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<PCパーティノベル・セフィロトの塔>


都市マルクト【整備工場】武器マーケット
 純情気分

ライター:斎藤晃

【Opening】
 整備工場名物の武器マーケットだ。
 自分にあった新しい武器を探すのも良い。
 頼めば試し撃ちくらいはさせてくれる。弾代は請求されるけどな。色々試してみたらどうだ?
 新しい武器がいらないとしても、今使ってる武器の弾や修理部品を探す必要もあるだろう。
 まあ、楽しみながら色々と見て回ってくると良い。売り子の口上を楽しむのも面白いぜ。
 それに、ここで目を鍛えておかないと、いつか不良品を掴まされて泣く事になりかねないからな。
 何事も経験と割り切りながらも慎重にな。
 あと、掘り出し物だと思ったら、買っておくのも手だ。商品は在庫限りが基本で、再入荷なんて期待は出来ないぞ。



【access】
 ここへ訪れるのはこれで3度目だ。
 『ルアト研究所』と書かれた看板を、抱えた花束の合間から見上げて、白神空は呼び鈴のないその扉を軽くノックすると押し開けた。
 彼女が持っていた花束は2つである。
 1つは、この前助けた整備工場の主任への見舞いに。もう1つは、この研究所に住む少女へのお土産だ。
 扉の中へ進むと、そこにはオフィスのロビーというよりは病院の待合室のような空間が広がっている。そこに置かれた応接セットには目もくれず、空は廊下の奥へと声をかけた。
 程なくして若い男が現れる。確か前回訪れた時に紹介してもらったと思うのだが、何とも印象が薄くて名前を思い出せなかった。
「あなたは」
 男は空に気付いて言葉少なにそう声をかけた。続く言葉は特になく、その余韻すらない。語尾はあがっていなかったから疑問のそれでもない。まるで彼の中ではそれで文章が終わっているような感じだ。
 空がこんにちは、と挨拶すると、男は無表情に頭を下げた。それから空を促すようにソファーを指す。しかし続いた言葉は「どうぞ」ではなかった。
「整備工場です」
 一瞬、何のことだからわからなくて空が呆気に取られていると、男は何を勘違いしたのか。
「地図を書きます」
 と、言った。
 たぶん、「リマなら整備工場ですよ」と、空がここへ訪れた意図を察して気を効かせてくれたのだろう。「今、地図を書きますね」とは、呆気にとられた空を、困惑してるぐらいに思ったのかもしれない。
 そういえば前回この男について、無口すぎてたくさん喋るとすぐ息切れする、なんてリマが冗談めかして話しているのを思い出した。あれは、あながち冗談ではなかったらしい。
 ソファーに座りメモ用紙にサラサラと地図を書き始めた男に、空はもう一つ別の用事があることも告げる。
「あの、主任さんは?」
 そう、少し前、整備工場の主任が重傷でこのルアト研究所に運ばれた。空はその時、輸血用血液を届けたのである。
 その見舞いに訪れたのだ。
「リマと一緒です」
 男が答えた。
 どうやら、その主任も復調したのだろう。工場に戻る主任にリマが付き添ったといったところか。
 相変わらず、言葉は最小限しか話さない。
 彼がすいっと地図を差し出した。やっぱり無言だ。彼をよく知る者なら、もしかしたら彼の息切れに気付いたかもしれない。
 空は小さく肩を竦めるとそれを受け取り、「ありがとう」と言ってルアト研究所を後にしたのだった。

 ******

 整備工場の入口で、空は困惑げに足を止めた。
 地図を凝視する。
 別段迷子になった、というわけではない。かといって地図がわかりにくいというわけでもない。夜訪れたならきっと、簡単に目的の建屋へ辿りつけただろう。
 しかし、空の眼前には整備工場名物、武器マーケットが広がっていたのである。
 通りには所狭しと露店が並び、まるでフリーマーケットのような様相を呈している。それは地図よりも複雑に道を作り、人だかりに地図に書いてあるような目印さえ見落としそうなほどだった。
「ま、仕方ないか」
 諦めたように呟いて空が一歩を踏み入れると、すぐさま声がかかった。
「よっ、そこの美人のお姉さん。見て行ってよ」
 揉め手をしながら愛想笑いを浮かべた男が近づいてくる。傍の露店の店員らしい、男に笑みを返して空は興味本位で店を覗いてみた。
 その眉間に皺が寄る。
 二級品、テックレベルD以下のものなら100レアルは越えないと聞いていた。ジャンク品ならその10分の1だ。
 ところがどうだ、ここに並ぶ品々にはどれも高値が付いている。
「どうです? これなんて、お奨めですよ」
 などと、店員はライフルのセールスを始めた。
 それの良さや性能について切々と語られたところで、空はさして詳しくない。
 気のない風の空に何を思ったのか、店員はついっと空の耳元に口寄せて囁いた。
「今なら半値にしときますよ」
 なるほど。この値札からどこまで値切れるかは客の腕次第という事である。バカ正直にこの値段で買うなということだ。いや、半値でも高すぎるか。となれば相場に詳しくない自分は、安くしてくれるからなどと安易に手は出さない方がいいだろう。
 それ以前に、欲しいものでもない。
 空は内心で舌を出しつつ柔らかな笑みで、店員のその良く喋る口を閉ざすと、フリーマーケットの奥へと歩き出した。
 店を回って、ある程度相場を把握しておくのも悪くない。
 しかし、ざっと見て、どこも付けてる値札は皆同じくらいだった。
 これでは相場もなにもわからないな、と苦笑いを浮かべつつ、空は地図を見やった。武器マーケットのど真ん中だ。さて、目的の場所はどっちにあるのか。
 誰かに聞いた方が早そうだ、と傍らの地面にシートを敷いてその上に品物を並べていた店の主人に声をかけた。
「すみません」
「おっ、いらっしゃい。何にしやしょう?」
 いかつい髭面の顔を愛想よく破顔して店主が言った。
「あ、この整備工場を捜してるんだけど」
 空が地図を店主に差し出す。
「整備工場?」
 店主の顔が曇った。
 そりゃそうだ、客だと思ったら違ったのだから。しかし将来客になるかもしれない相手だ、無碍に扱うような事はしないで店主は空の地図を覗き込んだ。
 それから空をマジマジと見やる。
「あんた、もしかしておやっさんの恩人かい?」
 店主が尋ねた。
「おやっさん?」
 空が首を傾げる。
「うちの主任だ。リマ嬢から聞いてるぜ。その銀髪。白神空ってあんただろ」
「え、えぇ」
「そうか、そうか。そうとわかりゃ、話しは別だな」
 そう言うと店主は豪快に笑って横にあった大きな袋をごそごそと漁り始めた。
「あの、主任さんは?」
 空が身を屈める。
「あぁ、工場の方だ。その花束、もしかして見舞いに?」
「えぇ」
「いやー、こんなえれぇ美人が見舞いに来たなんつったら驚くよ」
 そんな店主の言葉に空がテレたような笑みを滲ませていると、店主が何やら差し出した。
「これ、持ってってくれ」
 手渡されたのはずっしりと重みのある拳銃だった。
「これ…は?」
「9mmサブマシンガン。おやっさんの命の恩人だからな」
「……でも」
「替えの弾薬はいつでも安くしとくぜ」
 店主はニッと笑った。さすがは商売人といったところか。先行投資も兼ねているのかもしれない。
 空は半ば呆れたように肩をすくめつつ尋ねた。
「どうして、これを?」
 この武器を選んだ理由が聞いてみたかったのは、今後の参考にする為だ。
「リマ嬢に相談したら、これがいいんじゃないかって言ってたんだ」
「リマが?」
 オウム返した空に店主が頷く。リマがこれを選んだのなら、リマに聞くしかない。
「そういえばリマも工場の方かしら?」
「いや、試射場の方だと思うぜ。さっきうちに来て、アームレットがどうのとか言ってたから」
「アームレット? もしかしてこの前鑑定をお願いしといたやつかな?」
 空が呟くと店主が興味顔で身を乗り出した。
「お? ありゃ、ヘルズゲート内のお宝かい?」
 商売人として、或いは技術屋として気になるのか。セフィロトには数多のテクノロジーが残っているのだ。
 それに空は、さてどうでしょう、と肩を竦めてみせた。
「ESP増幅装置ってとこかしら」
「はっはっ、バカ言っちゃいけねぇ。この世にESPを補助するような道具は存在しないぜ」
 店主が空の言葉を笑い飛ばした。
 空は困惑したように目を見開く。
「でも、ESPに反応してるように見えたけど」
「じゃぁ、マシンテレパスじゃねぇか?」
「サイコキネシスだと思う。宙に浮いてたし」
「そりゃ、ありえねーな。物質操作出来るようなもん、聞いたことねーし」
 店主は腕を組んでうーんと首をひねった。
 店主の話しによればこういう事だ。
 例えば重力磁場を狂わせるテクノロジーは存在する。しかしそれは、その装置が置かれた個室全体というようなものであって、遠隔的に一定の空間の重力磁場を狂わせるような事はやっぱり出来ない、ということだった。
「じゃぁ、どういう事?」
 リマが使ったり、タクトニムが使ったりしていたのは、果たしてどういうからくりによるものなのか。
 何に反応して光を発していたというのだろう。
 空が首を傾げるのに、店主も「さぁ?」と首を傾げた。

 ******

 整備工場に見舞いに行くと、主任は元気そうに工員たちに指示を出していた。見舞いの花を手渡すと、お礼をと言われたが、既にサブマシンガンをもらっているので、と断ったら予備のマガジンをくれた。
 結局、その場の雰囲気で花束を2つとも渡してしまってから、空は工場を後にして、試射場へ向かう。マーケットから少し離れた場所にある、誰も使っていない廃屋の壁に、的を貼っているだけの何ともお粗末な場所だ。
 何人かが、マーケットで入手したのだろう拳銃を構えていた。
 その奥に目的の人物を見つけて空が駆け寄る。
「リマ」
 と、声をかけると、彼女の前から的目掛けて飛んでいた小石が、ふと、止まって落ちた。
 リマが振り返る。
「あれ? 何でここに?」
 尋ねるリマに空は9mmサブマシンガンを掲げてみせた。
「あぁ、試し撃ち?」
「どうして、これを?」
 リマの問いには答えず空が尋ねる。リマはそれで、うーん、とばかりに首を傾げてから答えた。
「武器には3種類あって、自分の強い部分を更に強化する武器、自分の弱点を補う武器、そしから切り札。で、強い部分を更に強化する武器は、既にナイフを持ってるでしょ? それに3つの擬態は切り札的要素も強い。だから弱点を補う武器を選んだの」
「弱点?」
 空が眉をわずかに顰める。自分で自分を分析して持久力が最大のウィークポイントだと思っているけれど、それを補う武器がこれというのは納得がいかない。
 するとリマは別の弱点をあげた。
「接近戦以外の戦闘に対応できない」
「…………」
「空には必ず役に立つと思うわ」
 確かに、空は中長距離に対抗する手段を持っていない。天舞姫による一撃離脱にしても、必ず接近しないとヒット出来ないのだ。ビジターキラーなど、高スピードで銃火器を使ってくるタクトニムに対抗するなら、間合いを開けた状態でも攻撃できる方が格段に戦闘力がアップするだろう。
 空は納得して頷いた。
 それで敢えて小型の拳銃を選んだのは、恐らく持ち歩きを考慮しての事だ。これくらいなら邪魔になる事もないだろう、自分の戦闘スタイルを踏まえた上での選択だったに違いあるまい。装弾数が多く連射可能のマシンガンを選んだのは、空の銃の腕まで見越しているのかもしれない。
「じゃぁ、防具はどんなものを選んだ方がいいかな?」
 空が尋ねた。
 リマは困ったように首を傾げてから言った。
「防具は難しいな。空の能力だとパワーアシストの付いたPPは使えないし、下手な防具はかえって動きを鈍らせるだけだから。敵の攻撃は不確定だし、完全防備に徹するならMSぐらいしか今はない。でも、それだとせっかくの能力も使えないでしょ。それなら攻撃を最大の防御にして攻撃をアシストするアイテムを揃えるのがいいと思う」
 例えば、致命傷を与えられなくても、敵の動きを止めたり、鈍らせたりするようなアイテムだ、とリマは続けた。だが、そういったものはわざわざ買って用意するのではなく、消耗品として現地で調達する方が利巧だという。装備品が増えれば、体力の消耗もそれだけ増えるし動きも鈍ってくるからだ。
「あんまり道具にたよるの好きじゃないんだけどな」
 空が苦笑を滲ませた。
「持久力に自信がないなら時と場所を選んで効率よく戦わないと、先へは進めないよ」
 こういう時のリマの話し方には容赦がない。子どもみたいな顔に、大人みたいな表情を張り付けてきっぱりと言う。
 確かに、一体倒して精一杯だった前回を考えるとそれは一理あったろう。
「それも、そうね」
 空は1つ息を飲み込んだ。手段を選んでる余裕などないのだ。
「あ、そういえば、アームレットは?」
 思い出したように空が尋ねた。
 あのアームレットの正体が気にかかる。
「あぁ、そうだった」
「ESPを補助するようなものはないって聞いたけど」
 店主が言っていた。
「えぇ。それでちょっと気になることがあってね」
「気になる事?」
「私、実は、接触テレパスなんだ」
「接触テレパス?」
「そう。触れてる人の考えてることがわかっちゃう。内緒にするつもりはなかったんだけど、言う機会もなくて……」
「えぇ!? ちょっと待って。じゃぁ、あたしが考えてること……」
 例えば、お礼は体で払ってもいいのよ、とか、あれとか、これとか、今までのいろんな事が全部筒抜けだったというのか。
 空は頭に血が昇ってくるのを感じて、明後日の方向に視線をさ迷わせながら火照る頬を手でひらひらと仰いだ。
 落ち着け。そういえば出会ってから今まで、殆ど握手すら交わしたことがなかったじゃないか。たぶん彼女が意識して接触を避けていたからだろう。あれもこれも、バレてはいない筈だ。
「だけど、あの時、何も聞こえなかった」
「え? あの時?」
 心がどこか遠くへ飛んでいってしまっていた空が、我に返ったようにリマを振り返る。
「セトを置いて先に血を運ぼうって……私には空の考えてることがわからなかったの」
 それは空がリマを抱き上げた時か。
「それって?」
「これ、持ってて」
 そう言ってリマは空にアームレットを手渡した。
「これ、さっき店で借りてきた、抗ESPチョーカーなんだけど、見ててね」
 そう言ってリマがPKを使う。
 目の前の手が差し伸べられた先の小石はカタカタと小刻みに揺れたが、それ以上は動かなかった。
 次に抗ESPチョーカーも空に渡して試す。今度は小石がふらふらと浮き上がったが、それだけだった。
 最後にアームレット持つ。小石はスムーズに浮き上がり、刹那、的目掛けて拳銃から発射された弾丸のように飛んでいった。
「どういうこと?」
 これでは、ESPを強化しているようにしか見えない。
「恐らく、このアームレットは抗ESPチョーカーの類似アイテムだと思うの」
「え? だって、今……」
「これは1つの仮説なんだけど、たぶん私のPKは大きすぎて、力が不安定なんだと思う。抗ESPチョーカーは元々ESPをセーブする為の道具なんだけど、大きすぎる力がセーブされたおかげで、うまく制御できるようになってるみたい」
「…………」
 確かに、そういう事もあるかもしれない。ESPを強化したり補助するようなアイテムが存在しない以上、ESPに反応するアイテムは抗ESPアイテムぐらいなものだろう。
「それに、これが抗ESPアイテムだと思うのはね……」
 そう言ってリマは空の腕に手を伸ばした。
「つまりこうやって空に触れても、今、空の考えてることがわからない」
 リマが複雑そうな笑みを浮かべて空を見上げた。
「なるほどね」
「後は抗ESP樹脂を確認して……」
「よし、決めた」
 言いかけるリマの言葉に空が名案を思いついたような満面の笑みで遮った。
「これをプレゼントにする。リマ貰ってよ。どうせ私には役に立たなさそうだし」
「何言ってるのよ。抗ESP樹脂は殆ど今では入手できないレアアイテムよ。高く売れば他のアイテムへの交換だって……」
「うん。それでリマに何かプレゼントでも買ってあげようと思ってたんだけど」
「は?」
 呆けたように口を開くリマに、空が笑顔で続けた。
「何が欲しい? って聞いても答えてくれそうにないから」
「当たり前でしょ」
 プレゼントを貰う理由がない、とばかりにリマは腰に両手をあてて憮然と空を見上げた。
「鑑定のお礼と、それから、これ」
 そう言って空は9mmサブマシンガンを掲げてみせる。
「それは整備工からのお礼でしょ」
「それに、リマがそれを付けてる限り、私が考えてること読まれないんでしょ?」
 空が言った。
 確かにこのアームレットをリマが身に付けている限り、空の考えていることを読むことは出来ない。
 リマは眉間に皺を寄せて、横目で空を見た。
「読まれて困るような事、考えてるの?」
「え?」
 特に意図があったわけでもないのだろうが、探るようなリマの視線に慌てて空は言葉を濁した。
「いや、ほら……それは、趣味とか好みとか……あるし」
「趣味? 好み?」
 怪訝に首を傾げるリマに空はにこやかな笑みを取り繕って頷いた。
「そう。趣味好み」
「…………」
 何か言いたそうな視線が返ってくる。
「気にせずベタベタ触れるもんね」
 冗談混じりに言ったら、押し殺したような笑いが漏れてきた。空の慌てっぷりが可笑しかったのだろう。
「ま、そう言う事なら預かっておくか」
 リマが言った。
「なんでそうなるかな」
 貰って欲しいのに、と空が舌を出す。
「私が持ってる限り、また会いに来てくれるんでしょ?」
「…………」
 空はリマをまじまじと見やった。
 美少女は嫌いじゃない。むしろ好きだ。
「可愛い」
 思わず抱きしめたくなる。趣味と好みを考慮して、リマの頭を引き寄せるとぐりぐりと撫でてみた。
「!?」
 瞬間、リマが尻餅をつく。
 転んだ、というよりは、飛び退ったといった感じで後ろに転がった。
「あれ? こういうの嫌いだった?」
「違う。そうじゃなくて……何ていうか、人に触れるのも触れられるのもあんまり慣れてなくて……ちょっとびっくりしただけ」
 接触テレパスであるが故に、どうやらスキンシップに慣れていなかったようである。
 ともすれば、空はふと思い付いたように言った。
「って事は、その様子だともしかして恋愛経験もないのかな?」
 意地の悪い笑みを作る。
「ムッ。空はそんなにあるわけ?」
 頬を赤く膨らませてリマが睨みあげてきた。
「勿論。手取り足取り教えてあげようか?」
 そう言って手を伸ばしてやると、躊躇う事無くそれを掴んで立ち上がる。
「どうせ私は経験ないですよ」
 拗ねたようにそっぽを向くリマに、肩を竦めて空が言う。
「これの使い方、教えてくれる?」
 9mmサブマシンガンを掲げて見せて。
「え? あぁ、勿論。メンテナンス方法もだよね」
「えぇ。じゃぁ、そのお礼に」





−End−



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┃登┃場┃人┃物┃紹┃介┃
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【0233】白神・空


【NPC】マリアート・サカ

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┃ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 ありがとうございました、斎藤晃です。
 たいへん遅くなりました。
 楽しんでいただけていれば幸いです。