<PCクエストノベル(5人)>
Children Game
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【冒険者一覧】
【整理番号 / 名前 / クラス】
【2467 / C・ユーリ / 海賊船長】
【1649 / アイラス・サーリアス / フィズィクル・アディプト&腹黒同盟の2番】
【1728 / 不安田 / 暗殺拳士】
【1953 / オーマ・シュヴァルツ / 医者兼ヴァンサー(ガンナー)腹黒副業有り】
【2524 / アルミア・エルミナール / ゴーストナイト】
【助力探求者】
なし
【その他登場人物】
子供達
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■ 子供達のゲーム ■■
子供:「ねぇ、冒険者さん」
談笑しながら、依頼書を片手に次は何処へ行こうかと相談している時だった。この夜の黒山羊亭には似合わない、震えたか細い声が相談していた五人の顔を振り向かせる。
振り向いた中の一人、C・ユーリ──キャプテン・ユーリは驚いた。声の主は、まだ年端も行かない子供だったからだ。其れも一人ではない、数人の男女の子供達が、一様に怯えたような視線で五人を見ながら、恐々と其処に立っていた。
オーマ:「何だ?おちびさん達。此処は御前さん達のような、子供が来る場所じゃァねェぜ?」
酒の入ったグラスを揺らしながら、オーマ・シュヴァルツが幾分か優しい声音でそう言った。子供達はびくびくと怯えていたようだったが、其の声に促されるかのように、子供達の中の一人が勇敢にも顔を上げた。勇ましい顔立ちの、リーダー格の少年の様だった。
子供:「俺達の仲間が、一人で腕試しに出てったっきり、帰ってこねぇんだ。さ、探して、ほしいんだ」
アイラス:「たった一人で?こんな時間まで帰って来ないのですか?」
子供の言い分に、アイラス・サーリアスは驚いたように声を上げた。もう外は真っ暗だ。肝試しと夕方に始めても、とっくに遊び事は終わっている時間だ。一人で子供が外をうろうろして良い時間帯では無い。だからこそ、子供達は勇気を奮ってこの黒山羊亭まで来たのだろう。
話を聞いていた黒髪の女──アルミア・エルミナールは、子供達に静かに問うた。
アルミア:「で?何処に行ったんだ。其の仲間と言うのは」
オーマと同じく、氷が立てるからりという音を響かせながら、アルミアは酒のグラスを揺らす。問われた子供達の中から、今度は見るからに怯え切った表情の少女が、リーダー格の少年にしがみ付きながら口を開いた。きっと少年の妹か何かなのだろう──子供達に興味は無いにしろ、其の顔を見て不安田はそう思った。其れ程に二人の顔はそっくりだったからだ。
子供:「む、ムンゲの地下墓地なの。御外は真っ暗だし、お化けが出るって言うし……」
殆ど泣きじゃくる様に少女は言った。子供達の言い分を聞いて、ユーリは困ったように頭を掻く。さて、如何したものか。ムンゲの地下墓地と言えば、アンデッドモンスターが湧くように出る事で有名だ。早く行かないと、子供の命が危ない。
────なら、行くしかないだろう?
ユーリは小さく頷くと、優しい微笑みを見せて泣きじゃくる少女の頭を撫でてやった。
ユーリ:「大丈夫だよ、おちびちゃん。僕達が其の仲間を見つけ出してきてあげる。ね、良いよね?次の冒険は、ムンゲの地下墓地だ!」
振り返って、後半は他の四人に問い掛ける。オーマは勿論だと笑い、アイラスは優しく確りと頷いて、アルミアは仕方が無いとでも言いたげに溜息を吐き、不安田も異存は無さそうに頷いた。
其の様子に、子供達の顔が一様に明るくなる。
オーマ:「待ってな。必ず見つけ出して来てやっからよ」
アイラス:「その代わり。君達は御家へ帰って、御父さんや御母さんにちゃんとこの事を話すんですよ?」
オーマとアイラスの言葉に、子供達はばらばらと頷いた。もう泣く者は居ない。
飲み掛けの酒を干して、アルミアががたん、と席を立つ。不安田は緩んでいた手袋をきゅ、と嵌め直した。
さぁ、冒険の始まりだ。
■ 地下墓地へ ■■
ムンゲの地下墓地。大賢者ムンゲが葬られたと語られる場所だが、今ではアンデッドモンスターの恰好の住処となっているらしい。其れ故、大賢者はネクロマンサーで在ったのではないかと噂されるほどだ。人工的にぽっかりと作り上げられた洞窟を目の前にして、不安田は茫洋とした口調で言った。
不安田:「相手に実体が在れば良いのですけどねぇ……じゃないと、拳が入らない」
オーマ:「さァなァ……如何だか。俺としては、あんまり殺したくはねェんだがな」
アンデッドと言えども、元は歴(れっき)とした一つの命だったものだ。其れが昇華されずに亡者と為ってしまった者を、余り殺したくは無い。オーマが溜息を吐く傍で、アルミアは其の肩に担ぐようにしている巨大な戦斧を、様子を確かめるようにぶん、と振り下ろした。空気を裂く音がひゅうと耳を打ち、何処からか冷たい風が流れてくる。怨霊を纏うもの──其の魔斧・ゴーストアックスを持ち、アルミアは其の手応えに満足した。
アルミア:「私の怨霊使役で相手を縛れば良い。動けなくさせれば良いのだろう、要するに」
そうして五人は、自分たちの間隔を一定に保ったまま──戦闘時に出交した時、素早く動きを取る為だ──ムンゲの地下墓地へと足を踏み入れた。地下へと続く階段を、ゆっくりと降りて行く。空気は湿気を帯び、不死者の死臭が仄かに混ざっていた。其の臭気に思わずアイラスは顔を歪める。
アイラス:「酷い匂いですね……子供なのに、良くこんな所を一人で……」
ユーリ:「腕試しだと言っていたからねぇ。意地を張っていたのだろうさ」
かつん、かつん、かつん──。足音がやけに高く響く。声を反響させながらそう呟いたアイラスに、先頭の方を歩いていたユーリは、肩に乗せて連れて来た赤いちびドラゴンのたまきちを撫でてやりつつ、苦笑しながらそう答えた。腕試し。子供の遣りそうな事だ。きっと意地になって、べそをかきつつこの地下墓地を進んでいったのだろう。まさか、帰れなくなるとは予想だにしないで。
湿った空気は容赦無く肌に纏わり付く。五人が最下層に降り立った頃には、周囲の壁がぬるつくほどに湿気が其の場を満たしていた。地面から染み出してくる水分が、この墓地にも滲み込んでいるのだろう。酷く土臭く、息苦しい。
最後尾を歩いていた不安田が、其の締まりの無い目尻を鋭くさせて、声を低くして唇を動かす。
不安田:「──気を付けて。明らかに何かが棲んで居ます」
アルミア:「の、ようだな。私も肌に霊気を感じる……其れも、大きな」
ぼそぼそと短い会話が遣り取りされた。其の会話に、一行は身を堅くする。ムンゲの地下墓地は、意外にも広かった。もっと狭い通路で入り組んでいるかと思っていたのに、拍子抜けた気分だ。だが、気を抜く事は出来ない。此れでは前から横から後ろから、どうぞ好きに襲い掛かってくださいと言わんばかりだ。
広いのに、灯りが全く無い所為で非常に見え辛い。明らかに不利──そう、誰もが思い掛けた瞬間だった。
オーマ:「……何か来るぞ!」
オーマの鋭い一言に、誰もが一瞬で身構える。そうして辺りを見回した頃にはもう遅かった。一行の周りを、数十人の不死者がぐるりと囲っていたからだ。鋭い臭気を発しながら、唸り声ともつかない声で雄叫びを上げ、不死者達がじりじりと輪を為して迫ってくる。
ユーリ:「やられたね……この臭気と湿気で、鼻が利かなくなっていた。たまきち、離れるんじゃないよ」
口惜しそうにユーリが呟くと、其の肩に乗るドラゴンは、威嚇するようにふしゅうと鳴いた。そうして、主人の言葉にこくこくと素直に頷き、其の肩にひっしと掴まる。
如何やら相手は不死者のようで、怨霊の類いでは無さそうだった。実体がある相手に、不安田の瞳が面白そうに光る。
アイラス:「──突破するしか、無さそうですね」
ごくりと喉を鳴らして、アイラスが掠れるように呟いた。不死者はおおおと唸り声を上げながら、ゆっくりゆっくりと其の腐った足を此方へ向けてくる。戦いを回避する方法は、無さそうだった。
不死者の一人が、一層際立つ声を上げながら、一行に襲い掛かってくる。其れが合図だった。
五人は地を蹴り、其々敵へと向かっていった。
■ 不死者 ■■
真っ先に飛び掛かって来た不死者を音もなく打ち倒したのは、一行の最後尾に付いていた不安田だった。常に鋭く気配を巡らせていたのか、相手が飛び掛かるのと同時に地を蹴ったのだ。不死者と言えども元は人間、急所も在る。正確に其の急所を突き上げ、不安田はひゅう、と喉を鳴らした。
不安田:「そう強い相手でも無さそうですよ。一度強い衝撃さえ与えてしまえば、ほら」
彼が指差した先には、先程彼が打ち倒した不死者が転がっていた。打たれた急所をへこませ、苦しそうな呻き声を一声上げたかと思うと、不死者はぼろぼろと崩れ、急激に風化していった。其の顔とも言え無い顔がさらさらと崩れ、腕が足が、身体がぼろりと崩れ落ちる。
そう言う間にも、不安田はもう一体に取り掛かっていた。背後に回り込み、腕を捻り上げて首に手を掛け、ぼき、と嫌な音と共に其れを折り取る。其の素早い動きに、又も不死者はさらさらと崩れ去っていった。
オーマ:「そう言う事なら、傷付けずに成仏させてやるこたァ出来そうだな。成仏出来るか如何かは知らねェけど……よッ!」
頷いて、オーマも駆け出す。彼は頭の中で馬鹿でかい銃火器を想像した──そして其れは、事実となってオーマの腕の中に現れる。具現化された銃火器を一撫でし、オーマは其の棍棒のように太い銃火器を振り上げた。自分に向かってきた不死者に向け、引き金を引くのではなく、剣で一突きするように、銃口をどん、と其の不死者の腹に突き入れる。腐った身体を重い銃火器はあっさりと打ち倒し、不死者は不満げな呻き声で崩れ去っていった。
対照的に満足げに唇を歪めたオーマに、鋭い一声が飛んだ。
アイラス:「危ない!」
オーマの背後に新しく忍び寄っていた不死者の喉笛に、声と同じく鋭い何かが突き刺さる。其れは声の主、アイラスが投げた彼の武器──釵だった。
ふうと一息付き、素早く崩れ去る不死者から釵を抜き取りながら、もう一本釵を取り出し、両手に構えながら笑顔でアイラスは言った。
アイラス:「僕はサポートに回りますよ。皆さんが背後から襲われないように、ね」
アルミア:「サポートも構わんが……自分の身を疎かにはするなよ?」
目を細めてアルミアが言う。彼女は一瞬で気を整え、ぐ、と足を踏み入れて念じた。途端、彼女の周りを取り巻くようにして怨霊たちが出現する。現れた怨霊達にニィ、とアルミアの綺麗な唇が吊り上がった。其の手がひらりと振られると、怨霊達は不死者と同じように聞き難い呻き声を上げながら、固まって蠢いている不死者達に向かっていく。そうしてアルミアがひゅん、と風を切って手を振り下ろすと、怨霊達は渦を作りながら、不死者三匹を纏めて縛り上げてしまった。
何と手際の良い──ユーリは感心しながら、集中している彼女に忍び寄る不死者に向けて、左腕の黄金の義手からショットガンを放った。景気の良い音を立てて、ショットガンは不死者と共に砕け散る。
ユーリ:「女性にばかり活躍する場を取られては、海賊船長の名が泣いてしまう」
微笑みながらそう言うと、ユーリはアルミアの背後から、縛られたまま動けない不死者達に連続して三発、ショットガンを見舞ってやった。ずれることのない射撃に、ひゅうとユーリは口笛を吹く。
不安田は相変わらず黙々と敵を沈黙させて行きながら、其の様子を見て、へぇ、と驚いた声を出した。
不安田:「凄いですねぇ……俺は射撃は専門じゃないからなぁ」
オーマ:「射撃の専門はユーリじゃなくて、俺だぜェ?何てったって、ガンナーだからよ……ッと」
鮮やかな手付きで銃火器を使い、一人、又一人と敵を殺す事無く風化させていく。そんな中でも余裕を含んだ笑みで、オーマはそんな軽口を叩いた。実際本当なのだが。
アイラス:「御喋りをしている暇はありませんよ。又団体様の到着のようです」
焦りを含んだアイラスの声が飛んだ。粗方不死者を片付け終えたと思った矢先に、又新しい不死者が到着した様だ。見れば、奥の薄暗がりから、わらわらと先程と同じ数──否、其れ以上の不死者が遣って来ていた。
呆れたようにアルミアの唇が動いた。
アルミア:「此れではこの場に留まっていても仕方が無いぞ。動かねば」
ユーリ:「の、ようだね。……仕方無い、此の侭奥まで突っ走ろう!子供が隠れそうな場所を探すんだ」
ユーリの際立った声に、四人は其々不死者の相手をしながら頷いた。
先陣を切って、オーマが駆け出す。殆ど体当たりに近い形で敵を薙ぎ払いながら、強引に奥へと進む道を造って行く。子供ならば、きっと不死者に怯えて奥へ奥へと逃げるだろう。見付からないように、細い道を探して。
アイラスも其れに続いた。釵で相手を切り裂きながら、彼も又、道を造る。彼が釵を閃かせる度、不死者が立て続けに倒れて行った。其の後ろで、アルミアが敵を追い払うように戦斧を振り回す。薙がれた衝撃で吹き飛ぶ不死者を、もう二度と終えないようにとユーリがショットガンで打ち倒した。レディを一人にしてはおけないだろう──? 其れが、彼の言い分。
不安田は最後尾を維持しながら、手刀で確実に急所を狙う。走りながらの作業であっても、彼に手に余る物ではなかった。猫が獲物を見極めるように目を細め、首を狙って手刀を打ち込む。其の速さは、最早常人の物ではなかった。
そうして彼らは確実に不死者を倒しながら、奥へ奥へと進んでいった。
進んだ先には、小さな子供一人がやっと入れる位の脇道が在った。彼らが予想した通り──小さな男の子が、其処に居た。
■ 無事救出 ■■
ユーリ:「……見付けた。君が、腕試しで此処に入った子だね?」
細い脇道の外から、其の脇道の中に身体を埋めて縮こまっている子供に、ユーリは走った所為で荒くなった呼吸を整えながら問うた。子供は驚いて顔を上げると、泣き腫らした顔で、夢見心地に頷いた。
其の様子を見て、アイラスは取敢えずこっちへおいで、と手招きをした。
アイラス:「もう大丈夫ですよ。怖いお化けは、もう居ませんから」
子供:「……ほんと?ほんとにもう、お化け、居ない?」
アイラスが頷いてやると、子供は又べそをかきながら、狭い脇道から身体を表した。気丈な顔をした子で、成程腕試しに一人で行ってしまったというのも頷ける。其の服はあちこち擦り切れて泥だらけになっており、死に物狂いで逃げ回ったのだと判る。
ぱたぱたとアイラスが其の服の泥を落としてやると、やっと助けられたという実感が湧いたのか、子供は大声で泣き出した。泣きじゃくる子供に、アルミアは身を屈めて言葉を掛けた。
アルミア:「子供一人でこんな所へ入っては駄目だろう。もう少しで死ぬかもしれなかったんだぞ」
静かに言うと、子供はしゃくりあげながらだって、と切れ切れに声を出した。
子供:「……だって、ほんとに強いかどうか、確かめ、たくて」
アルミア:「──強さは力だけではないよ。逃げる事も強さだ。良く逃げ延びたね」
必死に弁解する子供に、アルミアは語気を弱めて優しく其の頭を撫でてやった。泣き声が少し落ち着くまで撫でてやると、アルミアはゆっくりと立ち上がり、子供には興味が無さそうにぼんやりと視線を中空に彷徨わせている不安田に目を遣った。全く、此れがさっきの戦闘時と一緒の人物なのだろうか。そんな事さえ思えてくる。
今度はユーリが子供の前に座り込み、目線の高さを同じにして、其の肩を柔らかく叩きながら言った。
ユーリ:「良く頑張ったね。逃げる事も勇気、耐える事も勇気だ。……でもね、勇気と無謀は紙一重なんだ。判るね?」
子供がユーリの肩の赤いちびドラゴンに目を奪われつつも頷くと、ユーリは言葉を続けた。
ユーリ:「今回のキミの行動は、無謀だ。人には出来る事と出来ない事が在る。在って当然なんだ。だから、其れを破ってでも勇気を貫こうとしてはいけないよ」
子供:「……判った」
神妙な顔で、子供は頷く。ユーリは少しだけ微笑んで、なら良かった、と呟いた。
やっと泣き止んだ子供の頭をぐしゃぐしゃと豪快に撫でていると、横からオーマがぬっと顔を出して、其の手に何時の間にかぶら提げていた物を示した。大きな包みを揺らしながら、底抜けに明るい声でオーマは言う。
オーマ:「腹減ってるだろ?俺が特製のマッスルマニア弁当を持ってきてやったからな。こっから出たら、一緒に食おうぜ!」
子供:「うん!」
余程腹が減っていたらしい。其れもそうだ、外はすっかり真夜中になっているのだから。オーマの持ってきた包みに目を輝かせながら、子供は元気に頷いた。子供の腹からぐぅ、という音が響いたのは、其れとほぼ同時だった。
オーマは豪快に笑いながら、腹が減ってるのは元気な証拠だ、と子供の頭を強引にかき回した。
不安田:「……さぁーって、子供も見付かりましたし。そろそろ、帰りましょうかぁ?」
ふにゃふにゃとした口調で、不安田が言った。
子供の遊びは、此れにて御仕舞いだ。其々が、疲れた笑顔で頷いた。
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■ ライターより ■■
今回は発注有難う御座いました。
五人でのクエストノベルは初挑戦ということで、私なりに頑張ってみたのですが、御楽しみ頂けたでしょうか?
能力も戦い方も全く異なる皆さんを、如何絡めるかが今回のキーポイントでした(笑
結局はああいう形になったわけですが、読んでみて如何だったでしょう?
タイトルの「Children Game」は、其の侭子供のゲーム、です。
子供のゲームに振り回される大人五人ということで、このようなタイトルに致しました。
兎にも角にも、楽しく御読み頂けましたら幸いです。
其れでは。(礼
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