<PCクエストノベル(2人)>


隠された宝
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【冒険者一覧】
【整理番号 / 名前 / クラス】

【1285 / オズ・セオアド・コール/騎士】
【1284/エンテル・カンタータ /女騎士】
【 / /】
【 / /】
【 / /】

【助力探求者】
【/】

【その他登場人物】
【/】
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 36聖獣の加護する。この国では、様々な冒険スポットがある。
 今日もまた、新しい冒険を求めて、
 二人の冒険者がとあるところに来ていた。
 一人は美しい金髪を揺らす、女の子。
 蒼い目が印象的なエンテル。勇ましい女騎士。
 イメージを少々裏切る小柄が体とかわいらしい顔をしている。
 しかし、あなどってはならない。どんな容姿をしていようと、そこは女騎士。
 中々強い。
 もう一人は、藍色の髪に琥珀色の目を持った青年、オズ。こちらも騎士。
 藍色の髪に白い可憐な花を咲かせる珍しい種族。
 エンテルとは反対に、クールな容貌があなどってはならないと告げていた。
 二人は地下水脈が発見されたという情報を入手し、冒険にやってきた。
 エンテルは新しい冒険に瞳を輝かせている。
 オズはといえば、エンテルの様子を見守っているようだ。

 ここはルクエンドの地下水脈
エンテル:「オズここ!」
オズ:「地下水脈?」
エンテル:「うん!」
オズ:「地図はあるのか?」
エンテル:「無いよ。私たちが作るの!」
オズ:「・・・わかった。じゃぁ、行ってみよう」
エンテル:「よっし!行こう!」

◇地下水脈へ。

 地下水脈は一見、ちょっとした洞窟のようになっている。
 洞窟と違うところを言うならば、
 サラサラと静かに水の流れる音がするところだろう。
 エンテルとオズがゆっくりと一歩踏み出した。
 中は外よりも冷気に包まれている。空気も重い。湿度が高いのだろう。
エンテル:「まっくらだね。こういうこともあるかと思って、いいものを
持ってきたんだ」
 エンテルは自分のかばんをガサガサと漁る。
オズ:「なんだ?」
エンテル:「これ!」
 ジャーン!と取り出されたのは、キャンドルとキャンドルスタンド。
 それも二組。
 エンテルは一組だけに火を灯し、スタンドに刺した。
エンテル:「これで暗いところも大丈夫でしょ?」
オズ:「用意がいいな」
エンテル:「冒険するなら、ちゃんと用意しないとね!」
オズ:「そうだな」
 オズはさりげなくエンテルからキャンドルを取った。
 道が整っているわけがなく、
 入ったときからエンテルが少々歩き辛そうだったので、
 両手が空くように・・・。
オズ:「準備も整った。先へ進もう」
 エンテルは素直にオズについていった。
 キャンドルを取り出したとき、一緒に取り出した、ペンを紙に走らせる。
 当初の目的の通り、地図を描いているようだ。
 二人が、しばらく歩いていると、道が二つに分かれた。
 エンテルは、使っていなかったキャンドルに火を灯し、
 キャンドルスタンドに刺した。
エンテル:「ここで分かれよう。オズにもペンと紙を渡しておくね。
 あとで二人の地図を組み合わせよう!」
 オズはエンテルからペンと紙を受け取った。
オズ:「それじゃ、行くか」
エンテル:「気を付けてね!」
オズ:「エンテルも」

◇SIDE:オズ

 オズは、暗闇へと消えて行ったエンテルを見送り、
 自分自身も進み出した。
 二人でいたときより、静かな空気はどこか人を寄せ付けない。
 時折、水が垂れる、ピチョン・・・という音がやけに響いた。
 オズは少しずつ紙を埋めていく。
 二手に分かれている道は片方が行き止まりになっている。
 オズは、思わず呟いた。
オズ:「もしかしてここは人の手が入っているのか?
エンテルの話だと、ここは最近見つけられたばかりで、
まだ誰も入っていないはず・・・どうして」
 オズが呟いてしまうのも当たり前。
 何ヶ所か分かれ道があったものの片方が行き止まりになっていた。
 言うなれば、一本道のようなのだ。
 詳細を地図にして描く。
 エンテルの方はどうなっているのか・・・危ないことになっていないか。
 心配ばかりが、オズの心を巡る。
 しばらく歩くと、変に壁から出た部分を見つけた。
 他の岩となんら変わり無いが、オズは変に思い、2〜3歩前に出てから、
 拾った小石を岩にぶつけた。
 ガンッという鈍い音とともにした音は・・・。ザッという何かが飛び出す音。

オズ:「なっ・・・」

 オズは思わず目を見張った。
 出てきたのは、槍・・・。それも四方から。逃げきれなかった場合、
 そこにあるのは・・・。
 オズはとにかく、一度来た道を引き返そうとした。
 しかし、気付いてしまった。前方に薄っすら光りが差し込んでいることを。
 もしかしたら、一ヶ所に繋がっているかもしれない・・・
 と思いながら前へ進んだ。
 エンテルと会えることを願って・・・。

◇SIDE:エンテル

 エンテルは、オズに見送られるようにして出発した。
 キャンドルスタンドを持つても震える。好奇心によって。
エンテル:「やっぱり水脈ってだけあって涼しいなぁ。
湧き水のおかげだね」
 歩きにくい道を少しよろめきながらも前へ進んだ。
 しばらく進むとエンテルはため息をついた。
エンテル:「一本道で、分かれ道がないなぁ。入り組んでいそうなのに」
 ちょっと冒険味にかけるらしい。
 オズもこうなのかな?この地下水脈の中、
 オズが歩いている道と私が歩いている道だけだったりして。
 オズは少し心配そうだったけど、これなら大丈夫だよね。
 一本道、そして魔物の気配も無い・・・エンテルは安心してしまったのか、
 少し休憩することにした。
 ちょうど、座り心地が良さそうな岩を見つけ、歩いていく。
 水筒を取り出し、岩に座った。
 その瞬間・・・。

エンテル:「な・・に・・・これ?!」

 思わず大きな声が出て、反響する。
 エンテルが驚いたもの無理はない。洞窟に灯りがついたのだ。
エンテル:「発見されたばかりのはずなのに。なんで??」
 まるで、エンテルを導くかのように、灯りはずっと向こうまで続いていた。
 一瞬、精神統一をし、辺りの気配を探る。
 しかし、何の気配もしないので、何か悪いことが起こるわけでもなさそうだ。
 エンテルは安心して、水を飲んだ。
 あとキャンディーを一つ、エネルギー補給に口の中へ放った。
エンテル:「あ、オズにもあげればよかった。忘れてた・・・。
でも、帰りにでもあげようっと。お腹も空くだろうしね!」
 オズの心配を他所に、エンテルは前へ進んだ。
 オズのほうは、中々苦労しているとは思わずに・・・。

◇行きつく先は?

 オズはトラップらしき岩をさけながら進んだ。
 あるときは、歩きにくくよろけて、手をつこうとしたところにあったり、
 道へ埋め込まれていたりと、中々計算して仕掛けられていた。
 オズはますます心配になってきた。
 もし、エンテルが歩いている道もこのような状態だったら・・・と。
 光が見えるものの中々辿り着かない。
 戻るより早いと思いこちらへ進んできた。エンテルがいることを願って。
 思わず、早足にもなってしまう。
 やっと、光が差す場所まで辿り着いた。
 広く開けているようだ。
 いきなり強く差す光に思わず目を瞑る。
 意識までぼんやりとしてしまいそうだ。
 「あ!オズ!」と遠くで聞こえたような気がした。
 オズはゆっくり目を開いた。
オズ:「エンテル・・・無事だったか?」
 オズはエンテルの身を案じてかけよる。エンテルは何事?
 とびっくりしていたが、笑顔だ。
エンテル:「大丈夫だよ。安全だったね!今回の冒険!」
オズ:「え?」
 オズは目を見開く。どこが安全だったと言うのだろうか。
 でも、エンテルはとにかく無事らしい。
オズ:「お前が無事でよかった・・・」
 オズは歩いて汗をかいたためエンテルの額に張り付いた髪を払ってやる。
エンテル:「ありがと。オズ、え?って言うってことは、
オズの方は危なかったの?」
オズ:「俺の方には、所々トラップがあった」
エンテル:「えぇ?!オ・・・オズこそ大丈夫?けがしてない?」
エンテルは慌ててオズの体を触り、けがが無いが確かめる。
オズ:「大丈夫。無傷だ。エンテルのほうは何かあったか?」
エンテル:「それがね!すごい不思議なの!
ちょっと休憩しようと思って岩に座ったら、いきなり灯かりがついたの!
道しるべみたいに!」
オズ:「そうか・・・ということは・・・
エンテルが歩いてきた道が正規ルートなんだな」
エンテル:「え?」
オズ:「俺が歩いてきたほうが侵入者防止用だったんだ」
エンテル:「でも、オズ、最初から見えてたらあまり意味ないよ?
悪い人も私の道通るかもしれない」
オズ:「よく思い出してみろ。
入ったとき、エンテルの手が何かに触っただろう?
あれが正規ルートを空けるものだったんじゃないか?
普通は気付かないから、俺の来た道を行くなら・・・説明がつく」
エンテル:「そういえば・・・気にもしなかった・・・。
でも、ここ発見されたばかりのはず。私たちが最初のはずじゃ・・・」
オズ:「そうだ。俺たちが最初だ。発見されてからはな。
しかし、ずっと昔人が入っていて隠したとしたら?」
エンテル:「あっ!そうか!でも、何故だろうね?何もなかったよ?」
オズ:「あぁ・・・俺も。隠す理由が分からない」

 二人はしばらく考え込んだ。
エンテル:「・・・うーん。わかんない!」
オズ:「あぁ・・・」
エンテル:「そうだ。オズ、これあげる!」
 オズが手を差し出すとその手には一粒のキャンディー。
エンテル:「甘いもの食べると疲れがとれるよ?」
オズ:「ありがとう・・・」
 優しい空気が二人の間に流れる。
 もう少し、先に出口があるのだろう。夕日が差し込んできた。
 二人は同時に呟く。

オズ:「あ・・・」
エンテル:「わぁ・・・」

 二人が見たのは、なんとも美しい光景だった。
 そこかしこから水がわずかに湧いているのが鏡の役割をしているらしく、
 反射を繰り返していくうちに、オレンジの光に包まれた。

オズ:「これが・・・」
エンテル:「昔の人が隠したがった宝ね・・・」

 お互い言葉を無くし、しばしその空間に酔った。
 キラキラとオレンジ色に輝く岩は、先ほどとはうって変わって、
 全てが宝石のようだ。
 しかし、その空間も夕日が出ている時間だけ・・・。
 夕日が顔を隠すころには、変わり無い岩肌を晒していた。

エンテル:「すごく綺麗だったね!!」
オズ:「あぁ・・・本当に」
 二人はまだ余韻から抜けきれないようだ。先に脱したのはオズ。
オズ:「エンテル、地図は出来ているか?」
エンテル:「出来てるよ・・・というか一本道だったんだよね。オズは?」
オズ:「出来ている、じゃぁ、俺のほうにエンテルの地図を書き足そう」
エンテル:「うん!」
そうして二人の地図を書き足した。
エンテル:「宝の地図ができたね!」
オズ:「あぁ・・・いい地図ができたな。そろそろ暗くなってきた。
・・・帰ろうか」
エンテル:「そうだね!うわっ」
 エンテルが立ち上がろうとしてよろめいた。
オズ:「疲れてるんじゃないのか?」
エンテル:「だいじょーぶ?!」
 エンテルの足はエンテルが思っている以上に疲れているらしい。
オズ:「無理はするな」
 オズはそういうとエンテルを抱き上げた。
エンテル:「オズ?!いいよっ」
オズ:「俺の前でくらい無理はしなくていい」
 ぶっきらぼうだけれど、オズの優しさがエンテルに伝わった。
 オズの方が疲れていてもおかしくないのに、自分を気遣ってくれている。
エンテル:「オズ・・・ありがとう」
 エンテルは素直にオズに体を預けた。
 オズは、エンテルを優しく抱きかかえ帰路に着いた・・・。

                             END

◇ライターより。
三度目の発注ありがとうございます。

このお二人とは三度もお会いできて、嬉しい限りです。
今回の作品はいかがでしょうか?
宝を見つけるといっても今回の宝は自然の宝にしてみました。
気に入っていただけると嬉しいです。

お二人とはもう少し、共に冒険できるので、楽しみにしています。

ありがとうございました。
                         古楼トキ