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都市マルクト【仲間の家】クリスマスパーティーは持ち寄り
メビオス零
【オープニング】
普通、クリスマスは家族や親戚と過ごすんだが‥‥このセフィロトに住んでる奴らはほとんど出稼ぎやら家を飛び出したのやらで、家族は遠くってのが多いから、仲間内で集まる事になるんだろうな。
俺達ビジターなら、仲間のボロ下宿に集まって晩餐ってのが、順当な所だろう。まあ、その方が気をつかわなくて良いよな。
誰の部屋に集まるか決めておいてくれ。それから、晩餐の為の食い物の用意を忘れないようにな。
皆で美味い物を持ち寄ろうぜ。誰が一番美味い物を持ってくるか、競争するくらいのつもりでよ。
それで、食って、飲んで、クリスマスを祝うんだ。悪くないクリスマスだろ?
〜Party?〜
普段からこれ以上はないと言いたくなるほど喧噪の絶えないマルクトの街並みも、この日は通常の1,5倍程の人口密度を見せていた。親子連れが街を闊歩し、カップルが店を冷やかし、独り者が暴れ狂う年に一度の祭日‥‥
そう‥‥‥‥時はクリスマス。十二月二十四日の聖夜である‥‥
「毎年毎年、ホントに気合い入ってるわよね。ここのクリスマスって」
そうぼやきながら、白神 空は人混みを掻き分け蹴散らし引っこ抜いて街中を歩き回っていた。
元々、マルクトはブラジル圏内にある。キリスト系の宗教が根付いていた場所だっただけに、こういったイベントには事欠かない上、欠かさない。まぁ、基本的にここにいる者達はお祭り好きということもあるので、この日には独り者でさえセフィロトに潜ってドンパチをしようとする者はまずいない。よって、普段は外に出ていて居ない者達が街にいることになり、こうして街が人で溢れかえるわけである。
(多すぎ! 普段は穴蔵に籠もっている癖に‥‥)
懸命に人混みを掻き分けているというのに進めない‥‥空はそんな状況に舌打ちしながらも、何とか目当ての店を求めて歩を進めた。
目指すは衣料品店である。そして求めるは、やっぱり色気溢れかえる下着を‥‥買おうとして、やめた。
送る相手に、毎度の如く“そういった物”をプレゼントしていたためか、相手に「これからは空おじさんと呼ぶことにするから!」等と言われてしまったのである。まぁ、それは仕方のないことだ。そういう物をプレゼントした直後、必ず‥‥あれでこれでニャンニャンとするのだから、おじさん呼ばわりされても当然である。
空はようやく行き付けの衣料品店に辿り着き、戸を開けた。
‥‥‥‥がら〜ん‥‥‥
誰もいない。見る限り誰もいない。
まるでここだけ人払いの結界でも張られているかのように、レジに初老の男性がブスッと、しかめっ面で新聞片手に待機しているだけである。
「ちっ、お前さんか」
「私で悪かったわね。でもなに? この静けさは。暖房すら入ってないじゃない」
「ワシの足下にはついておるぞ」
「‥‥ちょっと」
「今のこの時期、広告も出しておらんワシの店には誰も来んのじゃ。経費削減じゃよ」
「広告ぐらい、自分で配ればいいのに‥‥ま、出した所で、ここに人が来るのかどうかは不明だけどね」
空はそう言いながら、客の一人もいない店内を物色し始めた。そして空の見る物は‥‥下着である。やはり、いつもの通り下着である。
「ととっ。間違い間違い。こっちじゃなかった」
空は後頭部を掻きながら笑みを浮かべ、今度は服のコーナーへと向かっていく。そこには、色取り取りの様々な柄の服が‥‥
「珍しいのう。当日に買いに来る奴は滅多におらんのに」
「別にイベントに使うわけじゃないのよ。ちょっとプレゼントにね」
「‥‥なおさら珍しいじゃろ。まさか、いつも言っておる祈祷師に渡す気か?」
「うん。今年は向こうで過ごそうかと思ってね。手ぶらじゃあんまりだし」
「ま、こっちで一人で過ごすのも寂しいからのう。今年も彼氏はなしか?」
「別の店に行きましょうか?」
「他にそんな物を売ってる店もないわい」
「む‥‥」
店主に指摘され、空は何気なく手に取っていた服を見下ろした。それは‥‥‥‥
「‥‥‥‥それもそうね。じゃあ、これを貰うわ」
「毎度あり。じゃが、それを渡すのはあの祈祷師じゃろ? あの村に、クリスマスが通用するのかどうか‥‥」
店主の言葉を背に、空は店の外に出た。人混みの多さは相変わらずで、今度はあちこちで怒声と罵声が入り乱れる。この手のお祭り騒ぎも、いい加減慣れたいものだ。
「あとは村に持っていく肉とかね‥‥やっぱりこれは狩りの方が良いかなぁ」
空は呟きながら手にした大きな紙袋を抱え込み、人混みの中に消えていった。
それが、約四時間前‥‥‥‥村に訪れる前の出来事である。
「くりすます? なんですか? それ」
美味しいの? とばかりに首を傾げている呪術師の少女に、空は微笑を浮かべて萌え死んでいた。
現在、空はいつもの通りにインディオの村に遊びに来ていた。毎度同じく狩り取ってきた動物を村人に渡し、祈祷師の少女に通された所である。
やはり、インディオの村にはクリスマスなどないらしい。ここの村々で別々の神を奉っているし、外界との接触も最小限に抑えてきたのだから当然か‥‥下手に布教活動などしたらその時点で袋叩きに合いそうだし、誰も教えようとしなかったのだろう。
別にクリスマスはやましいものでもなんでもないのだが、マルクトの喧噪から抜け出てきた空にとって、少女の反応は実に清々しく、美しく見えた。
しかしそんな少女に、空は後ろめたさを感じながらクリスマスについての解説に入る。
「村の人達にはもう言ったんだけど、クリスマスって言うのは、外の世界の祭日よ。昔、神の子供‥‥キリストって言う聖人が生まれた誕生日で、今では世界中で祝われている祝日なの」
「お姉様って、宗教家だったっけ?」
「や、違うけど。みんな騒ぎたいだけなのよ。きっと」
空が言っても、少女は納得のいかない顔で腕を組み、何か考えていた。この村に宗教があるかどうかは分からないが、しかし長年この村で祈祷師、神事に関わってきた少女にとって、ただ楽しむだけのために祭りごとに関わるのが気に入らないのだろう。詐欺師風味の祈祷師少女とて、何やらこだわりはあるらしい。
「大丈夫よ。村の人達にも、今日は奮発しておいたし。多少ハメを外しても見逃して貰えるわ」
「そうかなぁ?」
「そうなのよ。安心して!」
空は胸を張って言い切った。つい数分前、見張り役の者達に盛ったことなど気にも掛けていない。
「でも、他の宗教の遊びに付き合うのは‥‥」
「一緒に食事して遊んで───するだけなんだから! いつもとあまり変わらないわ。ちょっと規模が違うだけ」
空の説得に、少女は段々と「別に良いかな?」レベルで考え始めていた。確かに、空の言う通り、食事してあれやこれやしたとしても、普段と全然変わらない。と言うか、空の挙動が普段と変わらない。日常的に、ここに来た時には食事もしていたしプレゼントもしていたし(怪しい物ばかりだったが‥‥)、その後もあれやこれやとしているのだ。
空が言っているように、確かに多少趣向が違うからと言って、変わる所もないだろう。
何より、断った所で空が帰ってくれるとも思えない。
「‥‥ま、偶には良いかな。でも外のみんなにはばれないようにね。お年寄りはうるさいから」
「勿論。そこら辺は了解済みあります」
お年寄り対策に村の若衆達を買収することも忘れない。彼らも今日だけは、空ではなく村人同士で監視をしてくれることだろう。
何からなにまで周到に準備を進めている空に呆れながら、少女は溜息を吐いていた。
「でも、どうするの? ホントにいつもと変わらなかったら、つまんないかもよ?」
「フッフッフッフッフッ‥‥‥‥そうでもないわよ。例えば、いつも行ってるプレゼント交換でも、この季節限定の物が入ってたりして‥‥」
空は不敵な笑みを浮かべ、荷物のリュックの中(買収用の荷物が多いため、バッグじゃムリだった)を漁って、次々に綺麗に包装されている荷物を取り出した。大小様々。計三個の箱が登場する。
それを見て、少女は数歩退いて、チラリとテントの端にある大きな箱に目を向けた。その箱の中には、今まで空が少女に送り、とても村人には見せられないと封印されている物品が収納されている。
「お姉様‥‥前に言ったこと、覚えてるよね? 変なのだったら、おじさんだよ」
少女はジリジリと後退していく。これまでにも空からのプレゼントは渡されてきたのだが、そのほとんどが封印指定を喰らっているのだ。安心は出来ない。
しかし、空はやはり不敵な笑みを浮かべながらプレゼントを持ち、ジリジリと間合いを詰めていった。
‥‥怪しい。すごく、怪しい光景である。
まるで獲物を追い詰めようとするネコである。空は少女をテントの端にまで追い込み、ツツッとプレゼントの封を開け始めた。
「もう、そんなに警戒しちゃって‥‥ホントはあなたに開けて欲しかったんだけど、その前にその警戒心を解いておいた方が良いわね」
つらつらとプレゼントのリボンを時、包装紙を外す。中から現れた白い箱を開け、その中から深紅と純白に彩られた‥‥‥‥
サンタ服を取り出した。
「あ、服」
「そう。ただの服よ。だからホラ、コッチニキナサイヨ」
チョイチョイと手招きをして、少女を引き寄せる空。端から見れば、怯えているネコを餌で呼び寄せ、拉致しようとする人間のようだった。
少女も頭の端でそう思いながらも、しかしいつまでもこのままの状態でいるわけにも行かず、渋々と空に歩み寄って服を手に取る。それから丹念に服を調べ、おかしい箇所がないかどうかを確認した。
「なにも、そんなに疑わなくても‥‥よよよ」
「い、今までが今までだったんだから! でも、そうね。反省はしたのかな?」
少女は、空がようやく自分の言うことも聞いてくれたと、小さくガッツポーズを決めていた。しかし少女は知らない。手に持っている服がサンタ服であり、この季節限定のコスプレ衣装であることを‥‥‥‥
既に、自分が空の手中に嵌っているのだと言うことを‥‥‥‥
空は、計画通りだとほくそ笑み、警戒心を解きいつつある少女に、残りのプレゼントを手渡した。
「残りのプレゼントは、あとで開けましょう。それよりも‥‥ふふっ、似合うと思うわ。早速着替えてみてくれない?」
「うん。分かったよ。ちょっと待ってて」
少女はそういうと、空に背を向けて服を脱ぎだした。空も少女に背を向けて笑みを隠し、小さくガッツポーズを決めている。
(計画の第三段階完了。あとは‥‥フフフフフフフフフ)
ジュルリと口元に滲んできたヨダレを拭き取り、にやついてくる顔を引き締める。少女におじさん呼ばわりされないように事を進めるには、慎重に慎重を重ねなければならない
空がそうして待っている間に、テントの外に人の気配が立っていた。
「誰?」
「えと、先程食事の準備を頼まれていた物ですけど‥‥」
「ああ、ありがとう。ちょっと待っててね」
このテントに入る前に頼んでおいた食事が届けられる。しかし少女の着替えシーンを他人にまで見せるわけにはいかず、空はテントの外で待っている村人に礼を言い、自分で中に運び込んだ。
運び込まれたのは、色取り取りの御馳走と、空が街から持ってきた料理が半々である。街から持ってきた料理は出来るだけ簡単な物にまとめ、火で温めるだけで済ませられるようにしていた。
「思ったよりも上手くしてくれてるわね。さすが」
「ないそれ? 空の街の料理?」
「うわっ!」
美味しそうな匂いにつられたのか、急いで着替えを住ませた少女は、背を向けている空の背中に飛びついて料理を覗き込んできた。子供のようにじゃれついてくる少女を、空は思わず‥‥‥‥抱きしめそうになり、両手が料理の盆で塞がっていることに涙した。
(早まっちゃダメよ。今回は親父呼ばわりされる危険性もあるんだから、出来るだけ自然に、機嫌を取ってからでないと‥‥)
空は抱きついてきた少女をそのまま背負い、料理を床(インディアンのテントにはテーブルがない)に置いて少女に言う。
「もう着替え終わったの?」
「終わったよー! この服、変わってるね。全身真っ赤だけど、何か意味でもあるの?」
「元は黒かったそうだけど、確か、途中で某飲料会社かなにかの陰謀で変えられたのよ。ま、もう昔の話よ。それに、赤の方が似合ってて可愛いわよ」
「ありがとう♪」
久しぶりの空からのまともなプレゼントに上機嫌になっているのか、少女はサンタ服の短いスカートも気にせずに纏っている。この辺りでは冬でも暖かいため、この手の衣装は冬に着ていても問題ない。むしろ暑いくらいである。が、その辺りが隠れ蓑となり、少女はなにも疑問に思わずに着込んでいた。
‥‥せめて季節品であると言うことだけは伝えておこう。
でなければ、他の客がここを訪れた時にサンタ少女を見つけ、そのままお持ち帰りしかねない。それぐらいに可愛かった。
サンタ少女を見てから屈み込んで鼻を押さえている空を心配したのか、少女は空の頭を撫でながら、心配そうに屈み込んで空の顔を覗き込んできた。
「お姉様、大丈夫? なんだか、今日は変だよ?」
「ううん。いいの。大丈夫。むしろテンションが上がりすぎてるのかしら‥‥そうね、年に一度の聖夜だもの。偶にはこんな私でも良いわよね?」
「誰に聞いてるのさ‥‥とりあえず顔を上げてよ。そんな俯いてたら、鼻を押さえてても効果はないと思うよ?」
「そ、そうね。確かにそうかも‥‥」
少女を直視出来ずに俯いていた空は、突っ伏すような態勢から顔だけを上げ、少女に目を向けた。途端、すかさず顔を下げて再び俯く。ついでに肩を小刻みに震わせて、やっとの思いで言葉を紡ぎ出した。
「その‥‥下着」
「あ」
少女はバッとその場から飛び退いて、慌ててスカートを押さえつけた。
サンタ服のスカートは膝までしかなく、膝を曲げて屈み込めば、当然中身がもろに見える。まして空は突っ伏すように‥‥つまりはOTZの形になっていたのだ。その目の前に少女がいたのだから、隠しようがない。
少女は顔を真っ赤にして、空は意外な物を見たように顔を伏せたまま‥‥
「何で、それを履いてるの?」
「あはは。他のプレゼントは何かな〜って思って‥‥開けたら思い通りの物が‥‥」
少女は照れながら、開けてしまった空からのプレゼントの空き箱に目を向けた。
サンタ服がまともな服(少女にはそう思えた)だったために、他の物もと期待したのだろう。しかし中から出てきたのは‥‥空が日常的に彼女に送っているような、非常に可愛らしいと同時にエロアニマルチックな下着だった。
「せっかくなので、今日はお姉様から貰った物で全部固めてみました♪」
「ぐふっ!」
満面の笑みを浮かべる少女を見据え、空の中で何かが崩壊した。
「これで今日一日を乗り切れれば、おじさん呼ばわりは「そんなあなただから大好きなのよ!」────き、きゃぁぁああ!!」
もはや少女の言葉など聞こえていないのか、少女の言葉を途中で遮り、空は少女に抱きついた。続いて足払いを掛けながら巧みに腕を少女の体に回し、一秒掛けずに押し倒す。
少女は慣れたパターンでありながらも普段よりもテンションの高い空に、怯えたように身を固めた。
「お、お姉様!? ご飯が冷めちゃうよ!」
「ちゃんと温めてあげるから大丈夫!」
「実は聞こえてないでしょ!? うひゃっ! わ、私はご飯じゃなーい!」
少女は抵抗するように「このおじさん!」とか「正気に戻って!」等と叫んでいたが、過去からの経験的に、それが全くの効果がないことを知っていた。
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そうして、あまりに長い夜が終わりを告げた。
現在、空と少女は再び温められた料理を食べている。温めなおしてくれた村人が「どうして食べなかったんですか?」と聞いてきたが、空は苦笑いだけで乗り切った。が、少女はまったく笑っていない。むしろ“話しかけないで下さいオーラ”で、テントに残っている空すらも追い出しかねないオーラを放射している。
空は頬に冷や汗を流しながらも、慎重にタイミングを見計らいながら声を掛けた。
「あの‥‥」
「なぁに? おじさん」
「ぐふぁっ! お、おじさんはやめてくれないかしら? お姉様、正直胸にグサッと来るものがあるのよ♪」
空が少女に懇願する。まるでネコが餌をねだるような弱々しさだったが‥‥
「なんで? おじさんをおじさんって呼ぶのはいけないことなの?」
「うう、お姉様泣いちゃう」
「やめてよ。おじさんが泣いてる姿って、すっごく変態チックだから」
「ぬわぁぁぁあ‥‥昨日はあんなに可愛かったのに‥‥」
「そうしたのは誰?」
「ごめんなさい。私です」
空は少女に土下座しながら、ヘコヘコと懸命に謝っていた。何しろ約束を破った上、抵抗する少女を無理矢理ニャンニャンしてしまったのだ。全面的に空が悪い。情状酌量も弁解の余地も全くない。むしろ犯罪者決定である。
少女は一生懸命に謝る空を見下ろしながら、溜息混じりに呟いた。
「まったく、我慢してれば、今日は楽しめたのに‥‥‥‥」
「ほえ?」
極、本当に極々小さく呟かれた言葉を、空は聞き逃さなかった。元より常人よりも遙かに聴力が優れている空だ。こんな間近にいて、聞き逃さないはずがない。
少女はそのことに遅れて気が付き、顔を赤くしてそっぽを向いた。
「ねぇ、今、何か言った?」
「い、言ってないわよ!」
「ホントに? ねぇ、ホントに?」
「ちょっ! こっちに来ないでよおじさん!」
「おじさん、耳はいいんだぁ。ねぇ? なんて言ったのか、教えてあげよっか?」
「っっっっっっ!!!!!!」
少女は顔だけでなく、全身を真っ赤に染めながら空から逃れようと立ち上がった。しかしその直後、空が伸ばした手に捕まり、そのまま抱きかかえられる。
「可愛いなぁ。ごめんね、約束破っちゃって」
「‥‥ふんだ。怒ってるんだからね。許してないんだからね」
「ふふっ、ごめんなさい。その代わり、しばらくは言うことを何でも聞いてあげるから」
空がそう言うと、少女は空の胸の中で、小さく、邪悪な笑みを浮かべた。
その気配を察知し、空の背中に寒気が走った。
「何でも‥‥ね」
「‥‥‥‥何か、変なことを考えてない?」
「フフフ、大丈夫だよ〜。へへへ」
少女が空から離れる。それからジッと空を見据え‥‥
「じゃ、早速約束してね。年末までこの村に泊まり込んで」
「え♪」
「そして、その間エッチなことは一切なし!」
「ええええええええ!!!」
空の叫び声が、村中に響き渡る。
大げさにショックを受けて転がり回る空を見つめながら、少女は「年明けは激しくなるんだろうなぁ」と、声を上げて笑っていた。
☆☆参加キャラクタ☆☆
0233 白神・空
☆☆後書き☆☆
メリークリスマス! 今夜も仕事のメビオス零です!
何とかクリスマスには間に合いました。や〜、二十四日が月曜日で助かった。そうじゃなかったら、OMCの方が休みだったですしね。
今回の作品は、イチャ成分とかが若干控えめです。ネチョ成分も控えめです。う〜ん‥‥微妙なラインだなぁ。もうちょっと、こう‥‥‥‥やっぱりくんずほぐれずハァハァと(グシャッ)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ちょっと祈祷師少女に粉砕されました。やっぱり濃くし過ぎるのはダメですね。これからも節度を持っていきましょう!
この前のファンレターはありがとう御座います。読むのに四日程の覚悟期間を要してしまいましたが‥‥ファンレターは、読むのが怖いですね。ほとんどが好意的なのになんで怯えてるんだろう。私は‥‥。
返事もろくにせずに、しゅいましぇん(・_・)(._.)
これから年末に向けて忙しくなる(ならないのかな?)と思いますが、体を壊さぬようにお気を付けて、よいお年をお迎え下さい。
では‥‥‥恒例の‥‥‥‥
今回のご発注、誠にありがとう御座いました。
作品内のご指摘、注意などが御座いましたら、容赦なく言って下さいませ。毎度覚悟しながら読んでますので、怖いことが書いてあっても大丈夫‥‥です。
では、改めまして、今回のご発注、誠にありがとう御座いました。(・_・)(._.)
☆Merry Xmas&Happy New Year♪☆
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