<聖獣界ソーン・PCゲームノベル>
『ジェントス崩壊』
●戦場への路
カグラの街にいた冒険者の内、80名強が孫太行の呼びかけに応じる事となり、馬車へと乗り込んでいく。
年配の者、若すぎる者をこちらに残し、万一に備えて避難の準備をさせる手はずも整えていた。
その中で馬車に乗り込んだ一人、湖泉遼介は最年少の一人であった。
「なぁ、ジェイク?」
「なんだ」
遼介が呼びかけたジェイク・バルザックは、今回参加した中でも古参の部類に入る冒険者であった。後続の男達と違って鎧は身に纏っていないが、これは彼がアミュートという特殊な魔法鎧の持ち主であるからだ。
実は馬車に乗る前に、遼介もアミュートを装着してみた。興味があったので借りられないかと思ったのだが、一体型の全身鎧が性に合わず、断念したのであった。
「今回の作戦だけどさ。ゴーレムを全撃破して街を守るのが目的なのか、それとも街から人が全員逃げるまでゴーレムを食い止めるのが目的なのか、どっちなんだろう?」
一緒に馬車に乗っている、レドリック・イーグレットやレベッカ・エクストワも顔を向ける。彼らは長年ジェイクと戦ってきた仲間であり、この街でもチームを組んでいた。
「そうだな……当面は住民の救助が最優先といえるだろう。先行してるギルドの連中から話を聞いてみて、詳しい事はそれからだな」
彼にしても、街を襲っているというゴーレムが只者でないことは知っている。片っ端から撃破していける様ならいいが、それは難しいだろうと考えていた。
「市街戦か……あんまり大技も繰り出せないし、さりとて小技で倒せる相手でもない。苦しい戦いになりそうだな……」
「大丈夫。僕らなら出来るよ。今までだって上手くやってきたんだし」
レッドは向かいに座っているレベッカの顔を見つめた。
小さくガッツポーズをしておどける顔は、仲間への信頼感に満ちていた。緊張していた心に安らぎの風が吹くのを感じる。
彼はしばらく迷った後、思い切ってポケットから小さな箱を取り出して、レベッカに差し出した。
「なに?」
小さな箱を受け取り、言われるままにそれを開ける。
中に納まっていたのは、深い蒼と黒に彩られた指輪であった。
「雷鳴鉱という石らしい。武器に雷を付与する能力があるそうだ。困った時は指輪を使うといい。レベッカ、必ず君の力になるはずだ」
それは別の冒険の時にレッドが手に入れた報酬であった。希少価値の高いものだが、彼女の精霊剣技に役立つだろうと持っていたものだ。
「こんな高そうなもの……」
「もしも、以前に話した俺の気持ちを受けてくれるなら、その指輪を左手の薬指につけて欲しい。この戦いが終わったらでいい、考えておいてくれ」
嬉しさ半分、戸惑い半分といった感じのレベッカを前にして、彼はそう伝えた。
隣のジェイクも、レッドがこういった行動に出るとは思っていなかったのか、面白そうな表情で微笑みを浮かべていた。
「うーん……」
「なんだよ」
小さく首を捻る遼介に、レッドが尋ねる。
すると、少年はいたずらっぽく笑い、こう呟いた。
「でもさぁ……戦いの前にそういう事言い出す奴って、大抵死亡フラグ確定なんだよね〜♪」
「な……!」
馬車の中に笑い声が響く。一歩間違えると嫌味な台詞であるが、茶目っ気たっぷりに言われたのでは、苦笑するしかなかった。
緊張のほぐれた空気の中、馬車はジェントスに向けて進んでいった。
●炎上する街並み
一行の馬車がジェントスの街に着くと、そこはもう戦場であった。
逃げ惑う人々が大挙して押し寄せており、市街地にまで入れない状態なのである。
「太行、どうする?」
「仕方あるまい。ここで馬車を降りて、市街地に進入する。全員、準備はいいか!」
入れ替わりに避難民の荷物を乗せ、馬車はカグラへと引き返していく。
一行は人並みを掻き分けるようにして、市街地を目指していった。
と、グリム・クローネは避難民の中に見知った顔を発見して声をかけた。
「おかみさん!」
「ああ、グリムちゃん。あんたも助けに来てくれたのかい?」
グリムが頷く。パン屋のおかみさんは、背中に大荷物を抱えて逃げ惑う人並みの中にいた。周囲を見渡すが、息子のライスの姿は見当たらない。
「ねぇ、ライスくんは? まさか逃げ遅れているとか……?」
傍らに立つ、ゼラ・ギゼル・ハーンの肩がぴくりと動く。
彼女にとっては大事な『教え子』の一人なのだ。
「ううん。あの子はうちの人と一緒さ。パン焼きの道具を荷車に載せてたからね。大通りから逃げたんだろう。あたしゃ、こまごました物を取りに帰ったので、はぐれちまったのさ」
そう言うと、おかみさんは気丈にも笑ってみせた。
グリムはそんな彼女の手をぎゅっと握り締め、馬車の方に連れて行った。
「……グリム、急ぐわよ」
「はい!」
再び走り出す二人。
街のいたるところから黒煙があがっており、グリムの心は締め付けられるように痛んだ。
そんな彼女を見て、カイ・ザーシェンがそっと頭を撫でた。
「まだ、間に合うはずさ……そうだろ?」
男の気遣いに感謝し、なおも彼女は走り続けていった。
「将已!」
街の中心部に通じる大通り。その入り口付近で避難民に指示を飛ばしていたのは、ギルドの陳将已であった。
親友の姿を見つけて、太行が近づいていく。
「……どうだ? 状況は?」
「思わしくはないな……」
苦い顔で呟く。よく見れば、彼も全身に手傷を負っているようだ。
「街の北側、東側については避難はほぼ完了している。だが、南側と西側は混乱もあって遅れている。自警隊が体をはって食い止めてくれたおかげで、住民の被害は最小限で済んだが……」
首を小さく振る。
「その彼らは、殆ど生き残れなかったよ……。俺と一緒に来た連中も、半数以上がそんな状態だ。魔法に高い抵抗力があって、雷系くらいしかまともに効かないのがきついな」
将已自身もゴーレム相手に奮戦したものの、武器を破損して撤退を余儀なくされたらしい。元々彼は弓使いであり、剣の方はそこそこの魔法剣しか持っていなかった。
何か戦闘のアドバイスはあるかと聞いた太行に、彼は簡潔に答えた。
「あいつらは、連携というものを殆どとらない。数で押されはしたが、一体ずつ分断して各個撃破していけば、何とかなりそうだ。時間はかかるがな」
そして、こちらは三人一組(スリーマンセル)以上で戦うようにと付け加えた。
時間はかかっても、それが最小限の被害で片付けるコツだと。
太行は頷き、仲間達に指示を徹底した。そして、自身も近くにいたLANCE(ランス)、イルディライらとチームを組んで、戦火に身を投じたのであった。
●夕闇の激闘
街の路地裏で、一体のゴーレムが暴れていた。道路から路地裏に続く道には、何人もの住民が倒れており、鮮血が壁を染め上げている。
「ちっ、間に合わなかったか……いくぞ! ランス! イルディライ!」
悔しそうに顔を歪めた太行が、それでも火炎槍を構えた。
その背中からは、ここから一歩も敵を進ませないという気迫に満ち溢れている。
「わ、わかったぜ……!」
「食材には……ならぬか……」
ランスは武者震いと共に、イルディライは冷静に呟きながら、それぞれの武器を構える。ランスは魔法の武器を持っていなかったこともあり、ブーメランのような魔法具を借り出していた。
そしてイルディライも巨大な包丁を取り出し、
「雪の精霊よ……素材を切り出す氷の刃となれ……!」
精霊を付与する事によって、魔法の剣と同等の効果をもたらしたのであった。
ゴーレムは無機質な顔をこちらに向け、早足に近づいてくる。
「でぇぇぇいっ……!」
渾身の力を込めて投擲したブーメランが、ゴーレムの肩口に当たり、金属同士が擦れあう火花を残して、ランスの手元に返っていく。ただのブーメランなら、その場に落ちているところだ。
しかし、装甲版には細い傷がいくつかついたくらいで、ダメージにすらなっていないようだ。
「ランス! 狙うなら関節部だ!」
繰り出される手刀をかわしながら、太行が叫ぶ。
ポジションを入れ替え、イルディライが前衛に立ったところで再度ブーメランが投擲される。
ガキィィ!
右肩の付け根に刺さり、腕の稼動範囲が狭まる。
「もらった! 奥義! 『百炎槍』!!」
一瞬の隙を突き、太行の多段突きが炸裂する。左肩の付け根の一点に正確に叩き込まれた連撃により、関節部がひしゃげていき、ついにへし折られた。
イルディライは両腕の機能を失ったゴーレムを慎重に攻めたて、少しずつ動きを止めていった。
すると、ゴーレムの胸の部分が開き、ノズルのようなものをこちらに向け始めた。
(……いかん!)
首筋に走る危険の兆候を感知して、ランスの脳裏に火花が走る。
キン!
彼を中心に発動した不可視の力場の影響を受け、ゴーレムの動きが鈍った。
そこへ、太行とイルディライの渾身の一撃が胸元と首筋を捉え、ゴーレムは糸の切れたマリオネットの様にその場に座り込んで動きを止めた。
頭部に設置された縦型のスロットから光が消えるのを見て、太行がようやく息を吐いた。
「ふぅ……止まったか」
「最後に何かを仕掛けようとしていた様だが……?」
イルディライが小首を傾げた。
「ああ、こいつらの中には内蔵火器とやらを積んでるタイプもあるからな。一体ごとに微妙に異なるんだが……」
「このゴーレムとやらは、どこかで量産されていたんじゃねーのか? そんなにバラけてちゃ作る方も大変だろうに」
太行の返答に、ブーメランを回収したランスが呆れたように言った。
「呉先生の話によれば、『カオス因子』とやらを付与する過程で勝手に変質するらしいぜ。同一化しない特性がどーしたとか言ってたような気がするが……難しすぎてよく解らん。ただ言えるのは、次に戦う奴も同じ装備だとは限らないってこった」
火炎槍を構えなおした彼は、次の獲物を探しながらうんざりしたような表情で吐き捨てた。
「どっちにしても面倒な話さ」
そして3人は、また走り始めた。
逃げ惑う人々の群れに、容赦なく降り注がれる火炎弾。
親とはぐれた幼き兄妹にも、ゴーレムの魔の手が迫る。
「お兄ちゃ〜ん……!」
「メイ! しっかりしろ! 今、お兄ちゃんが助けに行くからな!」
巨大な鎌が振り上げられ、まさに振り下ろされようとした瞬間、疾風が傍らを駆け抜けた。
「大丈夫か!?」
両脇に幼い兄妹を抱え上げ、遼介はゴーレムの前に立つ。だが、いかに俊敏な彼とはいえ、この状態で逃げ切れるものではない。
肩口に増設されたポッドから、容赦なく降り注がれる火炎弾を懸命に回避する遼介。その彼の前に、淡い橙色の壁が発生し、3人をカバーした。
「ジェイク!」
「『水晶結』で足を止める。その隙に子供たちを安全なところに!」
アミュートを纏ったジェイクが拳を壁に叩きつけ、そこから繰り出された無数の水晶片がゴーレムの足元で結晶化していく。
「急げ! 所詮、時間稼ぎにしかならん!」
本来であれば敵の全身をすっぽりと包み込む技なのだが、魔法に高い抵抗力を持つゴーレムに対しては効果が薄い。
頷いて、遼介は子供たちを抱えて走り出していった。
だが、その背中に向かってゴーレムは三度ポッドを向ける。
「させるかぁぁっ!」
そこへ、真紅のアミュートを輝かせたレッドが突っ込んでいく。両手持ちの大剣を振りかざし、防御を無視して斬りかかる。
その一撃は肩口を捉え、ポッドを破壊した。
「レベッカ! 頼む!」
返しの刃で鎌を弾いたレッドが、下がりながら上空に声をかけた。『風の翼』で舞い上がったレベッカが、雷を付与した剣を手に舞い降りる。
「ええいっ!」
急降下からの一撃は彼女の十八番だ。それは絶対的に劣る筋力を補う為に、彼女が選んだ道だからだ。
振り回される鎌をかい潜り、装甲の隙間にエクセラを差し込む。それは剣というよりもエストックに近い使い方だった。
付与された雷が、ゴーレムの体内でスパークする。その動きが見た目にもはっきりと鈍った。
上段から振り下ろされた一撃をがっしりと受け止め、ジェイクはレッドに呼びかける。
「今だ!」
「もらったぁっ!」
オーラの残光をひるがえしてレッドが駆ける。体ごとぶつかるようにして繰り出された大剣が、ゴーレムの中心線を撃ち貫く。
串刺しになったまま、それでもゴーレムは手足をばたつかせていたが、やがてゆっくりと動きを止めたのであった。
「やれやれ……3人がかりでようやく一体か……」
小さく呟くジェイク。まだまだ先は長い。今から全力を出し切るわけにもいかなかった。
そこへ、遼介が戻ってきた。
「あの子達は、大通りの方で避難民に預けて……おい!」
後ろを指差され、3人が振り向く。
すると、小路の方からゴーレムが一体、また一体と集まってくるのが見えた。
「遼介、本隊はまだ来ていないのか?」
「大通りには避難民しかいなかったぜ……」
ギルドから借り出した魔法剣を構える遼介。その全身から、気迫が漲っている。
ゆっくりと振り向くジェイク。レッド、そしてレベッカもエクセラを構えなおした。
「いいか、何としてもここで食い止めるぞ!」
「おぅ!」
4人はまた、ゴーレムの群れの中へと飛び込んでいった。
「よし、この建物はOKだ。次!」
延焼を続ける建物を崩し、カイは声を張り上げた。
住民達の避難を手助けする一方、グリムの提案によって火災の拡大を防ぐ作業も行っていた。これには自警隊の生き残りも協力してくれている。
無論、ゴーレムが襲い掛かってきた場合には、彼女らが対処する事になる。
「くうっ!」
そのグリムは、ゴーレムを相手に苦戦を強いられていた。森での遭遇とは違い、今回はジュエルアミュートに加えてエクセラも装備している。だが、彼女の武器はシミターだ。全身が鋼に覆われている相手には効果が薄い。
魔法耐性の強いゴーレムにはムーンアローも効果が薄い。彼女は今、魔法戦士としての技量を試されていた。
「グリム。ジルの様に相手を正面から受けるのではなく、動きに合わせて逸らす。共に踊る様に、水が流れる様に」
横でサポートをしながら、ゼラが戦い方を教えている。
グリムの友人であるジル・ハウは2m近い巨躯の戦士だ。同じくアミュートを纏う身であるが、鎧の一番厚いところで攻撃を受け止め、少々の怪我は気にしない。攻撃についても、その膂力を持って装甲の上からでも致命傷を与える事が出来る。
だが、それと同じ戦い方をすることなど、もちろん出来ない。二人の共通の師たるゼラもまた、その様な指導はしなかった。
「あなた舞い手だったわね。目で見るのではなく、舞う様に耳で音を聞いて、空気で相手の動きを読んで」
観念的な指導であるが、『心』のエキスパートであるグリムにはそれが理解できた。
「すり足も、間合いも、見切りも。どれも舞にも武にも通じる言葉よ。貴女には貴女の闘い方がある筈だわ。柔らかに……繊細に」
大きく体ごと避けていた攻撃に、最小限の動きで対処できるようになっていく。硬く直線的な動きから、柔らかい曲線的な動きへと変わりつつあった。
それでもまだ、攻撃はゴーレムの関節を破壊するには至らない。
「いいわよ……貴女の剣舞は『力』ではなく『速さ』。それも緩急のついた、ね」
速さが無ければ、鉄は斬れない。
『斬鉄』が出来るようになった時、グリムの剣技は一段上へと進化するとゼラは告げた。
ゴーレムが振り下ろす剣を、円の動きでかわしていくグリム。
緩やかな弧を描くシミターを模したエクセラで、受け止めるのではなく『受け流す』。小柄な体が暴風の様に荒れ狂うゴーレムの攻撃をかわし続ける。
その中で、彼女のアミュートが月光の輝きを放ち始めた。
(この感覚……これは……!)
かつて死線をくぐり抜けたバジュナ攻城戦。あの時以来となる精霊力の高鳴りであった。
エクセラの軌跡は流れるように弧を描き、柔らかな月光の煌きを放ち始める。握り締めた手の感覚が、切っ先まで伸びたかの様な錯覚。
(今なら……!)
攻撃が最高の威力を出すように、カウンターのタイミングを計るグリム。煌くエクセラが三度ゴーレムの攻撃を退けた時、それは頂点に達した。
「クレッセント……!」
振りかざされた敵の大剣が振り下ろさせるよりも早く、エクセラが一閃する。
「……ムーンブレード!」
後の先をとり、グリムの一撃が振り下ろされる。
肩口から送られた精霊力はエクセラの先端まで加速され、三日月状の衝撃波として解き放たれた。
その一撃はゴーレムの腕を断ち切り、大地に爪痕を残していったのであった。片腕を失ったゴーレムはそれでもなお、グリムを襲おうとしていたが、ゼラによって止めをさされた。
ゴーレムの頭部から光が失われ、動きが止まる寸前、グリムは白い閃光が上空に昇るのを見た気がした。
(え?)
しかし、気を取られたのはほんの一瞬であった。ゼラが剣を納めながら声をかける。
「大技を放った後の動きに難はあるけど……まぁ及第点といったところかしら?」
「ありがとうございます!」
グリムは大きく頭を下げた。だが、ゼラの腑に落ちないような表情を見て、問いかけた。
「あの……どうかしましたか?」
「いえ……今の一撃は確かに素晴らしかったわ。速さも、込められた精霊力もね。ただ……」
小さく首を捻る。
「それ故におかしいのよ。普通、あれだけの開放をすればもっと威力があってもいいはずなの。貴女、かなり疲労しているでしょ?」
確かにかなり疲れていた。だが、それはレッドやレベッカにしても同じはずだ。
「そうね。私は精霊魔法は四大しか心得ていないから『月』の事は専門外だしね。気にしないで」
そうこうする内に、カイも駆け寄ってきた。
「こっちはあらかた片付いたようだぜ。もう少し南側に移動するか?」
グリムは頷き、踵を返した。
前を行く二人を追いながら、ゼラは内心で呟く。
(『陽』の司るものは光と熱……『月』もまたそれに倣うとはいえ、威力は遠く及ばないはず。ならば……?)
先はまだありそうであった。
●朝焼けの反攻
タタッ!
「てい!」
ゴーレムの一撃を掻い潜り、遼介は軽やかに膝から肩へと駆け上がった。そのまま大きくジャンプし、一団の中央部にヴィジョンを召喚する。
「水流弾だ!」
「わかった!」
遼介が呼び出したのは、中華風の衣装に身を包んだ少年のヴィジョンであった。掲げた右手の槍を振り下ろされると、水流の雨が機関銃の様に撃ち出される。
その多くは装甲板によって弾かれたが、隙間を縫ってダメージを与えたものもあったようだ。
着地した遼介とヴィジョンが息の合った連携攻撃を見せる。
動きの鈍ったゴーレムの一撃をヴィジョンが槍で受け止め、その隙に関節部に遼介が連撃を繰り出していった。だが、いずれも浅手に終わる。
「くそっ……しぶといっての……」
僅かな時間動いただけだが、遼介の息が上がる。
無理も無い。多少の休憩は挿んでいるとはいえ、夜通し戦い続けているのだ。ましてや、彼の様に敏捷さで攻撃をかわすタイプは消耗が激しい。
「止めだっ!」
ヴィジョンの槍がゴーレムの首筋を捉え、その動きを停止させる。それと同時にヴィジョンの姿が消えた。
両サイドのゴーレムは、ジェイクとレッドが引き受けてくれていた。遼介はそれを確認してから、後方に下がる。
腰に下げていた水袋に手を伸ばすが、それにも殆ど中身は入っていなかった。
「はい」
やはり後方に下がっていたレベッカが自分の水袋を渡してくれた。まだ多少は残っている。遼介も感謝してそれに口をつけるが、内心で舌を巻いていた。
(強そうってわけじゃないんだけど……この人もやっぱ激戦を潜り抜けてきたんだろうなぁ……)
昔、ジェイクがいたレジスタンスのリーダーだったと聞いている。少なくとも、お飾りではなかったようだ。こういう長期戦にも慣れている様であった。
と、そこへグリム、ゼラ、カイの3人がやって来た。ゼラがジェイクの、カイはレッドのサポートについた事で、状況がぐっと楽になる。
ゴーレムの打ち出した火炎弾を、ジェイクは『局部障壁』で受けて無効化し、一気に間合いを詰める。振りかざされた武器をグリムがムーンアローで叩き落した隙に、ハルバードに変えたエクセラを振り回して首筋に叩き込む。
レッドが防御を捨てて渾身の一撃を繰り出したのも、ほぼ同時であった。アミュートの防御力を信じ、間合いに入るまでに振りそそぐ火炎弾を無視して突っ込む。彼の属性は火。致命傷にはならないと踏んでの事だ。
「うぉぉぉっ!!」
着弾する火球の爆炎をかいくぐり、彼はオーラの込められたエクセラを振り下ろした。
肩口に食い込んだ大剣は、人間であれば心臓の辺りにまで達し、さしものゴーレムもがっくりと崩れ落ちたのであった。
「どう? トレースは出来たかしら?」
辺りにまだ静寂が訪れぬ内に、ゼラがグリムに声をかける。
後方から支援していた彼女は、じっと閉じていた目をパッチリと開いて言った。
「やっぱり、あの高台みたいですね。あそこからなら街の大半を見下ろせますし……」
グリムが指差したのは、公園になっている高台の一つであった。
武器を納めたジェイク達もそこに近寄ってくる。
「状況は?」
「あ〜、住人の避難はほぼ完了ってとこだな。西側にまだゴーレムが残っているが、そっちは橋を落とす事で対処するそうだ。南の掃討については、太行の方で引き受けるってよ」
ザックから何かを取り出しながら、カイが報告する。ほらよ、と小さな包みを渡された。
「これは……?」
「太行のチームの奴が作ってくれたんだ。ミソニギリとか言うらしいぜ?」
水と一緒に渡されたのは、米を用いた保存食であった。
一応、携行食は用意してあったが、疲れた体には温もりのある食べ物が嬉しかった。短い時間ではあるが休息を取ることにして、一行はその場に腰を落ち着けた。
「こっちに来てまで、お握りが食えるとはなぁ……」
「え? 遼介はこの食べ物知ってるの?」
レベッカの問いかけに頷く。カグラでこそ、米を使った料理は食べられるものの、ソーン全体から見れば少数派だ。
「それで? 高台がどうかしたのか?」
早々に食べ終わったジェイクがグリムに聞いた。
「ゴーレムはこういう集団での行動をしないんじゃないかって。それで、命令を与えている者が近くにいるんじゃないかと思うの」
さらにグリムは、倒されたゴーレムの頭部から、何らかの伝達魔法が発せられている可能性を指摘した。
「テレパシーに近い感じだと思うんだけど、活動停止の直前に何かが飛んでいく様に感じられるの。それが……」
もう一度、高台を指差す。
「あっちの方角に飛んでいくように感じる」
ゼラも同様のものを感じると同意した。彼女も一応、伝達の魔法は使える。グリムほど専門にはしていないのだが。
「ありえる話だな……」
「頭を叩けば、ゴーレムも止まるかも。太行の援護になるんじゃないか?」
レッドも同意する。
全員が身支度を済ませるのを待って、ジェイクが号令をかけた。
「よし。これから高台方面へ向かおう。途中で遭遇した敵は無視して、一気に駆け抜けるぞ」
「OK!」
一行は高台を目指して走り始める。既に東の空は、明るくなろうしていた。
●ギルドマスターとの遭遇
街並みを駆け抜け、高台への階段を昇る一行。そこには、邪魔らしいものは何一つ無かった。
階段を上りきったその先に立っていたのは、一人の女性。闇よりも黒い衣装を纏う者。その背後には、3体のゴーレムが付き従っていた。
「あら……遅かったですわね?」
女性はにっこりと微笑む。だが、そこに歓迎の色は無い。あるのはただ、底冷えするような視線だけ。
真っ先に階段を駆け上がった遼介であったが、その視線を前にして、前に踏み出す事が出来なかった。
「着いたらすぐにいらっしゃるのかと思ってましたのに。おかげで助かりましたわ……色々とね」
微笑みは変わらない。
蠱惑的な表情でありながら、そこから媚びのようなものを感じ取る事は出来なかった。
カイが一歩前に出る。
「あんたが西のギルドマスターだな。ヒルダ……いや、ヒルデガルド・フォン・ヒムラー!」
「ふ〜ん……東の犬がうろちょろしてるのは知っていたけど。なかなかいい男ですわね? こっちに誘っておくべきでしたわ」
口調とは裏腹に、氷のような視線がさらに強まる。それはあたかも、獲物を前にした蛇のようであった。
思わずグリムは前に歩み出た。カイの横に。誰にも渡さないという気迫を身に纏って。
そんな少女を面白そうに眺め、しかしヒルダは肩をすくめた。
「もう少しお話していたかったのですけれど……ここでの用事も済みましたので、お暇しますわね」
そう言って、彼女は右手を振った。足元に大きな影が出現する。それは朝日とは関係なく、唐突に出現した。
「では、御機嫌よう」
「……しまった! 転移魔法か!」
太行からの報告で、南天地竜王の神殿で接触した敵が同様の術を使っていたという記述を思い出し、ジェイクは駆け寄ろうとした。だが、それよりも早く、一筋の光がその影を消し去った。
ジェイクが振り向く。それは、ゼラの放った魔法光であった。
「……やりますわね。転移の瞬間を見切って影を打ち消すとは……。簡単そうに見えて、並みの術者には無理な手腕が必要ですのに」
微笑みは絶やさぬものの、唇の端に忌々しげな表情が浮かぶ。
肩をすくめ、後ろのゴーレムに合図を送る。
「貴方達にはまだ利用価値がありますわね……殺すには惜しい」
蒼、紅、そして黒。3体のゴーレムの内、2体が動き始め……そして、消えた。
ガキィィィン!
次の瞬間、それに反応できたのはゼラとレッドだけであった。
女性形をした紅のゴーレムが振り下ろした剣は、ゼラの銀星によって受け止められていた。そしてレッドもまた、レベッカに迫った兇刃を寸前で食い止めていた。
「させるかよ!」
最後に取っておいたオーラマックスを発動させる。それ以外では、けして間に合わないタイミングだった。
だが、レッドは体ごと吹き飛ばされた。完全な力負けである。そして、体勢を崩した彼の全身に、無数の突きが叩き込まれた。
「なにぃ!」
シルバーアミュートの表面に亀裂が入る。だが、驚いたのはジェイクであった。その技には見覚えがあった。それは……。
「太行の『百炎槍』だと!?」
瞬間的に連撃を繰り出すそれは、孫太行の奥義であり、代名詞でもある技だった。
ただの連撃ではない、その一突きごとが必殺の一撃なのである。
ガードすら出来ず、レッドの体は後方に弾き飛ばされた。
「レッドーーーっ!」
叫んだレベッカが、エクセラの抜き打ちでソニックブレードを放つ。しかし、蒼のゴーレムはそれを避けようともせず、剣を持たぬ方の掌でそれを受け止めた。橙色の淡い光を纏って。
「今度は俺の『局部障壁』か!?」
圧倒的であった。それぞれが単身でゴーレムと渡り合えるアミュート使いを3人相手にして、一歩も退く気配を見せない。
ゼラもまた、防戦一方に追い込まれる。
(魔法を使う隙を与えない気か……!)
こちらの援護をしようとするグリムに、ゼラは鋭い警告を発した。
「グリム! 先にギルドマスターを! 今の貴女の手に負える相手ではないわ!」
そのまま場所を変えつつ斬り結んでいく。ゼラでさえ、それだけ言うのが精一杯であった。彼女の流水風身を持ってしても、紅の兇刃をかわしきれない。彼女に受け太刀をさせるだけでさえ、超人的な速度が必要だというのに。
グリム、さらに遼介がヒルダの傍に駆け寄ろうとすると、どこからか鈴の音が聞こえ、辺りに響き渡った。
「な……なんだよ……あ!」
すっと下がったヒルダとの間に、どこからともなく死者の群れが出現する。だが、遼介が声を上げたのはそれだけが原因ではなかった。その中に、見覚えのある顔があったからである。
「こいつら……あの時の……!」
彼がジェントスに着たばかりの頃、酒場で騒動を起こした連中であった。無論、その時の事など向こうは思い出すこともないだろうが。
グリムもまた、見知った顔を何人か見つける。それは、気のいい冒険者の若者であったり、街で見かけた幸せそうなカップルであったりと様々であった。
「あ、貴女は……!」
グリムの瞳に怒りの色が浮かぶ。その視線の先には、ヒルダがあった。
「ふふ……死んでもなお役に立つのですから、お得な連中ですわ。ゴミは無駄にしないで再利用しなければね……」
楽しそうに、心から楽しそうにヒルダが高笑いをあげる。その瞳には哀れみの色などもちろん無い。あるのはただ、死者を嘲るような喜悦の色のみである。
「あんたって人はぁぁぁっ!!」
遼介の怒りが頂点に達した。だが、ヴィジョンを召喚しようとして、その動きが止まる。
(この人たちは……!)
もう助ける術は無いとしても、操られている人々を倒して進む事を、彼は躊躇した。その動揺が、ヴィジョンの召喚を妨げた。
それはグリムも同様であった。心優しい少女もまた、死者の群れを前にして動きが止まった。
視界の片隅で、レッドがぎごちなく体を起こすのをジェイクは捉えていた。致命傷ではないにせよ、それなりのダメージを受けているのだろう。
目の前の敵はそれだけの相手だと再認識する。アミュートを纏っていてさえ感じるこの無力感は、かつて戦ったエンジェル級カオスゴーレムを彷彿とさせるものであった。
カイ、そして自分の攻撃を苦も無く捌き続けるゴーレムを前にして、ジェイクでさえ冷静さを保てずにいた。オーラエリベイションのおかげで、かろうじて自分は全力で戦える。だが、他の者は疲労困憊でいるのだ。
そんな中、レベッカは『風の翼』を発動させて舞い上がった。
(死者の群れを飛び越えて、直接ギルドマスターを討てれば……!)
一気に肉迫しようとするレベッカ。その時、最後までヒルダの傍らに残っていた黒のゴーレムが動いた。『風の翼』を纏って。
「えっ!?」
自分より早く、高く、それは舞い上がった。黒曜石のような輝きを持つ鎧姿のゴーレム。その槍の一撃が振り下ろされるのを、レベッカはスローモーションで見ていた。
「レベッカーーーーーーっ!!」
レッドの悲痛な叫びも空しく、その一撃はエメラルドグリーンのアミュートの背甲を砕いた。
上空から叩き落され、受身も取れないままレベッカは大地に叩きつけられ、意識を失った。
「いけない!」
死者の群れの中に落ちた彼女を見て、グリムが動いた。
だが、それさえも遅すぎた。彼女のエクセラが死者を断つ。遼介も魔法剣を振るって近づこうとする。二人とレベッカの距離は、まだ何体もの死者によって遮られていた。
上空で、黒のゴーレムが槍を構える。
(くそぉぉぉっ!!!)
レッドはエクセラを天にかざして叫んだ。
「竜よ! 精霊よ! 彼女を守る力を貸してくれ! 代償なら……くれてやるっ!!」
刹那、彼のアミュートから圧倒的な炎の精霊力が立ち昇った。
全身に刻まれたひび割れが弾け、その内側からさらなる輝きを持って、深紅の精霊鎧が誕生していく。その様を、グリムも、ゼラも、遼介も固唾を呑んで見守っていた。
「フェニックス……ブレイカーーーーーッ!!」
大剣から生み出された火の鳥が飛ぶ。
それが死者の群れを割っていく後ろから、深紅のアミュートが残像だけを残して駆け抜け、一体化した。
火の粉を撒き散らし、超高速で舞い上がった火の鳥が、黒のゴーレムに突進する。大空に赤き残光を曳きながら、それは幾度となく体当たりを繰り返した。
「うぉぉぉぉっーーーーーー!!」
空中で繰り返しぶつかり合った末、ついに火の鳥は黒のゴーレムを押し戻した。
そして、それが大地に叩き落される様を、信じられないように見つめるヒルダがいた。
(止めだぁっ!)
空中から最後の一撃を繰り出そうとした時、唐突にそれはやってきた。
大空を舞っていた不死鳥は、その身に纏っていた炎を失い……そして墜落した。空中から大地に叩きつけられ、バウンドしたレッドの体からアミュンテーコンが解除される。
「くっ……リミットオーバーか!?」
ジェイクの悲痛な叫びが響く。
ようやくグリムがレベッカのもとに辿り着き、遼介も死者の間を縫ってレッドに駆け寄った。
「しっかりしろよ! 聞くんだろ……彼女の返事を!」
カイと顔を見合わせ、ジェイクはその場から退いた。蒼のゴーレムも追っては来ない。
(残っている精霊力でどれだけ出来るか分からんが……あいつらを見殺しには出来ん!)
この街に来て初めて、ジェイクは勝機のない戦いに挑む決意を固めた。自分が盾になっても、二人を逃がせればいいと。
チリーン……。
再び、鈴の音が鳴り響いた。まだ何体か残っていた死者が、糸の切れたマリオネットの様に崩れ落ちる。
エクセラを構えなおしたジェイクは、視線の先で再びヒルダが影を広げるのを見た。「そこの爆炎の騎士に免じて、今日のところは退きましょう。カオスナイトを地に這わせるとはね……面白いものを見せてもらいましたわ」
ヒルダの姿が影の中に消える。その後を追うようにして、黒の、蒼の、そして紅のゴーレムが姿を消した。
銀星を手にしたゼラも今度は止めない。いや、止める事が出来なかった。
「完敗……だな」
サーベルを地面に突き立てて、カイが呟く。そのままレベッカを抱いて泣きじゃくるグリムの傍に行き、その肩を抱きしめた。
ゼラは自分の黒いマントを外し、そっとレッドにかけてやった。ゆっくりと、治癒呪文の詠唱を始める。
それを横目に見て、ジェイクもオーラリカバーでレベッカの体を癒し始めた。
傷ついた体と心を抱えて、一行はその場に立ち尽くすしかなかった。
●傷跡
この後、太行らと合流した一行はゴーレムが撤収していった事実を聞くことになる。それは、高台からヒルダらが姿を消した時間とほぼ同時期の事だったらしい。
ジェントスの街はその4割近い家屋を失い、死者の数も相当数に上った。中でも、自警隊の被害は尋常ではなかったという。
復興の目処は、未だついていない。
水竜王の神殿に向かった者たちから非常事態が告げられたのは、それから5日後の事であった。
●新たなる力
「それでは、このアミュートはその精霊騎士に託すというのですね?」
呉文明はジェイクに問いかけた。
その傍らには、金色に輝く鎧が飾られている。
カグラのギルドから呼ばれ、ジェイクは一人ギルドに赴いていた。あの日から3日が経っているが、街の混乱が収まる気配はない。
「ええ。俺よりも……あいつが使った方が力を引き出せるでしょう」
そのレッドは未だに目覚めていない。ブラスター化の反動だろうか。ゼラの話では、再びオーラ魔法を使う事は出来ないだろうと告げられていた。
彼のシルバーアミュートもまた、コアとなる水晶球を砕かれて使用不能になっていた。鎧自体の損傷も激しかったが、オーラマックスが切れる直前に相打ちでもらった一撃が原因らしかった。
「ふむ……」
文明はしばし考え込む。
(彼に使ってもらえないのはシナリオ外の事ですが……仕方ないですね)
「分かりました。それでは、彼の回復を待ってからもう一度来てください。それまでには完成させておきますよ」
そう言って、ゆっくりと振り返る。
「……このドラゴンアミュートをね」
ランプの光を照り返し、物言わぬそれは主の回復を待っているようにジェイクには思えたのであった。
了
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0811/イルディライ/男/32/料理人
1856/湖泉遼介/男/15/ヴィジョン使い
2366/ゼラ・ギゼル・ハーン/女/28/魔導師
3098/レドリック・イーグレット/男/29/精霊騎士
3127/グリム・クローネ/女/17/旅芸人(踊り子)
3159/LANCE/男/34/賞金稼ぎ
※年齢は外見的なものであり、実年齢とは異なる場合があります。
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■ ライター通信 ■
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どうも、神城です。
遅れて申し訳ありません。とりあえず、カオスナイト組の方をアップします。
今後の予定は未定ですが、なんとか体調の方も回復してきたので、それほどお待たせせずに済むかと思います。
それではまた、次回もよろしくお願いします。
>ゼラ
という感じでしたが、いかがでしょう? ユランについても、私は構いませんがw その際はどんなスペックか教えてくださいね。
>レッド
一切のオーラ魔法が使えなくなりました。試練ですが、ヒーローものには付きものの展開だと思ってください。主役機交代の流れですw
>グリム
前回のサイコダイブ(『精神探査』)はアミュートの特殊能力です。本来は戦闘中にやるような技ではなく、安静にした状態で行わないと危険な代物ですがね。
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