<聖獣界ソーン・黒山羊亭冒険記>


戦士の誇り

0.依頼

「ぐっくそぉ……」
 杖代わりにした剣を持つ手から、力が抜けて行く。そのまま地面に倒れ伏し男は意識を失った。
 意識を失う直前、ぼんやりとした視界に、ねじくれた角と大振りの剣を見上げながら……


 初めは簡単な依頼だと思った。ああ、そうさ。どうせその辺の野盗が村人を襲ってるって話だろう?そう高をくくって行ったんだ。
 ちょっとは腕に自信があったさ。そりゃそうだろ?冒険者として4年も彼方此方を仲間と歩き渡ったんだ、それなりの腕は有るさ。
 だけど――全然歯が立たなかった。そいつの強さは、俺達の予想を遥かに超えて強かった。
 一人また一人と倒されていく中で、俺もまた夢中で剣を振るったさ。あっさり弾かれて、伸びて来た腕の一撃でこの様だけどな……まあ、それでも命があっただけマシだろうな……
 でもな、絶対にあいつはゆるさねぇ……あいつだけは俺の手で倒してやる!


「ずっと、それだけを言っていました。あいつは俺が倒すんだって……」
 黒山羊亭に訪れた、女性は『何でも屋ギルド』のマスターで有る男と話している。
 話の内容は、数週間前に起こったとある事件から始まり、現在に至っている。
 数週間前にとある村が謎の連中に襲撃を受けた、その連中の排除を依頼して来ていたのは知っている。そして、その時冒険者に依頼を出したのは他ならぬ、マスターなのだ。
「そうか、あいつが単身な……」
「どうかお願いします。あの人を助けて下さい。どうか……」
 その時、冒険者達は返り討ちに合った。唯一の生き残りが、この女性の恋人で有るのだが、その男が先日行方を晦ました。
「分かった。まだ奴等はのさばってるらしいしな、その依頼も引き受けよう」
「有り難う御座います」
 深々と頭を下げる女性に、マスターは微笑むと振り返り言う。
「誰か、行ってくれる奴は居ないか?」


1.追跡

「こっちか?それともこっちか?」
 分かれ道を前に、緑の髪が特徴的な葵(あおい)が振り返り全員の顔を見る。
「こっちじゃねぇのか?今迄の足取りからすると南に向かってってるぽいしな」
 道の一方を指し、紅い瞳を葵に向け無月風 己浬(むげつのかぜ きり)は言う。
 キン!シュボ!
「フー……俺もそっちだと思うね。血の匂いがそっちっからするからなぁ」
 鼻をピクピクと動かし、狼の顔をした狂い狼(くるいおおかみ)は再び煙草を口に咥えた。
「じゃ、決まりなんじゃないです?こっちって事で」
 その他の者より、頭二つ分は小さい位置で群雲 蓮花(むらくも れんか)は笑顔で言うと再び歩き出す。そんな蓮花につられる形で、残りの面々もそちらの道を進みだした。
 依頼があってからはや3日、未だに追いつけては居ないが確実に近づいている事は確かだろう。先日立ち寄った村で、男を見たと言う情報を得る事が出来たからだ。
「もう直ぐ……もう直ぐ戦えるわ……」
 ぼそりと呟いた蓮花の口には、ほんの少し笑みが漏れていた……

 ギィン!!
「がっ!?」
 弾かれた剣を持つ手が滑りそうに成るのを必死に堪えた男の眼前に、煌きが見えた。
「くっ!?」
 ヒョッ!
 空を切る音と剣刃が耳元を掠め過ぎる。男は後方へと飛び退き間合いを取った。
「はぁはぁ……」
 呼吸をするのでさえ随分と辛そうに見える男の脇腹は赤く染まり、そこから血が滴っているのが分かる。良く見れば、ほぼ全身に傷が見て取れ、立っているのでさえやっとの様に見えた。決して、男が油断をした訳ではなく、ただ相手が強いのだ。
「懲りずに来たからちったぁましに成ったのかと思ったが、まるで変わっちゃいねぇんだなぁ。えぇ?おい」
 身の丈程もあろうかと言う剣の腹で肩を叩きながら、大柄な異形は半ば呆れ気味に男を見る。
「とっととやっちまえよ。俺は次に行きてぇんだからよ」
 離れた場所で見ていた痩身の異形が、大柄な異形に声を掛ける。その隣には、獣頭の異形が岩に腰掛け黙って様子を見ていた。
「くっくそ!敵を討つんだ!俺がこの手で!」
 男は言うと剣を握り直し、大柄な異形へと駆けた。
「じゃ、終わらせるとすっかな」
 何処か侮蔑する様な笑みを見せ、大柄な異形が剣を構える。
「うおぉぉぉぉ!!」
「死ね」
 大柄な異形の剣が、空を切り振り下ろされる。その刹那、剣から発せられたのは剣風!
「なっ!?」
 目前に迫る剣風に驚愕し動きが止まる男の髪が揺れる。
 ジャオ!!
 大地を切り裂き、木々を切り裂き剣風が消えた頃、其処には男を抱えた己浬の姿があった……


2.異形

「あぶねぇとこだったな。大丈夫か?」
 己浬は男を地面に下ろすと、笑顔を向ける。
「何だてめぇら」
 痩身の異形が訝しげに、己浬の後ろに居るであろう面々を見ながら言う。
「其処の人を助けに来たんだ。とある人の依頼でな」
 葵が、当然だと言わんばかりにその質問に答えた。
「で、ついでにキミ達も倒して来てくれって依頼を受けてるの」
 笑顔で言いながら、蓮花は懐から一枚の符を取り出す。
「ほぉ?俺達を倒すのか?こりゃお笑い種だな。お前等でどうにか出来るとでも思ってんのか?」
 大柄な異形がニヤニヤと笑いながら問い掛けた時、獣頭の異形がその横に並ぶ。
「おい……畝威、マジか?」
 痩身の異形が真剣な目を畝威と言われた獣頭の異形に向ければ、静かに頷く畝威。
「ヒュー♪本当に、獣の顔してやがる。俺と同じ様な奴が他に居るとは思っても見なかったぜ」
 何処か嬉しそうな狂い狼に、畝威は目を細めた。
「火屡、マジでやった方が良いみたいだぜ」
「の様だな。紫嗚、へまんじゃねぇぞ」
「てめぇだろうが」
 紫嗚と呼ばれた痩身の異形が、両手に小太刀を構え、火屡と呼ばれた大柄の異形が剣を構える。
「あっあんたら……誰に頼まれたんだ……」
「お前の恋人からだ。命を粗末にするなよ?」
 ぶっきらぼうだが優しく諭す様に、葵が答えた。
「おいで!蓮花二号!!」
 蓮花の声に呼応し、符が形を成し始めそこに女性を作り出す。
「呼びましたか?蓮花」
 場にそぐわない平然とした声で、蓮花弐号(れんかにごう)は蓮花を見詰める。
「仕事開始だよ!あの敵を倒すの!」
 蓮花が指し示す先を見、己浬と葵の傍に居る血だらけの男を見て状況を悟ったか、蓮花弐号は静かに頷くとその手に薙刀『春奈』を取り出す。
「分かりました。では、存分に……」
 構えた蓮花弐号を見た蓮花もまた、その手に巨剣『悪即斬』を構える。
「んじゃ、そろそろおっぱじめっか!」
 己浬が構えながら言うと、葵も構える。
 キン!シュボ!
「フー……まがいもんの獣野郎に、本物って奴を教えてやっかねぇ」
 煙草を口の端に咥え、狂い狼がニヤリと笑った……


3.攻防

「行くよ!弐号はまず、あの人を!」
「承知しました」
 蓮花は、火屡と呼ばれた大柄な異形目掛けて駆け出す。蓮花の言葉を受けて蓮花弐号もまた、男の下へ。
「はっ!こんな餓鬼が俺の相手だと!?笑わせんな!」
 火屡は鼻で笑うと、剣を振り上げ間合いに入った蓮花目掛け振り下ろす!
 ギィン!
 その一撃を蓮花は難なく弾き返す!
「なっ!?」
 驚愕に目を見開く火屡の懐に蓮花が入り、下方から剣を振り上げる!
 ブォン!!
 空を切り裂く音が辺りに響く。紙一重で交わした火屡の頬に一筋の汗が伝っていた。
「女だと思って舐めて掛かると痛い目見るよ!」
 間髪入れず振り上げた剣を火屡目掛けて振り下ろす!
 ギャイン!
 辛うじて受け止める火屡だが、顔が苦渋に歪んでいる。確かに、蓮花の事を舐めていたのは事実だろうが、その攻撃力の高さが火屡を動揺させていた。
「ちっ!火屡、何やってやがんだ!」
 紫嗚が一気に間合いを詰め、蓮花に向かう!
「くっ!?」
 その動きに蓮花の注意が一瞬取られたのを感じ、火屡が力任せに蓮花の剣を押し返す。弾かれた反動で体勢の崩れた蓮花の元に、紫嗚の小太刀が迫る!
「喰らえ!」
 ギィン!
 紫嗚の小太刀は、蓮花の剣に弾かれる。小太刀の軌道を見切り、受け弾いたのだ。その凄まじい威力に、紫嗚の体が宙に浮く。
「何だこいつは!?」
「舐めないでって言ってるでしょ!」
 蓮花は懐に手を突っ込み、幾つも符を取り出し力を込める!
「いっけぇ!!」
 符の力が解放され、幾条もの雷撃が火屡と紫嗚を襲う!
「ぐぁぁぁぁ!!」
「くはぁぁ!」
 雷撃に打たれ、紫嗚と火屡が叫びを上げた……

「此処なれば安全でしょう」
 抱えた男を戦闘場所から少し離した場所に下ろし、蓮花弐号は男の最も深い傷と思われる場所に手をかざす。癒しのイメージを浮かべ手に力を集中させる。仄かな光に包まれた手から、男は暖かな流れを感じそれに身を任せる。
「少し時間が掛かるようです。取り敢えず傷口を塞ぐ程度で宜しいですか?蓮花の事も気になりますので」
「ああ……助かった。蓮花ってのはあの女の子の事かい?だったら、早く行ってやりなよ。あいつ等は強い……」
 男は苦渋の表情を浮かべ言う。蓮花弐号は静かに頷くと再びイメージを強める。それに呼応するかの様に手から溢れる光が強さを増して行く。
「くそ……俺がもっと強けりゃ……」
 男が漏らした言葉を、蓮花弐号は黙って聞いていた……

「鬼攻弾!」
 己浬の手から発した気の塊が、畝威と呼ばれた獣頭の異形に向かう!
「水練弾!」
 葵が空気中の水分を弾の様に幾つも打ち出す!
「じゃ、行くか!」
 その身に豹の力を宿した狂い狼が、畝威との間合いを一気に詰める為に疾る!
「……」
 畝威は無表情にそれを見詰めていたが、行き成り駆け出すと正面から来る鬼攻弾と水練弾に向かい行く!片手で鬼攻弾を弾き、水練弾を交わし弾き狂い狼の目の前へ!
「なっ!?」
「何!」
「っと!?」
 畝威の右足が跳ね上がり狂い狼の頭目掛けて襲い来る!だが、一瞬早く狂い狼は後ろへと飛び退きその一撃を交わす!ブンと空気を切る音が鳴る。
「あぶねぇあぶねぇ。やりやがるなぁ」
 頬に流れる汗を拭いながら、狂い狼は畝威を見詰める。己浬と葵が狂い狼の隣へと移動し、それぞれに身構えた。
「こりゃ波状攻撃で行くしかねぇな」
「その様だな」
「みてぇだな」
 畝威はそんな3人を見詰めながら、ゆっくりと構えを取る。左半身のその構えは、一分の隙も無い。己浬が再びその手に気を集中し始め、葵がその手に水の小太刀を作り出し、狂い狼が煙草に火を点けそれぞれに構える。
「行くぞ!」
 己浬の手から鬼攻弾が打ち出される!それを合図に、葵と狂い狼が疾る!
 迫り来た鬼攻弾を右手で弾き、畝威は左腕を突き出し伸ばす!向かうは狂い狼!
「しゃらくせぇ!」
 疾りながらその一撃を交わし、そのまま一気に間合いを詰め右の拳を振り抜く!寸でで交わす畝威の横を狂い狼が駆け抜けたと同時、葵が肉薄する!
「はっ!!」
 右に持った水の小太刀を畝威目掛けて振り抜く!
 これを交わす畝威だが、走った激痛に苦悶の表情を浮かべた。葵が左の水の小太刀で、未だ伸びていた腕を切り裂いていた。葵が駆け抜けたその刹那、畝威の眼前には己浬の蹴り!
 ドガァ!!
 まともに喰らい、体勢を崩す畝威目掛け葵の水練弾が無数に襲い掛かる!
「くっ!?がぁぁぁ!!!!!」
 初めて畝威が、痛みに吼えた……


4.誤算

 ギン!ギィン!!ギャリ……キィィン!!
 刃と刃が触れ合い弾ける音が絶えず響いている。火屡と紫嗚の二人に対して、蓮花と蓮花弐号がその相手をしていた。
「てぇい!!」
 蓮花の巨剣『悪即斬』が空を切り裂き火屡を襲うが、火屡はその一撃を剣で受け止め流す様にいなす!
 最初こそ狼狽していた火屡だが、一度認識を変えてからの動きは卓越した技の戦士に他ならない。蓮花の動きを見切り、確実に受け流し反撃に転じてくる。対する蓮花は、符術や精霊の力も借りて虚を突こうとするが、火屡と紫嗚の連携の前になかなか好機を見出せずに居た。
 蓮花弐号は、蓮花を助けるべく紫嗚の牽制に当たってはいたが、火屡と紫嗚の連携に決定的な打撃を与えられずに居た。
「こいつら結構やるじゃない。弐号、そろそろ本気で行くよ!」
「分かりました」
 蓮花の言葉に、蓮花弐号が懐から符を取り出す。させじと間合いを詰め様とする紫嗚に、蓮花から放たれた一条の雷光がぶち当たる!
「がぁぁぁぁ!!」
 その間に間合いを詰めていた火屡の一撃が蓮花を襲うが、蓮花はこれを受け止め弾く!反動でよろけた火屡が目にした物は、蓮花と比べ物に成らない位の帯電幕!
「雷龍刺牙、天雷牙!」
 力強い言葉と同時、蓮花弐号の手から幾条もの雷光が迸り火屡と紫嗚に向かい行く!一撃!二撃!三撃!……幾条もの雷に打たれ、二体の体が弾き躍る!
「今!」
 言うが早いか、蓮花が疾る!未だ雷撃に打たれる火屡の目の端にその姿が映った時、火屡が吼えた! グガァァァァァァオォォォォォォ!!!!!
 地の底から聞こえて来る様なその咆哮が、蓮花の中の恐怖を擡げさせる。それは、奥底から湧き上がる恐怖……蓮花の動きが止まった。
「蓮花!?」
 蓮花弐号の言葉は届かない。その瞳は、恐怖を湛えただ立ち竦むばかり……焼け爛れ、息も絶え絶えな火屡が眼前に在っても、蓮花は動けずに居た。
「死……ねぇ!!」
 剣が振り上げられる!
 ザシュ!!
「く……かぁ……」
 よろめき、数歩後ずさる火屡の喉元に、薙刀が突き立つ。
「蓮花!しっかりして下さい!」
 その言葉に、ようやく蓮花が反応する。
「わ……たし……はっ!?何!?」
「蓮花、今が好機ですよ!」
 その言葉に、蓮花の瞳に火が点る。巨剣『悪即斬』を一気に振り上げる!蓮花弐号が喉元に刺さった薙刀を抜き、構える!
「「悪・即・斬!!」」
 二つの声が同時、蓮花の剣と蓮花弐号の薙刀が火屡を切り裂いた……

 全身から血を滴らせながら、尚畝威は立ち構えを取る。手先は震え、膝は今にも折れそうになりながら、毅然と三人を見詰めている。
「良い根性してんなぁ。でも、それも此処までだなっと!!」
 狂い狼が煙草を燻らせ、口の端に笑みを見せ一気に間合いを詰める為疾る!続いて葵と己浬も駆け出す!荒い息の下、その様子を見詰める畝威の瞳が、微かに細まる。
 グガァァァァァァオォォォォォォ!!!!!
 畝威の口から咆哮が迸る!その瞬間、狂い狼と葵、己浬の動きが止まる!それぞれに、恐怖の色が瞳に映り、驚愕に見開かれていた。
「……フッ!!」
 一呼吸、その間に狂い狼と畝威の間合いが縮まる!畝威の右拳が力強く握られ、振り抜かれると思った瞬間!
 ドガァァァァ!!
 衝撃に畝威が弾き飛ばされ、血を吐き出す。
「咆哮か?わりぃけど、俺には効かねぇんだ。俺って演技派だろ?」
 ニヤリと笑った己浬が居た。
 元来、サムライは戦う為に恐怖から身を守る守護を受けている。己浬とて例外では無く、その身には守護があり畝威の咆哮は効いていなかったのである。ほぼ無防備に攻撃をしようとした畝威は、逆に油断し己浬の百鬼粉砕拳と呼ばれる技を叩き込まれ弾かれる結果となったのである。
 必死に立ち上がろうとする畝威だが、最早体は言う事を聞かずその場に崩れ落ちる。
「てめぇは良くやったよ。でも、それも終わりだな。止めを刺すのは俺じゃねぇけどな」
 そう言うと、己浬は踵を返し男の下へと歩き出す。未だ恐怖に立ち竦む狂い狼と葵に肩を貸しながら……

5.終焉

「ほら、お前の手で止めを刺すんだろ?」
 己浬に肩を借りた男が、畝威の前に立つ。静かに見下ろす男と、畝威の視線が絡み合う。男は静かに剣を鞘から抜き放つ。ギラリと光を反射した剣を見詰めながら、畝威は少しだけ笑んだ。
「皆の敵、そして多くの人の命の報いだ……」
 終わると同時、剣が振り上げられる。そして……
 ザシュ!!
 畝威の首に落とされたその剣刃は、一刀の元にその身を首と胴体とに分けた。
「……有難う……」
 そう呟いた男の瞳から、一滴涙が毀れた。己浬は、黙って頷くだけだった……

「後一体には逃げられました。申し訳ありません」
 蓮花弐号の報告に、木陰に座る蓮花・葵・狂い狼が苦々しい表情を見せた。
「くっそぅ、気合で何とか成るかと思ってたんだけどなぁ。何ともなんなかったかぁ」
 苦笑いしながら少し弱い声音で、煙草を燻らす狂い狼。
「そうだな。あんなのは初めてだ……」
 無表情に言う葵だが、その顔には憔悴の色が濃かった。
「あの力、結構厄介ですね。変に抵抗し様としても出来ないし、余計体力使っちゃいますし」
 一人呟く様に蓮花言う蓮花の言葉に、狂い狼と葵が頷いた。
「何にせよ、皆さんが無事で何よりでしょう。あちらも終った様です」
 微笑む蓮花弐号の先、己浬が男に肩を貸しながら戻って来ていた。その姿を見た蓮花が、大きく手を挙げ振り叫ぶ。
「お疲れ様〜!」
 その言葉に、皆の顔に笑顔が浮かんだ。そう、安堵の笑顔が……





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

1581 / 無月風・己浬 / 男 / 21歳 / 鬼道士

2273 / 蓮花弐号 / 女 / 417歳 / 祓い屋

1127 / 狂い狼 / 男 / 25歳 / 何でも屋

2256 / 群雲 蓮花 / 女 / 16歳 / 楽園の素敵な巫女

1720 / 葵 / 男 / 23歳 / 暗躍者(水使い)

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■         ライター通信          ■
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 どうも!凪 蒼真です!

 葵さん、お久しぶりです♪

 己浬さん、蓮花さん、蓮花弐号さん、狂い狼さん初めまして♪

 この度は戦士の誇り、御参加頂き有難う御座います。
 まずは、私事とは言え納品の遅延を起こしてしまった事、誠に申し訳なく思います。
 折角御参加頂いたにも拘らず、この様な失態を起こしてしまい、本当に恥じ入るばかりです。
 御待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
 
 さて、この度の話は誇りをテーマにさせて頂きました。
 RPGをやっていると、こういったテーマに遭遇する事が御座います。それを少しでも表現出来たらと思い出した依頼です。
 死すが誇りか、生きるが誇りか?皆様は、満場一致で生きるが誇りと御考えの様でこう言う結果を導き出させて頂きました。
 拙い文章では在りますが、少しでも伝われば幸いであります。
 今後もこう言ったテーマ重視の依頼をやって行こうと思っておりますので、機会が御座いましたら宜しくお願い申し上げます。

 それでは、今回はこの辺で、またお会いしましょう♪