＜聖獣界ソーン・白山羊亭冒険記＞
□■おとぎの国〜Rotkappchen〜■□
■オープニング■
エルザードの街中を歩いていたジル・ハウの前に、一人の道化が、跳ねるように現れた。
『おやおヤ、迷い人でゴザイますカ？』
突然の出来事に、ジルは驚きに目を見張る。先刻まで青い空の下、石造りの道を歩いていたはず。その世界全てが白く、何もない姿に変わってしまっている。
道化の目元を縁取る星型の化粧が、目を細めた瞬間に奇妙に歪む。
『ココはおとぎの国。私は道先案内でございマス。此処の説明を……と？はィ？――何々、エルザードに戻しておくレ？』
道化が大げさに驚いてみせる。
『それはソレは、困りましたネ★本当ニ困りましタ……！！』
ガタガタと震えて縮こまりながら、道化の指が後方を指し示す。
すると何もなかった其処に、巨大な森が現れた。何やら鬱蒼とした不気味な森だ。
状況を掴めずにいるジルに、道化は更に言う。
『エルザードに帰るには、コの森を抜ける必要がございマシテ』
先を促す視線に、道化は早口で捲くし立てる。
『あれは【赤ずきん】の世界。赤ずきんガお似合いの、可愛い可愛いオンナノコが住んでおりマス。――だけどアノ子は時々凶暴でネ……今は運悪く、猟師から猟銃を奪って暴れていル所。此処は彼女の森だかラ、侵入者はスグに分ってしまウ……！！この道を行くしかないケレド、今行けば、彼女の餌食になってシマウよ！！シカもこの世界は気紛れだかラ、時間が経てば経つ程ニ出口が小さくナって、消えてしまうかモ！？』
行くなら覚悟が必要だ――そう言ってワタワタと動揺を見せる道化の瞳は、しかし面白そうに笑っていた――。
＊＊＊
言いたい事だけを言って、道化の姿が淡く明滅する。
「――おい！！」
『じゃア。頑張っテ下さいネ☆』
にっこりと目を細めて手を振る道化。ジルは慌てて、その手を押さえる。すると道化の周りを包む光が瞬滅し、後には首を傾ける道化が残った。
一呼吸の沈黙。
『――放して頂キたいのデスが』
「随分楽しそうだな？……お前何か知ってるだろ」
低く紡いだジルの言葉に、道化は過剰な位肩を揺らした。ダラダラと汗が吹き出、顔色はペイント済みでも良く解かるほど青い。
「言えよ、反撃のヒントはある筈だ。ゲームってな一方的に不利じゃ盛り上がらないぜ？」
『フ、不利なんかじゃありませんヨ！！？』
ジルの屈強な力に勝てる筈も無いのに、道化はもがく。
『だってアナタ、強いのデしょう！？赤頭巾は逃走者が強ケレば強いイ程、満足してクレるのです！！』
言ってから、しまったとばかりに口を押さえるがもう後のマツリ。更に鋭さを増したジルの瞳に、しかし道化は面白そうな微笑に表情を返して、そして――。
道化の二度目の明滅は、ジルも止めなかった。そうして溜息の後、他の四人の『迷い人』を見つける。その中にはジルも良く知る人物の姿もあった。
■赤頭巾ちゃん、現る■
おとぎの国に入り込んだ理由が、本当にただ迷い込んでしまっただけなのか、それとも道化によって連れ込まれたのかは定かでは無い。とにかくどんな理由にしろ、五人は森を抜けない限りエルザードには帰れない。
がっしりした体躯の快活そうな女性はジル・ハウ。浅葱色の髪を首元で結った青年、アイラス・サーリアスと大きな銀の瞳を笑みに細めるヴィネシュア・ソルラウル。女性らしい柔らかな肢体を派手な衣装で飾るのはレニアラ。豊かな眉とビンディが特徴的な美丈夫はアーナンタ・シェーシャ。
五人は挨拶もそこそこに、森の中へと走り込んだ。
道は真っ直ぐに、木々を両に従えて続く。先は遠く、まだ見えない。所々にそれた道の茶色い大地が覗いている他、特に何が見えるという事も無い。
「あっはははっ……！！」
ヴィネシュアが楽しげに声を上げながら、先頭を行く。その後にジルとアーナンタ、アイラスが続き、最後には緩やかな足取りでレニアラが歩いていく。故に走り行く四人からすぐにレニアラの姿は遠くなり、彼女に向かって戸惑いの視線を向けたアイラスに
「心配無い」
レニアラはただ一言を告げる。そうしてそれた道を右へと曲がっていってしまった。
「だ、大丈夫でしょうか……」
心配そうにチラチラと背後を振り返るアイラスに、前方のヴィネシュアが特に気にした風もなく頷く。
「大丈夫だよ〜。本人もそう言ったもん」
「それに、それ所でも無いようだぜ」
前方を見据える瞳を細くし、剣呑な声で呟くジルに仲間達の表情も自然と引き締まる。ヴィネシュアだけは例外で、絶えずキラキラと瞳を輝かせては居たが。
銃声が次第に近づ居てくるのがわかる。
ジルも自身の得物である蛮刀の柄に手を当てた。
その時だ。
およそ百メートル先。広がる森の中から赤い何かが飛び出してきた。
「聞いた赤頭巾と、随分違うぞ！！」
「とんでも無いねぇ」
飛び出たのは、いわずもがな件の相手、赤頭巾だ。四人は足を止め、一瞬の後横っ飛びで赤頭巾が放った銃弾を避ける。
頭巾で隠れた顔の中で、鋭く光る瞳だけが姿に酷く不似合いだ。童話通りの無垢で純粋な少女らしい可愛らしさは何所にも無い。
彼女の背には幾つかの猟銃が括りつけられており、両脇にそれぞれ猟銃を二つずつ構えている。
猟銃というものは弾は二発しか無い筈だ。だが彼女はそれの乱射を続けており、明らかに通常の猟銃では無い事が容易に知れる。
森に逃げ込みながらジルの後を続くアーナンタがチャクラムを投げるが、赤頭巾は後方へ飛び退く事でそれをかわす。
赤頭巾が猟銃を撃つ事をやめて、四人の上に視線を落とした。頭巾の中で絶えず狂気を振り撒く瞳が、何かを見定めるようにギョロリと動き。――そして彼女は、声を立てて笑い出した。
「うふふ、うふ、うふふふふっ！！！」
両手を頬にあてがい、何が楽しいのか高音を空に響かす。訝しげな四人の視線に、気付いてもいないとでも言いたげに。
「道化が連れて来たのね？貴方達、強いのでしょう！？」
そうして、くるりと一回転。
「ホントウに、気が利いてるんだから彼ってば。んもう、キスしたい位よ！！」
まわった事で被った頭巾が後方へと落ち、彼女の表情が露になる。少女は満面の笑みを浮かべて、ただはしゃぐ。頬はほんのりと高潮してさえいる。
「もう、うんざりだったの。飽きてたの。この国の猟師ったらどいつもこいつも腑抜けばっかり。狼は狼で、逃げ出してもうこの森には居ない程よ？それなのに私のママったら、物語を止める気も無く毎回毎回おばあちゃんの所へ行け行けって――ストレスもたまるって物じゃない！？」
同意を求めて彼女はジルを見、仲間達を見、そして反応などお構いなしに話を続ける。
「私がお話を面白くしてあげようと毎回走り回ってやってんのに、この様。暴れたり無いのよ、はっきり言って！！私、かなり本気でご立腹なの！！……だから、ね。私、貴方達が来て本当に嬉しいのよ……？これで心置きなく、本気の本気で暴れられるのね？」
潤んだ眼に歓喜に震える唇。恍惚に染まる頬。少女はしばしの感激に打ち震え、その様子を四人は事態が飲み込めないと言いたげに見つめる。
「えぇっと……？」
「つまり、来てくれてアリガトウって事」
首を傾げたヴィネシュアに笑顔で答えて、少女は赤頭巾を被り直した。
「さ、お話はこれくらい。じゃ、さっさと追いかけっこを始めましょうか♪」
そうして再び、彼女の銃口が火を吹いた。
■赤頭巾ちゃんと追いかけっこ■
「さて、どうする？ジル――」
赤頭巾の銃弾を軽やかにかわしながら、アーナンタが背後を振り返る。
森に逃げ込んだ際に、アイラスとヴィネシュアとは逸れてしまったらしい。傍らを走りながらジルは、瞳を細める。黒い眼帯で片目は隠れているので、残された一方の瞳だけが妖しい色を称えていた。
「道化の奴をとっちめたら、どうでもいい様な事を吐きやがった。とにかく、赤頭巾のストレスを解消する為に逃げ回れとよ」
消え行く道化を引き止めて、面白そうに微笑む彼を問い詰めた所、返って来た言葉はソレ。何でもこの赤頭巾、ストレスが堪ると暴れ出す傾向にある様で、かといって理性が無いわけでもなく、幼い頃から護身術という名目であらゆる武術を齧っていたとの事。戦闘力も侮るでなかれ。
狼を見ると暴走する性質らしく、森に狼がいた時分は良く理性を失って一般住人にまで攻撃を仕掛けていたとかで、一般住人にとっては森を去った狼こそが救世主、赤頭巾が暴漢という構図が出来上がっている。
道化は知らぬは本人ばかりと笑った後、こう付け加えた。
『彼女の気の晴れルまデ、追いカケッコに興じて頂きタイのデス★』
「赤頭巾を満足させればいいって事だな？――思う存分暴れ回ってもらって……」
「そういう事だろ。ようは楽しませろってよ！！」
言うが早いかジルは振り返り、己の得物を抜き取った。巨大な黒い蛮刀が唸りを上げ振るわれる。刀で赤頭巾が放った銃弾を弾き、立ち止まった赤頭巾に向けて地を蹴る。
蛮刀を両手に一対ずつ握り走るジルの巨体は意外に速く、どこか肉食獣を思わせる動きに赤頭巾が一瞬目を奪われたのがわかった。彼女は猟銃を構えたまま動きを止め、次いで我に返ったようにジルに向かって三発を放ち、ジルから距離を取ろうと背後に飛び退る。
銃というものはそもそも遠距離からの攻撃であって、接近戦ともなると効力は半減する。殊に猟銃を得物とする赤頭巾にとって、巨刀を振るうジルからは通常よりも距離を置いた方が万全だ。
そもそも猟銃というものは銃弾を二発撃っては装填するという形なのだが、赤頭巾の持つ猟銃は如何にもな改造銃で、二発所かマシンガンのうように撃つ側から銃弾が装填されていく。時々残りの三本の猟銃を間に入れて弾の補充を行う姿には一分の隙も無く、赤頭巾が確かな知識と場数を持っている事が良くわかる。
だがジルも弾を蛮刀で凪ぎ、弾き、斬り、まったく引けを取らない。アーナンタは少し離れた位置で、特に援護するというワケでもない。
追いかけっこは一時中断。
凶相を恍惚に染めて微笑む赤頭巾はどこまでも禍々しく、距離を縮めたジルに向けて銃弾を放つその姿に焦りは微塵も無い。長い足で踏み込んだ一撃を難なく銃身で弾かれる。接近したジルの腹部を狙って猟銃が鳴くが、二刀目の蛮刀がそれを遮り、離れ、また接近。
少女とは思えぬ動きと多彩な攻撃で、とても猟銃を操るとは思えぬ赤頭巾に、ジルも表情を引き締めた。
腰を低めて蛮刀を薙ぐ。赤頭巾が上方へと飛び上がり、銃の雨が降り注ぎ大地に突き刺さる。蛮刀を防御に向けたが、頬や膝を掠られえる。赤頭巾の着地の瞬間を狙いジルが柄を少女の腹へと突き出すと、彼女は軽く呻き、随分遠くへと飛んでしまった。
ジルにしてみれば随分と手加減をしたものだが、少女の身体にはかなりの衝撃となって踏ん張る事も難しかったのだろう。だがそれ程の痛みは無いのか、すぐに立ち上がり憤怒の形相で駆け出して来た。途中で猟銃を投げ捨て向かってくる赤頭巾に、ジルも蛮刀を戻し拳を構える。
その二人の間に、無粋な闖入者。風を切って過ぎたチャクラムに、二人は同時に後方へと飛び退った。怪訝そうな顔で振り返ったジルの瞳に、アーナンタの手に戻ったチャクラムが赤頭巾へとまた向かうのが見えた。
赤頭巾が腰を落としてそれをかわしている間に、アーナンタが突然走り出す。その後をジルは慌てた様子で続く。
「何だよ、アーナンタ！！」
ジルにとってアーナンタは無粋な闖入者。憤懣やるかたなく怒れるジル。
しかしアーナンタはジルを無視して呪文を口上に乗せる。
背後を少し送れて、赤頭巾が続き銃声が響く。アーナンタは赤頭巾の視界から消えるように木々の合間を走る。そして、赤頭巾の視線が外れる。
「なっ！！」
木々の間に、自分とアーナンタの姿。左右前後あらゆる所に。驚きに目を見張るジルの手を取って、アーナンタは更にスピードを速める。
本体以外の自分達は全て樹を自分達に化かしたもの。
銃声が響く。リズム良く撃ち出されるそれ。木々を穿ち穴を開け、倒すだろうそれ。
赤頭巾がその正体に気付く前に遠く離れる必要がある。
――そして銃声は、次第に遠ざかっていった。
■赤頭巾ちゃんから逃げた先■
森の中に、一軒の小屋があった。狩小屋と呼ぶに相応しい木造の小屋の中には、銃声に耳を塞ぎ震える男達。体格は良く引き締まっている。
小屋の内部、壁には棚状のものが付、そこには本来猟銃が立て置かれるのだろう。
無言のまま響く銃声が止むのを待つ男達は、突然開いた扉に悲鳴を上げた。
「――なっ……！！」
だがしかし、小屋に侵入を果たしたのは彼等の良く知る顔では無く――。
「あ、あんたら……赤頭巾の奴が五月蝿いと思ったら、あんたら、道化に連れられてきたんだな？」
「またか……！！」
ジルとアーナンタの顔を見て、猟師達は一様に額を押さえてみせた。いかにもな強面であるジルと穏やかな実昔はかなりのワルとして世を闊歩したアーナンタとを見て、男達はすぐにその存在を理解したらしい。
「……見っとも無いな、あんな子供に……」
そしてジル達も、猟師達の姿を見てすぐに理解する。猟師達は赤頭巾から逃げ隠れている。その体たらくにジルが嫌悪も露に溜息をつく。
「まあまあ。――あれ？」
ジルを宥めながら次の言葉を紡ごうとしたアーナンタだったが、小屋の反対側に自分たちが侵入を果たしたものとは違った、少し異質な扉を見つけて小首を傾げた。それは壁に同化しているようにも見えたが、良く見ると材質が異なるように思えた。
男達の間を縫って、そちらに近づき、触れる。
「あ、そこは……！」
男達が、先程とは違った意味で震える声を上げる。
「何だ？」
問いかたジルに応える意味か、アーナンタが扉を開けた。
鏡かと思った。明けた開けた先にはアーナンタがこちらを見てい、不思議そうなジルがその後ろ。引き攣った顔を見せる男達。二人が入ってきた扉に小屋の内装。だがその中央にはジルの背後には実際居ない筈の道化。そして中空を浮かぶ、奇妙な映像の数々。
「な――っ！！」
『……あレ？』
赤鼻を取りつけた道化が、瞳を見開いてジル達二人を見た。不思議な虹彩を持つ瞳は、何とも形容し難い色を持っている。
『お二人サン、ココで何をしているンデス？』
「それはこっちのセリフだ……！！」
『こんな所で油を売ってイル場合でハありまセンよ？赤頭巾の相手ヲして頂かなイと★』
「そういうキミは何をしているの……」
『ワタシですか？ワタシは………ソウ、ですネ♪出刃亀でス』
そう言って道化は手を上げて、その指で浮かぶ映像をつついて見せた。
『赤頭巾ちゃんの行動ヲですネ、コウヤッテ観察してイルのデス★ソレでこれからの指針を決メタりですネ。家々に隠れテイル皆さんに、状況をお知らセしたりト……』
当然の事のように言う道化に、見目麗しい美貌の主アーナンタが見っとも無く口を開ける。
道化の背後には、森を駈ける赤頭巾の姿。
『オヤ、面白いコト…♪』
その前方を駈けていくのは、アイラアスとヴィネシュアに見える。そして……。
ジルとアーナンタは振り返り、そして小屋を飛び出した。
その後をおどおどした猟師が一人ついて出てくる。
二人はただ前方を眇め見、そして見た。
アイラスとヴィネシュア。猟銃を乱射する赤頭巾。猟師が悲鳴を上げて瞳をきつく閉じる。
――間を駈けるのは、まさしく。
「つかぬ事を聞くが、確かこの森から狼は逃げ出したのでは？」
アーンナンタが尋ねると、瞳を閉じたままで猟師が答える。
「えぇ、もう一匹もおりませんが……」
「なら、狼に似た獣は？」
「は？」
『狼の顔をして変な模様と尾を持った、アレは何だ！？』
声を揃えたジルとアーナンタに、猟師は意味がわからないとでも言いたげに首を傾げた。
■赤頭巾ちゃん、御機嫌よう■
戦意を喪失したジルとアーナンタは、猟師の言に従って、最初に通った森の中央に走る道へと足を踏み出した。銃声は絶えず耳を劈き、遠く近くに響き続けるが、その矛先が二人に向かってくるコトはもう二度と無かった。
猟師曰く「赤頭巾は狼を前にすると理性を失う」との事。狼以外目に入らなくなるという。
ほどなくして二人は道化の言う出口に辿り着く。
「走り通しだな。腹が減ったよ、帰ったら飯喰おうぜアーナンタ」
「そういや、昼飯まだだったしね……」
目の前には、巨大な鉄の扉。場にそぐわない扉が口を開く先には混沌とした闇が広がっている。
二人は事も無げに侵入を果たす。
扉一つを隔てただけなのに、世界は一転。暗黒の中から見た赤頭巾の世界は、晴れ晴れと美しく光輝いていた。
「――結局何だったんだ？」
首を傾げながら、ジルの身体は闇に沈んだ。
『ご苦労様デしタ★』
闇の中で道化の笑い声が聞こえた。そして瞬間、目の眩む光に包まれ、ジルは固く瞳を閉じ――。
次に瞳を開けた瞬間、そこには見慣れた風景が広がっていた。
子供達の笑い声。柔らかい風の吹き行く細い路地。エルザードの街並み。
おとぎの国に入る前、ジルが歩んでいた道だ。
我に返って自分の姿を見やると、掠っただけだが傷を負った身体にも、逃げる際枝によって裂かれた服も、まったく異常が無かった。
天空に浮かぶ太陽が真夏の日差しを放つ、暑い午後の事。
白昼夢だったのかもしれない。
青い空を眇め見ながら、ジルはもう一度呟く。
――だから、何だったんだよ。
ＥＮＤ
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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【整理番号 ／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業 ／ 種族】
【1649 / アイラス・サーリアス / 男性 / 19歳 / フィズィクル・アディプト / 人】
【2154 / ヴィネシュア・ソルラウル / 女性 / 15歳 / 情報屋 / 神族】
【2403 / レニアラ / 女性 / 20歳 / 竜騎士 / 人間】
【1095 / アーナンタ・シェーシャ / 男性 / 89歳 / 賢者 / ナーガ】
【2361 / ジル・ハウ / 女性 / 22歳 / 傭兵 / 人間】
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■ ライター通信 ■
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はじめまして、ジル様。ライターのなちと申します。予定よりハルかに、そして納期よりとてつもなく遅れてしまいまして申し訳ございません。
お会い出来て大変嬉しく思いつつ、申し訳ない気持ちで一杯です。心からお詫びさせて頂きます。
ジル様という人物が私的にとても憧れます。少しでも見合ったキャラとして表現出来ていれば良いのですが。
苦情の類、よろしければお聞かせ下さいませ。
またジル様にお会い出来る事を祈りつつ、有難うございました。
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