーオンライン(ea0941)>
<フローラ・エリクセン/アシュラファンタジーオンライン(ea0110)>

 ――初夏を伴う微風が爽やかな空気を運び、深緑を撫でてゆく。
 周囲の木々が微風を労うように揺れ、悦びの音色を奏でる中、小鳥達の囀りと澄み切った小川のせせらぎが重なり、まるで三重奏のように心地良いリズムを刻んだ。
 ここはキャメロットから歩いて半日で辿り着く郊外の小川である。周囲は森林に覆われており、早朝が描く景色は殆どが自然の産物だ。
 否、殆どと例えるより、小川周辺で動き回る三人を除いてと言った方が正しいだろうか。
 腰ほどに届く優麗な金髪の少女は、暖色のスカートを翻しながら川辺に駆け寄り腰を落とすと、未だ冷たい水面に手を差し込んで幼さの残る愛らしい風貌に微笑みを浮かべていた。せせらぎが白い手を撫でてゆく僅かな抵抗が気持ち良い。チカ・ニシムラは伏せていた円らな青い瞳を開き、背後に腰を捻る。視界に映るは重厚な甲冑に身を包む凛とした雰囲気を放つ銀髪の女性と、同じく銀のロングヘアーが艶やかで、額の飾りと黒いローブがどこか神秘的な感じを漂わすエルフの少女だ。二人はせっせと竿に糸を結んだり、釣りの準備に勤しんでいた。
 この物語は、まだチカ達がアトランティスに渡る前の、イギリスにいた頃の記録である――――。

 陽光を照り返し、キラキラと宝石のように煌く水面に、小さな飛沫の音と波紋が描かれた。
 細い指が釣竿を一定のリズムで上下させる。時折流れる微風が黒いローブと釣糸を揺らす中、フローラ・エリクセンは微動だにせず、足を乗せている川辺の大きな石の上に佇んだ。赤い瞳が一点を見つめて神秘的な色を放つ。
 ――‥‥来て‥ますっ。
 竿に伝わる突つくような感覚を捉え、当たりの気配に少女の長い耳がピクンと跳ねる。円らな眼差しをクンッと細め、手首を返して竿を上げる瞬間を待つ表情はモンスターと対峙する如く真剣だ。
 ――焦っては‥‥いけませんっ。慎重に‥‥タイミングを合わせて‥‥っ。
『フローラお姉ちゃ〜ん♪』
「ひゃ‥‥っ!?」
 背後から飛び込んだのは甘えるような愛らしい声と共に、腰に抱きついた白い腕だった。幾ら大きな石の上とはいえ、フローラ一人がバランスを取るに十分なだけで、突如強襲した背中への衝撃に堪えられる訳もない。一気に少女の表情は愛らしさを浮かべ、赤い瞳が大きく見開いた。グラリと体勢が前方へ傾く中、抱きついたチカが動揺の声をあげる。
「‥‥って、みゃ? うみゃー!?」
 ――二人の少女が情けない悲鳴にも似た響きを重ねると、一際大きな飛沫が水面に舞い上がった。

「ん? フローラの獲物は大きいようね」
 少し離れた地点で飛沫の音を聞いたクレア・クリストファは、少女達がいるであろう方角に涼しげな碧色の瞳を流し、薄く微笑んだ。
 目的はピクニックではなく魚釣りである。甲冑の美女はポイントを定めると、一人離れて獲物を狙っていたのだ。微風が長い銀髪を舞い揺らし通る過ぎてゆく。爽やかな空気にクレアは瞳を閉じ、せせらぎに耳を傾けた。
 澄んだ小川の奏でる音色はバシャバシャと水面を派手に弾き‥‥少女達の救いを求める声が重なる。
「え? フローラ? チカ? まさかッ」
 ようやく異変に気付き、クレアは瞳を研ぎ澄ますと、一気に駆け出した。
「待ってるのよ! きっと大物の引きに苦戦しているのね。ウィザードの娘たちじゃ簡単に釣り上げる事は難しいかもしれないわ。離れるんじゃなかったわねぇ」
 ‥‥って。
 駆けつけたクレアは驚愕に瞳を見開き、一瞬立ち尽くす。彼女の視界に映ったのは、川の中で飛沫をあげる巨大な魚が跳ねる姿ではなく、必死に水面の石にしがみついて流されまいと堪えるフローラと、その腰に抱きついたままバシャバシャと足掻くチカだ。
「ちょ! フローラ、チカ!? 何をやってるの、もう!」
 小川は急流では無いものの、若干15歳の少女達が凌ぐには困難であろう。事実、流れに逆らうように両手で石を掴んだ少女は、殆ど水面の中だ。フローラの腰にしがみつく涙目のチカは彼女を浮き舟にするかのような様相で堪えていた。流れに沿った白い足をバタつかせる度に、ただでさえ水流を受けて綻びも危ういフローラの衣服が肩口からはだけてゆく。
「‥‥チ‥チカ様ッ、そんなに暴れると‥‥ち、力が‥」
「ふみゃあぁっ! 流されちゃうにゃっ、クレアお姉ちゃーん!」
 甲冑の美女は二人を助けるべく川に飛び込んだ。流れを掻き分ける中、歩を進める度に水面に浸かる部分が多くなってゆく。
「ったく、どこで釣りをしていたのよ‥‥って言うか、何でこんな中央まで‥‥フローラ、もう少しだから手を離しちゃ駄目よ! チカも暴れないでしっかりしがみついて!」
 この時ばかりは甲冑を脱がずに飛び込んで正解だったと思った。川の流れは一見どれも同じに見えるが、突如流れが急になったり、深くなったりする場合も珍しくない。鎧の重みが抵抗を緩和していたと言っても過言ではないだろう。尤も、少女達より長身の丈とはいえ、ゆうに越える程の深みであれば、クレアが溺れる結果となったかもしれないが今は言うべき刻ではない。
「さ、捕まえた! 引っ張るよ!」
 フローラの腕を掴み、次いでチカの細い腰を抱えると、辛くも川辺まで辿り着く事が出来た。もはや三人とも濡れ鼠だ。陸にあがると二人の少女は四つん這いになり、しきりに咽った。寒さで小刻みに震えるズブ濡れの少女達の背中を、クレアが「大丈夫?」と、優しく擦る。
「けほけほッ、た‥助かりました‥‥クレア様、ありがとう‥ございます」
「けふっけふッ、はふぅ〜‥‥もうダメかと思ったにゃー」
「少し待ってて、火を熾すから」
 甲冑の美女は慣れた手つきで燃えそうな枝を採取して焚き火を熾すと、丈夫そうな太い枝を組んで地面に突き刺し、周囲を見渡しながら未だ咳き込む少女達に訊ねる。
「ねえ、大きめの布か何か持って来ていない?」
「‥遠出でもありませんし‥腰を下ろすものしか‥‥」
「うん‥魚釣りだけにゃもん」
 当然のように答える少女達にクレアは深い溜息を吐く。‥‥自分を棚に上げらながら――――。
「仕方ないわねぇ。ま、誰も来ないみたいだし、衣服を乾かすわよ」
 言いながら甲冑を外し、美女が身軽になってゆく。衣服も乾かす必要があるが、武具が錆びるのは厄介だ。陽光に晒されたクレアの肢体は鎧姿から想像できないほど魅惑的だった。水を滴らせる銀髪は艶かしく、濡れて所々透けた布地がピッタリと肢体に張り付いており、肉感的な起伏を描くボディラインを浮き上がらせる。思わず少女達が息を呑み、羨望の眼差しを向ける程だ。
「‥‥え? クレア様‥まさか」
 腕を交差させて薄布を捲り上げ、アンダーバストが豊満な片鱗を覗かせた刹那、慌てるようにフローラが素っ頓狂な声をあげた。
「全部脱がなきゃ服も身体も乾かせないじゃない。フローラもチカも早く脱がないと風邪ひくわよ」
「ま、待って下さいッ! 歩いて3日の深い秘境では‥ないのです‥‥その‥誰か来たら‥‥」
 エルフの少女は視線を逸らして頬を染める。初夏を迎えようとする時期だけに、キャメロットの民とて散歩に訪れるかもしれない。下手すれば一糸纏わぬうら若き柔肌を晒す事に成ってしまうのだ。
「クレア様やチカ様に‥見られるのは兎も角‥‥他の者に‥見られるのは‥‥」
「大丈夫よ☆ 気温も高いし直ぐに乾くわ♪ ほら、チカも早く脱いでよね」
 こうして三人は生まれたままの姿と化し、服と身体を乾かすのだった――――。

 ――焚き火の傍に設えた太い枝にそれぞれの衣服が乗っており、ポタリポタリと雫を滴らせてゆく。
 三人は膝を抱える恰好で身体を丸めて火を囲んでいた。
 陽光と炎に照り返すチカの長い金髪は肢体に張り付いており、膝に隠れた二つの膨らみを水滴が伝い、細い腰に流れてゆく様が未だ幼さの残る容姿も相俟って少女特有の色香を放っているようだ。
 クレアの長い銀髪も同様だが、豊満な双峰を膝で押し潰した様は窮屈そうに窺える。神聖騎士として鍛え抜いた程よい筋肉が官能的な肢体を形成しており、チカとは異なる大人の色香を漂わす。
 フローラは体型的に二人の丁度中間に近い。ただ、エルフという容姿以上に生きている種族故か、少女らしい肢体に大人の色香を醸し出しており、神秘性が一層際立つ。
 この光景を誰かが瞳に留めたとしてら、人の形を模した森の妖精か精霊と思う事だろう――――。

「ふーん、そうだったのねぇ‥‥」
 なぜ川に落ちたのかフローラから事情を聞いたクレアが深い溜息を吐いた。エルフの視界に映る凛とした美女の隣で、チカが複雑な笑みを浮かべている。頬に大きな汗でも浮かんでいるような表情だ。刹那、切れ長の研ぎ澄まされた碧色の瞳が鋭さを増し、殺気にも似た気配に愛らしい少女がビクンと肩を跳ね上げた。ゆっくりと紡ぐ声と共にクレアの眼差しが元凶を捉える。
「チ〜〜カ〜‥‥」
「はみゅっ!?」
「悪い娘には、お仕置きだと何時も言ってるわね?」
「あぅ、あのそれは‥‥」
 フローラの視界で、ぶるんッと銀髪に隠れた膨らみが弾むと、背中を向けて膝立ちとなったクレアが両腕を広げてワキワキで指を動かす。その先に映るチカが慄くように腰を引いていた。恐らく少女の視界では前を隠さず今にも襲い掛かろうとする美女の邪な笑みとギラついた眼光が映っている事だろう。
「ク、クレアお姉ちゃんっ、み、見えてるみゃ! 丸見えにゃよぉ! ‥‥うみゃーーー!?」
 チカが慌てて指差しながら注意を引こうとしたが、美女の官能的な部分はしっかりと長い銀髪に隠れている。少女は一瞬チラリとフローラに救いの眼差しを向けるものの、エルフの少女はジッと成り行きを見守るようだ。次の瞬間、ザッと影が迫ると、チカが悲鳴と共にクレアに押し倒された。膝で隠していた肢体が外気に晒され、布のシートに金髪を泳がせて組み敷かれた少女が羞恥に頬を染める。
「ク、クレアお姉ちゃんっ、人が来たら大変にゃ。お仕置きなら後から‥‥」
「駄目よ♪ そう言って逃げようとしても許さないんだから☆」
 スーっとクレアの両手がチカの周りと泳ぐ。少女はどんなお仕置きをされるのかと、不安げに瞳を潤ませてゆく。
「ふにゃぁ‥‥な、何する気にゃあ‥‥?」
 美女が「ふふふ」と愉悦の笑みを浮かべた。クレアの泳いでいた両手がピタリと止まった刹那、チカは突然強襲した刺激にピクンと肢体を弾ませると、青い瞳を見開く。
「ひんっ!? ク、クレアお姉ちゃん‥そんにゃ‥‥んんッ‥にゃあははははッ!」
 堪えていたチカだが、我慢の限界に達すると、ジタバタと足掻きながら大きな笑い声を響かせた。
「どう♪ クスグリのお仕置きよ☆ ほらほら‥‥これはどうかしら?」
「んにゃあぁッ! ダメにゃあッ‥ひゃっんッ‥‥ひあはははははッ!」
 腋の下から細い腰に掛けて、執拗に擽ってゆく。神聖騎士として鍛え上げた筋力は、容易に衰えはしなかった。両脚を激しくバタつかせ、ブンブンと金髪を左右に舞い躍らせながらチカが涙目で笑い続ける。一見、害は無いが、おかしくもないのに無理に笑わせられる行為は辛い。必死にクレアの腕を叩こうと努めるものの、見切ったように擽るポイントを変えてゆく。流石はウィルで、一、二を争う実力者だ。
「ひぃにゃあッ‥ゆ、許してにゃあっ‥‥にゃはぁはははっ! みゃあぁぁっ!」
「あんッ、暴れ過ぎよっ‥大人しく反省するのね。フローラ、このお転婆な脚をどうにかして」
 クレアは腰を捻って背後のエルフに支援を要請した。フローラは銀髪の隙間から覗く膨らみをプルンっプルンっと揺らしながら、四つん這いの怠慢な動作で、暴れ続ける白くしなやかな脚元に向かうと、チカの顔を覗き込みながら、瞳を交錯させて薄く微笑んだ。白い手が少女の足首に伸びる。
「ハァ、ハァ、フローラお姉ちゃん‥ダメダメッ、見逃してにゃあぁッ」
 無理に笑い続ける事は腹部に負担が掛かる。クレアが視線を外した間に彼女の手首を掴んだチカは、頬を紅潮させながら荒い息を弾ませた。足掻く両脚の自由がエルフの少女によって制される。
「‥‥脚‥押さえました」
「ふふっ☆ なぁにチカ? そんな力で私を止められるとでも、思っているのかしら?」
 クレアは愉悦の色を浮かべ、ゆっくりと腕に力を加えてゆく。彼女の手首を掴んでいたチカのか弱い指がプルプルと震えた。
「んッ、んん、あッ、そんにゃ‥ダメっ‥‥」
 眉を切なげに戦慄かせて渾身の力を込める。次第に指が解かれてゆく中、何気に悩ましい声と愛らしい表情が艶かしい色を放ち、堪能するかの如くクレアは腕の力を緩めたり絞ったりを繰り返す。
「ほらほら☆ ちゃんと握ってなきゃ、また擽るわよぉ♪」
「やぁッ、もう耐えられないにゃ‥あっ、ダメっ、いかないでにゃあっ」
「‥‥ひざ‥こぞう‥‥♪」
 ポツリとフローラが呟くと共に、チカが腰を跳ね上げて戦慄に瞳を見開いた。エルフの少女がチカの丸みを帯びた膝皿の上で指を押し広げたり縮めたりし出したのだ。巧みな指捌きは、流石ジャパンの実力者と謂えようか。例えようの無いムズ痒さに、少女の肢体が小刻みに震える。
「ひぁんッ! んんッ‥くぅんん‥‥フ、フローラお姉ちゃん‥やめ‥‥あんッ!」
 一際大きな声をあげると同時、集中力が欠けた瞬間にクレアの腕が自由を取り戻した。恍惚にも似た笑みを浮かべて、チカを見つめる。
「さーて、次はどこを擽ろうかしら? その健気に主張している可愛らしい胸なんかどう? フローラは足の裏をお願いねぇ☆」
「‥‥綺麗な足の‥裏‥‥可愛い‥です‥‥♪」
「ひいッ! 足の裏はダメにゃッ、や、やんッ、フ、フローラお姉ちゃん‥クレアお姉ちゃん‥もう‥許してにゃあ‥‥これ以上はぁ‥‥はにゃッ! にゃああああっ‥‥んんッ、にゃはははははははッ! やめッ、やめてにゃあぁははははははははははッ! ひぎいぃぃぃぃッ! ハァ、ハァ、ハァ‥‥あんッあぁははははははははははははははッ! ひゃんッ‥きゃははははははははッ!」
 時々休ませては擽り、を繰り返し、チカは様々な箇所を擽られ、涙を流しながら笑い責めのお仕置きを受けた。
 滲む視界に愉悦の色を浮かべるクレア達を見て、二度と悪い事をしないと誓ったという――――。

●マスター通信
 この度はイベント発注誠に有り難うございました♪ はじめまして☆ かな? 切磋巧実です。
 いかがでしたでしょうか? PCデータの自由設定や装備まで表示されない為、基本設定とAFOミュージアムから(せめて共に映っているパートナーが誰か表示してあればと思いましたが)性格をイメージして綴らせて頂きました。イメージに相違なければ幸いです。
 先ずは一回撃沈しております(苦笑)。そんな訳でお仕置きは、擽りという事にしました。これはこれで辛そうで、我慢したり、休ませたりした時に悩ましげな声が洩れる事もありますよね(おいおい)。その辺をクレアさんとフローラさんが狙って、お仕置きにしたと解釈して頂けると幸いです。調子乗ってるとマジに怒られたりするので気をつけましょう(笑)。
 フローラさんの立ち位置が難しい所ですが、口数が少なそうなのでこのように致しました。呼び方など設定通り『〜様』と表現させて頂きましたが、相違ない事を祈っております。
 楽しんで頂けたら幸いです。よかったら感想お聞かせ下さいね。
 それでは、また会える事を祈って☆



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