<PCクエストノベル(5人)>


闇夜に漂う沈没船〜豪商の沈没船〜

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【冒険者一覧】
【整理番号/     名前     / クラス 】
【1953/ オーマ・シュヴァルツ / 医者兼ヴァンサー   】
                  (ガンナー)腹黒副業有り
【2131/    アディリス   / ブレイブマスター   】
【1649/ アイラス・サーリアス / フィズクル・アディプト】
                   &腹黒同盟の2番
【2557/ エルシア・エルミナール/   パラディン    】
【2474/    ギルルイ    /  海賊/賞金稼ぎ   】


【助力探求者】
 なし

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●海をさすらう宝
 聖都エルザード北部に広がる海域には、数多くの謎が秘められていると伝えられている。
 各地に残る伝説のひとつに、海に沈む客船の伝説がある。
 昔、海の向こうにあるという幻の大陸を目指し進んだ客船が、嵐に巻き込まれて海の藻くずになったという。
 船と共に沈んだ宝は今も海底深く眠っており、その宝を求めて多くの冒険者達が海へと潜り、はかなく散っていった。
 また、近年になって海域に住む魔物の数が増えてきたため、エルザード王はむやみに海に入ることに警戒をよびかけていた。
 だが、海の底に眠る宝に魅せられる冒険者が途絶えることはない。
 ここにもまた宝に魅せられ海へ旅立つ冒険者達がいた……
 
●宝に魅せられて
 ことの始まりはアイラス・サーリアス(1649)が持ち寄った一枚の地図だった。
 彼は地図を一同の前に広げると、早口に説明を始めた。
 
アイラス 「この地図、ガルガンドの館の手伝いをしていた時に頂いたものなのですが、調べていくうちに面白いことがわかったんです」
オーマ  「そいつぁ海図じゃねぇか。ずいぶんと古いやつだな……そいつがいってぇどうしたってんだ?」

 にやりと笑みを浮かべながら、オーマ・シュヴァルツ(1953)は言う。
 ひとめ見ただけで海図と分かる辺り、さすがはオーマといったところだろうか。
 さすがに海図に記された文字ばかりは理解出来ないのかオーマはそれ以上言葉を続けることはなかった。
 アイラスの傍らで眺めていたアディリス(2131)がわずかに目を瞬かせる。

アディリス「……もしかしてこれって、宝の地図じゃないの?」
アイラス 「近いですが、少々違いますね。これはとある船の航路を記録した物です。とはいっても、実際に使ったものではなく、控えとして書き写していたものなんだそうです」

 実際の航路とはずれているだろうが、おおよその道筋はあっているだろう、とアイラスは言葉を続けた。
 
アイラス 「この航路の船は伝説にうたわれている沈没船のものらしいのです。そして、最近になって聞いた話なのですが、どうやらこの航路に船らしきものの姿が確認されているんです……記録に残っているのと同じ形状のものを」
アディリス「どういうこと?」
アイラス 「幽霊船、ですよ」

 ひときわ声を低めて告げるアイラスの言葉に一同は己の耳を疑った。
 確かに、この世界ならば、不可視の存在である幽霊の1つや2ついてもおかしくはない。

エルシア 「気になるのであれば、実際に確かめてみるのが早いのではないでしょうか?」

 冷静な口調でさらりとエルシア・エルミナール(2557)が告げる。
 確かに彼女の言う通りだ。
 気になるのであれば、確かめにいくのが一番早い。
 
アイラス 「ですが、それには少し問題点があります。船が発見されているのはどこもかなりの沖合い付近です。そこまで行く手段が残念ながらありません」
オーマ  「なぁに、それには心配無用ってぇもんだぜ。明日までには軽量迅速エンジン搭載腹黒船を用意しておくぜ」
エルシア 「船は構わないのですが……余分なものは付け加えないようにしてください……ね」

 じろりと横目に見ながらエルシアはぽつりと言う。
 さすがに、色々と珍妙な事件にあっているだけに、彼の言動へは慎重にならざるをえない。
 本能がそう呼んでいるのだ。
 
オーマ  「余分? 旅の準備に余計なものなんてないぜ。見えねぇ相手に挑みにいくんだ、思いもかけねぇモンが役にたつかもしれねぇだろ?」
エルシア 「そうかもしれませんが……」
ギルルイ 「船のことなら心配いらないよ! 俺がきっちり見張ってやるからな」

 自信たっぷりにギルルイ(2474)が言った。
 彼女がチェックするなら大丈夫かな、とエルシアはそっと安堵の息をもらす。
 
アイラス 「それでは、出港の準備はオーマさんとギルメイさんにお任せするとして、僕の方はもう少し調査を進めておきますね」
アディラス「私も手伝うよ。何をしたらいい?」
アイラス 「そうですね……では、先に港へいって、漁師さんなどに聞いてきてもらえますでしょうか。実際に目でみたことがある方にお会い出来るかもしれませんからね」
エルシア 「現地調査でしたら、私もお供致しますわ。手分けした方が早いこともございますから」
アイラス 「そうして頂けると助かります。では、皆さん宜しくお願いしますね」

●幽霊船への足
オーマ  「コイツが俺達の足となってくれる船だ」
エルシア 「…………」
アディラス「エルシア、いいたいことはよーく分かる。けど、とりあえず落ち着いて」

 呆然と立ち尽くすエルシアの肩にアディラスはぽむりと手を乗せる。
 彼女らの眼前にいたもの。
 見慣れた形をした巨大なその船には大きな海賊旗がはためいている。
 そう、いわゆる海賊船だ。

エルシア 「よくお許しを頂けましたね……」
ギルルイ 「ま、細かいことはきにすんな! それより荷物は先に全部のせておいたから、後は出港を待つばかりさ。さっ、早く乗った乗った!」

 全員が乗ったのを確認し、船はゆっくりと港を離れた。

 出港して数刻ほどたった頃だろうか。
 日も落ち、辺りが緩やかな闇に包まれていくのとほぼ同時に、穏やかに吹いていた風が止み、辺りに霧が出始めた。
 自分達以外に生きる者の気配はなく、波に揺れる船のきしむ音だけが、不気味に耳に飛び込んでくる。
 生暖かい空気が漂いはじめ、背筋に冷たい感触が走る。
 視界と聴覚を狂わされ、一行の胸の内に不安感が沸き起こり始めた。
 無意識のうちにギルルイはそっとエルシアの腕を握りしめる。
 さりげなく握り返し、エルシアは穏やかに微笑み返す。
 
オーマ  「おいおい、あっちに妙なモンが来てるぜ?」

 オーマが指差した霧の中にゆらめく影が見えた。
 影はゆっくりと一行の方へと近づいてきており、やがてはっきりとした姿を現し始めた。
 折れたマストに絡みついている破れた帆が風もないのに揺れ、不気味にきしむ音を響かせている。
 まるで、こちらを品定めしているかのように、幽霊船は一定の距離を保ちながら、ゆっくりと漂っていた。
 
アイラス 「向こう側から来て下さるとは……探す手間が省けましたね」
オーマ  「んで、どうするんだ? 橋をかけるには、ちぃとばかし遠いぜ?」
アイラス 「船を少し近づけましょう。オーマさんや、エルシアさん達はともかく、僕はとてもこの距離を飛ぶわけにはいかないですよ」
ギルルイ 「俺が縄を引っかけるから、一緒に飛ぶかい?」
アイラス 「……大丈夫でしょうか?」
ギルルイ 「しっかり捕まっていれば平気だよっ。思い切って飛んじゃいな!」

 そう言いながら、ギルルイはまだ折れていないマストに、投げ縄をひっかけた。
 引っ掛かり具合を確認し、アイラスの手に渡す。

ギルルイ「ためらったら落ちるからな。力一杯飛べよっ」

 ぎゅっと縄を握りしめ、アイラスは思いきり縁から飛び上がった。
 その後を追うようにオーマとエルシアが飛ぶ。
 アディリスが飛び立ったあと、船に碇を下ろすのを確認してギルルイも幽霊船に飛び乗った。

ギルルイ 「さぁて、お宝探しといこうじゃないか!」

●幽霊船探索〜アイラスの場合〜
アイラス 「かなりよどんでますね……」

 船の中腹部、いわゆる客室のフロアの探索をアイラスは担当することになった。
 腐りかけた床を慎重に歩き、1つづつ部屋を確認していく。
 どの部屋も作りは同じで、布や壁紙の腐敗具合が少しづつ違う他は、変わったところが見られない。
 外が霧がかっているため、あまり光がなく、部屋はぼんやりと薄暗い。
 潮風にさらされた窓は腐敗し、ずいぶんとすき間が空いているが、風がないため、空気はコケと埃でよどんでいた。

アイラス 「あまりここにいるのは、健康上好ましくありませんね……」

 少し息苦しさを感じながらも、探索を進めて行くと、不意に女性の泣き声が聞こえてきた。
 
アイラス 「この扉の……向こうからですね」

 嫌な予感が胸中をよぎる。
 大きく息を整わせ、アイラスはゆっくりと声が聞こえる扉を開いた。
 
 扉の向こうには見目美しい女性がいた。
 全く血の気のない真っ白な肌、床まである髪と裾の長い服は闇のように深く、彼女からは生きている人の気配が全く感じられなかった。
 もっとも、こんな船に乗っている人物がただ者でないのはアイラスも承知である。
 警戒を保ったまま、アイラスはにこやかな表情で話かけた。
 
アイラス 「このような場所でどうしたんですか?」
女    「……見つからないの……」
アイラス 「何がですか?」
女    「私の……大切な……人」
 
 その時だ。
 見えない力に押され、アイラスはじき出されるように部屋から転がり出された。
 強い衝撃と共に、アイラスは意識が遠のいていくのを感じた。
  
●幽霊船探索〜エルシアの場合〜
 階段を下り進んでいくと、小さな部屋にたどりついた。
 どうやら倉庫らしく、古くなった空箱や樽が辺りに散乱している。
 何かが腐った匂いと、埃が入り交じり、部屋は悪臭に満ちていた。

エルシア 「こういう場所はあまり長居したくありませんね」

 マントをマスク代わりにと、口元に当て、慎重に辺りの気配を注意しながら歩をすすめていく。
 積み重ねられた空箱に視界をふさがれるため、己の感じる気配だけが頼りになる。
 波に揺れて船がきしむ音だけがやけに大きく響き、エルシアの胸の内に、不安感が漂い始めた。
 別行動をとっている仲間達は大丈夫だろうか。
 探索に出てきたはいいものの、果たして無事に帰れるのだろうか……
 
エルシア 「いけませんね。どうも良くない方にしか考えられなくなっているようです……」

 とはいえ、自分以外に話す者はいない。
 簡単に思考が切り替えられるはずもなかった。
 
 部屋を一通り散策し終え、上に昇ろうとした時の事だ。
 何かに呼ばれたような気がし、エルシアはふとその足を止めた。
 
エルシア 「気のせい……でしょうか」

 振り返るも気配は見えず。
 疑問を残しながらも、エルシアはとりあえず仲間達と合流するために、階段を上がっていった。
 
●幽霊船探索〜アディリスの場合〜
アディリス「早速のお出ましだなんて、気が利いてるじゃない」

 苦笑いを薄く浮かべながら、眼前に漂う青白い光に視線を向けた。
 光はくるくるとアディリスの周りを回ると、誘うかのように廊下を飛びはじめた。
 警戒しながらも、アディリスはその後をついていく。
 
 狭く薄暗い廊下を抜けていくと、ひとつの扉に突き当たった。
 扉に触れた途端、立ちこめていた不快感漂う空気が、急に爽やかになった。
 そのままそっと扉を開いたアディリスを迎えたもの。
 それは一面に咲く赤い花達であった。
 
アディリス「何でこんなところに花が……?」

 ふと、花の根元に布きれがあるのにアディリスは気付いた。
 その正体に気付き、彼女は表情を険しくさせる。
 
アディリス「この花……死体から生えているんだ」

 毒々しいまでに真紅の輝きで咲き誇る花達。
 この辺りの空気が清々しいのは、花の浄化作用が働いているのだろう。
 何故、この花達が咲いているのかは知る由もないが、花の栄養源となっている者達が何者かだけは判断出来た。
 そう、この船の乗組員である。
 わずかにだが、セーラーらしき痕跡があり、背丈や骨格からして船で働いていた者、それも重労働を強いられていた者達のようだ。
 彼らの足首には腐りかけた鎖がはめられており、ひどい者は完全に肉へ食い込んでしまっているものもある。
 
アディリス「あなたは、これを……報せたかったのね」

 青白い光は、ただその場をふわふわと漂っているだけだった。
 
●幽霊船探索〜ギルルイの場合〜
ギルルイ 「何だか気味が悪いなぁ……早くお宝見つけて帰ろうっと」

 不気味にきしむ船内をギルルイは慎重に歩み進めていた。
 不安定な足場と何か出てきそうな雰囲気が、ギルルイの心を不安にさせる。
 しばらく進んでいくと、板で入り口をふさがれた扉に出会った。

ギルルイ 「なんだいこりゃ? ははーん。お宝はこの中ってことだね」

 ギルルイは力任せに板を引きはがし、扉を開けようと試みた。
 だが、扉はぴくりとも動かない。
 
ギルルイ 「んんんっ!」
 
 無理に引きはがそうとすると、鉄製のノブがガコンと勢い良く外れてしまった。

ギルルイ 「……どうしよう」

 とりあえず元の場所に戻してみるも、根本的な解決には至っていない。
 もともと、崩れかけていたのだ。いっそのこと壊してしまっても大丈夫だろう。
 ギルルイは渾身の力を込めて、扉を蹴りつけた。
 だが、不思議なことに扉には傷ひとつ付いていない。
 試しに何度も蹴りつけるも、扉はまるで鉄壁のように堅く、全てもの侵入を拒んでいるようだった。
 
ギルルイ 「そうか、封印ってやつだな。幽霊船にある封印か……面白いじゃないか。どんな宝を隠してるか見せてもらうぜ!」

 精神を集中させ、体内の力を一点に集中させる。懐にいれてあった剣を引き抜き身構える。
 ふと、ギルルイは辺りの空気が変わったことに気がついた。
 生暖かい風に混じって、皮膚を刺すような冷たい気配が全身を包み込んでくる。
 気配の正体を探ろうとするも、ゆらめく布のような物しか見当たらない。
 
ギルルイ 「……ん? 布……?」

 気付いた時には遅かった。
 宙に浮かぶ布きれ達はギルルイの身体に張り付くように飛びかかってきた。
 体中を布に押さえられ、ギルルイはたちまち身動きを失ってしまう。
 
ギルルイ 「……うわぁあああっ!」

 正体の知れぬ相手への恐怖と、束縛されることへの嫌悪感にギルルイは半分パニック状態に陥っていた。
 
ギルルイ 「くっ……くるなっ!」
 
 彼女は力を無意識のうちに力を開放させた。
 
●幽霊船探索〜オーマの場合〜
 彼は悩んでいた。
 この先を行くべきか否か。
 
オーマ  「この崩れ具合からして、踏み込んだ瞬間に崩壊陥没床下洪水警報は間違いなさそうだぜ」

 彼の眼前には長い甲板が広がっていた。
 長い間潮風にさらされ、ろくな手入れもされていないそこは、まさに落とし穴の巣窟と化している。
 幽霊など怖くもない鉄の心を持つオーマではあったが、さすがに腐った甲板から落ちるなどという間抜けな様に陥りたくない気持ちがあった。
 だが、ここを通りすぎなければ、目的地である船長室へ行くことは出来ない。

オーマ  「仕方ねぇなぁ……腹黒親父筋直感センスでくぐり抜けていくしかねぇってこったな」

 目測と勘が頼りのこの勝負。一歩も気合いを緩めることは出来ない。
 大体の道筋を把握し、始めの一歩を踏み出そうとした、その時だった。
 爆発音と共に船が大きく揺れ、オーマはバランスを崩して、甲板に転がり込んだ。
 
オーマ  「ちっ、いってぇ何だってんだ?」

 オーマは身軽に身体を反転させ、壁を強く蹴り上げ船上へと舞い戻る。
 再び安全な場所まで、飛び跳ねながら戻り、爆発のあった方へと視線を向けた。
 
 視線の先に、もうもうと上がる煙と一緒に、何か布きれのような物が空へ舞い上がっているのが確認出来る。
 あれは一体なんなのだろうか。
 小首を傾げるオーマの耳に、仲間達の声が聞こえてくる。
 
オーマ  「何だ、もう終わりか。まあ、存在が確認出来ただけでも土産話には丁度良いか」

 オーマは踵を返し、自分の名を呼ぶ声の元へと向かっていった。
 
●嵐が過ぎて
 アイラスが目を覚ますと、そこは船のベッドの上だった。
 
オーマ  「起きたな。気分はどうだ?」

 オーマはアイラスの顔を覗き込み、とり合えず特に異常はないようだな、と安堵の息をもらす。
 
アイラス 「一体、何が起きたんです?」
オーマ  「ギルルイが力を暴走させちまったようだぜ。お陰で船は難破寸前デストロイ状態だ。沈む前に何とか全員戻すことは出来たが……肝心の放浪一人旅色幽霊船の野郎が姿形共に消えちまったよ」

 いつの間にか立ちこめていた霧も晴れ、海は穏やかさを取り戻していた。
 爽やかな春の潮風が窓のすき間から部屋に流れてくる。
 もう、あの不快な生暖かさも感じられない。
 
エルシア 「でも、皆様が無事で良かったです。急に船が沈み出した時は、どうなるかとても心配でしたもの」
アディリス「私達があの程度のトラブルは問題ないよ。それに、少し面白い情報が手に入ったことだしね」
アイラス 「ああ、そういえば……あの幽霊船。どうやら何かを探しているようでしたね」
オーマ  「探し物?」
アイラス 「ええ。ただ、それが『何か』までは、はっきりとは分かりませんでしたが……」
エルシア 「私も不思議な気配を感じました。どなたが、私を呼ぶような……助けを求めているような気配でした」
オーマ  「するってぇと、海をウロウロ徘徊してるのは、何かを探してるっていうのか?」
アイラス 「そう思って間違いない、ですね。ところで……ギルルイさんは?」

 オーマがあごで指差した先にあるベッドの上にギルルイの姿があった。
 急な力の開放とパニックに身体が耐えられず、そのまま眠りについてしまったらしい。
 
オーマ  「思ったより衰弱してるからな、今はそのままにしておくんだ。ま、目的物も居なくなったみてぇだし、いったん帰還するとしようじゃねぇか」

 船は緩やかにエルザード港へ進み始める。
 彼らが港へ戻る頃には、空はゆっくりと明るさを取り戻していた。
 
 おわり
 
 文章執筆:谷口舞