<PCクエストノベル(2人)>


垣間見た記憶の欠片・・・
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【冒険者一覧】
【整理番号 / 名前 / クラス】

【1284/エンテル・カンタータ /女騎士】
【1285 /オズ・セオアド・コール /騎士】


【助力探求者】
【/】

【その他登場人物】
【/】


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聖獣に加護されていると言われる、聖獣界ソーン。
 ここには様々な遺跡や、洞窟などの宝庫である。
 冒険者たちは、遺跡などに秘められた謎を解くために冒険へ旅立つ・・・。

オズ:「炎の壁!!」
 オズの言葉により炎の壁が機獣の前で燃えさかる。
エンテル:「炎の剣!!」
 壁により隔たりができている機獣へ向かって炎の剣を向ける。

 機獣はちょうど関節のところに炎の剣がささり、崩れた。
 その隙にオズがグリフォンを召喚し、二人で逃亡した。
エンテル:「今回はてこずるね。オズ」
オズ:「あぁ・・・危機一髪だ」
 二人は、なんと機獣遺跡の中にいたりする。
 ただ今、中を調査中・・・。

◇機獣遺跡前・・・。

エンテル:「オズ!ここが機獣遺跡よ!」
オズ:「海・・・じゃないか?」
 目の前に広がる海をオズは眺めた。
エンテル:「そっ!この下よ」
オズ:「ということは海底か・・・」
エンテル:「さーて、冒険に出かけよっか♪」
オズ:「・・・行くとするか」
 この事の発端は白山羊亭でのこと。
 マスターがこっそり教えてくれたのだ。
 機獣遺跡を調査してくれる人物を探していると・・・。
 その話にのった二人は、機獣遺跡へとやってきた。
 機獣遺跡は、海底遺跡の一つになっている。
 千年もの昔に失われたとされる機会文明の名残。
 その中は危険極まりない。トラップはしかけてあるわ、
 機獣という機械が徘徊していて、襲ってくる。
 そんな中で、遺跡の調査をすることとなった。

◇機獣遺跡潜入

エンテル:「うわぁ〜。こんな建物見たことないよ」
オズ:「金属のようなものでできているようだな」
エンテル:「不思議だよね。空気があるもん」
オズ:「何か機械が働いているんだろうな。機械文明とはすごいものだ」
エンテル:「さて!進もう!」
オズ:「トラップに気を付けろよ」
エンテル:「わかった!任せてよ!」
 機獣遺跡の中は平面的で、壁も何もかも金属のようなもので出来ていた。
 二人はトラップにかからないように、慎重に足を進める。
 硬質な感じがするこの遺跡は、冷たさを感じさせる。
 二人は不思議な感覚に包まれる。
オズ:「機獣に気をつけないとな」
エンテル:「機獣かぁ・・・どんなのだろうね?」
オズ:「戦闘能力が高いらしいからな」
エンテル:「あれ、これなんだろう?壁に絵が刻んである?」
 エンテルは指で彫りこんである絵をなぞった。
オズ:「むやみに触るとっ!」
 オズが慌てて止めに入ったが遅かった。
 どこからか分からないが金属の球が豪速でこちらへ向かって飛んでくる。
 トラップなのだろう。
オズ:「炎の壁!」
 オズは炎の壁で、その球を全部受け止めた。二人にけがはない。
エンテル:「び・・・びっくりした」
オズ:「トラップに気をつけろと・・・」
エンテル:「ごめんね!綺麗だったもんだから・・・つい」
オズ:「まぁ、けがが無かったならいいが」
エンテル:「ありがとうね。助かったよ」
 エンテルの足に受け止めた金属球がコツンと当たった。
 その球はリン・・・と音を鳴らした。
オズ:「ん?鈴・・・か」
エンテル:「そうみたい。だけどおかしくない?
鈴になってる意味ないじゃない。これを侵入者に当てるんだから」
オズ:「シッ!静かに」
 エンテルは口を紡ぐ。耳を澄ませるとどこからか音が聞こえてきた。
 リン・・・リン・・・と。
 鈴の音に反応したのだろう。
エンテル:「この音はどこから?」
オズ:「早くこの場所から離れよう。嫌な予感がする」
エンテル:「うん。私も」
 二人は足早にその場から離れた。

エンテル:「それにしても、ビクビクしちゃうね。
どこにトラップがあるかわからないんだもん」
オズ:「大丈夫だ」
 俺がいるからけがなんかさせないということだろう。
エンテル:「私もオズが一緒だからまぁ、安心してるんだけどね」
 エンテルが無邪気に言った。
 オズは何も言わなかったがちょっぴり嬉しそうだ。
オズ:「あぁ・・・安心していい・・・」
 ほんわかした雰囲気が二人を包んだ。

 しばらく進むと、大きく鈴の音が響く。
エンテル:「何?これ・・・頭割れそう」
オズ:「くっ・・・なんなんだ・・・」
 二人ともあまりにも大きな音に苦痛の表情を浮かべる。
 大きな鈴の音は頭の中に大きく響いて、まるで脳を揺さぶるようだ。
 二人の目の前には、大きな金属球が一つ、宙に浮かんでいた。
エンテル:「音の原因はこれ・・・?」
オズ:「・・・そのようだな」
エンテル:「もしかしてこれが核?」
オズ:「きっとな。鈴のような音を発している本体はこれだ」
エンテル:「とにかくこの音をどうにかしないとっ」
オズ:「どうすれば・・・」
 エンテルは怖々、球体に近づく。一層音は大きくなるばかりだ。
 球体に触れようとしたエンテルの手をオズが止める。
エンテル:「オズ?」
オズ:「俺に任せろ」
 エンテルは手をそっと引いてオズの様子を見守る。
 オズはその球体に触った。すると音は止んだ・・・。
 硬質に見えた球体は柔らかく、オズが触れると容易に窪む。
オズ:「まるで水のような感触だ」
 様子をみていたエンテルは何も起こらないので触れてみた。
エンテル:「本当・・・水みたい。金属なのに」
オズ:「これが千年も昔に失われた機会文明・・・」
エンテル:「本当に・・・信じられない金属なのに」
 エンテルがもう少し、力を入れて触ると、ボコッと中に引き込まれる。
 オズが慌ててエンテルの手を引いた。
 その勢いで、水滴が弾けるように一滴、床の上に転がった。
 二人の足元に先ほどの小さな金属球が一つ。
 エンテルがそれに気付き、拾おうと下を向いたとき、大きな影が
 二人を覆った。
オズ:「エンテル!」
エンテル:「え・・・?」


 オズがエンテルを庇おうと炎の壁を発動させる。
 何時の間にか、二人は機獣に囲まれていた。
 先ほど覆った影は、上空から攻撃をしかけようとした機獣のもの。
 失敗した一体の機獣は、また飛び上がり、二人に攻撃をしかける。
オズ:「スラッシング!」
 剣で斬りつけた。しかし、相手は金属、歯も立たない。
 エンテルが炎の剣で機獣を攻撃する。
 関節を狙ったが外れ、ナイフのように機獣の尖った爪に当たった。
 熱による高温で爪は溶け曲がる。
 機獣たちは、顔の中央にあるランプのようなものを
 一定の早さで点滅させている。
 何か会話でもしているように。
オズ:「とにかく動きを封じるんだ!そうでなければ、
囲まれてしまって回避できない!」
エンテル:「わかった。私が関節を狙うからオズは援護を!」
オズ:「わかった。炎の壁!!」
 先ほどの仲間の様子を見たからか、機獣は炎を避けるように飛び立つ。
 エンテルが空中では動きがとれない機獣の関節を狙い、炎の剣を放つ。
 剣は見事、機獣の関節部分に命中し、機獣は片足の膝下を失った。
 それで、バランスがとれなくなったのか、そのままガチャンッと落下した。
 これで、先ずは一体。
 同様の方法で、機獣の動きを一時封じた二人は、
 オズの召喚したグリフォンに騎乗して逃走した。
 オズは、帰り、迷わぬように、ポケットに入れておいた小石を
 一定の距離ごとに落とし、道しるべとした。

◇奥へ行くと・・・?!

エンテル:「オズ、あれ何?」
 オズはエンテルの指す方向を見やるしかし、
 オズもそれが何なのかわからなかった。
オズ:「すまない。俺にもわからない」
 エンテルは騎乗していたグリフォンから降りるとそれに近づいた。
エンテル:「たぶん、さっきのが核だから、
これは害が無いと思うんだけど・・・小さいし」
オズ:「あぁ・・・」
 エンテルは恐る恐る、ボタンを押した。
 すると現われたのは光。丸い穴から光が出てきて天井まで届いた。
 次にでてきたのは、人。
 向こうが透けて見えている。
エンテル:「オ・・・オズ!これ、あの豪商の船のときみたいな魔物?」
オズ:「いや、違うようだ。実体がない」
 オズが光の中へ手を入れると、人が途切れる。
エンテル:「これ、なんなの?」
 こちらの世界では珍しい、立体映像。
光の中に映像が浮かんでいるのだ。
オズ:「不思議なものだ・・・」
 オズはまじまじと見つめる。
 映っている人は女性のようだ。
 金色の髪の長さがエンテルと似ている。
 痛切な表情をして何かを話している。
 しかし、ノイズが多く、聞き取れない。
エンテル:「何か言ってるよ?オズはわかる?」
オズ:「いや、雑音が多すぎて聞こえない」
エンテル:「えっ?!」
 二人が見たものは、まるで女性が自分の子供でも見るような表情で、
 機獣に触れている映像だった。
 機獣は、冷酷非道の戦闘機械のはず・・・。
 なのに、機獣は大人しく、女性に触れられている。
 そしてまた映像は切り替わる。
 女性は、こちらに向かって何かを言っているようだが、
 相変わらず聞こえない。
 女性は何かボタンを押すような指の動きをした。
 そのあと、映っているのはノイズだけ。
オズ:「一体・・・これは?」
エンテル:「服装とかかなり昔っぽいよね。機獣の状態も」
オズ:「あぁ・・・しかし、そうだとするとこれは・・・」
エンテル:「うん・・・まるで機獣遺跡の記憶のよう・・・」
 そうしていると、機獣が一体、こちらに向かって歩いてきた。
 先ほど戦った機獣と違い、獰猛さがない。
エンテル:「さっき女の人と映っていた機獣?」
オズ:「まさか、千年も経っているのに?」
エンテル:「でも、こんなおとなしいなんて・・・」
 機獣は、二人の前までやってくると顔のランプを点滅させる。
 二人を探っているようだ。
 エンテルは、そろっと触れようとした。
 ランプを点滅させていた、機獣はエンテルの方に顔を向ける。
 とっさにオズがエンテルを庇うように構えた。
 エンテルを探ってようだ。
エンテル:「もしかして、この機獣、私をあの女の人と思ってる?」
オズ:「・・・まさか」

 そうすると上空からもう一体機獣がやって来た。
 その機獣は、先ほどの機獣に向かってランプを点滅させる。
 やはりランプは彼らの情報交換機能なのだろう。人の使う言葉同様の。
 一通り、情報交換がなされたのだろう。
 一瞬で機獣はエンテルの前から消える。
 すると、攻撃をしかけようと襲いかかってきた。
オズ:「くそっ・・・逃げるぞ!」
エンテル:「うん!」
 グリフォンに騎乗して二人はまた逃走した。
 帰り道は迷わなかった。オズの落とした小石のおかげで。
 さきほど倒した機獣も動けないらしく、
 銃のようなものを使って攻撃してきたが、
 グリフォンのおかげで回避できた・・・。
 二人とも、戦闘のおかげで疲れ果てていた。
 これ以上の調査は無理だと判断し、機獣遺跡から抜け出した・・・。

◇地上にて。

エンテル:「本当に今回は・・・危険だったね」
オズ:「けがはないな?」
エンテル:「大丈夫だよ。オズのおかげ。ありがとう。何度も助けてくれて」
オズ:「けががなくてよかった」
エンテル:「あれ?オズここのところ破れてる・・・」
 エンテルはオズの服の腕が破れていることに気付いた。
エンテル:「まさか・・・けが?」
 エンテルの顔は真っ青になる。
オズ:「大丈夫だ。服が破れただけでけがはしていない」
 オズは、破れた服を少しめくり、けがはないとみせた。
エンテル:「よ・・・よかったぁ」
エンテルはほぉっ・・・とため息をついた。
オズ:「あれはなんだったんだろうな」
エンテル:「本当に。女の人は何を伝えたかったんだろう?」
オズ:「言葉が聞こえないというだけで、何もわからなかったな」
エンテル:「あんな悲痛な表情をしていたのにね」
オズ:「機獣遺跡は謎が多い・・・それもその一つというわけだな」
エンテル:「いつか・・・知りたいね。あの人が何を言ったのか」
オズ:「あぁ・・・。いつか・・・な」
 エンテルとオズは海底に沈む遺跡に心を馳せ、しばらくの間、
 海を見つめていた・・・。

END
◇ライターより

またお会いできて嬉しいです。
ご贔屓にしてくださってありがとうございます。

今回、危険な機獣遺跡での冒険でした。
いかがでしょうか?
今までより戦闘シーンを多くしました。
気に入っていただけると嬉しいです。

また次もお二人と冒険ができるので楽しみにしています。
次回もよろしくお願いします。

                       古楼トキ