<PCクエストノベル(1人)>


むかでの毒を消す薬
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【整理番号 / 名前 / クラス】

【 1780 / エルダーシャ / 旅人&魔法使い】

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エルダーシャ:ええっと〜、ハルフ村はどっちだったかしら〜。

 エルダーシャはハルフ村へと急ぐべく、守護聖獣である、人が軽く2人は乗れるほどの大きさのグリフォンの背に乗り、空の上をさまよっていた。
 大ムカデの毒を消す薬は、ハルフ村に行けばすぐに手に入るらしい。行けばわかると言われたので、エルダーシャはとにかく急ごうと、グリフォンを呼んだのだった。

エルダーシャ:あなた、ハルフ村がどっちにあるのか、知ってたりする……のかしら?

 エルダーシャはグリフォンに向かって、そう語りかける。
 するとグリフォンは、くちばしをかたかたと鳴らして見せた。どうやら、ハルフ村の場所は知っているらしい。

エルダーシャ:よかったわ〜。じゃあ、ハルフ村の方までお願いね〜。

 エルダーシャはのんびりと、グリフォンの首のあたりをなでながら口にする。

エルダーシャ:あ、そうそう、あなたのお名前も、あとで教えてね〜。

 グリフォンは再度かたかたとくちばしを鳴らすと、小さく鳴き声を上げた。そして一直線に、ハルフ村へ向かって飛びはじめた。

 そしてしばらくして、グリフォンはハルフ村へとたどりついた。
 村から少し離れたところに降りて、エルダーシャはいったん、グリフォンを返す。

エルダーシャ:なんだか思ったよりもずっと早くついたわね〜。

 そしてのん気に声を上げながらも急ぎ足で、エルダーシャはハルフ村の中へと入っていく。
 温泉で有名なハルフ村は、湯治客でにぎわっているようだ。どの店にも、それなりに活気がある。

エルダーシャ:やっぱりハルフ村といえば温泉よね〜……って、ああ、いけないわ〜。早く行かないと〜。

 ついつい温泉へ吸い寄せられてしまいそうになりつつも、エルダーシャは薬屋を訊ねて歩き回る。
 だが、観光客向けのみやげもの屋はいくつもあるというのに、薬屋らしき建物は見あたらない。

エルダーシャ:どうしたのかしら〜……? 行けばわかるって聞いていたような気がするのだけど〜。あ、あの〜、すみません〜、大ムカデの毒を消す薬がこのあたりにあるって聞いたのですけど〜。

 首をひねりつつ、エルダーシャは近くにいた村人らしき女性に訊ねた。

女性:大ムカデの毒を? それだったら、そこの温泉のお湯を汲んでいけば大丈夫よ。

 女性はなんてことはないような口調で、そう答えてくる。
 温泉。
 その言葉を聞くと、思わず温泉につかりたい……という気持ちがわいてきてしまって、エルダーシャはあわてて首をぶんぶんと振った。

エルダーシャ:お湯って、その〜、普通に、温泉のお湯を汲んでいけばいいんでしょうか〜?
女性:ええ。できるだけきれいなのを汲んでいったほうがいいだろうけど……どれでもいいと思うわ。
エルダーシャ:そうなんですね〜。ありがとうございます〜。

 エルダーシャは頭を下げた。
 だがまさか、温泉の湯が薬にもなるとは思わなかった。不思議なこともあるものだと思いながら、エルダーシャは近くのみやげもの屋で空のビンを買う。
 その中に温泉のお湯を汲んでふたをすると、エルダーシャは足早にハルフ村から出た。
 そしてまたグリフォンを呼ぶと、その背に乗ってフェンリー・ロウのもとへと向かった。

 グリフォンの速度は速く、帰りは迷うこともなかったため、ずいぶんと速くエルダーシャはフェンリー・ロウのもとへ帰り着いた。
 あいさつもそこそこに、エルダーシャは温泉の湯をフェンリー・ロウへとわたす。
 フェンリー・ロウはあわてた様子でビンを持って走っていく。そしてしばらくして、額に汗の玉をうかべながら戻って来て、エルダーシャに向かって頭を下げた。

フェンリー・ロウ:ありがとうございます。なんとか、間に合いました。
エルダーシャ:ああ〜、間に合ったのね〜。だったらよかったわ〜。

 エルダーシャはほっと胸をなでおろす。
 いつもはスローテンポなエルダーシャだったが、今回ばかりは間に合わなかったら大変なことだと、とにかく急いでいたのだ。
 大丈夫だとわかったら、なんだか力が抜けてしまう。エルダーシャはその場に座り込んだ。

フェンリー・ロウ:あ、大丈夫ですか!?
エルダーシャ:ええ〜、大丈夫です〜。ちょっと、安心しちゃって〜……。
フェンリー・ロウ:ああ、ありますよね、そういうこと。

 うなずきながら、フェンリー・ロウが吹き出す。つられてエルダーシャは笑った。

フェンリー・ロウ:そうそうそれから、鉢植え、診ておきました。レンを発症しかけてましたけど、治療しておきましたからもう大丈夫です。
エルダーシャ:あ、そうなのね〜よかったわ〜。それじゃあ、私、鉢を届けに帰るわね〜。
フェンリー・ロウ:え、もっとゆっくりしていってくださらないんですか?
エルダーシャ:多分、心配していると思うの〜。だから、鉢植えを返したらまたゆっくり遊びにきてもいいかしら〜。
フェンリー・ロウ:それはもちろん!
エルダーシャ:それじゃあ、そうするわ〜。

 エルダーシャはフェンリー・ロウから鉢植えを受け取ると、すぐに歩き出した。
 何年も大切にしていた鉢植えならば、きっと愛着があるはずだ。それならば、できるだけ早く届けた方がいい。
 それに、少々疲れているから、今休んだら、しばらくはぐっすりと眠ってしまいそうな予感がエルダーシャにはあった。それはさすがにまずい、と思う。

エルダーシャ:でも、なんとかおつかいを果たせたみたいでよかったわ〜。

 そうのん気にのびをしながら、エルダーシャはゆっくりとした足どりで遠見の塔へと向かうのだった。

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【ライター通信】
 こんにちは、6度目の発注ありがとうございます。浅葉里樹です。大変お待たせいたしました。
 続きもの――ということで続いてきたクエストですが、今回でやっと完結、という形になりました。いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけていれば、大変嬉しく思います。ありがとうございました。