<聖獣界ソーン・PCゲームノベル>
眠れる森の少女(全5話/4話〜遺跡)
少女に導かれ、探索した者達の中に、ただの1人も生存者が居ないという森。その森に潜む、アンデッドとアンデッドドラゴンを排除し、その奥に眠るであろう遺跡を観光地化したいという、身も蓋も無い願いを出した村があった。
お宝と謎を掲げたその依頼のチラシに、様々な思いを抱いて、それを解決すべく、人々が集まってくれた。
そこで、彼等が見たものは、無残な現実だった。
村には、老人しか居なかった。
廃村は間近だろう。
家庭菜園かと思えるほどの農地を維持するのもやっとの有様で、観光地化出来れば、街に出稼ぎに行った若者が戻ってくるのでは無いかと言う、苦肉の依頼だったのだ。だが、たとえ、アンデッドを倒しても、アンデッドドラゴンを倒しても、村を離れた若者達が帰ってくるかといえば、誰も、その成否はわからない。
まずは、問題の少女に会おうと、森に分け入った。少女との邂逅は、意外なほどあっさりと終った。
そうして、少女の唇を読唇したレピアにより、アンデッドが出現するボーダーラインも判明し、集まった者達は境界線を越えて森に分け入った。
暗い森から現れるアンデッド。
木々をぬうように襲いかかられ、聖水が効かないアンデッドまで出現した。炎は有効であった為、火焔が唸った。数こそ多くなかったが、魔法がぶつけられる。しかし、それは事前に健一によって防御魔法が発動されており、防がれる。じりじりとした戦いの末、昼から始まった戦いは、夕暮れ時までもつれ込んだのだった。
暗い夜の闇に、少女が浮かび、導かれるままに集まった者達は、アンデッドドラゴン戦に突入した。
燐光を放ち、咆哮を上げるアンデッドドラゴンだったが、攻守に硬い戦いで、ほどなく、その巨体は地に伏した。
空へと葬送されるアンデッドドラゴンの居た場所には、少女の言った通りの扉がふたつ。
ひとつは、ダミー。ひとつが、遺跡…空から落ちた船へと続くもの。
アンデッドドラゴンを倒しても現れなかった少女は何処に居るのか。そもそも、存在して居るのだろうか。
上下左右に光る人口の通路を通った先を、探索して進む事となった。
「これはかなり高度な文明だったようですね」
山本健一が、つるりとした鉱物で作られている外壁を触って呟いた。
普通の遺跡では無いとは思っていたが、ここまであからさまに別物が出てくるとは思わなかったのだ。
目に優しい淡い乳白色の光に、すぐに馴れ、足音を響かせながら、進む事となる。
「竜に認識票付けた奴は誰だって話だ。ここを見つけて欲しいのか、そうでないのか、さっぱりわからねぇ」
軽く壁を叩きながら、オーマ・シュヴァルツは、仏頂面をしていた。
この船の目的がわからない。何故竜を配置してあったのか。何故、アンデッドが一定の距離から出て来れないか。ウィルスはどうして必要だったのか。細かく上げればキリが無い。
男達の数歩後を、レピア・浮桜は考え事をしながら歩く。目線は、つるりとした壁や床や天井を観察してはいたが、彼女には思う所があった。
道が十字路になった所で、彼女は別行動を口にした。
「あたしは、少し一人で調べたいわ」
「そうですか…」
「じゃあ、俺はこっちを見てこよう。何かあったらここに辿り着ける様にな」
右側にレピア。真ん中を健一。左をオーマ。それぞれに歩いていった。
レピアは、ひとりになると、大きく深呼吸をした。
生粋のソーン生まれ、ソーン育ちのレピアは、この異文明をすんなりと理解する彼等に、疎外感を感じていた。もちろん、彼等は、丁寧に色々と教えてくれた。だが、頭で理解する事と、肌で感じとれという事はまったく別物なのだ。いくら、長く生きる咎人で、様々な文明や人種と関わり合って来たレピアといえど、身体に覚えの無い感覚は、わかる事は出来なかった。
アンデッドとの戦闘も、出来れば参戦したかった。だが、夜にしか動けない彼女は、正攻法で戦うのならば、参戦は難しい事も理解している。それが、寂しさのひとつに繋がっているのは、仕方の無いことだろうか。
ただ、今は、少女に会いたいと。それだけがレピアの足を動かしていた。
少女に会えないのを気にしているのは、レピアだけでは無かった。
この長い廊下を、さして意味の無い場所だと思っている健一だった。
船だとすれば、これは外装では無いかと思っている。何かあるのならば、もう一段、船の中に入った所だと。
その、健一の思いは、すぐに満たされる事になる。
廊下が行き止まりになっている。
そうして、真下に、入ってきた場所と同じような穴が開いていた。その穴を覗いてみると、やはり、扉らしきものが見え。
「行って…みますか」
レピアとオーマの顔がよぎったが、あの二人なら大丈夫だろう。何かあれば、戻れば良いだけで。
どうやって、扉が開くのかわからないが、認識票が必要なのは、最初の入り口だけのようで、金属の梯子を降りると、目の前にある扉は、音も無く開いたのだった。
「操縦席とか、あるのかね…」
ひととおり、この通路を調べたいオーマは呟く。
宇宙船なら動力がいる。指針を示すコクピットなり、あるはずである。移民船か、戦艦かで、また、その内装は変わるのだが、どうやらこの船は戦艦では無さそうで。進んで行くと、また、十字路に出くわした。この船の大きさが掴めないという事は、この十字路の何処へ進み、いつ終わるかもわからないという事で。
「一端、戻るか…」
厳しい表情のまま、踵を返すのだった。
「うそ…」
一方レピアは、道に迷っていた。
十字路を曲がってしまったのだ。
同じような間隔で、同じように曲がり角がある。やっと独りになれた安堵感で、ぼんやりしていて、曲がり角に印をつけるとか考えが及ばなかったのだった。
どれだけさ迷っただろう。レピアは、覚えのある感覚に息を呑んだ。
「あ…や…」
毎朝の事ながら、石化する事には、馴れない。安心する場所や人の居る所でも、不安なのに、この、誰も知らない、異文明の中、一人で石化してしまう事が怖かった。けれども、異文明の中とはいえ、ここは、まぎれも無くソーンで。
淡い乳白色の光で、昼とも夜ともつかない通路だったが、レピアの身には、間違いなく朝を告げていた。
扉の向こうは、5mほどのテラスがあり、テラスの向こうに樹木が見えた。
健一は、その明るさに目を見張った。
梯子を降り、扉が開くと、その向こうには、テラス伝いに居住区と見られる扉が広がっていた。そうして、居住区の真ん中には、あふれんばかりの緑が育っていたのだ。何本あるかわからないほどの樹木が、起立している。そうして、通路とみられるテラスは、あちこち真ん中の樹木へと張り出し、公園か、東屋かという広い空間を確保し、その向かいには、個人の部屋とみられる扉が、いくつもあった。色分けがしてあるようで、向かって右側は淡いメタルグリーン。向かって左側は、淡いメタルブルーになっている。
入ってすぐ、ひときわ大きい扉が開いており、中を覗くと、がらんとした広い空間が広がっていた。その、真ん中には、ローズクォーツによく似た色合いの、美しい鉱石が、金属の細い台座の上に設置されている。
「これは…おそらく転送装置ですね」
近寄ると、淡く発光するその鉱石の仕組みは定かではないが、こういう類のものは、よく調べてからでないと、触れない。
とりあえず、他を先に調べることにして、部屋を後にする。そうして、辺りを警戒しながら、テラスぎりぎりまで、足を運んだ。
腰まである透明な壁が、人の落下を防ぐのだろう。その、壁に、そっと手をかける。ひんやりとした感触に、ひとつ息を吐いた。
「これは…」
何気なく、下を向いた健一は、同じようなテラスが、下にもあるのを見て驚愕する。振り仰げば、上にも、せり出す様にテラスがある。幾分か、曲線を描いているところを見ると、この内部は円か、楕円になっているようだ。
「ずいぶん広い?」
メタルグリーンの方向へ歩きながら、呟く。たくさんの緑のおかげか、とても空気は綺麗だ。かなり歩くことを覚悟していた健一は、すぐに行き止まりに当たった。
そこは、樹木が土くれと共にむき出しになっていて、壁のように立ち塞がっていた。
「駄目…かな」
土くれと樹木は、真ん中の木々のある場所から、倒れこむように伸びており、覗き込んでも、向こうは見えなかった。よく見れば、上のテラスも、下のテラスも、樹木が倒れこんでいて、ひょっとしたら、内部から崩壊しているのかもしれなかった。反対側の、メタルブルーの区域も似たようなもので、覗き込んでも、木々と土くれしか見えなかった。
ため息を吐くと、メタルブルーの行き止まりから一番近い扉に触れてみた。半壊している。
流石に、自動では動かなかったが、軽くスライドする感触を手にし、力を入れると、簡単に横滑りし、部屋に入ることが出来た。
「お邪魔します」
人ひとり分のアプローチがある。土足で構わないようなので、軽く一礼すると、足を進める。広めのリビングに、オープンキッチンが見える。ここは、居住する場所のようだ。
落ち着いた茶のソファに、床と一体になっている丸テーブル。その向こうには、また部屋があるのだろう、扉がある。
床に散乱しているのは、花びらだろうか。花瓶らしきものが横倒しになっている。人が好適と思うモノは、時代も世界も超えるのを健一は知っている。かさかさに乾いた花びらを拾って、カウンターの上に乗せる。
「!」
健一は、リビングの壁にかかっている一枚の水彩画に、目を見張った。
森の中に居る、白い少女の絵だ。
赤い瞳をして、遠くを見ている。キャンバスで言うと、10号ほどの大きさのバストアップの肖像画。
それは、間違いなく、あの少女で。
透明な樹脂二枚に挟まれたその絵は、簡単に外れた。裏を調べるが、特に、何も無い。
「赤い瞳…?」
出会った時は、赤紫か、紫だったような気もするのだ。
けれども、この絵は赤くて。
少女に違い無いとは思うのだが。
健一は、名残おしそうに、絵の前を立ち去ると、奥の戸を開いた。そこには、寝室があった。その、寝室には、この部屋の主の趣味だろうか、たくさんの小さな粘土細工の人形が飾ってあった。埃など無く、綺麗なままだ。
横の机に、タッチパネルがある。動力は動いていなさそうだ。パネルに触ると、軽い音はするが、何も動かない。
「とても…。本当に、とても高度な…でも、やっぱり人が居たんですね…」
愛らしい少女の粘土人形をそっと手すると、健一は何度目かのため息を吐いた。
何時までたっても、誰も戻らないので、オーマはとりあえず、レピアと健一の進んだ通路を探った。だが、レピアの通路は、オーマが見に行った方向と同じ、十字路が現れて、一端引き返す。そうして、健一の進んだ道の突き当たりで、健一と同じように扉を見つけて、進むことにしたのだった。
目の前に広がる、緑の樹木に、目を細めると、いくつかの扉が開いているのも目に入った。
健一だ。
床に引かれたラインのメタルブルーの奥から扉は開いているようだ。
一番手前の、開いた扉から中を覗くと、健一が、古びた革張りの本を手にして、立っていた。
「収穫?」
「あ。すいません、オーマさん。つい、長居してしまいましたか?」
「いいや。レピアが帰らないのが気になるが、まあ、大丈夫そうだな…」
電力が何かはわからないが、扉の電力は無力のようだ。淡く光る乳白色の光は、電力では無いのだろうか。あちこちにあるタッチパネル。動けば立体スクリーンが出るタイプだ。だが、どうやら、それは動かないらしい。
「俺は向こう見てくるわ」
「あ、どちらも、端は土と木で壊れている…というか、阻まれて、行けないみたいです」
「了解だ」
オーマも、テラスから、上と下を眺める。これが、居住区だとすると、完全に稼動していた場合、千人は下らない。先が見通せないからはっきりはわからないが、ソーンの王都ほどの人口なら、下手すると居住可能かもしれない。オーマは首を左右に振った。
「何ともでっかいことで…」
メタルグリーンの端の部屋は、扉が半分潰れていた。それを、健一に聞いた要領で、軽くスライドさせると、その中は、メタルブルーの部屋とは、少し趣が違っていた。また、扉があったのだ。短い通路を進み、また、扉を開け、ちいさな空間の向こうにある、もう一枚の扉を開けると、そこは、医療機関のようで。
医療機関といっても、煩雑な機器があるわけではない。
ただ、あるのは、机と、散乱する小さな容器ばかりで。
「遺伝子ラボ…?」
その容器に見覚えがある。この状態では、まともに保存されてはいないだろうけれど、その透明な、人の指先でつまめるほどのちいさな容器は、遺伝子を保存する入れ物である。壁が、一部壊れて床に散乱しているが、この容器も、本来は壁のような保存棚に、識別ブロックをかけ、特定の人物しか解除不能の棚に保存されていたはずなのだ。
透明な容器に淀む、あるかもしれない情報を眺め、ため息を吐く。解析は、不可能ではないだろう。だが。
遺伝子が詰まっているとみられる棚…壁のような棚を撫ぜる。
壁は、ぴくりとも動かない。壊さない限り、動かないだろう。ちいさく、安堵のため息を吐いた。動力が動けは、オーマはこれを解析出来る自分を知っている。そこには、この船の情報が詰まっているだろう。
「移民船…かね…」
容器を大切に拾い集めると、崩れた棚に、丁寧に収納し、オーマは部屋の外に出た。
その隣の部屋は、やはり、3枚の扉を経て辿り着いた。いくつものタッチパネルが均等に並ぶ部屋だった。何かの管制室のようで。動力なのか、生活空間へのサービスなのか、それは、動かないので計りようが無かったが。そもそも、この船の動力は何なのか。光なのか、核なのか、もっと他の何かなのか、それがわからない限り、根本的な探索は、オーマでも難しそうであった。どうにかならないかと、タッチパネルやら、壁やらを入念に調べ始めた。
「この船で生き延びているのは、あの少女…だけなのかね。けれども…いいや…」
オーマは、幾つかの奥の部屋を眺めて、軽く首を振ると、唇を引き結んだ。
実際、見てみなければわからない。
ここは、あまりにもソーンとはかけはなれているのだから。
淡く光る乳白色の光は、体内時計をも狂わせるのだろうが、彼女の時間は正確だった。レピアは、息を吐いた。
「行かなくちゃ」
軽く、頭を左右に振ると、青い髪と衣装を揺らしながら、レピアは迷路のような外壁を辿り始める。はぐれてしまったのは、レピアにとって、幸いなことだった。男性とあまり長く近くに居たくは無い。
落ち着いて調べた事と、レピアの勘とで、ほどなく彼女も下へと続く通路を発見した。
降りると、緑の光がレピアを迎える。
床には、金属に光るグリーンとオレンジの色に左右分かれて床に色分けされていた。方向を見るものだと、レピアはそれを記憶する。
美しい緑の樹木に引かれるように、足を進めると、樹木と床との境目に、透明な壁があるのを見つける。
「落ちないようにね…」
そうして、後ろを振り向くと、来た扉の横に、大きな空間が開いている。
「何かしら…」
レピアは、慎重に足を進める。
広い空間の真ん中に、淡く光るローズクォーツのような石があった。
「綺麗…」
レピアは、その、大きな石に、惹かれてそっと、手を伸ばす。
しゃらりと、装身具が揺れる。
レピアの手が、石に触った。
すると。
「きゃぁっ!!」
淡いピンクの発光がレピアを包んだ。
そうして、そのまま、レピアの姿は、広い空間から消えうせた。後に残るのは、淡く光る、ローズクォーツのような石だけだった。
「ここは…」
レピアは、密集する木々の根元に来ていた。
たくさんの木が生えている。
よく見れば、その木々は、全て融合していた。
巨大な根。
乾いた土。
よく見れば、この木や土は覚えがある。
アンデッドの出る森と同じような空間なのだ。
木々は生い茂っているが、他に、生物の息吹は感じられない。
「まさか…」
木々が、気持ち傾いており、僅かに足を踏み出せる隙間を、レピアは、確かめるように進んで行く。
そうして、より天井の木々が色濃くなり、僅かにこぼれる光も少なくなった、そんな場所で、レピアは会いたかった少女を見つけた。
「!」
白い少女。
ぼんやりと木々に上半身が浮かんでいるかのようだ。着ているものは、何度も目にしたあの白いワンピースで。
よく見ると、少女は、木々の中に居た。
幾重にも重なる幹が少女を飲み込んでいるかのようだった。
上半身は、木々にもたれかかり、長い銀髪が木々を伝って流れていた。
瞳は閉じられ、眠っているのか。あるいは。
「どうして…どうしてこんな事に?」
神罰。
そんな言葉が頭をよぎる。
多少傾いていた幹を器用に登り、レピアは、会いたかった少女の側に寄よった。壊れそうな華奢な少女だった。
手をかざすと、息はしているようで、胸を撫で下ろす。
「ねえ、目を開けて?」
覗き込むレピアの髪が、さらりと少女の肩や腕に落ちる。揺すってみるが、少女はぴくりとも動かない。木々に飲み込まれている部分は、下手に触れない。
こんなに、近くに居るのに、息を感じるのに、目を開けてはもらえない。かすかに震える睫毛に、目を開けるのではないかと見るが、ただ、眠っている。
「王子様じゃなくてごめんなさいね」
昔聞いた童話。
眠っているお姫様を助け出したのは、王子様のキスだったという。王子様じゃなくて、踊り子だけれどねと、少女の柔らかい頬を撫ぜ、レピアはそっと少女の淡い唇に触れてみた。
暖かい…唇だった。
健一とオーマは、散々この階を調べてみた。だが、動力が何なのかもわからない。レピアが姿を現さないのも気にかかる。どうやら、攻撃性はほとんど無いようなので、その点は安心はしていた。
広い空間、ローズクォーツに似た鉱石の前で、健一とオーマは立っていた。
「動いているのは、これだけのようだな」
どうやら、転移装置のようである。飛ばされた先が、酷い空間で無いとは限らない。だが、住居区画の、触ってみろといわんばかりの転移装置が、そうそう危険な場所に移動するものであるとも限らない。
多分、この先に待つのは。
「いきましょうか少女の元へ」
健一が、鉱物を見ながら呟いた。
二人の身体が淡くピンクに包まれると、そこは、樹木の生い茂る木の根元だった。
「レピアさん!…その姿は…」
真上の木にレピアが居た。
その横には、紫の瞳の少女が、身体を半分木々に埋もれさせ、存在していた。
「命紡ぎ、繋げ行きし何かの結果が今でも。如何な罪咎罪垢でも。何かの為に生行くを、求めしが命在りし。命屠り合うも、又、命在りしが故の理。故に、如何な真あろうと受止めるのみ…話せるか?話しては貰えるのだろうか?」
オーマは、聞かなくてはと思った。少女が生きていて良かったと思う。この、不可思議な場所の説明を、本当の意味を、彼女の口から聞きたかったからだ。この船は、何処から来て何処に行きたかったのか。叶うのならば、その道を今からでも繋げられるのでは無いかとも思うのだ。
健一も、安堵のため息を吐く。
「生きているのですね…良かった…」
レピアに、抱き抱えられる少女が、瞬きをする。大きな紫の目が揺れた。
。
++ 第4話 END ++
+++登場人物(この物語に登場した人物の一覧)+++
0929:山本建一 性別:男性 年齢:19歳 職業:アトランティス帰り(天界、芸能)
1926:レピア・浮桜 性別:女性 年齢:23歳 職業:傾国の踊り子
1953:オーマ・シュヴァルツ 性別:男性 年齢:39歳 職業:医者兼ヴァンサー(ガンナー)腹黒副業有り
+++ライター通信+++
オーマ・シュヴァルツ 様 ご参加ありがとうございます!!
実物の少女との邂逅はいかがでしたでしょう。思った通りの姿でしたでしょうか(^^ヾ
少女と船の行く末を、優しい目線で考えて下さって、ありがとうございます。いつも、同じような言葉になって申し訳ありませんが、本当に、細かく、大切に書かれていて、嬉しいです。
お宝は、あります。今回は、流れ的にはしょらせて頂きました。すいません。
何かありましたら善処致しますので、お手数ですが、どうぞご連絡下さい。
書かせて頂いて、ありがとうございました!
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