<聖獣界ソーン・白山羊亭冒険記>


聖獣機神レオンマックス スキャンダル編
●愛のためにスキャンダル?
 今月もまた、映画撮影が始まるようだ。白山羊亭の壁にべたべたと張り紙が貼られている。そんな中、不服を唱える者がいた。
「なんだよ、レオン様〜☆ とか、ダーク様〜☆ とか‥‥」
 少年の名はエクエス。彼には可愛いガールフレンドのリールちゃんがいた。しかし、リールちゃんはレオンマックスにべた惚れ。ボーイフレンドのエクエスに見向きもしないようだった。それをエクエスは不服に思っているらしい。
「‥‥そうだ!! こうなったら、こっそりと撮影現場に潜り込んで、スキャンダルになりそうなネタを掴んで、週刊誌に送ってやれ!!」

 一方そのころ。白山羊亭の2階で打ち合わせをしていたエトラとセアラ達だが。
「今回はレオンに、レオンマックスのある場所とダーク城の場所を教える賢者役が必要なのよね? ちゃんと見つかるかしら?」
 セアラは心配そうにエトラを見る。
「そのときはそのときですわ。いざとなったら二役にすればいいんですし。それよりも‥‥何だか胸騒ぎがするんです‥‥。今回は撮影には充分に気を付けた方がいいのかもしれません‥‥」
 このエトラの言葉が後に的を射ていることに気づくことになろうとは、その場にいる者は誰一人、考えていなかったのであった。

●新たな仲間と新たな役者
 レオンマックスの募集ポスターを前に立ち止まる青年がいた。
「レオンマックスですか、面白そうですね」
 彼の名はジャム・ストゥベリ。何だか美味しそうな‥‥いや、甘そうな‥‥こほん。とにかく、そういう名前の彼はポスターの続きを読み始める。
「こういうお芝居は大好きですよ。‥‥おや、賢者役を募集していますか。これなら私にも出来るかもしれませんねぇ」
 ほんわかと微笑みながら、ジャムはゆっくりと白山羊亭へと向かったのであった。

「まあ、まあ、まあ!!!」
 書類を片手に大興奮なのは言わずと知れたレオンマックスの監督、エトラだ。
「どうだろうか? 良ければ採用して‥‥」
 緊張した面もちで訊ねるのは山桜ラエル。長く艶やかな銀髪に澄んだ青い瞳が印象的であった。
「採用、です!! 誰が何と言おうと、これは採用でしょう!! ダークに恋人がいたなんて‥‥何て素敵なシチュエーション‥‥こ、こほん。とにかく、私からもよろしく頼みますわ」
「それはよかった」
 ほっと、安堵するラエル。ラエルが提出した役柄とはダークと縁のある女賢者であった。と、その横で。
「うーん。えるちゃんならお姫様役になれると思ったのにねぇ〜?」
 ラエルによく似た青年が残念そうな声を上げた。彼の名はデュナン・ウィレムソン。ラエルの双子の弟である。名前が違うのはラエルが結婚して名を改めたからである。それはさておき。
「それで‥‥あなたは?」
 エトラの言葉にデュナンは、腰まである長い三つ編みを、無造作に背中に押し流し。
「効果音係って募集してます〜?」
 背中に背負っていたチェロを見せて、エトラに訊ねた。
「効果音、ですか?」
「爆発音とか、風の音とかじゃなくて、クライマックスシーンのバックに流れる曲を、作りたいなって思って。こう見えても、俺、オーケストラ団員だしね」
「まあ☆ 丁度、演奏する方を探そうと思っていたところだったんですよ。実際、市販の音楽で限界を感じていたところでしたから‥‥一緒に素晴らしい映画を作りましょう」
「ええ、俺からもよろしくお願いします」
 デュナンは親しげにエトラと握手を交わす。
 と、そのとき。
 コンコンというノックの後に。
「あの‥‥賢者役はもう、決まってしまいましたか?」
 先ほどポスターを見ていたジャムだ。
「いいえいいえ、まだ決まっていませんわ!!!」
 ラエルは心の中で、それはもう決まったはずと心底思ったのだが、ここで拗れるのも悪いと思い、ぐっと堪えていた。お蔭でラエルの眉がぴくぴくと引きつっている。
「よかった‥‥良ければ、賢者役としてやりたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ええ、もちろん!! 今回は以前よりももっとグレードアップした映画が撮れそうですわ‥‥」
 瞳をきらーんと輝かせて、エトラはうっとりと天井を見上げていた。
「‥‥役‥‥変更されるかも‥‥」
 ふうっとエトラの陰でラエルはため息をつくのであった。

●撮影とスキャンダル!!
 レオンマックスの撮影現場では、ダークの城でのシーンを取り始めたところだった。
「ティアラ姫、食事の用意が出来ました」
 ダークの部下であるアズラエル役扮する、エセル・ゼニフィールはそっと、姫役のノエル・マクブライトの側に夕食の乗ったワゴンを置く。
「ありが‥‥」
 そういってノエルはベッドから起きあがろうとしたときだった。
 ボトボト!!
 な、なんと!! 起き上がったノエルの足元に胸パッドのようなものが、散乱しているではないかっ!!
 その場にいたスタッフ全員、言葉を失った。
 ただ、カタカタとカメラだけが動き続けている。
 と、エセルが何かを叫んだ。真っ青になったノエルはそれでも、演技を辞めなかった。
 まるでそのことを予期していたように。
「私はティアラ本人です」
 その声は掠れていたが、それでも引きつける意志を持ったように、全員ノエルに釘付けだった。
「‥‥こうして、王子でありながら、姫として生きてきました。このことを知っているのは父上と母上、そして、ごく限られた者のみです。騙すようなことをして、すみません」
 そして、ノエルは瞳の端に涙を滲ませる。
「で‥‥では、あなたは‥‥」
「本当の名はティアル。ティアル・ヴァ・サーレ18世です」
 そうノエルが告げた後。
「カーット!!」
 それを遮ったのはエトラのその声だった。カメラが急に止まる。
「あ、あの‥‥す、すみません!! エトラ様、その、あの、勝手に台本を変えてしまって‥‥そ、それに、皆さんを今まで騙すようなことして‥‥」
 そう、ノエルは本当は女、ではなく男だったのだ。
 先ほどの演技の一部は本心から出たものかもしれない。だからこそ、息を飲むように引きつけられたと言ってもいいだろう。
「台本を勝手に変えられてしまったのは、少し残念ですが」
 ノエルはぎゅっと瞳を閉じて、そのときを待つ。
「けれど、お蔭で良い絵が取れましたわ。それに‥‥皆さんに言わなかったのは、私達の所為でもありますし。ノエルさんには少し辛い思いをさせてしまったかもしれませんね」
 そう言って微笑むエトラ。

 その後、クリス・メイフォードとアレックス・バードナーの提案により、リールとそのボーイフレンド、エクエスが映画に出ることになり、スタッフ全員を狼狽させたのは言うまでもない。

●聖獣機神レオンマックス 第3話 目覚めのとき
 暗闇に沈むダーク城。その片隅でエセルが扮するダークの部下、仮面の女騎士アズラエルは、親しい友人のように接していたグリフォンと共にいた。そのグリフォンの羽毛の中に一通の手紙を隠している。
「お願いです‥‥。この手紙を、あの賢者様に‥‥ジャム様に届けて下さい」
 グリフォンは大きく一声鳴くと、すぐさま空を舞い上がる。
 アズラエルはそれを祈るように見送っていた‥‥。

 時は遙か昔。国々が王達によって治められた頃、その城に住む一人の姫が、魔王の手によって奪われてしまった。その姫は魔王の真の力を呼び起こす力を持っている。その前に姫を助け出そうと立ち上がる者がいた。

「聖獣機神レオンマックス、第3話‥‥目覚めのとき」

 幼い少女と少年が木の上から見える風景を楽しんでいた。普段見ることの出来ない、特別な風景。彼らも例に漏れず、その光景に胸を躍らせていた。
「ダークは凄いな。だって、空を飛ぶ魔法を使えるようになっているんだもん。木登り出来ないあたしをここまで運んじゃうし‥‥」
 少女はダークと呼んだ少年に声をかける。
「そんなことないよ。この魔法はコツさえ掴めれば、どんな魔法使いだって使える、簡単な魔法だって聞いたよ。それに‥‥魔力はマーニの方が上じゃないか」
 ダーク少年はマーニと呼んだ少女に向かって、そう力説した。
「ダーク‥‥」
 そのとき、思いもしない突風が彼らを襲った。
「きゃああ!!」
「危ない!!」
 とっさにマーニを受け止めるダーク。どうやら、突風はもう、収まったらしい。森の中にはまた、静けさを取り戻していた。
「大丈夫?」
 覗き込むように訊ねるダーク。
「う、うん‥‥大丈夫‥‥」
「よかった。君に何もなくって、本当によかった‥‥」
 そう言って眩しそうに瞳を細めるダークの姿に、マーニは思わず俯き、頬を紅く染めるのであった。

「マーニ‥‥」
 低く響く声が突然、耳に入り込んだ。
 気づけばそこは見知った家の一室であった。様々な実験道具や書物が所狭しと置かれている。そこに声を掛けた本人がいた。ジャムが扮する賢者ジャムである。
「あ‥‥すまない。少し考え事をしていた。で、何の話だったか?」
 そういうラエル扮する霧の谷の魔女、マーニはジャムに訊ねた。ジャムはその様子に苦笑しつつ。
「アズラエルから手紙が来ています。ティアラ姫はご無事のようですが‥‥残念ながらダークはもう、昔のダークではないようです」
 真剣な眼差しでそうマーニに告げた。
「ダークを救うことは出来ないのか? あのとき、過ちを犯したのが私であれば、こんなことには‥‥」
「そう自分を責めてもこの状況を打開することは出来ませんよ?」
「‥‥そうだな。とにかく、ダークを救う方法を‥‥」
 ラエルが顔を上げたときだった。
 この部屋に唯一の扉がノックされた。
「ジャム様、下界から訪問者が来ております」
 扉から現れたのはメリッサ・ローズウッドが一人で三役をこなしている、三つ子の三姉妹の長女、アトロポロスだった。まるでアラビアンナイトに出てくる踊り子のように、頭や口元をヴェールで覆っており、青い服を着ている。と、その後ろからオレンジ色の服を着た三姉妹の次女、ラケシスが前に出てきた。
「わたしはぁ〜、追い返した方がぁ〜いいと思うですぅ〜」
 そんなラケシスの隣りにもう一人。緑の服を着た三女のクロートーが、静かに姉達を見る。
「全て、ジェム様、決める。ワタシ達、決める、ない」
 カタコトの言葉でそうしっかりとラケシスに述べるクロートー。
「わかりました。‥‥もう来たのですね、彼は。‥‥マーニ、あなたも一緒にどうですか? 面白いものが見られるかもしれません」
「面白い‥‥もの?」
 ジャムの言葉をマーニはもう一度、口元だけで復唱した。

 来客用の応接間で、一人、彼はいた。クリス扮するレオンだ。
 そわそわと辺りを見渡しながら、その人が来るのを待っている。
 と、静かに扉が開き、そこからジャム、マーニ、そして三姉妹が入ってくる。
 レオンは急いで立ち上がり、ジャムの元へと駆け寄った。
「あなたが、あの有名な賢者であるジャム様ですね?」
 そのレオンの言葉にジャムはゆっくりと頷いてみせ。
「ええ、そうです。こんなところにお客さんとは珍しいですね」
 そして微笑む。その優しげな微笑みに飲み込まれそうになりながらも、レオンは声を必死になって紡ぎ出す。
「あ、あの‥‥」
 それを止めたのはジャムだった。
「目的は聞くまでもありません。レオンマックスをお探しですね」
 この森に訪れる途中で立ち寄った町。そこで、レオンは『レオンマックス』という、神に匹敵するほどの力を秘めた存在があることを知った。もし、その力があれば、賢者の手を煩わせることなくダークの城へ、そして、あのダークまでも倒すことが出来るかも知れないという望みを持ってここまで来たのであった。ここまでの道のりはそう容易いものではなかった。レオンも幾度となく、怪我をし、迷い、その果てにこの家を見つけたのである。それは彼に充分な安堵感と達成感をもたらした。
 こうして賢者であるジャムと出会うことによって。
「何? あれを探しているだと!? こんな子供にあれを動かせることは‥‥」
 側にいたマーニが驚きの声を上げた。けれど、ジャムは構わず、話を続ける。
「レオンマックスはその巨大な力のため、とある場所に封印されています。あなたが真の勇者であれば、その封印を解き放つことが出来るでしょう。ついてきて下さい。ご案内しましょう」
「無茶だ!! 彼にそんなことできっこない!!」
 案内しようとするジャムを止め、マーニはそう叫んだ。マーニは知っていた。これから会うレオンマックスのことを、そして、それに秘めた力のことも。それはこの訪ねてきたレオンには動かせないであろうことも一緒に。
「僕は行きます」
 凛とした声が響く。レオンだ。その声は決意に満ちている。
「たとえ、レオンマックスを手に入れなくとも、僕は元々、一人でここに来たのです。姫を助けるためなら、僕の命を懸けてもいい」
 レオンの瞳は淀みなくマーニを捉えていた。
「‥‥わかった。どうなっても知らんぞ」
 ジャムを止める手を下ろしたのを見て、レオンは安心したように微笑んだ。

 ジャムが案内した場所。そこは深い洞窟であった。ジャムの案内がなければ、大抵の者はこの洞窟に迷い込み、一生を遂げてしまうことだろう。それほど奥深い場所であった。
「ここですよ」
 ジャムが指し示した場所にそれはあった。
 巨人。
 作られた巨人だ。その昔、神が暴れた魔物を封印するために作った、魔法の巨人である。
 紅い鎧に身を包み、背中には白く大きな翼が備わっていた。それはまるで、異国の姫を守る勇ましい騎士のようにも見えた。
 その人の何倍もある巨人を見て、レオンは言葉を失っていた。無理もない。一般の者、ましてや見習いであるレオンがこんな巨人を見ることなど滅多にないことなのだから。
「さあ、呼びかけるのです。レオンマックスが認めた者であれば、あなたの声に応え、力を貸してくれることでしょう」
 ジャムの言葉に頷き、レオンは巨人、レオンマックスの前に出た。
「お願いです、僕と共に戦って下さい」
 見上げるようにレオンはそう呼びかけた。
 そして。
『私を呼ぶのはあなたですか?』
 その声は威厳に満ちた女性のものだった。けれど、耳から聞こえる声ではない。頭の奥底から直接話しかけられるように、響き渡るものであった。ちなみにこの声は、スタントをしているシルヴィアーナ・シュファーズが勤めている。
「!!」
 レオンはその声に声のない叫びを出した。
『なぜ私を呼ぶのです? 私を目覚めさせることはこの世が滅ぶことと同じ。それでも私の力が必要なのですか?』
 まだ驚きを隠せずにいたが、レオンは己の拳を力強く握りしめながらこう答えた。
「大切な姫が悪い敵に捕まってしまったのです。僕はどうしても姫を救いたい。たとえこの命を失うことになっても、この世界が滅びるようなことなど僕が許しません」
『あなたが悲しむことになっても、ですか?』
「僕の悲しみは姫が捕らわれていることです。それ以外のものに悲しむことなど、あるでしょうか?」
 そのレオンの言葉にレオンマックスはしばし沈黙していたが。
『わかりました。あなたに私の力を貸しましょう』
 レオンマックスの胸のプレートが左右に開き、そして、しゃがみ込む。開いた場所には人一人が入れるスペースが出来ていた。どうやら、力を貸す相手のみ巨人に乗れるようであった。
「ありがとうございます!!」
 レオンは迷わず、そこへ乗り込んだのであった。

「おお、奇蹟が‥‥もしやこれならば‥‥」
 と、感動しているジャムの前で。
「ああ‥‥」
 よろめいたマーニがレオンと共にレオンマックスの中へと入り込んだ。
「マ、マーニさんっ!?」
 驚くレオンを余所に。
「やはりこの目で見届けなくては‥‥。なに、気にするな。お前の邪魔はしない」
 マーニはにっとレオンに微笑みかけた。

 一方その頃。
 ダーク城ではアズラエルが姫のためにと、夕食を運んできていた。
「ティアラ姫、食事の用意が出来ました」
 ノエルが扮するティアラ姫が、アズラエルの声に応え、寝ていたベッドの上から起きあがろうとしていた。
「ありが‥‥」
 ぼとぼととティアラの足元に何かが散乱した。ティアラの豊かな胸を演出するために胸に入れていた物、それが足元に落ちた物の正体であった。
「!!」
 アズラエルはこの突然のことに言葉を失っていたが。
「姫‥‥もしやお前!! 姫の格好をした偽物だなっ!!」
 とっさにアズラエルは腰にあった剣の柄に手を当てた。
「待って下さい、‥‥信じてとは言いません。私は、ティアラ本人です」
 ティアラはこのことを予期していた。だからこそ、恐れもした。それは偽りの事実だったから。ティアラはそっと後ろを振り向き、そして、何も付けていない背中を露わにする。そこには大きな刀傷が痛々しいほどに残されていた。
「こんな風に国内でも、私‥‥いえ、僕の命を狙う者は多いのです。ですから、こうして、王子でありながら、姫として生きてきました。このことを知っているのは父上と母上、そして、ごく限られた者のみです。騙すようなことをして、すみません」
 そう言ってティアラは服を元に戻しながら、涙を浮かべる。
「で、では‥‥あなたは‥‥」
「本当の名はティアル。ティアル・ヴァ・サーレ18世です」

 城の奥で水晶玉を見ている者がいた。そう、ダークである。
「男でも女でも構わない。私の力を解放してくれるのであれば、な。‥‥しかし、レオンマックスが目覚めたとは厄介だな。出来ればこれを使いたくはなかったが」
 ダークはおもむろに立ち上がり、奥の暗闇に満ちた部屋を見た。
「ダークマックス‥‥」
 そこにはレオンマックスと同じ形をした巨人がいた。けれど異なる部分がある。それは、巨人の全てが、鎧や翼が全て、漆黒の色に染まっていることだった。何もかもを暗闇に引きずり込むように禍々しい気を発しながら‥‥。

「こうして、レオンマックスという強大な力を得たレオンは、魔女マーニを連れてダーク城へと向かったのだった。恐ろしい敵が待ち受けているとも知らずに‥‥。次回、最終話、『最終決戦』。そして物語は伝説へ‥‥」
 アレックスのナレーターが響き渡ったのと同時に、壮大な音楽を響かせながら、銀幕へスタッフロールが現れた。
「今回もいろいろと大変でしたが、好評のようで安心しましたわ」
 満員になっている映画館を見て、エトラはほっと、息をつく。
「この調子で最終話を撮れるといいわね」
 セアラが嬉しそうにエトラに言った。
「だと‥‥いいんですけど‥‥」
 エトラは何か言いしれぬ不安を少しずつ感じ始めていた。
「エトラ、ちょっといいか?」
 そこへ大人びた青年が入っていた。そばかすのある、黒髪の青年。
「ええ、何でしょう? 良い話だといいのですが」
 青年とエトラはただならぬ雰囲気をそのままに奥の部屋へと入っていったのであった。
 これから、何かが起きようとしているかのように‥‥。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / クラス】

【6312/アレックス・バードナー/男/18/助監督兼ナレーター】
【7204/メリッサ・ローズウッド/女/23/ダーク&謎の三姉妹役】
【7453/エセル・ゼニフィール/女/25/アズラエル役】
【0134/ジャム・ストゥベリ/男/28/賢者ジャム役】
【0847/シルヴィアーナ・シュファーズ/女/20/ゴーレムスタント担当】
【6311/クリス・メイフォード/男/14/レオン役】
【6609/デュナン・ウィレムソン/男/30/BGM担当】
【6907/山桜・ラエル/女/30/霧の谷の魔女マーニ役】
【0217/ノエル・マクブライト/男/15/ティアラ‥‥いや、ティアル役】

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■         ライター通信          ■
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 今回も参加していただきありがとうございました☆ 初めましての方も、そうでない方もこんにちは、相原きさです。
 私にしては早めに完成したノベルだったんですが、いかがでしょうか?
 今回からまた新たなメンバーが増えました☆ もう、こんなに参加して下さる人がいるなんて、かなりビックリしています。
 今回、ジャムさんのように賢者に相応しい方が新たに参加して下さるとは思っていなかったので、とても嬉しく感じています。なにぶん、初めてのナーガさん、初めてのPCさんということで、私としても実は密かに緊張しちゃいました(苦笑)。ジャムさんらしい描写を心がけましたが、もし何かあれば、次回に生かしていきたいと思いますので、遠慮なくご意見、ご感想などをファンレター等でお聞かせ下さると嬉しいです。
 何やら次回も怪しい雰囲気が出てきていますが、良ければ参加して下さいね☆ 次回は10月か11月あたりに依頼公開を予定しています。お楽しみに☆
 それでは今日はこの辺で。それでは、また、お会いしましょう。