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ブラジル【アマゾン川】楽しい水辺遊び
メビオス零
【オープニング】
赤道直下のブラジルは暑い。セフィロトの中は空調が効いているけどな。まあ、たまには水遊びってのも悪くはないわな。
外国人には茶色の水で泳ぐのは抵抗があるかも知れないが、こっちの人間は気にせず泳いでいる。泳がないにしても、釣りだとか何だとか、色々遊べるだろう。
ああ、ピラニアとかも普通にいるが、あいつ等は血を流してでもいないかぎり、襲いかかっては来ない。むしろ、人間様の方が奴らを食いまくってるくらいだ。生肉を餌にしたら、面白い様に釣れるぞ。針から外す時、指を噛まれない様に注意は必要だけどな。
そうそう、体内に潜り込んで中から食い荒らす、カンディルって魚がいるから、絶対に裸で泳ごうなんて考えない事だ。いいな?
〜真夏の暑い日に〜
その日、マルクトの一区画は、例年を超える猛暑に晒されていた。
セフィロトの塔内部にあるこのマルクトに、直接陽射しが襲いかかるようなことはない。しかし外壁を通して伝わってくる地熱は確実にマルクト内に広がっていき、それは空調施設の換気機能によって外へと送られ、快適な暮らしが崩れるようなことはない。
……の筈だったのだが、その空調施設は現在故障中らしい。どこかのビジターが大暴れでもして壊したのだろう。幸い一部の区画だけの故障らしいので、全体の機能としてはたいしたことはない。
しかし、その“一部の区画”に在住の方々にとっては、うだるような地獄が待っていた。
〜午前・前編〜
〜猛暑と少女と……ストーカー?〜
ヒカル・スローターは、白いTシャツの胸元を掴み、パタパタと前後に揺らして涼んでいた。事務所内は茹だるような猛暑に襲われており、客に見られることなど構っていられないと言わんばかりに気温が上がっている。
開けっ放しの窓から入ってきたセミを睨み付ける。この暑さなど意に介していないセミ達を羨むようでは末期だと、ヒカルは溜息を吐きながら雑誌の間に挟まっていた扇子を取り出し、扇ぎだした。
窓は少しでも風通しを良くしようと開けていたのだが、入ってきたのはセミの大群だけである。元々マルクトの風というのは、自然のものではない。空調施設が生み出すものなので、空調施設が故障中の現在、ヒカル在住の区画にはそよ風の一つも起こりはしないのだ。
ミーンミンミンミンミンミン…………!
「うぅ……」
扇子で扇いでみたのだが、残念ながら、あまり涼しくはならならなかった。しかも安物の素材を使っていたのだろう。扇子は既に歪みが発生してきていて扇ぎにくい。事務所に設置してあったクーラーは残念ながら故障中。扇風機は、クーラーを買った時点で売ってしまった。
ミーンミンミンミンミンミン…………!
「うううぅ……」
手にしていた雑誌に目を落とす。少しでも気を紛らわせようと手にした古い雑誌には、今年の水着特集などが書いてあった。
……フリフリのフリルがふんだんに使われ、あまつさえ可愛らしい猫の絵柄が描いてある水着が自分のサイズとピッタリだと言うことに衝撃を受け、思わず想像して戦慄を覚える。
一瞬だけ体温が下がったが、セミの声によって、すぐに元に戻ってしまった。
ミーンミミミミミミミミミミミギャー!!!!!
「うおぉぉ……」
「うわぁ。また暑そうだね……」
「ぬあ! あ、あやこか……」
扇子を止めることなく雑誌に目を落とし、セミの声に唸っていたヒカルは、ノックもなしに扉から入ってきた藤田 あやこに目を向けた。もっとも、扉も全開で開けていたので、ノックをした所で事務所の中は丸見えであったが……
あやこは短いスカートと薄手のシャツというラフな格好だった。なぜか肩に細長いバッグを背負い、手にはバケツを持っている。
ヒカルは涼しげなあやこを観察しながら、中に入るように促した。
「よく来たのう。さあ、この中に入って地獄を味わうがいい」
「……相当堪えてるね。そろそろ気力が尽き欠けてる?」
「ギリギリで大丈夫。今のところは」
「まだ午前中だからね〜。まだ上がるよ? 気温」
「ぬぁぁぁ……」
悶えるヒカル。代謝機能は能力で停止しているために不調を訴えるようなこともないのだが、だからと言って痛みを感じないわけでもないし暑さ寒さを感じないわけでもない。
ヒカルが暑さによって奪われているのは、体力でも健康でもなく、だんだんと気怠くなっていく気力の方だった。
「……ヒカルさんが机に突っ伏してる所なんて、初めて見た」
「たまにはこういう事もある。それより、その格好は掃除でもしに来たのか? セミ退治なら歓迎するぞ。窓を全開にしてたら、大量に入ってきたから。探せば二十匹ぐらいは居るわい」
「それはまた後日。それより、今日はこっちで誘いに来たんだよ」
あやこは手に持ったバケツを上げて見せた。その中には、ウゾウゾと子虫が蠢く虫籠と、小さなケースがゴロゴロと入っている。
ケースの中身は分からなかったので視認出来たのは虫だけだったが、続いてあやこがバッグを少しだけ開けて、中にある細い棒を指し示した。
「さて、これは何に使う道具でしょう?」
「釣り。釣り竿だのう」
「ご名答!」
なぜか胸を張るあやこ。どうやら嬉しいらしいが、それはヒカルも同様だった。
釣りは、ヒカルにとって数少ない趣味の一つである。道具はきっちりと揃えてあるし、定期的に手入れもしている。腕前はプロと勝負出来るほどである。
「で、釣りに行こうと思ったんだけどねぇ、クーラーボックスがどっかいっちゃって。誘うついでに借りていこうかと」
「じゃ、クーラーボックスを貸す代わりに、その餌を提供して貰えるか? 現地調達や街まで買いに行くのも面倒だし」
「もっちろんOK! ささ! 行くと決まったら、早速準備を済ませよ!」
「……そうだの。外のも付いてくるかも知れんし。早めに準備するか。あやこは窓の戸締まりを頼む。出かけている間に、虫の巣窟になるのは勘弁願いたい」
「? は〜い」
あやこは怪訝そうな表情で適当な開けっ放しの窓に近寄り、窓枠に腰掛ける。
ヒカルはあやこと入れ違いになるように立ち上がり、釣り道具の詰まっているロッカーへと歩み寄った。
窓から注がれる視線に気付き、兵藤 レオナは、慌てて手近な壁に身を潜ませた。
レオナが居るのは、ヒカルの事務所から500メートルほど離れた場所にある元・雑貨ビルの屋上である。まだ復興されていないのか……ビルは所々がボロボロで、人の気配が皆無であった。
「見つかったかな」
レオナは手にしていた双眼鏡を再び目に当て、事務所を観察する。窓際に座っていたあやこは既にこちらから視線を切っており、奥に引っ込んだらしいヒカルと何ごとか話しているようだ。
残念ながら声は聞こえない(当たり前だ)が、察するに二人でどこかに出かけるつもりのようだ。
レオナはこの場所ではヒカル達を見失ってしまうと判断し、すぐさま荷物をまとめて行動を開始した。用意していた数々の監視道具は、一旦どこかに置いておいた方が良いだろう。暇潰しで始めたヒカル観察日誌だったため、あまり丈夫な物を持ってきていなかった。
監視装置の補助なしで見つからないように追跡するのは骨が折れるだろうが、こんな面白そうなイベントを逃す手はない。
「ふふふ。ヒカル、ボクをのけ者にして楽しもうなんて、まだまだ甘いよ」
不敵な笑みを浮かべ、小さなリュックサックを背負いなおした。
〜午前・後編〜
〜晴れ、所によりピラニア〜
アマゾン川は、今日は平和に流れていた。
雨期のために多少の増水はしていたものの、今日は雨が降っているわけでもない。遠くから流されてきた木々が川を塞ぐようなこともなく、自然のままに、静かに流れている。川の周囲はねじ曲がった木の根によって覆い尽くされ、地面の砂が陸地として機能している場所は、そう多くは見当たらない。川の色が黄褐色なのは相変わらずだったが、誰もが見慣れているこの川を、けなすような者はいなかった。
「…………」
そんな川の畔に、キウィ・シラトが座っていた。
いつも通りの白い髪と黒い肌。肌着の前は開け、背を木に預けて太い根っこに座り、足を伸ばしてリラックスし、静かに小説本に目を落としている。傍らにはバスケットが置いてあり、蓋を開ければ、色とりどりのサンドイッチが入っている。そしてその足下には、器用に木の蔓で支えられている釣り竿が、川の流れに揺られていた……
「…………」
平和な時間である。このアマゾンの森の中も決して安全とは言えなかったが、それでもセフィロトの探索時に比べれば問題にならない。まして、ここは街道から大分離れている隠れ釣りスポットである。獣の類ならまだしも、盗賊やらビジターやらはまず来ないだろう。
キウィはこの平和を噛みしめていた。当初は、この近辺に現れるという外来の稀少魚を釣り上げて売ってやろうと思っていたのだが、このまま平和に無意味な時間を過ごすのも悪くないかもしれない。
……決して、釣れていない事への言い訳ではない。
「良い天気ですねぇ……」
空を見上げ、自然と声が出た。空は快晴とは行かないが、雨を降らせるような大きな雲は存在せず、時々暑すぎる陽射しを弱める程度に活躍してくれている。
こういう日こそお出かけ日和というのだろう。
キウィは小説本をバスケットの上に乗せ、このまま昼寝でもしていようかと、ソッと目を閉じ……
ダバダバダバダバダバッ!
まるでバケツをひっくり返したように降り注ぐピラニアを頭から被り、悲鳴を上げたのだった……
〜ちょっと前に戻って〜
ヒカルとあやこがアマゾンの森に入ってから、かれこれ三十分ほどが経過した。
道沿いに車を走らせれば、ものの数分でアマゾン川に着くのだが、あえてヒカルは森の中を徒歩で進み、川に向かっていた。
元々アマゾン川からさほど離れていない場所にセフィロトが作られていたため、アマゾン川に釣りに来る人は多い。特に金銭に困ったビジターは、頻繁に利用する。魚は釣れれば売って換金出来るし、売れなければ自分で食べればいい。
そうした理由で釣り人はかなりの数に及ぶため、ヒカルはあえて、人混みに入らないようにマニアックな場所取りを心がけていた。
「釣り人が集まってる場所は賑やかだから、魚が逃げてくことがあるのよ。それに一カ所で固まってると、その場所の魚は全体的に減ってるでしょ」
ヒカルの解説を聞きながら、あやこは懸命に後を付いていく。
体力に自信がないわけではなかったが、あやことヒカルでは雲泥の差があった。工学系女子大生と現役バリバリのビジターでは、比べるべくもない。あやこはヒカルに置いて行かれないようにするのがやっとだった。
(ふむ。よく付いてくるな……)
ヒカルは後ろから付いてくるあやこを置き去りにしないように歩調を調整しながら、時折振り返って待っていた。両肩には二人分の釣り道具の入ったバッグ、手には魚を入れるクーラーボックスと、釣り餌などの入っているバケツと言う重装備だ。ちなみにヒカルの釣り道具にはアサルトライフルが潜ませており、それだけでもかなりの重さだった。
あやこでは荷物を持ちながらは辛かろうと思って荷物持ちを引き受けていたのだが、あやことヒカルの体力差を埋めるには至らないらしい。ヒカルはあやこを待ちながら、盗賊の類が周囲にいないかどうかを警戒して周囲を見渡した。
「……ホントに、よく付いてくるな。素直に出てくればいいものを……」
ヒカルは溜息混じりに一人ごちた。
狙撃手としてあちこちの組織を渡り歩いたヒカルにとって、周囲……それも遠距離の策敵は得意中の得意だ。性格的に大雑把な尾行者の存在に、気が付かないはずがなかった。詳細に言えば事務所にいる時、太陽の光を反射して輝く双眼鏡の光が目立っていた。
そして現在、ヒカルが百メートルほど離れた茂みからはみ出している鉄製の銛を一瞥している間に、あやこが汗を掻いて追いついてくる。
「はぁはぁ……な、なに? なんか言った?」
「いや、なんでもない。もうちょっとで着くが、大丈夫かの? 背負おうか?」
「……遠慮するよ。絵適にヤバイ」
まだまだ余力を残しているヒカルを前に、あやこはもう少し体力を付けようかと考えていた……
そして数分後、ヒカルが「もうちょっと」と言った通り、二人は無事にアマゾン川に到着した。川の反対側に一人の青年がノンビリと読書をしているだけで、他の釣り人は見られない。この分なら、盗賊の類も出ることはなさそうだ。
あやこは少し休憩してから釣り道具を用意し始め、ヒカルはその間に潜水用のウェットスイーツに着替えていた。
そのヒカルに向かって、あやこは問いかける。
「ねぇ、どこで着替えたの? 数秒しか目を離してないんだけど」
「企業秘密じゃ」
なぜか不気味な笑みを浮かべるヒカル。遠くから監視していたレオナも、ヒカルの着替えシーンを確認出来ず、舌打ちしていた。
「さて……では、釣りを始めるとしようかの。おや、あやこは着替えないのか?」
「うん。別に川の中に入ったりしないし」
「……ふふふ、後悔しても知らんぞ」
「え? ちょ……どういう事?!」
ワイワイと騒ぎながら、釣りを始める二人。
その二人を見守っていたレオナは、手にしていた双眼鏡にヒビを入れながら、拗ねるように唇を尖らせて呟いた。
「ふんだ。ヒカル、ボクのことにも気付かないで、あんなに楽しそうで……懲らしめてやろ」
銛を手にし、ヒカル達に見つからないように慎重に移動を開始するレオナ。
目指すはヒカル……の釣っている魚。
ヒカルがレオナのことをよく理解しているのと同様、ヒカルを狙っても躱されるだけだろうと理解しているレオナだった……
〜元凶登場〜
釣りを始めて十数分……あやこは川岸の木の根に腰掛け、ヒカルは下半身を川に入れて釣り竿を揺らしている。二人の釣りスタイルは対照的で、ヒカルはテクニックを駆使して次々に釣り上げ、あやこはそんなヒカルを観察しながら、ゆったりと糸を垂らしていた。
あやことヒカルのバケツの中には、既に十匹を超えるピラニアが入れられていた。
二人がかりとはいえ、驚異的なペースである。あやこは人並みの腕前だったのでゆったりと釣っているのだが、ヒカルの釣り上げる速度は常人の域にいない。ピラニアの行動パターンを熟知しているらしく、あっちこっちに糸を落とし、一分に一匹の驚異的なペースで釣り上げているのだ。
あやこはバケツに放り込まれるピラニアを観察しながら、ヒカルが釣り上げるたびに「お〜……!」と歓声を上げていた。
「凄いペースだね。でも釣りすぎじゃない?」
「今日は調子が良いのだ。釣りすぎた分は、後で逃がすとしよう」
「キャッチ&リリースかぁ……売れば?」
「それでも構わんが、ピラニア程度では大した値は付かんぞ」
ヒカルはそう言いながら、十三匹目のピラニアをバケツの中に放り込んだ。バケツの中に飛び込んだピラニアが水しぶきを上げ、バケツの人口……魚口密度を増大させる。
このアマゾン川では、ピラニアは本当によく釣れる。特に今年は気候にも餌にも恵まれているらしく、マルクトでは毎日大量のピラニアが売れている。もっとも、大量に入ってきている分、値段が下落しており、最近では客が食べ飽きたのか、ほとんど飲食店ぐらいしか買い手が着かなくなっていた。
ヒカルは針に新たな餌を取り付けながら、投げ込むポイントを探していた。
「そう言えばさ。このアマゾン川に、最近見慣れない魚が出てきたんだって」
「見慣れない魚?」
「うん。最近外来からのOZEが入ってきたみたいで、マニアが挙って釣りに回ってるらしいよ。なんでも、空を飛ぶ魚なんだって」
「ほう……それはそれは」
ヒカルの目が光る。比喩ではなく、釣り人としてのプライドと挑戦心に火がついて光っている。
不敵な笑みを浮かべながら川を注意深く観察する。しかし、さすがに見ただけで外来種の痕跡など見つからないだろう。相手は川の中だし。
ヒカルは川に糸を投げ、巧みに操りながら唸っていた。
「気長に釣ろうよ。まだ午前中だし」
「……そうだな。いつでも来れるし、無理に釣る必要も──」
ヒュン!
ヒカルは言葉を切って身を翻し、飛来した鉄銛を躱していた。銛はヒカルの肩先を突っ切り、あやこの足下の根に突き立った。ヒカルは奇襲によって体勢を崩し、足を水に取られて転倒した。
「あ〜〜! ま〜〜! い〜〜!」
そんな声を上げながら、銛を投擲してきた陰が、森の中から飛び出してくる。陰は突き刺さった銛の上に器用に着地した。綺麗に突き刺さっていた銛を中心に根にヒビが入り、瞬時に広がっていく。
「何者!」
あやこは釣り竿を持ってヒビの入った根っこの上から退避し、現れた怪人物に問いかけた。怪人物……レオナは、高笑いを上げながら口上を上げた。
「ボクはマスターフィッシャー・レオナである! この釣りポイントはたった今ボクが乗っ取った! よって! ここで釣りたければ、今すぐボクを仲間に──」
「とりあえず落ちろ」
ガシッ
水中に没していたヒカルが、力強く銛を掴む。ただでさえ玲於奈が乗ったことで不安定になっていた銛が大きく揺さぶられ、限界を迎えた根がへし折れる。
……銛の上で格好良くポーズを取っていたレオナは、足場を失い、あっさりと転落する。
「うおわぁああ!」
バッシャン!
盛大に弾ける水飛沫。真下にいたヒカルは水中にもかかわらず巧みに移動し、落ちるレオナを不敵な笑みを持って迎え入れた。
「まったく。やっと出てきたか。素直に出てくればいいのにのう……」
「ガボガボッ……ブハッ! なっ、なにするのさ!」
「それはこっちの台詞だ。いきなり銛を投げつけるとは……魚を逃がしたらどうするつもりだったのだ」
そう言いながら、ヒカルは手にしていた竿を振り上げた。川面に繋がっていた糸が勢いよく跳ね上がり、餌に食いついていたピラニアがビチビチと抵抗している。
レオナに襲撃されながらもしっかりと竿を握り、釣りを続行していたのだ。
何事もなかったかのようにピラニアをバケツに入れるヒカルに、レオナはプチッと、頭のリミッターが外れる音を確かに聞いた。
「ちょっとー! ここまでやってそんなリアクションなの!」
「わっ! レオナ、落ち着け! こんなところで暴れるな!」
「ヒカルはボクより魚の方が大事なんだー!」
「掴むな叩くな抱きつくな! 親に置いて行かれた子どもかお前は!?」
ヒカルに抱きついてポカポカと攻撃を開始するレオナ。ヒカルは必死に抵抗し、何とか川の中に引きずり込まれないように奮戦する。
一人安全圏にいたあやこは、釣り道具やクーラーボックスを退避させ、二人を生暖かい目で見守っていた。
と、ピラニアの入ったバケツを避難させようとしたあやこの手よりも先に、レオナの手がバケツを掴む。ヒカルから無理矢理引き剥がされたレオナは、陸に逃げようとするヒカルに向かって、そのバケツを力一杯投擲した。
「っ!」
ガーン!!
凄まじい金属音が鳴り響いた。
金属製のバケツは凹み、空高く宙を舞う。
ヒカルは咄嗟にアッパーを繰り出した右拳を押さえて悲鳴を堪え、目尻に涙を浮かべた。さすがのヒカルでも、水一杯を汲んだ金属バケツを全力で殴れば、痛い。泣くほどに、痛い。
レオナもヒカルの様子を見てやりすぎたと感じたのか、ようやく癇癪を納めてヒカルに歩み寄った。
「え〜と……大丈夫?」
「……大丈夫だ。それにしても、ようやく落ち着いたか」
「はははっ。見ての通り。ごめんなさい」
「いや。こちらこそ、事務所の外にいる時点で気付いていたのに無視しててすまんな」
「…………」
そんなに前からスルーしていたのかと、再びレオナの体から憤怒のオーラが立ち上る。
だがそのオーラは、レオナの背後から立ち上がったあやこの声によって消し飛ばされた。
「あっ! 危ない!」
レオナとヒカルのことではない。あやこが目で追っていたのは、レオナが投げ、ヒカルがアッパーで打ち上げたバケツだった。空中高く打ち上げられたバケツは、ゆっくりと放物線を描いて、川の反対岸にまで飛んでいき……
「きゃああああああああああ!!!!!!!!!」
絹を裂くような悲鳴が上がる。
放物線を描いて飛来したバケツの水を頭から被り、向かい側で昼寝をしようとしていた青年が、突然浴びせられた水に驚き、悲鳴を上げている。
……ちなみに
その水の中では、しっかりと、活きの良いピラニアが泳いでいた……
〜午後・前半〜
〜その魚、血の味につき……〜
「本当に大丈夫?」
「はい。まぁ、一応」
「よくあの状況で助かったよね。ピラニアの大群に集られて、サイバーでもないのに絆創膏だけで済むってのは運が良いよ」
「はは。そうかも知れませんね」
キウィはあやこの手当てを受けながら、竿を片手に、バスケットのサンドイッチに手を伸ばした。キウィは顔や手足に幾つも絆創膏を貼り付け、小さいながらも多くの傷を残していた。
……あの時、バケツに入っていたピラニアを頭から被ったキウィは、散々な目に遭っていた。当然のように噛み付かれたキウィは突然の事態に動転し、バランスを崩して根の上から転落、川の中に叩き落とされた。
水の中に戻ったことでピラニア達は元気になり、さらに血の匂いを嗅ぎ付けて現れた新手によって、キウィは非常に危険な状況に立たされた。もう少しヒカルのアサルトライフルの援護とレオナの救出が遅れていたら、この傷は倍の数に達してただろう。
……余談だが、その時あやこは、緊急時用に持って来ていた応急キットを用意していた。
「で、謝罪ついでに私が狙ってた外来種を……ですか。それにしてもあれは……」
「白熱してるねぇ。なんかもう、忘れてるんじゃないかな?」
岸でノンビリと昼食を取りながら糸を垂らしている二人と対象に、ヒカルとレオナは、非常に騒がしい釣り勝負に明け暮れていた。
「落ちろ、魚!」
「まだだ。まだ終わらんよ!」
キウィとあやこから少し離れた岸であっちこっちに糸を投げ、レオナとヒカルは釣り勝負を行っていた。
当初の目的は、キウィへのお詫びの品として外来からの希少種OZEをプレゼントすることだったが、二人の様子を見る限り、完全に忘れられているように思える。
ちなみに、二人がああなった原因は……
『そうだ。怪我をしているキウィさんの荷物を、代わりに持ってあげるってのはどうかな? 罰ゲームっぽく、先に希少種を釣った方は免除って事で』
あやこの、何気ない提案だった。
「結構ちゃっかりしてますよね。自分は釣り勝負しないのに」
「だって私、あなたの怪我に関わってないから。それに、レオナはノンビリ釣るのは苦手そうだし。正直私も混じりたいけど、あのテンションに付いていく自信はないし」
あやこはキウィの治療を終えると、自分も竿を手に取り、根に腰掛けてゆったりと釣りを再開した。さりげなくキウィのバスケットに手を伸ばし、サンドイッチを略奪する。
それを咎めることもなく、キウィはヒカルとレオナを眺め、続いて今度こそなにも降ってこないようにと、快晴の空を見上げた。
「平和ですねぇ」
「良い天気だねぇ」
二人は川の流れとヒカル達の声をBGM代わりに、ゆったりとした時間を過ごしていた……
〜The Unknown fish vs Visitor tag〜
白熱した釣り勝負を繰り広げていたヒカルとレオナは、あやことキウィの予想通り、二人のことなど完全に忘れて勝負に集中していた。
一時間ほど掛けてようやく希少種の潜伏地を突き止めた二人は、思い思いの方法で相手を捕まえようと躍起になっていた。キウィとあやこから聞いた情報を元に餌を選定し、釣り上げるのにベストな場所を確保し、時には騒がしく、時には静かに獲物を待つ。
ピチャン
ヒカルの目前で希少種は水中から跳び上がり、それからモモンガのように滑空して数メートルを飛び、その直線上にいた羽虫を喰らっていった。一見するとオコゼのような外見だが、少なくとも下腹部をマントのように広げて滑空している間は得体の知れないエイリアンのようだ。幸い、サイズは両の手の平を広げたぐらいの大きさで、羽虫を食べているのを見る限り、人に危害を加えるタイプではないだろう。
ヒカルはあらかじめ羽虫を付けていた糸を放り、静かに偽オコゼの進路に投げ込んでやる。偽オコゼはそうとは知らず、糸から逃れようと藻掻いている羽虫を飲み込み、そのまま糸を……食いちぎった。
「なんとぉ!?」
ヒカルは驚愕し、思わず叫びを上げた。
見る限り、偽オコゼは力で糸を引きちぎったのではない。偽オコゼの飛び方はあまりにもフヨフヨしすぎており、そこまでの力が篭もっているとは、到底思えなかった。
「しかしまだ油断するのは早かった!!」
ザパァ!
しかし突如、川の中から人影が躍り出る。当然レオナだ。手にはバケツを持っていた。
本来ならピラニアが泳ぎ回っている川の中に水着も着ずに潜り込むなど自殺行為だったが、そこはオールサイバー。肉食魚など恐るるに足らずと潜り込み、偽オコゼの着水地点で待ちかまえていたのだ。
レオナがバケツを振りかぶる。どうやら、バケツで直接ゲットするつもりらしい。
……もはや、釣りでも何でもなかった。
ヒュルリ~
「うそぉ!!」
バットのスイングのように勢いよく振り抜いたバケツは、空を切り、獲物を捕らえられなかった。
剣を振り慣れているレオナが、剣がバケツに変わった程度で獲物との目測を外すわけがない。……しかし捉えたと思ったその瞬間、まるでバケツを振った気流に乗るかのように、偽オコゼはすんでの所でヒラリとバケツを躱していた。
ニヤリ
偽オコゼが川の中に消える瞬間、目元がニヤリと嘲笑うのを、二人の狩人は確かに見た。
「む・か・つ・く〜〜〜!! なにあれ! ホントに魚! 新種のタクトニムとかじゃないよね!!」
川の中で地団駄を踏みながら、レオナがバケツを振り回しながら悔しがる。
ヒカルは食いちぎられた糸を手元に引き寄せ、その断面を観察しながら唸っていた。
「正体の不明度ならば拮抗出来るかも知れん。……この糸、溶かされておるぞ」
偽オコゼの補食方法を見て取ったヒカルは、どうやって釣り上げてやろうかと思考を巡らせていた。
ヒカルは偽オコゼがどうやって糸を切ったのか、すぐに見当が付いていた。力で切ったのでも、歯で食いちぎったのでもない。あれは、溶かしたのだ。
恐らく、広げていた下腹部の部分に溶解液が滴っていたのだろう。その部分で羽虫を捕らえ、瞬時に溶かし、補食するのだ。
釣り糸というのはそれなりに丈夫な物ではあるが、溶かされるなどということは想定していないだろう。
ヒカルはどうやって釣り上げてやろうかと、思案に思案を重ねて策を練っていた。
「ヒカルー! 釣り糸じゃ無理だよ。ほら、こっちのバケツ上げるから。こっちでやってみなよ」
「……レオナ。その手の銛は何だ?」
「ボクはこれで串刺しにするの。あれぐらいの速さなら余裕で突ける」
「……遠慮しておこう。私は釣りがしたいから」
もはや意地でも獲ってやるという異様なオーラを放ち始めているレオナから距離を取り、巻き添えを食わないようにしながら糸に大きめの針を取り付けた。糸も太くし、狙いを外さないよう、全体的に重くしておく。
それをヒュンヒュンと振り回して手応えを確認しながら、ヒカルは「ふむ」と、小さく頷いた。
「これで良し。あとは釣るのみ!」
ヒカルは川の水面を凝視し、偽オコゼの再来に備える。レオナは未だに憤慨しながら、バシャバシャと水面を叩いていた。
バシャッ!
と、その音に混じり、二人から少し離れた場所で水が跳ねる音が響いた。
思わずそちらに注目した二人は、優々と滑空を開始する偽オコゼを凝視する。偽オコゼはやはり、捕まえて見ろと言わんばかりに目元を歪ませて、二人を嘲笑った。
「あはははははははははははははははははははははは!!」
良い感じにキレたレオナが、銛を突き出し、偽オコゼを串刺しにしようと一閃する。
しかしその動きを読んでいたように偽オコゼは動き、まるで羽毛のように軽やかな軌道で躱し切った。レオナはこのまま逃がしてなるものかと二撃、三撃と払い、叩き伏せる。
だが偽オコゼは軽やかにそれを躱し切り、フヨフヨと水面に着水した。
と、思ったその時だった……
「獲った!」
ヒカルが声高らかに宣言し、グイッと竿を引っ張った。途端、それに応えるかのように偽オコゼが跳ね上がり、再び空中に舞い上がる。
その光景を間近で見ていたレオナは、偽オコゼの背びれに釣り針が刺さっているのを確かに見た。
ヒカルは、なんとレオナが偽オコゼを相手にしている間に糸を投げ、針を偽オコゼの背びれに引っ掻けていたのだ!
「って、ヒカルも釣りしてないじゃん! いや、凄いけど!」
レオナは驚愕しながら銛を振り、このままヒカルに渡してなるものかと偽オコゼを再び狙う。糸に引っ張られているために回避することが出来ず、偽オコゼは、真下から打ち上げるように迫り来る銛に叩かれて空高く舞い上がった。
ブチッ
その衝撃で、ついでとばかりに偽オコゼを捕らえていたヒカルの糸が、断ち切られる。
「ああ!?」
ヒカルが声を上げる。
レオナは不敵な笑みを浮かべ、今度こそボクがトドメを刺してやる! とばかりに銛を振りかぶり、投擲体勢に入った。
負けじとヒカルも素早く糸を引き戻し、替えの釣り針を結びつけた。その間約二秒弱。
ちょうど、空中の偽オコゼが再び滑空モードに入った所だった。
「「逃がさ(ん)(ないよ)!!」」
二人は吼えると同時に互いの得物を偽オコゼに投げつけた。糸に取りけられた針は、今度は偽オコゼの尾びれに食いつき、銛は落下を始めた偽オコゼの頭部にガツンとぶつかった。
「頑丈な!?」
レオナが驚愕している間にも、偽オコゼは急降下を始めた。どうやらレオナの銛によって目を回したらしい。串刺しにはならなかったが、十分ダメージは受けている。
急降下を始めた偽オコゼは、ほぼ垂直に落下していき…
ヒュ~~~~~…………ベシャ
「「あ」」
その真下に居た、キウィの、今にも口に入れようとしていたサンドイッチに食いついた……
〜午後・後半〜
〜その希少種、血の味につき〜
激しいバトルの末に捕らえられた偽オコゼは、現在、無惨にも鉄網の上で焼かれていた。あれからコツを掴んだヒカルの手によって何匹もの偽オコゼが捕らえられ、これから焼かれるか、それとも売却されるかの瀬戸際に立っている。
レオナがどこからか調達した薪で火を起こし、ヒカルがどこからか用意した網で魚を焼いて、即席のバーベキューセットの完成である。二人が用意している間、キウィはあやこの手当てを受けていた。
キウィの手は、偽オコゼの溶解液に焼かれて微妙に火傷になっていたりする。幸い手に被さってきてすぐに引っ剥がしたので手が溶けるような大事にまでは至らなかった。
「それにしてもコイツ、美味しいのかなぁ?」
「知らん。私も食べるのは初めてだ」
レオナは網の上で焼ける偽オコゼを串で突っつきながら、食べても大丈夫かどうかをわざわざ口に出して考え始める。オールサイバーのレオナにとっては、食べ物に毒があるかどうかなど気にするようなことではないのだろう。
しかし残りの三人は、ジリジリと互いに顔を見合わせて間合いを取り、誰が一番最初に毒味をするかを牽制し合う。
何たって釣り糸を溶かしてしまうような溶解液を持った怪魚である。どんな毒を持っているか、分かった物ではない。
「ここは一つ……」
キウィが目配せをする。
「そうね。やっぱり……」
ヒカルが片手を上げて、気合いを込める。
「ジャンケン……!」
バッ!
あやこの合図と共に、三人が一斉に手を出した。
ヒカル、グー。キウィ、グー。あやこ……チョキ。
「あれぇ!?」
あやこは自らが出したチョキを信じられないような目で凝視し、口を開けて唖然としていた。
今の今まで貧乏くじを引かなかったツケが来たのか、ここに来て、あやこは一番のロシアンルーレットに挑戦する羽目になった。
「と、言うわけで焼けたよあやこ。ほれ。何か掛ける?」
「……塩ください」
無駄に楽しそうなレオナに偽オコゼの丸焼きと塩を渡され、あやこはゴクリと喉を鳴らした。偽オコゼの丸焼きは、とりあえずひれと鱗の類を丹念に取り、銛すら弾き返した頭部を取り除いた状態になっている。
色は……毒々しい茶色と暗褐色のマダラ模様。食卓に並んできたら、速攻で敬遠したい色合いである。
「…………チラリ」
「「「ジーー……」」」
あやこが他の三人に視線を向けると、三人は興味深そうに、固唾を飲んであやこを見つめている。これから偽オコゼを食べたあやこがどうなるのか、期待と不安に胸を高鳴らせながら、ジッとあやこのことを見つめている。
助ける気などはないらしい。万が一にでも毒があったらシャレにならない事態になると言うのに、なぜ止めようともしないのか──?
(だ、大丈夫! 誰のシナリオかは知らないけど、とりあえず死にはすまい!)
パクッ!
ようやく覚悟を決めたあやこは、ひと思いに偽オコゼに齧り付いた。
骨は硬かったが、皮も肉も柔らかく、一噛みしただけで偽オコゼの中からジュワッと刺激的な肉汁が口内に広がっていく。
「お〜!」
「大丈夫ですか?」
レオナが歓声を上げ、キウィが心配そうに応急キットを手繰り寄せる。
ヒカルはそんな二人を尻目に、静かに二匹目の偽オコゼに手を伸ばしていた。
……あやこのリアクションは、すでに知っていたが為に……
「う!」
あやこは胸を押さえて一歩退き……
「美味い!」
と、思いっきり叫んでいた。
「まぁ、知ってはおったがな」
「え?」
と、平気な顔で偽オコゼに齧り付いているヒカルのコメントにあやこはバァッと体を硬直させ、顔を強張らせる。
「普通の反応だったね〜」
「え? え?」
含み笑いを噛み殺しながら、レオナは偽オコゼを包丁で捌いていく。
「ヒカルさんもレオナさんも、意地悪が過ぎませんか?」
「え? え? ええ?」
最後にキウィが呆れたように言ったことで、ようやくあやこも事態を察し始めた。
「うむ。あやこ、実はな……このバーベキューセットを作るために森に入った時に、そこらの動物に食わせて毒味は済ませておいたのだ。生で食べさせた時には多少悶絶してのたうち回り血を吐きながら逃げていったが、死にはしないようだったのでな」
食べさせてみた、とのことだった。
レオナとヒカルは、森の中で実験を行っていたのだ。キウィはそのことを事前に聞いており、知らなかったのはあやこだけらしい。
からかわれたのだと気付いたあやこは、頬を膨らませて、網の上に残っていた偽オコゼに手を伸ばした。
「あ! ちょっと、もう少ないんだから平等に分けようよ!」
「ふ〜んだ! 早い者勝ちだよ!」
「やれやれ、この若いのは……ああ、キウィ。この魚は持って帰ると良い。今日迷惑をかけた詫びの分だ」
「ああ、ありがとうございます。良いお土産が出来ましたよ」
偽オコゼを取り合っているレオナとあやこを眺めながら、キウィとヒカルは談笑をしながら、平和な晩餐会を満喫していた……
〜お・ま・け〜
「はぁああ……ようやく……着いた」
レオナはすっかりくたびれた声でそう言うと、背中に背負っていた荷物をドサッと地面に置いていた。川から森へ、そしてマルクトにまで罰ゲームとして人数分の荷物全てを一身に背負っていたレオナは、さすがに疲れていた。オールサイバーとて、都合四人分の荷物は手に余る。
幸いキウィとは途中で別れたため、今はレオナ、あやこ、ヒカルの三人組だ。
「お疲れ様。どうする? 何なら、今日は事務所に泊まっていくか?」
「そうだね〜。もう、今日は帰るの面倒くさいや。泊めて」
「あ、ずるい! 私も泊めてよ!」
「ああもう。勝手にせい。私も疲れてるんだ。今日はこれ以上の騒動は勘弁だぞ」
ヒカルは汗でべったりと貼り付いたシャツをパタパタと叩きながら、事務所の鍵を取り出した。ガチャッと小さな音が鳴り、扉が静かに開いていく。
ブーン!
扉を開けた途端、中から大きなカブトムシが外へと飛び出していった。
「あれ、虫?」
「……」
「……あやこ」
「はい」
「窓の戸締まり、したか?」
「……えへっ♪ 忘れちゃった♪」
あやこは指口に当て、可愛らしくそう言った。
結局、ヒカル達が蒸し暑い中熟睡出来たのは、夜明けを迎えてからだったという……
完
☆☆参加キャラクター☆☆
0812 藤田・あやこ
0347 キウィ・シラト
0536 兵藤・レオナ
0541 ヒカル・スローター
☆☆後書き☆☆
一部の方には初めまして。そうでない方にはお久しぶりです。メビオス零です。
またお待たせしてしまいましたが、どうでしょうか? とある休日の釣り編です。思えばここの所セフィロトからの依頼が途絶えていたので久しぶりな気もします。ご依頼の方、誠にありがとう御座いました。(・_・)(._.)
予定よりもだいぶ長い作品になってしまいました。たぶん読みにくくなってます。すいません。
え〜、今回はほぼ全てのキャラに変な要素が盛り込まれてます。不自然さ爆発です。ちなみに偽オコゼのモデルはありません。こんな魚、いたら嫌です。
アイテムとして銛すら弾き飛ばす魚の骨とか渡してみよ〜かな〜とか思ったんですが、そんなもん渡してどうするんだと言う内なる声に従って却下しました。欲しかったらすいませんw
さて、長々と書く気力も夏の暑さに奪われてしまっているので、ここら辺で切り上げます。
なお、作品での批評などは思いっきり遠慮無く送って下さい。その方が私のためにもなります。特にセリフ回りがおかしいとか、そこんとこは参考になりますので。
今回のご依頼の方、重ねてお礼申し上げます。またの機会がありましたら、その時にも頑張って書かせていただきますので、よろしくお願いします。
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