<東京怪談ノベル(シングル)>
■風の貝殻 ――未来の声――■
……ザアアアアァァァ……
柔らかな風の、野の緑を撫でてゆく音が聴こえるの。
……ザアアアアァァァ……
とっても、とても懐かしい音色。まるで、潮騒のようにも聞こえる…
……ザアアアアァァァ……
どうしてかしら。
こんなに、涙が出そうになるほど…優しい声が聴こえる気がする…。
だけど、何て言っているの…?
――宴の後――
ジュディが良く見る夢から目覚めたのは、自分の部屋のベッドの上だった。
灯りも灯っていなくて、寝台の脇に置かれた燭台の蝋燭が、微かに、ジジジ、という音を立てて燃えているのみ。
その柔らかく小さな灯火を見詰めながら、徐々にジュディの意識は鮮明になっていった。
「……あたし、結局どうしたんだろ……」
ぽつんと呟いて、まだ朧げな記憶を、覚束なく辿ってみる。
(お父さまが帰っていらっしゃって…一族の方々との、お父さまの帰還を祝う晩餐会があって…そして、あたしがドジな事をしちゃって、お父さまにおしおき……)
そこまで考えて、ジュディは顔を真っ赤にした。
「いやーんっ! あたしのお尻、みんなに見られちゃったっ!!」
枕にボフッと頭を預けて、恥ずかしさのあまり、激しくすりすりと枕に懐いた…というか、八つ当たりに近かったかもしれない。
しかし、そこは立ち直りの早いジュディの事、寝台からムクリと上半身を起こした。
「いいのっ! どうせいつもの事なんだから。……でも」
良く考えてみたら、父にお尻を打たれたのは、とても久しぶりかもしれない、とジュディは考えた。そう言えば、いったいどれくらいの間、父の顔を見ていなかっただろうか。
ジュディは、その事にハタと気付いて、考え込んでしまった。何気なく、春夏秋冬を指折り数えてみる。そして、結果を知って、心底驚いた。
「ええっ! もう四年近くもお父さまに会っていなかったのっ!?」
ジュディの中では、父はどれだけ歳月が経っても、印象も何もかも、変わらなかったような気がする。
まるで、父は生まれた時から、あの父の姿だったのではないか、と思うほどに。それが、有り得ない事だという事は、理屈ではわかっていたけれども。でも、そんな父の姿しか見た事がないのだから、仕方がない。
身長が高くて、脚も長くて、いかにも男らしい厚い胸板と腕の冒険家の鑑のような筋肉の突き具合。顔容は端正ながら、その事に気付かせないほどの貫禄。
ジュディは、そう自分の父の容姿を分析してみて、思わず、ほぅ、と溜息をついた。
「……もしかして、あたしって、お父さんみたいな男の人が好き…なのかなぁ…?」
結局、声にしてしまった言葉を自分の耳で聞いて、ジュディは脱力した。
ベッドの上にゴロンと転がって、天井を見つめてみる。脚にシルクの纏わりつく感触がする、と思って、寝転んだまま、少しだけ脚を上げて見てみたら、まだ晩餐会の時のドレスを着たままだった。
「あ。脱がなきゃ。皺になっちゃったら大変っ! 着替え着替えっ!」
ジュディはベッドから起き上がろうとした。
その時。
――コン・コン・コン。
少々焦っていたところだったがために、ジュディは、びっくぅ、と肩を竦めた。そして、何故か恐る恐る返事をする。
「は…はぁい? 誰?」
じっと、扉を見詰めてみる。
「……ジュディ、私だよ。少し、邪魔してもいいかね」
それは紛う方なき、父の声だった。
その声を聞いて、さらにベッドの上で飛び上がったジュディだった。
何せ、先程までの思考が思考だったので。
「ジュディ? もう眠っているのか?」
しどろもどろになりつつ、慌てて返事を返す。
「う…ううんっ! 起きてるっ! …じゃなくって、はい、起きています、お父さま。お入りになってください」
「そうか。では……」
父の低い声は扉越しにも良く通っていた。
そして、扉が、カチャリ、と音を立て、ゆっくりと開かれる。
父の姿が開かれた扉の隙間から入ってきた。
臙脂のナイトガウンを隙なく着こなした父の姿は、やはり、思わずジュディの心が弾むほどに、威風堂々たる姿だった。瞳は炯々としており、意志の強さを感じさせる。鼻梁が通っており、僅かに浮いた頬骨の形がたまらず男らしい。いつしか、ジュディは微かに頬を染めていた。
「ジュディ、休むところだったのなら、悪いな。だが、少し話があるのだ。いいかね?」
父の声は良く響く。
ジュディの身体どころか、部屋全体が微かに震えているように感じるほど、良く響く声なのだ。
父の言葉に、ジュディは慌てて首を横に振った。
「いいえっ! 大丈夫ですっ。…お話って…?」
最後の言葉のあたりは、自ずと、小首を傾げる形になっていただろう。
父はあたりを、ひと度見巡らしてから、ベッドの近くにあったソファへと腰を下ろした。ギシッ、とスプリングが軋む。そして、座った父は、おもむろに乗馬で鍛えられた長い脚をゆったりと組み、肘掛に両肘を置いて、指を顔の前で組み合わせた。未だベッドに固まったように座っているジュディには、その横顔しか見ることが出来ない。
「ジュディ。ディナーの時は悪い事をしたな」
開口一番の言葉がそれで、ジュディはやはり顔を紅くした。何も答えられない。
「……ううん。私がレディらしく振舞わなかったから、でしょう?」
父は手指を組みなおすと、小さく喉を震わせて笑った。
「いいや、ジュディはもう立派なレディだ。……まあ、多少お転婆なところが残っているのは否めないだろうが。それなのに……」
途中で切れてしまった言葉に、ジュディは首を傾げた。
「それなのに?」
横顔だけしか見えない父の顔だったが、それでも、苦笑いを浮かべている様子は明らかにわかった。
「私が今日帰ってくるまで、どれだけの歳月を冒険に費やしていたと思う。4年近くだぞ? ジュディ、お前が迎えに出てくれた時、私は心底驚いたよ。我々くらいの年になれば、4年など大した事はないが、ジュディのような年頃の娘は、何と、かくも変わるのだろう、と。愛らしく美しく成長していてくれた事も嬉しかったし、それでも、お前がお前らしくあったのは、やはり大変嬉しい事だった。……そして、それ以上に、私は父親失格、だと思ったな。一家の主としても失格だ。大きな事から細かい事まで、すべてを妻に任せきりだった私は……」
いつしか、父は組んだ手指に口元を押さえつけるような形で低く言葉を紡いでいた。
普段が峻厳なイメージで無口だった父にしては、らしくないほどの告白に、ジュディは目を丸くするばかりだった。
「……お父さま……?」
ジュディの言葉が聞こえていたのか聞こえなかったのか、父の言葉は続いた。
「この4年近く、旅の空で考えていた事は、やはり、お前や妻のことばかりだった。健康にしているだろうか、病気を患ってはいないだろうか、屋敷は守られているだろうか、お前たちが私の不在を淋しく思っていないだろうか…とな。挙げ句の果てには冒険者としてのプライドと、お前たちの存在を秤にかけてまでいた。男子一生の志を立てたこの生業の者としては、情けないことに」
どこか自嘲めいた口調だったが、その横顔には、微かな笑みが刻まれていることも読み取れた。
ジュディは、そんな、いつもとはまったく違う父親の姿に絶句するばかりだった。しかし、暫しの間の後、ジュディはひっそりと尋ねてみた。
「あのね。お父さま。あたしはお父さまを誇りに思っているの。冒険者としても、あたしのお父さまとしても。だから、あたしもお父さまみたいな素敵な冒険者になりたいって思ったのよ?」
今度は父が絶句する番だった。今まで視線を合わせようとしなかった父がジュディを真っ直ぐに見詰め、ひと言漏らした。
「……ジュディ……」
それは、感嘆めいたような呟きだった。
そして、部屋の中には沈黙が降りた。けして心地の悪い沈黙ではなかったが。
暫らくの後、父はソファから立ち上がり、ジュディの傍ら…ベッド際までゆっくりと歩み寄ってきた。そして、ベッドの端に、ジュディと並ぶように腰を下ろした。
「ジュディ、この四年間、私は色々と見聞を深めた。辺境の地まで歩き回り…そうだ、旅の土産話でもしようか。『雲の入り江』に『砂の谷』、『剣の魔窟』に『幻の氷河』、『蜃の砂漠』にも行ったぞ? 『雲の入り江』は本当に、足下に雲海が広がっているのだ。その彼方から差す夕日の光を見た時は、酷く感動を覚えたものだ。『砂の谷』は、流砂に足を取られて、危うく命を落とすところだったし…『剣の魔窟』は文字通り人外の妖怪たちに襲われた。その代わり、魔窟の奥には、水晶の剣が誰の手にも触れられずに眠っていたからな。かなりの戦利品だったと思う。『蜃の砂漠』は文字通り、砂漠の地底で砂蛤の吐いた呼気の蜃気楼に何度も惑わされかけたしな。確かに危険も多かったが、充実した日々だった。で、最後に行ったのが、常に月明かりしか差さぬ『月光の湖』だったのだが…ジュディ。手を出しなさい」
それまで、感心し憧れと尊敬を抱きつつ、父の話に聴き入っていたジュディは、その言葉に、我に返った。とりあえず、はい、と返事をして両手を父の前へと差し出す。父は、ガウンのポケットを探っていたようだったが、やがて、ひとつの木製の小箱を取り出した。そして、ジュディの掌の上にそっと乗せる。
「……? お父さま、これは……?」
「私から、お前への贈り物だよ。お前が気に入るかどうかは知らんがな。…さて」
父は、ベッドの端から立ち上がると、扉の方へと歩いてゆく。
「あっ! お父さま、待って…っ これ…」
扉を出るところで、一度振り向いた父は目を細めて笑んだ。
「勿論、開けていい。ひとりでゆっくり楽しみなさい」
そうして、扉が開けば、「貴方」と呼ぶ声が聞こえた。母の声だった。心なしか楽しそうな響きを帯びた声音だった。
「ああ、お前か。こんなところで何をしている?」
「貴方を探しておりましたのよ? ジュディに何の御用がありまして?」
久しぶりに再会した夫婦の声は、幸せな色のさざめきにも聞こえた。
「ジュディに旅の土産を、と思ってな。さて、私たちも部屋へ戻るとするか」
「そうでしたの。ではそういたしましょう。…ジュディ、おやすみなさい」
ジュディが血を引いた美しい母は、嫣然とした微笑みを、同じく小さく笑んでいる父に向け、母親としての穏かな微笑をジュディに向けた。
そして、父が扉を閉めてゆく。
「ジュディ、おやすみ。お前が私からの贈り物に喜んでくれる事を祈って…」
――パタム。
扉は閉められた。
「……あんなお父さまとお母さまの表情、あたし、見たことなかった…」
呆気に取られたようにそのふたりの姿を見ていたジュディは思わず知らず、ぽつり、と呟いていた。そして、両親に「おやすみなさい」の返事を返す事も忘れていたのだった。
部屋の中に静寂が戻る。
ジュディは、父がくれた、自分の掌の上に乗っている小箱をじっと見詰めていた。
「お父さま…『月光の湖』って…あたし、聞いた事ある…」
そう呟くや否や、部屋の作り付けの書棚へと小箱を持ったまま、駆け寄った。ドレスの裾がふわりとひらめく。ジュディは書棚に並んでいる事典類を次々と取り出して、調べ物を始める。
「もしかして…もしかして…!」
あった、と声を上げて、一冊の大きな事典を取り出した。カバーには『伝説の秘境』と書かれている。ジュディは大急ぎで『月光の湖』のページをパラパラと捲った。折り目がついていたせいで、すぐにそのページを開くことが出来た。そこに書かれている活字を目で追ってゆく。そして、ある一点で視線が止まると、目を見開いた。
「やっぱりっ!!」
事典を投げ出して、ジュディはその場に座り込んだ。小箱を暫らく見詰め、それから、そっと木の蓋をスライドさせる。
中から出てきたのは、掌に乗るくらいの大きさの渦巻状の貝殻だった。全体がオパールのように七色の光を放っている。そう、その貝殻は自ら光を放っていたのだ。
時には深い藍色に、時には淡い水色に、時には、ジュディの素肌の色のような薄い桃色に、さらには、真紅、黄金色、青緑色…オパール以上の変化に満ちた彩りだった。しかも、その色彩は一瞬として同じ色を留めない。まるで、貝殻の表面自体が意思を持っているかのようだった。
ジュディはその形容しがたい色合いに、息を飲んでいたが、ちら、と放り投げた事典を手元に引っ張り戻すと、声に出して読み上げた。
「ええと…『この貝は、通称「風の貝殻」と呼び、またの名としては「時空を超える貝」とも呼ばれる場合がある。耳に貝の口を当てると、風が吹くような音がする事が、通称の由来である。また…この貝は非常に稀な物に限り、持ち主の現在・過去・未来のある種の音を伝える事が出来る、との伝説もあるが、研究が進んでいない為、真偽の程は定かではない』…って!」
ジュディは些か紅潮した頬のまま、再び、小箱を取り上げた。そして、そっと手をその小箱の中へと差し入れると、壊れ物でも扱うような慎重さで、『風の貝殻』を取り出した。貝殻の表面は一見冷たそうだったのに、いざ触れてみると、不思議なあたたかさを感じたような気がした。
ジュディは、その滑らかな表面に頬を触れさせてみる。艶やかな色合いを湛えたそれは、やはり、彼女の肌にも仄かなあたたかさを感じさせてくれた。
それから、期待と不安と感動とが綯い交ぜになった心境で、そっとそっと、耳元へとその貝殻の口を宛がってみる。伝説の通りならば、風の音が聞こえて…そして…
貝殻の口を宛がったジュディの耳に流れ込んできた、微かな音があった。
……ザアアアアァァァ……
その音は、鼓膜を震わせ、徐々に音量を増してゆく。
……ザアアアアァァァ……
潮騒の音にも似た、風が優しく吹き流れるざわめき。
ジュディはうっとりとその目を閉じた。長い睫が微かに震える。
唇が薄く開かれ、小さく言葉を紡いだ。
「…『風の貝殻』って、本当にあったんだ…」
ジュディが幼い頃に読んだ童話に出てきた『風の貝殻』。
お話の中では歴史に名を誇る冒険者が長い旅路の果てに見つけた秘宝だった。そして、その貝殻は、謎めいた言葉で彼に彼の過去を告げ、未来を告げ、さらなる旅への指針を指し示してゆく…。
その本を読んだ幼い頃は、無性にその貝殻が欲しくて、父にしつこくねだった事もあったような気がする。ジュディが冒険者になったきっかけも、父が名の有る冒険者だった事と、もうひとつは、『風の貝殻』の話に憧れていたから、と言っても過言ではなかった。
ジュディは今でも、古ぼけて色褪せたその童話の本を、大切に部屋の宝箱の中に仕舞っているのだ。
ジュディはそんな事を色々と思い出しながら、耳に柔らかく流れ込んでくる不思議な風の音を、目を閉じたまま聞いていた。
……ザアアアアァァァ……
……「…シテ…ヨ」…「…ス…ヨ…」…「アイ……」…「…カワイイ…ディ…」…「ナンジ…」
「……? …あ、何か、聞こえるわ…」
言葉らしき声が聞こえた。それを聞き取ろうとしてジュディは一層耳を貝殻へと傾け押し付ける。
風のなす、ノイズのような音に混じって、どことなく聞き覚えのあるような、性別もわからないような声が聞こえた。
しかし、今度ははっきりと聞こえた。
…「愛してるよ」…「大好きよ」…「君を愛そう」…「可愛いジュディ」…
「ああ…お父さまとお母さまの声…それに、これは誰かしら…? あ、この声は…」
本来、プレゼントを貰えれば、子どものように大はしゃぎをするジュディだったが、今夜ばかりは様子が違っていた。絨緞の敷き詰められた床にドレス姿のまま座り込んで身動ぎすらしなかった。
何故か、声が涙声になる。
思えばこの四年間、父の不在はジュディの中では、密やかに不安な事だったのだ。自覚こそしていなかったかもしれないが。いや、あまりに淋しくて、悲しくて、わざと気付くまいとしていたのかもしれない。
「…おとう…さま…。……パパ」
ジュディは小さく、ひっそりと「パパ」と繰り返し呟いた。
彼女の友人たちが自分の両親の事をそう呼んでいるように、彼女も、一度はそう呼んでみたかった。
「あたしの大好きなパパ」と。
そして、「あたしの大好きなママ」と。
そんな想いに駆られて、ひとり涙していたジュディの耳元に、もうひとつ、滑り込んだ言葉があった。
「――未だ若き冒険者たる汝、その存する所に寄りて、我を携えて、風の歌を聴け。たとえ如何なる順逆の境にあるも、常に我の声を聴きて、標とせよ――」
目尻に透んだ雫を浮かべていたジュディは、目を瞠った。
「…これ…が、あの童話の中の冒険者を導いたって言う、貝殻の言葉…?」
一瞬、少しばかり難しい言葉を言われたような気がして悩んだジュディだったが、何となく貝殻が伝えたがっている事はわかったような気がした。
それよりも何よりも。
「…あたし、この貝殻に、冒険者だって認められてるんだ…」
おっちょこちょいでドジを踏みがちな自分は、お父さまのように「冒険者」だなんて名乗れないと思っていたのに、とジュディは心の中で呟いた。
「…………」
暫しの沈黙の後、ジュディは、その小さな手の甲で頬を濡らしていた涙を拭った。そして、顔を上げる。ジュディは決意したように、宙空の一点を見詰めた。その表情はいつになく、とても真摯なものだった。
「…あたし、立派な冒険者になる。お父さまみたいな自分を誇れる冒険者になる!」
――この、『風の貝殻』と共に、冒険者としての人生を歩もう。
それはジュディが、強く決心した瞬間だった。
この先、どんな艱難辛苦が待ち受けていようとも、あたしは頑張ろう、と。
ジュディは、座り込んでいた書棚の前の床から立ち上がると、窓際のライティング・デスクへと向かった。椅子に座り、引出しから一枚の白い便箋と封筒を取り出す。
羽根ペンのペン先にブルーブラックのインクをつけて、少し考えた。後で、父と母が眠っている筈の寝室のドアの下の隙間から、この手紙をそっと差し入れておこうと考えつつ。
書き出しはこう決めた。
『私が最も尊敬し、また最も親愛なるお父さまへ――』
あたしが小さな頃から夢見ていたもの、憧れていたもの、あたしが目標としたかったものを、今日、この日に贈って下さって、あたしはとっても嬉しかった。
あたしは、お父さま、貴方のような立派な冒険者になります。なれるための努力を厭いません。
貴方に追いつく事が出来るのは、いつの日になるかわからないけれども、あたしにとって貴方が誇りなように、あたしも貴方の誇りになれるように。
お父さま、貴方のあたしへの愛情を、たくさん感じました。
あたしを、愛してくれて、ありがとう。
あたしは、貴方の子どもに生まれたことが、最高の幸せ。
あたしは、何があっても、頑張るから。
……今度、一度だけで良いから、貴方の事を、「パパ」と呼んで良いですか。
本当は誰よりもあたしの事をわかっていてくれた、お父さまへ
貴方を敬愛する、貴方の娘、ジュディより
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