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都市マルクト【整備工場】オーバーホール
装備の手入れは生き残りの必須条件だ。いざって時に、武器が壊れてましたじゃ、命が幾つあっても足りないからな。
だが、素人が弄り回してたんじゃあ、限界もある。たまには、本職に見てもらうのも必要だ。
それに、整備や手入れですまない、ぶっ壊れた装備は本職に修理してもらわなきゃならん。
サイバーなんて、傷一つ直すにも修理が必要だし、年に一回はオーバーホールが必要だって言うじゃないか。戦場じゃ頼もしいが、私生活じゃ大変だな。
さて、整備工場へ行こうか。あそこで、装備の修理や整備をやってもらおう。
〜黒丸犬を探せ!!〜
週末の整備工場の混み用は尋常ではない。
何しろマルクトにいるサイバー、ハーフサイバー達のほとんどがこの工場を訪れるし、さすがに全員が工場に殺到する事はなくとも、数割は来ているのだろう。体の不調を直して貰おうと整備工場区域に集まり、結果としてこの区域は、マルクトで一〜二を争うごった返しようになっていた。
そんなごった返しようの中、アルベルト・ルールとシュワルツ・ゼーベア、そしてジェミリアス・ボナパルトの三人は、区域の中でも中堅クラスの規模‥‥‥‥しかし一度行った人は(金銭的な余裕がある限り)他のところには流れないと言う、一流技師のいる工場へと足を運んでいた。
もっとも、足を運んだと言っても、正確にはここに用があるのはシュワルツのみである。
シュワルツのボディーは特別製で、ボディ自体はアルベルトが作成したのだが、組み立てをこの工場でやって貰っている。一応アルベルトでも修理は出来るのだが、部品云々の問題もあり、やはりここは、信頼の置ける整備技師に任せようという事になったのだ。
「ぁ〜、これは‥‥‥暴れ回ったんですかね。それとも走り回ってたのかな‥‥あちこちの駆動系が傷ついてますねぇ」
その専門の技師は、シュワルツの服を引っぺがしてあちこちを弄り回した後、そうぼやきながら整備項目を纏めた携帯端末を睨みつけていた。
「交換出来るかしら?」
「時間が掛かりますね。事前に一通りの部品は揃ってますけど、全部交換するとなると‥‥‥丸一日‥‥‥で終わるかな?」
「どうなのよ」
「他の仕事を放ったらかせば出来ますよ。もっとも、しませんけど」
「はぁ‥‥じゃあ、私も手伝おうかしら。まさか何日も黒丸を置いておくわけにもいかないし」
「いえ。それならば仮のボディーさえあれば大丈夫ですよ。体だけをこっちに預けて貰えればそれで十分です」
「そう。黒丸、それで良いかしら?」
技師と話し込んでいたジェミリアスは、二人の横でジッと待機していたシュワルツに訊いた。
整備項目を調べるために服を脱がされ、あちこちのハッチを開けられているシュワルツは手を挙げる事も出来ず、苦笑しながら答えてきた。
「それでお願いします。さすがにこの状態で何日も拘束されるのは、私も退屈ですから」
「決まりだな。じゃ、体は何が良い?あっちに色々あるんだが‥‥‥どうだ?この大戦前に流行っていたキャラクターを模した、キューピ‥‥」
「あっちの犬は?」
何やら怪しい子どもの人形(ロボのボディ)を持ち出してくる技師を押し止め、アルベルトは少しは慣れたところに置いてある大型犬のサイバーを指差した。
「それは、知り合いの老夫婦から頼まれた品なんですよ。防犯用TTを作ってくれって言われましてね‥‥‥どうです?このデザインはなかなか思いつかないでしょう」
「ああまったくだ‥‥‥。こんなふさもこの可愛らしい犬が防犯用だなんて、誰も思わないだろうよ。ッてか、これでかくないか?」
「それ以上小さくすると、防犯用として機能出来ないと思ったんでね」
「そっか。確かに、飛び掛かっても弾かれるんじゃぁ、ドーベルマンとして失格だろうな」
アルベルトが呆れながらその犬のボディーを持ち上げ、調べてから技師へと振り返る。
「このボディー、まだ頭脳の書き込みはしてないのか?」
「はい。まだ試作段階でして‥‥‥歩いたりするのには支障はないですよ」
「良い仕事をしてるわね。‥‥どう黒丸?面白そうだし、このボディーに移ってみて‥‥‥黒丸?」
アルベルトが持っている犬を覗き込んだジェミリアスは、背後で金属椅子に拘束されているシュワルツを振り返り‥‥‥黒丸が、まるで衝撃に打ちのめされたようにブルブルと震えていた。
「‥‥‥そのボディーでお願いします!」
「へ?」
「え、ちょっと‥‥冗談で言ったのよ?」
「いえ。是非その体に‥‥」
何やらこのふさもこの体が一目で気に入ったらしく、キラキラと目を輝かせ(ちなみに目のライトを光らせているわけではない)、アルベルトに抱えられている物を見つめていた。
だが技師は、渋い顔で三人を見返している。
「でも、それはまだ試作段階ですし。納期まで後一週間ぐらいしかないんです。あまり外に持ち出すのは‥‥」
技師が言葉を詰まらせ、ビクッと肩を振るわせる。
それを見たアルベルトとジェミリアスは、怪訝な顔でその技師の視線を辿り‥‥‥
なんとか回線の繋がっている手に銃を持ち、正確に技師に向けて照準していた。
「‥‥断らない方が良さそうよ。この子、かなり本気だから」
「‥‥よっぽど気に入ったんだな。この犬」
「‥‥人は見かけによらないって、本当ですねぇ‥‥」
アルベルトとジェミリアスは呆れ、苦笑しながら‥‥‥‥
技師は「トホホ」と肩を落とし、数分ほどしてから諦めたかのようにして半泣きになりながら、ハードディスク交換の用意を始めた‥‥
何時までも工場の中で待機しているわけにもいかなかったため、三人はショッピングモールへと移動した。
シュワルツも四本足の歩法にすぐさま慣れ、今では周りの者達から見ても立派な犬に見えていただろう。
それも結構有名なチャンピオン犬(ショードッグ)に似せて作ってあるため、嫌でも一目を引き付けている。
「なぁ、まずくないか?」
「何が?」
「こんなに一目を引き付けて‥‥‥珍しいんだし、誘拐でもされたら大騒ぎになるぞ?」
「されなければ良いのよ。私達二人がいれば、黒丸を見失うわけ無いでしょう。あんなに目立ってるのに‥‥‥」
「って、オイ!どこ行ってるんだよ!」
チョコチョコと大きな体で人混みに紛れ込もうとしているシュワルツを追い掛け、アルベルトがその首根っこを捕まえる。
シュワルツは低くなった視界が楽しいのか、「ワンワン」と元気に鳴きながらバタバタと暴れ、その手から逃れようと藻掻いている。
「そこら辺で、首輪でも買っておこうか。何だか本当に何処かに行きそうだから」
「そこまでしなくても良いわよ。中身は黒丸よ?万が一見失ったとしても、あの整備工場に辿り着くぐらいの事は出来るわよ」
それだけ言うと、ジェミリアスは「じゃあ、私はこっちで服を探しているから〜」と言い、必死に脱出を計る黒丸を捕まえているアルベルトを置いて人混みへと紛れていった。
「‥‥‥ッたく。久々の休日で買い物とかがしたいのは分かるけどな‥‥俺を置いていくなよ」
置いていかれたアルベルトは、溜息を吐きながら黒丸を地面に降ろした。‥‥と、黒丸も久ビザの休日をふさもこ犬(命名:アルベルト)で過ごす事が出来るのが嬉しいのか、地に足がついたと同時にダッシュ!あっと言う間に見えなくなった。
「まったく‥‥俺も買い物したいのにな‥‥」
アルベルトはぼやきながらも、まさか黒丸の監視を投げ出すわけにもいかず、慌てて黒丸の後を追い掛けていった‥‥‥
‥‥‥‥そして‥‥‥‥
「え?居なくなった?」
そんなジェミリアスの声が、様々な衣服が所狭しと飾られている店内に響き渡った。
店内の人々が何事かと注目する中、ジェミリアスの前に立っているアルベルトは、溜息混じりにジェミリアスに告げる。
「ああ。追い掛けたんだがな、体がちっこいし人は多いしで見失った。足跡も残ってなかったし、あの犬には通信機が積んでないから連絡も取れない」
アルベルトが息を吐く。
工場を出る前に通信機を外付けで取り付けて貰おうとも思ったのだが、シュワルツが外観が壊れるのを嫌がり、結局取り付けられなかったのだ。
「どうするのよ?」
「どうするもこうするも‥‥向こうがこっちに戻ってくるか、工場に戻るかを待つしかないんじゃないか?またはこっちから探しに行くかだが‥‥‥」
アルベルトは言葉を切り、ジェミリアスをジッと見つめ‥‥‥
「その格好‥‥‥やばくないか?」
「どうして?似合わない?」
「似合う。似合うんだが‥‥‥ある意味犯罪だぞ」
アルベルトが呆れたようにそう言うと、ジェミリアスは「そんなに変かしら」と呟きながら自分の格好を見回し、クルッと回転する。
‥‥‥‥ジェミリアスが来ている警官服‥‥俗に“ミニスカポリス”と呼ばれるその衣装は、ジェミリアスの抜群すぎるスタイルに見事なまでにフィットし、道を歩けば周り方注目の的になる事は目に見えていた。
‥‥‥まぁ、そうなれば黒丸からも見つけやすいのだろうが、返って近付いてきてくれない可能性もある。
「着替えは?」
「さっきまで着てたのがあるけど‥‥結局探すのね」
「万が一戻らなかったら、あの技師が泣くだろ」
それは‥‥と呟くジェミリアスにも、日頃から世話になっているあの技師が泣いて落ち込んでいる様子が容易に想像出来た。軍で鍛えられていた技師のために結構精神的にはタフなはずなのだが、お気に入りのサイバーが傷つけられたりすると、突然弱気になるのである。
‥‥先程、シュワルツにあの犬のサイバーを差し出す事を拒んでいた事から見て、あの機体がお気に入りにランクされているのは明白だった‥‥
「仕方ないわね。先に行って、そこら辺を探してきて。私はこれを買ってから探すから」
「分かった。急いでくれよ」
アルベルトが店から出て、辺りをキョロキョロと見渡しながら走っていく。人混みを掻き分け、時々立ち止まって集中しているところを見ると、どうやらPK能力も使って捜索するつもりらしい‥‥‥
「本当、仲が良いわね‥‥‥」
ショウウィンドウ越しにその姿を見送ってから、ジェミリアスはクスリと笑った‥‥
その頃、当のふさもこ犬‥‥もといシュワルツは、始めて見る地面スレスレの視界の中で、普段とは違う世界を楽しんでいた。
普段の休日でやる事と言ったら、ジェミリアスと一緒にショッピングをしたりクルージングに出かけたりと、あまり一人になる事がない。元々執事兼お手伝いロボットであるシュワルツ(は、休日だろうと何時だろうと、主優先で、自分の時間を持つ事など滅多にない。しかも本体は体長5メートルのトド型機体な為、やっぱり自由に出歩けない)
別にそんな生活に不満があるわけではないが、偶にはこんな時間も欲しくなるものだろう。
(う〜ん‥‥暖かいですねぇ)
路地から手近な公園に入り、芝生の上で大きく伸びをした。
マルクトには陽という物は存在しないが、季節がようやく変わってくれたからか、昼も過ぎてくるとあっと言う間に暖かくなってくる‥‥‥
体感センサーを調節しながら、シュワルツは大きく口を開けた。
(ぁ、もしかしたらこれが、“微睡み”という物でしょうか‥‥‥)
元々生まれつきサイバーである彼は、そんな事をボンヤリと考えている。
今までの体では不思議と味わう事の無かった感覚に、彼は何故か戸惑わなかった。
疑問はあったのだが、それもすぐに微睡みの中に溶けていく。
『あ〜!ワンコがこんな所でウトウトしてる〜〜〜〜!!』
そんな声がどこからか聞こえてくる。それと共に、駆け寄ってくる元気な足音‥‥‥
その音を聞き付け、シュワルツの耳が、ピクッと小さく動いていた‥‥
「すいません。うちのトド‥‥‥いえ、犬を見ませんでしたか?こう、フサフサしていてモコモコしている大型犬なんですけど‥‥」
「ああ。そう言う犬だったら向こうに行きましたよ」
捜索を開始してから、優に数時間が経過した頃、ようやくアルベルトの聞き込み調査に成果が見られた。
街中の人混みで聞き込みをして方向を限定し、ショッピングモールから住宅街へと近付いてきた頃、ようやく「ついさっき見かけました」と言うような目撃談を聞き付けたのだ。
そして、今では休憩に使われるような小さな公園にまで辿り着いている。
他で聞き込みをしていたジェミリアスに連絡をいれ、先に公園に来たのだ。
ここにはショッピングモールで時々見かけるような、奇抜な格好をしている物はまず居ない。ならば、現在のジェミリアスがここに来たら‥‥‥最悪、自警団を呼ばれるのでは無かろうか?
「まぁ、そこまで問題にはならないと思うがな‥‥」
とりあえず、あの格好は子どもの教育にはよろしくない。
時間が経っているとはいえ、この公園には、まだまだ子ども達の影があった。
「さてと‥‥‥こんな所に居るとはな。サッサと連れ戻さねぇと」
キョロキョロと周りを見渡し、アルベルトはシュワルツを探している。だがそこらの茂みの中にでも入っているのか、小さな犬と化しているシュワルツの姿は、どこにも見当たらなかった。
「また何処かに移動したのか‥‥‥やばいな。もう夜になるし、いったん工場に戻らないと‥‥…ん?」
シュワルツの姿が見えない事で唸っていたアルベルトは、公園の一角に、キャーキャーと声を上げている子ども達の一団を見つけた。
何やら面白い物でも見つけたのか、子ども達は茂みの中で寝転がっている物を、順番に抱っこしようとしたり頬ずりしたり毛を毟(むし)ろうと手をワキワキさせて‥‥‥‥ん?
「なんか、凄まじく嫌な予感が‥‥‥」
アルベルトが一歩踏み出す。歩は重々しく、出来れば‥‥‥思い違いであって欲しい…のだが‥‥
「あはは。こいつ本当に動かないぜ?」
「ちょっと重いけど、なんか触り心地が良いなぁ」
「ねぇ?毛を毟ったら、痛みで起きないかな?」
「やめようよぉ、可哀想だよぉ」
「でも、動かさないと遊べないって。ほれ、行くぞ!!」
集まっている子ども達が息を呑み、何やら手を動かしている子どもに注目する。
そして、ちょうどその手が無抵抗の“それ”に触れ、引き戻された時‥‥‥‥
「うわあああ!!黒丸!!!!!」
アルベルトの口から、悲鳴に近い声が上がった。
子ども達が手にしていたのは、シュワルツが入っているフサモコ犬だった。子ども達は手にしている犬が機械だとは気が付いていないのだろう。先の会話通り、犬を叩き起こそうと、よりにもよって毛を毟っている。
‥‥‥‥しかも、実行犯はこう‥‥‥ガッ!と掴んで引き抜いたらしい。
フサフサだった毛並みに、今では円形脱毛症の如き穴が空いている‥‥‥
「!? やべっ!飼い主か!!」
「全員散れッ!また明日な!」
「逃げろーーー!!」
「ぁ、こら!待てッ!!」
声を聞き、アルベルトを飼い主だと判断した子ども達は、あちこちの方向に逃げていく。それも四方八方、表の道に逃げていく者もあれば、茂みの方へと逃げていく者もいる。
子ども好きなアルベルトも、さすがに今回は叱ろうと思ったのだが、散り散りに散ってしまった子ども達を追う事も出来ず、舌打ちしながらその背中を見送っていた。
「ッチ。まさか能力を使うわけにもいかないしな‥‥あ〜あ。こんなになっちまって」
アルベルトは動かないシュワルツの体をに指を這わせ、痛々しい傷(?)を哀れんだ目で見つめていた。
「黒丸、どうして抵抗しないんだ?‥‥‥黒丸?」
呼びかけ、ペチペチと頬を叩く。
機械の身体に効果があるのかは解らないが、しかしシュワルツは、ピクリとも体を動かさなかった。
さすがに不審に思ったアルベルトは、ひっくり返し、撫で回し、シュワルツの体を調べ回る。そして特に不審な点が見つからない事に首を傾げてから‥‥‥
「あ!しまった。電池切れか‥‥」
その可能性に思い至った。
そう言えば、この筐体は試作品、しかも作りかけの物に移し替え、そのまま動かしていたのだ。
内部のバッテリーにどれだけのエネルギーが残っていたのかなど思い至らなかったが、つまりは何時止まってもおかしくなかったのだ。
「まぁ、見つけ易い場所で止まってくれてセーフって所か‥‥‥やれやれ」
シュワルツを抱き上げ、振り返って公園の入り口からこちらを見つけて駆け寄ってくるジェミリアスに視線を向ける。ジェミリアスは結局着替えなかったらしく、今でもミニスカポリスの衣装を着込んでおり、擦れ違う子ども達との対比が凄まじかった。
(‥‥‥この脱毛を見たら、逮捕されるだけじゃあ、済まないだろうな)
ジェミリアスも、あの技師も‥‥‥
アルベルトはその二人を宥めるのが自分なのだろうと予感し、ハァッと、小さく溜息を吐く。そして実際、ジェミリアスは‥‥
「アルベルト‥‥良かった。見つかったのね!」
「ああ。でもな、ほら、ここが‥‥‥‥」
「え?ン‥‥‥‥アルベルトーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「待てッ!俺じゃない!!聞けって‥‥‥ああもう!!!」
驚きとショックで“タガ”が外れたジェミリアスの攻撃を回避するアルベルト(第一容疑者)。元々多重人格症状が見られるジェミリアスだ。理性で考えての戦闘ではなく衝動的な戦闘行為ならば、攻撃に遠慮も容赦もないだろう。
‥‥‥しかも攻撃を躱されたからか、ジェミリアスは二撃、三撃と攻撃を続行する。
「とりあえず落ち着かせないとな‥‥ったく。なんでこんな事に‥‥‥!!」
悪態を付きながら、抱いているシュワルツを何処かに退避させようと辺りを見渡すアルベルト。だが大型犬のボディーは、いくらボディーESPで強化しているとはいえ、フサフサしていて持ちにくい上に重すぎた。
ブンブンとシュワルツを振り回しながら逃げ回る事となり‥‥‥‥
「はぁぁぁああああ!!」
「しまっ(ガキャッ!)‥‥‥アアアアアア!!!」
アルベルトの声が上がる。ジェミリアスの放った蹴りは、アルベルトの胸部へと炸裂し‥‥‥‥
反射的に盾にされた、抱かれていた犬の体を吹っ飛ばしていた‥‥‥‥
「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
「いや、悪い悪い。助けようとはしたんだけどな‥‥‥」
「ホント。あのトラックの運転手、酷いわよねぇ」
「あの‥‥‥私が眠っている間に、何があったんでしょうか?」
ウンウンと頷き合い。頬から流れる冷や汗を誤魔化すアルベルトとジェミリアス。そして、公園から先の記憶が全くないシュワルツは、なんとか治った体に戻り、半壊している犬の筐体を呆然と見つめている‥‥‥‥
必死に誤魔化そうとしているアルベルト達に構いもせず、技師の泣き声は、どこまでも響き渡っていた‥‥‥‥
★★参加キャラクター★★
0607 シュワルツ・ゼーベア
0544 ジェミリアス・ボナパルト
0552 アルベルト・ルール
★★WRコメント★★
お久しぶり、メビオス零です。
本当に長い間セフィロトからの受注がストップしてたのでどうしたものかと思っていたんですが、良かった。まだ発注してくれる人が居たんですね。BNOに全部移っちゃったかと思ってた。(苦笑)
今回は‥‥‥迷子の迷子の黒丸くんです。プレイングから、テロリストにでも誘拐されるのか‥‥!といったところだったのですが、なんと回り回って子どもの餌食に‥‥‥しかも円形脱毛症(汗)。当の本人(黒丸)が何も覚えてないんですが‥‥まぁ、アレです。知らない方が、幸せな事もありますよ。
さて、今回はショッピングモールで買ったミニスカポリスの衣装をジェミリアスさんにプレゼント!ただし絵はありませんよ?残念ながら、想像して下さい。
では、今回のご依頼、誠にありがとうございます。
度々納期を遅らせてしまい、申し訳ありません。これからはもっと早く作り始められるように、日程を調整しておきます。
またの御機会がありましたら、その時も頑張らせて頂きますので、よろしくお願いします!!(・_・)(._.)
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