<聖獣界ソーン・PCゲームノベル>


たまには昔語りを


 唐突に支えのなくなった体は、当然のように重力に引っ張られた。扉前で膝をつき誠心誠意頭を下げていた男は、そのままの姿勢で前のめりに倒れこむ。
 んもう、いきなり扉を開けるなんてそんなに俺のことを愛してくれてるんだねハニー。
 とかなんとか思っているうちに、男の巨体は顔面から冷たい床に沈みこんだ。
 ――そう思ったのは一瞬のことで、柔らかい絨毯が男の口付けを受け入れる。紫を帯びた鮮やかな赤が視界に広がっていることに、男は、あれ? と瞬いた。
 ずり落ちた色眼鏡をかけ直しつつ、体を起こす。

 黄昏色に染まった見慣れない部屋。漂う優しい花の香り。

「おおっ! 模様変えしたのか!? てっきり機嫌を損ねて部屋に篭っちまったと思いきや、恐れ入ったぜ! 怒った振りをして俺の目をそらしつつ、ビューティフルに一新した部屋を見せて驚かせようって計画だったんだな! さすがは我が心のオアシス!!」
 それまで部屋に満ちていただろう静寂をものともせず、男は勢いよく立ち上がる。拳を握り、きらきらと目を輝かせた。
 男の威圧的な風貌と夜であっても目立つだろう服装は面白いほどにこの部屋の雰囲気と噛みあっていないが、そんなことはどうでもいいらしい。
「感激のあまり胸が張り裂けそうだぜ! ハニー、それにしても…………ん? あれ?」
 きょろきょろと視線を彷徨わせる。愛しの妻はどこにいったのだろうか。
 充分な広さのある個室だが見渡せないほど広いわけではない。それなのに、いくら見回しても妻の姿が見当たらない。
 妻はいないが、少年がいる。まだ幼さが残る顔立ちの、一見すれば少女と見紛うほどに華奢な体。テーブルの傍らに置かれた二脚のうちのひとつに座りながら、男を見上げて顔を引き攣らせている。
 男は見慣れない顔に気さくに笑いかけた。
「おお、少年。初めて見る顔だな。患者ならちゃんと待たないと駄目だぞ? ……ん? いや待てよ、実は少年と見せかけて……」
 顎に手を当てながら、男はじっと少年を見下ろす。
 対する少年は背筋に寒いものを感じたのか、軽く肩を揺らした。威嚇するようにまなじりを上げるが、果たして効果があるものかどうか。
 黙考していた男はやがて、はっ、と顔を上げた。
「もしや、これがハニー!? いつの間にそんな見事な変身術を身につけたんだっ! 危うく引っかかるところだったぜ!! さぁハニー、俺の胸にどーんと飛び込んでおいで!」
「わーーーーっ!!?」
 飛び込んでこい、どころか自ら両手を広げて飛びかかってきた男に少年は悲鳴を上げた。逃げようとするも反応が遅れ、勢いこんで椅子ごと後ろに倒れる。
 少年を抱きこんだ男もそのまま床に倒れ、椅子は音を絨毯に吸われながら転がった。少年が頭をぶつけないよう咄嗟に手で庇ったのはさすがというべきか。
 だが、少年にはそんなことをありがたがる理由はない。
「放せ!!」
 つんざくような叫びに、男は、おや、と少年を見下ろす。しげしげと少年の目を覗き込み、気づいたように瞬いた。どこかで見たことがあるような、けれど妻とは違う瞳。
「……人違い?」
「はーなーせっ!!!」
「おお、すまんすまん」
 意外と男は素直に少年を解放し、侘びるように頭を下げた。なかば蹴るようにして離れた少年はしっかりと距離を取り、肩で息をしている。不信に満ちた目で男を睨んだ。
 絨毯の上に胡坐をかいた男は、壁際に座り込んでいる少年に向かって不思議そうに首を傾げる。
「それじゃあ、あいつはどこいったんだ? さっきまでは声が聞こえてたような気がするんだけどなぁ」
「…………違う」
「ん?」
 相変わらず警戒心をあらわにしたまま、少年が忌々しげに舌打ちした。
「違うって言ったんだ! ここはあんたの知ってる部屋じゃない! あんたの捜してる人もいないし、あんたの知ってる人がいるかどうかだって怪しいね! いきなり勝手に入ってきたのはそっちであって、こっちは被害者だ。カーネリアンの気まぐれもいい加減にしてほしいよ。なんでこの館はこうなんだ!」
 後半は男に、というよりも別のだれかに対しての不満らしかった。男に意味が通じるはずもなく、案の定男は頬を掻く。
「……とりあえず、俺の家じゃないんだな?」
「そう」
「でもっておまえとは初対面――だな?」
「見りゃわかるだろ。頭に蛆涌いてるんじゃないの」
 少年の余計な一言を綺麗に流し、男は、ふむふむ、と頷いた。おもむろに立ち上がり、少年へと歩み寄る。その前で屈みこむと愛想よく笑ってみせた。
「んじゃ、まずはご挨拶だ。俺はオーマ・シュヴァルツ、医者だ。見てのとおりキュートでナイスなラヴマッスルジェントルマンさ! あ、これプレゼント」
 懐から腹黒同盟勧誘パンフレットを取り出し、少年の手に押し付ける。
「いやー、しかしこれは驚いた。どーゆー仕掛けだ? あ、この香りは紅茶だな? ローズヒップか。よし、じゃあ出会いを祝して一杯ひっかけるとしようか少年よ! そういや少年の名前はなんだ?」
 次々と流れる言葉に少年は口を挟まなかった。気圧されているのかと思えば、違う。オーマが改めて少年を見遣ると、少年は呆然と目を見開いていた。オーマを凝視し、動かない。
「どうした?」
 具合でも悪いのかと顔を覗きこむと、少年の体がびくりと跳ねた。ちがう、と掠れた声が耳に届く。
「違うか? んじゃあ俺様に見惚れてたな? いやぁ、自慢じゃないが俺は日々鍛えているからな!」
「…………オーマ?」
 胸を張るオーマに、少年が怪訝な声を吐く。驚愕の入り混じった双眸がオーマを探るように見つめた。
「オーマ・シュヴァルツ?」
「そうだが?」
「…………うそ」
「嘘じゃねぇぞ、本当だって」
「嘘だ」
「ちーがーうーっつの。なんなんだ? 知り合いに同じ名前の奴でもいるのか?」
「…………」
 やや間が空いた。少年は戸惑ったように視線をさまよわせ、やがて小さく頷く。自分を納得させようとしているようにも見えた。
「……僕が覚えているオーマは、銀色の髪に血みたいな赤い眼をしてた」
 動きが止まったのはオーマのほうだった。軽く驚いたように目を開き、少年を見下ろす。――よく知っている気がしたのは気のせいではなかったかもしれない。
「俺、おまえの前で変化したことあったっけ?」
「なにそれ、知らない」
 気を取り直したらしい少年は、静かに立ち上がって埃を払った。早く帰れと追い出すでもなく、そのまま倒れた椅子を直し、腰を下ろす。
 オーマはどうしたものかと頭を掻き、腰を伸ばした。少年の向かいにある椅子を示し、座ってもいいか? と尋ねる。
「好きにすれば。帰るならあっち」
 少年が伸ばした指の先には扉があった。あの扉から入ってきたのなら、扉から戻れるのが道理なんだろうか。
 首を捻ったものの、オーマは椅子に腰を落ち着け、空のティーカップに手を伸ばす。ポットを傾けると、あたたかな湯気とやさしい香りがした。少年はちらと目を向けただけで何も言わない。
 奇妙な沈黙だったが、居心地は悪くない。オーマはこの少年とどこで会ったのだろう、と記憶を探ってみたが、思い当たるものはなかった。そんなはずはない、と心のどこかが声を上げるのだが。
 しばらくして口を開いたのは少年だった。
「あんた、いくつ」
「俺か? えーと、そうだな。俺も知らないんだが少なくとも八千歳は」
 また嘘だといわれるのかと思えば、少年はすこし眉をひそめ、疑惑の色を浮かべただけだった。もっとも、それが何に対する疑惑なのかオーマが正しく理解したとはいえない。
「そうそう、おまえの名前は? 聞いてないぞ」
「……なんで言わなきゃいけないの? そっちは勝手に名乗っただけ」
「いやまぁ、そうかもしれんが」
「オーマなら――僕の知ってるオーマなら知ってる。知らないなら違うオーマだから教えない」
 少年には少年なりの矜持と決まりがあるらしかった。知らないなら教えない、とはなんとも不可解だが、オーマはその口調に淡く微笑む。なぜか懐かしかった。それと同時に、冷たい針で心臓を刺されたような心地がした。
 オーマにはもちろん少年の名前など記憶になかったが――もちろん、というのは正しくないかもしれない。オーマには、少年の言うオーマと自分が同じなのではないか、という気がしてきていた。
 根拠はない。確証もない。
 だが、知っている気がする。覚えている気がする――知らないし、覚えてもいないのだが。
 ゆらゆらと崩れて漂う霧を掴もうとしているような心地で、オーマは苛立った。この感覚には覚えがある。
 知っているのに知らない、わかっているのにわからない――。
「……なに?」
 オーマの苛立ちに気づいたのか、少年が冷ややかに声を投げた。
「いや、うーん……」
「はっきりしないのは嫌いなんだけど」
「あー、そうだな……ちょいと思い出話ってのはどうだ。茶菓子の代わりにな」
「……まずそうだね」
 好きにすれば、と少年が息を吐くのを見て、オーマは苦笑した。




 生まれる前の記憶というのは、たいていの人が忘れているものだ。生まれて数年のことだって、何十年と経た後では思い出せない。
 ――だが、オーマはその時に自分が生まれたのだという確固たる自信がなかった。
 羊水の中でまどろんでいたわけでも、がむしゃらに泣き喚いて酸素を求めたわけでもない。
 記憶は唐突に始まった。
 現れたのはゼノビアだった。八千年前――ウォズと具現を生んだ忌まわしいロストソイルの直後。
 光射す雪面のような銀色、鮮血に似た赤い双眸、すらりと伸びた均整のとれた肢体。その顔はどう見ても紅潮した赤子の顔ではなく、成長した青年のものでしかない。
 そこに至るまでの日々――その一瞬前のことさえ記憶になく、まして赤ん坊の頃など覚えてもいなかった。
 そんなものはなかったのではないか、と疑うほどに。

「……それでも、夢を見るんだ」

 毎夜見ていたこともあったかもしれない。八千年もの昔の日々は、もう掠れて色褪せていた。今でもたびたび見る。
 それは傷を抉るような記憶と苦い想いが重なるゼノビアではなく、このどこか優しいソーンの世界でもない。
 巨大な、それこそ聖都エルザードにも匹敵するかという規模の戦艦。青々とした海に浮かぶものではなく、それはどこが果てともしれない星々の海を漂う船だった。
 おびただしい文字の羅列を走らせる黒い画面、いくつものパネル、縦横に走る管、なにかの研究施設、多くの人々を収容できるだろうコロニー。
 もとはすべらかで冷たいメタリックの光に包まれていただろうそれらには、醜い戦闘痕があった。深く穿った痕、焼ききれた壁、ひしゃげた扉――人の力でやったとは思えない、殺人兵器の名残。拭いようのない血痕が床といわず天井といわず、あちらこちらを汚していた。その血の痕を慕うように、鉄の壁を食い破って伸びる植物の蔓。太い茎のどこが始まりだかもわからず、ところどころに毒々しい色合いの花が咲いていた。
 きっと、血の臭いが充満していただろうと思う。あるいは醜悪な花の香り、炎の残り香、鉄の匂い、船内を覆い尽くす死の香り。
 動くものはなく、飛び散った無数の四肢だけが命の残骸だった。支配しているのは死と恐怖と絶望のみ。

 ただひとつ、あの庭を覗いては。

 その空中庭園は凄惨な光景に囲まれてなお、美しかった。どこからか降り注ぐ淡い光を受け、木々の命に輝いていた。萌えた新芽のような色の緑が大地をやわらかく包み、模様の刻まれた白亜の石がいくつか、控えめに佇む。ささやかな花が清楚に風に揺れ、そこだけは安らかな静寂が満ちていた。
 中央にそびえる木の幹は太く、枝は重たげに葉をつけて健やかに天へと伸びている。巨木の根元にはひとつだけ、墓碑があった。

 ――。

 流麗に刻まれた名と文字を知っている。穏やかに眠っているだろう人を知っている。
 こんな名前は知らない。だれが眠っているかなど知るはずもない。

 どちらが正しくて、どちらが間違っているのか。それとも、どちらも間違っているのだろうか。

「そんなはずはないんだ。あれは間違いなんかじゃない」
  
 間違いだというなら、覚醒したあとのあの物悲しさはなんだというのか。懐かしくて懐かしくて、同じぐらい悲しくて切なくて、心にぽっかりと穴が空く。なにかを失くしてしまった――それがなんなのか、その夢がなんなのか、自分の記憶なのかすらわからないというのに。




「わかるのは、確実なのはひとつだけだ。――俺にとって、すんげぇ大切なことなんだってこと」
「…………」
 語り終えたオーマに、少年は一瞬瞼を伏せた。目が合った一瞬だけ、少年の目がひどく優しい色を浮かべたことにオーマは気づいたが、口には出さない。少年の目はすぐに突き放すような冷めた色に変わってしまった。
「他人の身の上話を喜ぶのは暇なおばさんぐらいだよね」
「つまらなくて悪かったなぁ」
 ちぇ、と拗ねてみせると、少年は鼻で笑う。
「いいんじゃないの」
「あ?」
「好きにすれば。たかが夢の景色を大切だって明言しようがどうしようが、僕の知ったことじゃないし。忘れたってだれも文句言わないんじゃない」
「たかが夢っていうなよ、傷つくなー。俺はこう見えてもデリケートなんだぞ」
「たかが夢だろ」
「違う。大切な夢さ」
 オーマが大真面目にそういうと、少年は黙り込んだ。疑い深い目を向けてくる。
「本当にそう思ってるの?」
「掛け値なしに本当だ」
「大切?」
「大切だよ。俺にとっちゃな」
「…………」
 それはどうやら少年にとってとても重要なことらしかった。探るようにオーマを見つめ、オーマの目に偽りなしと見るとようやく肩の力を抜く。どこか安堵したように、妙に大人びた微笑を浮かべた。
「……好きにすれば」
 口から出たのはそんな言葉だったが。
 オーマはふと思い当たって、少年を見やる。
「忘れたらおまえが文句言うんじゃないか?」
 そのときの少年の表情はなかなかの見物だった。一瞬ぽかんとし、驚愕に目を見開き、次いで頬を紅潮させる。最後には眉を吊り上げて激しくテーブルを叩いた。
「ばっ……かじゃないの! なんで僕がそんなこと!!」
 そのままそっぽを向いてしまう。
 態度からはありありと、図星でした、というのが伝わってきて、オーマは破顔した。
「いやー、おまえ実は結構いい奴だな! なんか懐かしいし、居心地いいし〜。よくわからんが仲良くなれそうだ!」
「却下!! でかくてむさくて可愛くないオーマなんか知らない! 帰れ!」
「えー、そんな冷たいことを言うなよ。実は嬉しいだろうっ!?」
「嬉しくないッ! そんなことよりとっとと帰ったら!? だれか捜してるんでしょ!」
「あ」
 オーマは思い出し、友愛の証に抱擁しようとしていた腕を止めた。その間に少年は慌しく逃げている。
「やっべぇぇええ! 今何時だ!? また口を聞いてもらえなくなるぅうううっ!! でなきゃ殺されるかも!!」
 さぁ、と血の気が引く。オーマは顔面蒼白になりながら、気性の激しい妻を思った。すでに陽は落ち、燭台に火が灯っている。
「どうやって帰るんだ? つーかここはどこだ!?」
「あっち」
 少年は壁際に避難しながら、オーマが入ってきた扉を指差した。この部屋に扉はひとつしかない。入ってきたときと同じように、扉をくぐって出れば家にいるのだろうか。それとも、その先には見慣れない廊下が続いているのだろうか。
「すぐに家につく。早く帰りなよ、そこがオーマの居場所なんだろ」
 刺々しい言葉に、オーマはなにか別の含みがあるように感じて少年を振り返った。
「幸せなんでしょ。見てればわかるよ」
 なぜかぶっきらぼうに。怒っているのか、オーマとは視線を合わせようとしない。
 オーマは頬を掻き、扉に向けていた体を捻った。少年へと歩み寄る。
 ぽん、と少年の頭に片手を乗せると、少年が驚いたように顔を上げた。
「なぁにを拗ねてんだ? 俺とおまえの仲だろうが。寂しがらなくても、また遊びにくるって」
「……なにそれ。だいたい、どんな仲だっていうの」
「友達」
 にっかと笑い、オーマはぐりぐりと少年の頭を撫で回す。
 呆然としていた少年が、ようやく迷惑そうに装ってオーマの手を退かしたのはすこし経ってからのことだった。
「――覚えてないくせに」
 恨み言をいうかのように、少年がぽつりと呟く。なにを、とは言わなかったし、オーマも聞かなかった。
「覚えてるさ」
「嘘」
「嘘じゃねぇぞ? ――言っただろ、大切なのは本当だって」
「…………」
「んじゃ、また来る。そんときゃぱぁっと騒ごうぜ。なんだったら俺の愛すべきナマモノを連れてこよう」
「――オーマ」
「おう」
「しあわせ?」
 少年の問いに、オーマは軽く目を見張った。すぐに解けて笑顔になる。
「幸せだ」
 どこか切なげに、少年が微笑んだ。心臓がちくりと刺されるような笑みだった。
 オーマがなにも言えずにいると、帰りなよ、と少年が促す。
「待ってる人、いるんだろ。怒られるよ」
 怒られる程度で済めばいいんだが、とオーマは笑い、やっと踵を返した。扉に手をかけたところで振り返る。
「また来るぜ?」
「……好きにすれば」
「はは、じゃあ好きにさせてもらうか。またな」
「…………」

 ぱたん

 オーマの巨躯を飲み込み、扉が閉まる。
 少年はしばらく扉を見つめて佇んでいたが、そのうち自嘲するように顔を歪ませた。
「……八千年以上も経てば変わるか――……ばかなオーマ、ここに来る方法なんて、知らないくせに……」
 少年は乱れた髪に手をあて、瞼を伏せる。
「…………――わすれないで」
 お願いだから――。

 呟く声は、聞く者もなく大気に紛れ溶けて――




 それから数週間、エルザードの一角にある怪しいことこの上ない邸宅からはミイラ男の姿が消えることはなかった。

「……ひどいぜ、マイハニー」

 予想通り妻の逆鱗に触れたオーマは、服の代わりに包帯を着ているような状態でぽつりと呟く。
 怒れる妻の前では、人間規格外もあまり役に立たないらしい。



  

fin.



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●登場人物
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【1953/オーマ・シュヴァルツ/男/39歳/医者兼ヴァンサー(ガンナー)腹黒副業有り】


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●ライター通信
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参加PL様へ


大変お待たせしました。
プレイングからどう料理しようか悩み……このような形になりました。
少年の正体については、「なんとなく」感じてくださればいいかなぁ、と。

度重なる発注、ありがとうございます。
これからも精進しますので、機会がありましたら宜しくお願いします(礼)。


雪野泰葉