＜聖獣界ソーン・ＰＣゲームノベル＞
§２→円滑な外交には『極秘先遣隊』
「これは極秘ミッションです」
じっと子らを見つめるのは真摯な眼差し。辺りには緊迫したムードが漂っている。
「我が国と外交を結んだ『月空庭園』を国王が訪問することになったのです。円滑な外交、さらには我らが国王の立派な体面の為に――」
「お父様の場合、体面ってあまり気になさらないと思いますわ」
「そうですわね。むしろどちらかと言うと観光が楽しければそれで良しって感じ……」
「しゃらーっぷ、ですのよ。姫君方」
にーっこり婉然微笑。圧倒的な迫力を有す大輪の花に、普段は我が道突っ走りの双子花も、わずかに後じさった。
ここはグリーンキングダム、王都ミックスベジタブルに聳える王城曲水の中の一室。
ふこふこのソファにゆったりと身を沈めているのは、他でもないこの国の王妃、スピナッチ。でもってその対面にちょっこり座しているのが国王の娘――でもスピナッチの娘じゃないのよ。義理の娘なの――の双子姫、パイナップル・東花とレタス・西姫。
彼女らがここで何をしているかと言うと。先日、グリーンキングダムと国交を樹立した『月空庭園』への極秘調査訪問の段取りについてである。
何でも国王が正式訪問する前に、かの庭園が如何な地であるかをこっそり調べようと言うらしい。
「とにかく、あちらの方々にご迷惑をおかけせず、かつ、決して悟られることなく調査してくることが姫君方へ与えられた使命です」
有無を言わさぬ継母のオーラに飲み込まれ、無言で頷きを返す東花と西姫。っていうか、この双子。さり気なくそういうことは大好きだから否やがあるはずなかったり。
「んー、でも二人だけだとちょっと心許ないから誰か一緒に行ってくれる方を探しましょうか、東花ちゃん」
「そうね、旅は道連れ世は情けって言うものね」
何かが違う、きっと違う。だけど世間は時に無情。
「調査が上手く行ったらご褒美に花火大会を催して差し上げますから、頑張ってらっしゃいな」
かくして、謎の密談は終了したのであった。
「……これは、こっそりついていった方がいいだろうな」
苦労性、長兄パンプキン・北統。
実は彼女達の内緒話を聞きつけておりましたとさ。
さてさて、どなたかご協力頂けませんか？
「「あら」」
有翼人なんだから翼があるのは当然で。それがはためき、ふわふわと心地よさ気に風に踊るのもまた道理。
空を舞う深い瑠璃色から白へのグラデーションに染まる優雅な翼が、地上からずびしと指さし確認に遭ってしまったのは、きっとその美しさゆえ。
「ちょっとちょっと。そこの方〜」
「ちょっと降りてらっしゃいません？」
まだあどけなさを多分に残す少女の声の呼びかけに、気ままな散歩中だった多祇はぴたっと空中停止→そのままれっつ急降下。
「呼んだ？」
にこりと笑めば、目の前の双子らしき少女は驚きに目を丸くした。
「あらあら。女の方かと思ったら」
「男の方でしたのね」
「なんや、嬢ちゃんら逆ナン違たんか？」
ここは港町ルリリア。グリーンキングダムという王国の玄関となる都市である。そんな所に彼――多祇がやって来たのはほんの気紛れ。さらに付け加えるなら気ままな観光旅行。なので野菜か果物を自分の名前に冠するらしいこの国の風習を聞きつけた彼の頭に真っ先に思い浮かんだのは――アセロラ。
何せ風邪をひかない、ついでに人の薬にもなる。旅行のお供になんて最適。
そんなことまで考えたかは実際不明なので置いておくことにして。それより多祇の今の興味心を擽るのは眼前の少女二人。
多祇はその外見から女性に間違われることが少なくない――が、彼が口を開くとその夢は儚い露と消える。その時のがっかりした様子が対男だったりすると、可笑しいことこの上ないのだが。
「……西姫ちゃん、これは面白い人材かもですわっ」
「……そんな感じひしひしですわっ、東花ちゃんっ」
「なんやなんや？ 嬢ちゃんら、人のこと呼んどいて内緒話はおもろ――」
面白くない、そう続くはずだった多祇の言葉は、少女らにがっしり腕をつかまれつんのめりに打ち止められた。
「わたくしはパイナップル・東花。この王国の第一王女ですわ」
「同じく第二王女のレタス・西姫ですの」
で、貴方は？ と少女らに無言に問いかけられて、多祇、一度唾を飲み込む。何が何だかな展開だが、どうやら自分は何かとんでもなく勢いのあるブッタイに捕獲されてしまったらしい。
「えーっと……こっち風に言うなら、アセロラ・多祇やけど？」
「多祇さん、了解。さぁ、参りましょう！」
「いざ、参りましょう！」
いや、何処へ――そんな事を問いかける余裕はどこにもなかった。
いってらっしゃい〜
★いざ、尋常に勝負…違った、調査っ！
麗らかな日差しが降り注ぐ、聖獣界ソーンのまったりとした午後の一時。
時空陣を越えた『先遣隊』という名の観光者（あ、ぶっちゃけちゃった）が目的地である月空庭園に辿り着いたのは、うっとりお昼寝快適時間だった。
「まさに！ まさに絶好のお昼寝日和！！」
幾重にも薔薇が絡まり、美しい花々を咲き誇らせた純白のアーチの前。入り口からして乙女のハートをしっかりゲッちゅ！ な状況に、一人ものすっごく息巻いてるのはスフィンクス伯爵。その背中では小さなアフロウサギが、鼻腔をくすぐる甘い鼻の香りにふこふこの頭から耳をのぞかせぴくぴく興味を示す。
「なぁなぁ、あのおじさん大丈夫なん？」
「『おじさん』とはわしの事か！？ そうなのかっ！？ 違うのじゃ、わしはこの界隈でも有名なダンディーな伯爵さまなのじゃっ！」
お昼寝スポット探しに今まさに旅立とうと、扉をよじ登ろうとしていた――ちなみに扉は開いてる――スフィンクス伯爵。東花と西姫が先遣隊メンバーとしてナンパしてきた青年の言葉に、思いっきり身を翻した。
「ほへ、そうなん？ やー…背中におんぶ紐やし、なんやえらい生活臭漂ってるから、てっきり『おじさん』かと思ったわ」
「あら、まぁ、多祇さまったら。スフィンクス伯爵さまは本当にこの辺りのマダムの視線を独り占めされるようなお方なのですわ。確かに……多祇さまからご覧になられたら、少々年嵩増して見えるかもしれませんけれど」
「……！！ と・し・か・さっ！！ わ……わしは一人でお昼寝スポットを探しにゆくのじゃーっ！！ 構成ネコたち、出動なのじゃー！！」
漆黒の衣装におんぶ紐。そのアンバランスさを理解するのは多祇と西姫には少々難しかったらしい。予想だにしない扱いを受け打ちひしがれたスフィンクス伯爵、涙をたなびかせながら壁を――しつこいようだが扉は開いている――よじよじよじ。こっそり実際年齢だと多祇の方が相当お年を召してらっしゃることはこの際伏せておくのが肝要。
「あ、ちょい待ち。この任務は極秘なんやろ？ せやから……ほれ、こんなん作ってみたんや」
「敵からは塩は貰わないのじゃっ！」
あ、いつの間にやら『敵』認定。スフィンクス伯爵、奥様方を虜にしてやまない魅力が通じなかったのが、ちょっとばかし――いや、かなり――ショックだったらしい。ってもまぁ、ぱっと見まるっきり綺麗なお姉さんで通りそうな多祇も、立派なお兄さんなのでそれはそれで正解なのだろうけれど。
ちなみに『先遣隊』として此方へやって来たのは、東花、西姫に、多祇、そしてスフィンクス伯爵の計４人。背後からじーっと見つめる生暖かい視線が３つあるのには気付いていない。
「ところで、それ何ですの？」
ひょいっと東花が多祇の腕の中を覗き込む。そういえば、彼はここまでの道中――時空陣を使っているので大した距離ではないが――ならびに、スフィンクス伯爵が中の様子を伺っている最中、一人せっせと何かをこしらえていた。携帯ミシンに各種様々な布＆糸＆針持って。
「東の姫さん、よう聞いてくれた！ これはこの極秘ミッションのために作った秘密兵器！ その名も『正体バレなきゃい〜んなら、最初っから隠しちゃえば万事ＯＫ着ぐるみ』や！」
びろーん。
多祇、自慢気に広げた。いったいこの短時間でどうやって作ったんだと問い質したいが、そこはそれ。自称キルティングマスターの名は伊達ではないらしい。
「東の姫さんにはパイナップルの着ぐるみな。頭ん上から生えとる緑のふさふさがポイント。でもって西の姫さんにはレタスの着ぐるみ。一枚一枚葉っぱが剥けそうなリアリティは必見やで。ほいで僕んのがアセロラや。容量かさばるけど、ちょっとちくちく感は捨てられへんかった力作！」
……ある意味、ものすごーっく目立つ気がするんですけれど。
確かに、たーしーかーにっ、スピナッチ王妃に『悟られぬよう』って言われたけれど、なんかこー…主題を摩り替えただけで、状況は悪化――
「まぁ！ ステキ！！」
「本当に！！ 確かに一枚一枚剥けそうな緻密さは素晴らしいですわねっ」
って。食いついちゃったよ、双子。食いつかれちゃって多祇も満更じゃないよ。
「……私の分もあるのかな？」
っは！ スフィンクス伯爵まで戻ってきちゃいましたよっ！？
「とーっぜん！ おじさんにはコレかなーって……いけてるやろ？」
「っはーーーー！！！ アフロウサギの着ぐるみなのじゃーーーっ！！！」
多祇、見事に全員のハートを鷲掴み。いったいこれでどんな調査ができるんだろうと、胸の内側に密かな疑問を宿しつつ。いい加減、そろそろ頑張って調査をやってもらいましょう。
「ふー……やっぱり探しものをするには、高いところが一番なのじゃ」
ごろにゃん、と。のーんびり伸びをしながらスフィンクス伯爵はアフロウサギ姿で――ウサギなのに何故『ごろにゃん』なのかはさて置いて――庭園で一番高い建物の上からまったりと周囲を眺めていた。
少し離れたところには、生い茂った薔薇の垣根をかきわけ進む東花、西姫、多祇の姿が見える。さらによーっく目を凝らせば、その後ろを匍匐前進で進む怪しげな一団の姿。
「……あれはー…なんなのじゃ？」
のっそりと立ち上がる。この建物はどうやらこの庭園の主の住まいのようだが、今はどこぞかへ出かけているらしく、多少の物音を立てても平気らしい。もちろん、留守であることを調べたのは彼の配下の構成ネコたちだ。
そこの猫、ただの猫だと思うべからず。
なーんてのが共通標語になっているかは知らないが、とにかく神出鬼没なのが秘密結社ネコネコ団。そんなおかげで、総帥さまはゆっくりのんびりまったり中。
「ま……いいか」
だもんで、不審人物発見したスフィンクス伯爵は、そのまま再び屋根の上にごろり。もちろん背中のアフロウサギを胸に抱きかかえなおすのも忘れない。
「――っ！？」
不意に、何やらステキな予兆がスフィンクス伯爵の鼻先を擽った。くるりっと着ぐるみにつけられたウサギ耳も揺れる。どうやらスフィンクス伯爵のネコミミがくるくるくるくる踊っているらしい。
「これは……食べられるものっ！」
短く喜びの声をあげ、スフィンクス伯爵は屋根を蹴った。猫の持つしなやかさそのままで、木から木へと飛び移り、途中ぶらさがる蔦にじゃれつきながら（←ちょっと寄り道。気紛れさんは猫の本分）音もなく地面に着地する。
「なるほど……ここの花は特別に食べられるように育ててあるようだな」
スフィンクス伯爵、愛らしい動物をめでるような優しい手つきで、目の前の黄色い花びらをそっとつまんだ。
花々が咲き乱れる様子は他と変わりない、が。ここだけ何だか様子が違う。それをスフィンクス伯爵は鋭い直感で察知していた。
せっかくなので、パクリと頬張ってみる。
「ふむ。紅茶などに入れたらとってもいい感じなのじゃ」
想像して顔が綻ぶ。それはおそらくとっても優雅な一時になることだろう――と、その時。
「っ！？」
身近に視線を感じたスフィンクス伯爵、無言のまま片手を上げた。大丈夫、忘れちゃいない、これは極秘ミッション。正体を悟られてはならない任務――ならば目撃者は抹殺するのみ……？
「何だ、お昼寝中のネコであったか」
どこに潜んでいたのか、相当数の構成ネコ。総帥さまの指令に視線の主に飛びつき、完成させましたるはネコ団子。どうやら相手がネコにまみれている間に、スフィンクス伯爵は姿をくらますという算段になっていたらしい。
されど、今のは不発。見ればこの庭園に住みついちゃっているらしいネコ――構成ネコではないらしい――が、突然我が身に起こった事態について行けずに目を白黒。
「はははは、申し訳ないことをしたのじゃ――って、ここはナイスお昼寝スポット！！」
スフィンクス伯爵のオレンジ色の瞳がきらーんと輝く。棚から牡丹餅とはまさにこのこと。
美しい花たちを眺めるために作られたのだろう四阿の裏手。背の高い木々が植わった一帯は、身震いするくらいにステキな木陰を提供していた。
「むーん！ これはお昼寝するしかないのじゃっ！！」
ころん。転がっただけで睡魔がすいよすいよと忍び寄る。
一方その頃、アセロラに引率されたパイナップルとレタスは←名前ではなく外見的にもまるっきりそのまんま。
「ここはな、遊園地で風船配っとるみたいににこやか〜にやな」
堂々と庭園の中を着ぐるみ姿で闊歩していた。そりゃもう、平然と。胸を張って。
「さすがに『月空庭園』という名だけはございますわね。どうせなら夜にゆっくり拝見したかったですわ……」
「わたくしも……」
パイナップルとレタスが互いに手をとり、ほんわか夢見がちな視線で周囲を眺める。あくまでパイナップルとレタスなわけだが、そこんとこは気にしちゃいけない。気にしちゃいけない事が何かと多いと思われるかもしれないが、そんな小さな事に気取られていたら大きくなれないぞ。
「そうやな。確かにお月さんの真っ白な光の下で、この庭園見たら絶景やろな」
ぐるりと一帯に視線を馳せる。
どこを見ても、よく手入れの行き届いた季節の花々が、うっとりと歌うように綻んでいた。少し離れたところに見える四阿からは、この庭園を一望できることだろう。
「なるほど、おススメは夜の時間と、あの四阿ってとこやな」
「そうですわね。お父様はゆっくりするのがお好きだから、四阿で此方の方とお話されたりするのを好むかもしれませんわ」
「それにお花の紅茶でもあれば最高ですわね」
おぉ、案外真っ当に調査が進んでるっ――着ぐるみ姿だけれども。
「ほな四阿で行ってみよ……」
その時、多祇。ぴくりとフリーズ。
夜空を彷彿させる紺碧の瞳が、一点を注視してぴたりと止まった。
「……多祇さま？」
「どうなさいました？」
「ごっつかわええ女の子、発見！！」
「「はいぃ！？」」
双子姫が事態を理解する前に、多祇、走り出す。あわてて双子がそちらを見れば、四阿の方から此方へ向かって歩いてくる少女の姿。
どうやら多祇、彼女のナンパへ突っ走ったらしい。外見、麗しの美少女でさえ恥じ入っちゃいそうな美貌の多祇、されど心はしっかりがっつりオトコノコ。
「多祇さま！ ダメですわっ。此方の方と接触してはっ」
「あぁっ、もう間に合わな――」
着ぐるみ姿のせいで素早く動くことのできない東花と西姫、颯爽と駆ける等身大アセロラの姿に瞳を固く瞑った。もうダメだ、四阿から姿を現した少女に多祇の存在を気付かれてしまう――
そう覚悟した刹那、漆黒の風がマッチョの香りを乗せて走った。
有無を言わさぬ力強さを持ったその一陣の舞は、多祇を絡めとり、さらには双子姫を巻き込み地面ギリギリを駆け抜ける。
何が起こったのか、はっきりと認識する間もない瞬く間の出来事。
「なっ！？」
「「何が起こりましたの！？」」
まさに唖然。
五感が正しく周囲を認識するようになった時には、三人は先ほどまでいた場所からは少し離れた薔薇の生垣に囲まれた場所にへたり込んでいた。
「い、今のはなんなん！？」
「さ……さぁ？ って、そうじゃなくって。多祇さま、こちらの方に接触するのはあぶないですわ。いくら着ぐるみだからって、どこから正体がばれるかわからないですもの」
いや、そもそも論。着ぐるみでウロウロしてる方が、ものごっつ怪しいから。
思わぬ自然現象――だと思い込んでもらいましょう――に窮地を救われた一行。されど相変わらず微妙にズレたポイントをつつく者はいない。まぁ、それで事が上手く運んでいるのだから、良しとしようということで。
「む〜…確かに言われてみればそうやな。思わず可愛い女の子に舞い上がってしまったんは僕のミスや。目の前に姫さんたちがおんのに、よそ様にうつつ抜かすんは、男の甲斐性とちゃうもんな」
多祇、ふむふむと納得顔で頷きを繰り返す。
その弁に、双子もほっと胸を撫で下ろす――途中から多祇の反省ポイントが変わってきているのには、きっと気がついていない。否、気付いたかもしれないが、そこはやっぱり東花も西姫も女の子だから。
「んじゃ、さくさくこっそり調査すすめよか〜」
「「はい！」」
それから、そして。まぁるい太陽が西の空に傾きかけた頃。
「むむー、こういう時はバナナの皮攻撃！」
むにゃむにゃむー。
「そしてまたある時は、眼帯外して山高帽でパシッと決めた世を忍ぶ伯爵。麗しきご婦人、一緒にお散歩など如何でしょう？」
にゃすぴすぷー。
木陰だった場所は、今は程よい日が差し込む続・絶好お昼寝（お夕寝？）スポット中。
「あぁ、この庭園は本当に美しい。お嬢さん、よかったら私と一緒に探索など如何ですか？」
「なぁ……このおじさん、なんでこんなん寝言はっきりしとるんやろな？」
胸にアフロウサギを抱いた大きなアフロウサギ――スフィンクス伯爵を眺め下ろし、巨大な向日葵の花が呟いた。
「そこはそれ、スフィンクス伯爵さまのご事情というものでしょう。ふふ、夢の中でもせっせと調査してくださってるんですのね」
ふふふと笑うのは、これまた大きな薔薇の花。隣では同じサイズの白百合がしゃがみこんでスフィンクス伯爵の頬をぺちぺちと叩く。
「スフィンクス伯爵さまー、せっかくですけどそろそろ帰りますわよー」
こそこそと身を隠し、時には新たな着ぐるみに着替えて。はたまた思わぬ自然現象に危険な場面を救われながら。
どうやら先遣隊一行は正体がバレることなく、調査を終えることに成功した――らしい。その影に、涙ぐましい努力の結晶があったとは露も知らぬまま。
「さーて、帰ったら花火やな♪ でっかい打ち上げ花火とかあるんやろか？」
「それはさておき、多祇さま。いったいいつの間に採寸とかされてましたの？」
「ふっふー、それは企業秘密ｖ」
スフィンクス伯爵の瞳と同じ色に空が染まり始める。
もう暫くしたらこの庭園には月の光が降り注ぎ、幻想的な光景が眺める者の目を楽しませてくれることだろう。それを今日、見ることができないのは残念だけれど。
「スフィンクス伯爵さまー！ 起きてくださらないとアフロウサギだけ連れてかえっちゃいますわよー！」
「それはダメなのじゃー！」
何はともあれ。調査、お疲れさまでした。
★たまやー、かぎやーで日は暮れて
「たまやー」
地面が震えるほどの轟音と共に、星々が瞬く夜空に大輪の光の花が咲く。
一発、また一発と。去り行く夏への名残を惜しむかのように。
「かぎやー」
「……羽月さん、その掛け声って何ですか？」
打ち上げ花火が上がるたび、羽月が発する不思議な言葉に、リラがきょとんと首を傾げた。
「……玉屋さんと……鍵屋さんですか？ 鍵屋さんはともかく……玉屋さんって、どんな商品を扱ってるんでしょう？」
ふーむっと口元に手をあて考え込む風情は愛らしい。が、考え込むポイントが微妙と言えば微妙。そんな愛妻のほんわか具合に、羽月は相好を崩した。
「私のいた世界での花火の時の合言葉みたいなものかな。花火を作った人を賞賛するための掛け声だったそうだが――だから、たまやもかぎやも花火屋さんということだな」
「はいはい、難しい話はその辺にして。せっかくだから西瓜も用意しましたわよ、あとこれも♪」
エイっと羽月の頭に大きなお盆をドンっと置いたのは、浴衣に着替えたスピナッチ王妃。本日の彼女は晴れ時々雷。落下対象は羽月オンリーだから、避難警報は発令しておりません。
「まぁ！ 花火といったらやっぱり西瓜ですよね♪ それに……手持ち花火もこんなにいっぱい！」
「リラさん……その西瓜の山が私の頭上にあるっていうのはスルー？」
「はっはっは、そない細いトコを男が気にしたらアカンでぇ」
どうやらお気に入りのリラの旦那さんというだけで、スピナッチ王妃にいちびられているらしいという羽月の実情に気付いた多祇が、彼の頭上のお盆から大きくカットされた西瓜を一切れ取る――お盆ごととらないのは自分に火の粉が飛んでこないようにする為の処世術。
藤野羽月、今日は本当にいろいろついていない……ってか、大変な一日だった。
彼が王妃と繰り広げた水面下での激闘は、おそらくグリーンキングダムの歴史に深々と刻まれたことだろう。
かくして羽月とリラが王妃番（？）している間に、多祇とスフィンクス伯爵が同行した東花と西姫は無事に月空庭園の極秘調査を完了させた。
彼らが持ち帰った情報に、スピナッチ王妃はいたくご満悦顔になり――なかでもスフィンクス伯爵が身を持って立証した絶好のお昼寝スポットには涙を浮べて喜んだ――ご褒美の花火大会が催される事になったのだ。
しかしここには秘められた苦労話がもう一つ隠されていた。先遣隊が立派に情報収集を成しえた裏に、こそりと隠れてついていった北統やオーマ、そして熾徨の涙ぐましい努力。
「やー、悪筋退治は大変だったな。北統」
「そうですね。オーマさんには幾度もピンチを助けて頂き感謝しています」
しゃくしゃくと小気味の良い音を立てながら西瓜を並んで齧るオーマと北統。二人の間に芽生えたのは男の友情。激しい任務をこなした者同士にこそ、分かち合うに相応しい人生の中の至宝。
そんな二人を恨めしげに眺めるのは熾徨。ゆらりと気配を消して立つ姿は、さながら夏の風物詩のアレ。いっそ呪ってやろうかという気配を発散している様子は、周囲にいる者の背中にイヤンな悪寒を走らせていた。
いったい何があった、陰のフォローチーム。誰かがそう彼女に尋ねてくれれば、少しは熾徨の気持ちも浮かばれるのだろうが――生憎、彼女たちが密かに月空庭園を訪れていたことを知る者はいない……幸か不幸か。
「ふむ、この西瓜は絶品なのじゃ♪ ほら、お前も食べるのじゃ〜」
スフィンクス伯爵が、羽月の頭上の盆から西瓜を一切れ取る。彼の右手には既に自分用の西瓜。新たにとった分は、彼の背中におぶされた子アフロウサギの為のもの。甲斐甲斐しくアフロウサギの世話を焼くスフィンクス伯爵の様子に、場がさらにほっこり度を増す――一部、羽月と熾徨の場所を除いて。
「……何故！？ 何故私がこんな事をいつまでもっ！！ そうだスピナッチ王妃！ 勝負だっ！！」
唐突に羽月がキレた――いや、ここまでよくもったと言うべきか。
彼が頭にお盆を載せたままスピナッチ王妃に突き出したのは線香花火の束。
「……ふ、一度受けた勝負、忘れるはずなどありますまい――ふふふふふ」
両者の間で激しく散る火花。なんだか既にお空の花火より、めさめさ激しい。
「なぁ？ 線香花火で勝負って何なん？」
さすがに当事者の二人に聞くのは憚られたのか、多祇が全く動じていないリラに問いかける。
「……えと、ですね。やんきー座りって言うんですか？ その極限の姿勢で、どちらが線香花火を長持ちできるか……そういう勝負だそうです」
「へぇ、そらおもろそうやな」
や。面白そうっていうか、なんで『ヤンキー座り』なのかを小一時間問い詰めたい気持ち一杯だが、多祇はそんな事を気にした様子もなく、ふむふむっと納得顔。
「でも……僕が混ざったらお妃さんら気悪くするやろか？」
「……んー……そんなこと、ないと思いますよ」
見れば羽月とスピナッチ王妃、細いロウソクを挟んで真正面から睨みあい中。しかも立派な『ヤンキー座り』で←ここばっかりは羽月指導。
「ホンマ？ 僕混ざっても平気と思う？」
「えぇ。……良かったら、私が二人にお願いしてみましょうか？」
「それなら俺も！」
「私も混ぜろ！」
リラの提案に、オーマと熾徨も身を乗り出す。どうやらこの二人も、勝負と聞いたら体がウズウズしてくる性質らしい――勝負つっても線香花火は線香花火だけど。
「いや、ポイントはそこではなくヤンキー座りだな。アレは存外筋肉が鍛えられる良い運動だ。地面に尻をつけずにいることは、やがて足の痺れを誘う――それをいかに平然と耐えるかはワンダホーでビュリホーな美筋である証拠！」
「っていうか、もう筋肉はいいから。とにかく勝負で私のストレスを発散させろ！」
言い寄る二人のあまりの勢いに、さすがのリラもやや引きつつ、わかりましたと小さな頷き一つ。
それから約３分。
一本のロウソクを囲んで、ヤンキー座りで円陣を組むという不可思議な光景が出来上がっていた。
「あらあら、皆さまも負けん気がお強くていらっしゃる」
「線香花火は私の生まれ故郷が産地――負けるわけにはいかない」
スピナッチ王妃がくすくすと笑えば――目は全く笑っていない。それだけで人を射殺すことが出来そうなほどの鋭さでキラリ――羽月が日本出身の意地に胸を張る。
「何をっ！ 火を扱う事に関しては私だって負けないっ！」
「俺だって筋肉を使うことなら誰にも負けないぞっ！！」
蓮火族の王としてのプライドを熾徨が滲ませると、オーマも負けじと胸筋ピクピク、おまけに立派な力瘤を作って見事なアピール。
「なぁなぁ、そんなん建前はどーでもえぇから、さっくり勝負しようや！ ほら、早せなロウソクどんどんチマくなってくやん〜っ」
おそらく円陣の中で唯一真っ当な感覚を有した多祇――羽月もマトモな感性の持ち主のはずだが、ただ今変なスイッチＯＮ中――が痺れをきらして、線香花火の先端を小さな炎の上に垂らした。
その瞬間、ピッキーンっと光が走ったのは競技参加者の瞳の端。
「ほほほ、多祇さまは慌て者ですのねっ、これは駆け引きでしたのよっ」
「いかにも！ 最初に痺れをきらして火を点けた人はそれだけ線香花火が終わるのが早いっ！」
「そういうことだっ！ 甘いな少年っ！！」
「筋肉フェスティバルカーニバル着火〜っ！！」
「なーっ！ そんなんありか！？ ちゅーか、この勝負にはそんなん策が必要やったんかっ！？」
どの台詞が自分の発したものかはご想像にお任せ致します。
かくしてまさに戦闘の火蓋は切って落とされた――線香花火だから落としちゃいけないんだけどね。
じっくりまったり、火がついてしまったら無言でジジジジっと可憐な花を咲かせる炎の玉を見守るのみ。
「……スフィンクス伯爵は、線香花火よかったんですか？」
異様な熱気を醸し出す人口密集地をほのぼの見守っていたリラ――ある意味、彼女が一番の大物――が、一人我関せず風のスフィンクス伯爵を振り仰ぐ。
「うむ。火に近づいてこの子が火傷をしたりしたら大変なのじゃ。それにワシはこの美味なる西瓜があればそれでじゅーぶんっ」
辺りを注意深く見てみれば、いつの間にやらそこら中にネコが点在。しかもみんな自分専用の西瓜をカジカジと美味そうに食んでいる。
「ふふ、そうですね……それに、線香花火はそっと静かにやるものだと思いますし」
悪気なく呟かれたリラの一言は、おそらくこの世の殆どの人と一致する意見だろう。けれど、スフィンクス伯爵はアフロウサギのもこもこ頭を撫でながら、ダンディに笑んだ。
「それは、人それぞれ。あぁいう楽しみ方も、あっていいんじゃないかな？」
「……それも、そうですね。人生は楽しんだ者の勝ち……なんですっけ？」
「そうそう。その通り」
日中にお昼寝たんまりで充電満タン状態のスフィンクス伯爵、いつになく――失礼な――真っ当にリラとの緩やかな会話を楽しむ。
すっかり勝負に熱中しちゃってる羽月あたりが聞いたら「私は決して楽しんでいるんじゃないっ！」という抗議の声の一つでも上げそうだが。
「……随分、涼しくなりましたね」
「ふむ、これからは美味しいものがたくさんの季節なのだ」
辺りを撫でるように吹く風は、凛とした芯の強さを内包している。日中の暑さにまろやかに抱き込まれたそれは、もう少し北の地方ではほどなく正体を露にして大地を駆ける木枯らしになるのだ。
グリーンキングダムは間もなく一年で最も収穫に忙しい時期が訪れる。
そして月空庭園には、今日見た彩とはまた違う花々が咲く季節がやってくるのだろう。
「はーい！ 変な勝負に熱中してる皆さぁーん！」
「今からドーンと特別な花火を打ち上げますわよー！」
線香花火競争――ただいま物凄い激闘中。やっぱり断然有利は慣れてる羽月。それを果敢に妨害に走るのがスピナッチ王妃。多祇は我関せずと素直にパチパチ、オーマもやや黄昏て花火の中に家族への思いを馳せ中。そして熾徨は小さな火にジレンマ爆発させて一気に引火→消火を繰り返し中――の車座一団から少し離れたところから、姿の見えなかった双子姫の甲高い声が上がった。
「いきますわよー、これぞグリーンキングダム名物！！」
「ナマモノ花火〜」
「……ネーミング、なんだかイマイチですね」
最後の鋭い突っ込みはリラ。うん、旦那さんと別行動してる間に、ツッコミ調子が上がってきたようだ。誰だって乙女は愛する人の前では可愛らしくありたいものだものｖ
と、妙なハートマークはさておいて。
双子の掛け声と同時に、シュっと短い音とともに微かな光が中空を目指して走った。
直後、天空に開いたのは紫色したドラゴンフルーツ型の花火。さらに追いかけるようにオーマの顔が夜空いっぱいに瞬いた。
「「次々いきますわよー」」
どうやら双子の魔法も関与しているらしい。光の花が咲く直前に、薄ぼんやりとした灯が少女たちの体を包む。
「これは、また」
「粋な演出だな」
オーマの笑顔が空から消えた後に広がったのは、真っ赤なトマト花火と熾徨の顔。
線香花火に集中していた面々も、どうしたことかと空を見上げた。
「あ、今度は僕や」
とげとげした形はどうやって作ったのだろう、アセロラの花火は天を突く槍のよう。その頂点には多祇が笑っている。
「今度は私か」
星の煌きの中に実ったパプリカは、赤や黄色やオレンジと色とりどり。ヘタの先端にちょっと仏頂面気味の羽月の顔が浮かんだが、やがてそれも笑顔に変わった。
「お、ワシじゃな」
今度は小さなオリーブの実にも似た紫色のミラクルベリーの粒が点々と空に散らばった。それからにゃんにゃんにゃんっと小さな子猫たちがミラクルベリーを追いかけて飛び、最後には大きなスフィンクス伯爵のダンディ笑顔の完成。
「……ということは」
最後に、リラ。いよいよ自分の番かと胸の前で両手を組んで、空を見上げた。
予想通り、緑色のほうれん草の葉が空にドンっと広がる。
続いてリラの笑顔がパっと華やかに咲いたと思ったら、並んでスピナッチ王妃の嫣然とした微笑が並んでぽっかり。
「グッジョブ！ グッジョブですわ、姫君方！！」
「なんで貴女も一緒なんだっ！」
双子姫にむかってスピナッチが労いの言葉を投げると、羽月がすかさず喰らいつく。
「何を仰るのでしょう。言っておきますけれど私もほうれん草ですわよ？ スピナッチ＝ほうれん草。偶然並んで何が悪いのでしょう？」
「意図的じゃないのか？ そうじゃないのか？ 線香花火勝負で負けたからって腹いせじゃないのかっ！？」
「……っ、そんなこと、私がするはずありませんでしょう？」
反論の前に飛来した僅かな沈黙が、羽月の言い分がズバリそのものであることを物語っていたりするのはさておいて。
「まぁまぁ、ケンカはよくない、ケンカは」
日頃冷静な羽月と、それ以上に化け狐の皮を被りまくっているスピナッチ王妃の間に生じた駄々っ子空気に、オーマの声が割って入る。
「ほらほら、せっかくなんだからギスギスするな――ほら、これは俺からだ」
そういうとオーマ、どこから取り出したのか愛用の銃器を肩に担いだ。銃口は遥か高みを目指している。
「これは任務完遂祝いと、外交が結ばれた祝いだ」
音もなく、銃口から気が放たれた。
目に見えない何かが夜気を切り裂き、そして十数メートル上空で軽やかな鈴の音のようなメロディーと共に弾ける。
幻想的な七色に輝く美しい光の花。オーマの精神力を具現化する能力が夜空に描き出したそれは、ちらちらと雪のように人々の下まで舞い降りる。
「これは……美しいですわ」
羽月とにらみ合っていたスピナッチ王妃が、感動の溜息を零す。
「本当に素晴らしい祝いを、ありがとうございます」
怒涛のように過ぎた一日もこれにて閉幕。
どんちゃん騒ぎで、どこに理があるのかさっぱりだったけど――だってそれはここがグリーンキングダムというお国だからということで、さっくり解決。
皆さん、それぞれのお仕事、お疲れさまでした〜
そして月空庭園さんも、ありがとうございました。
「……ところで、全然関係ないですけど。西瓜って野菜なんですか？ 果物なんですか？」
はうっ、リラさん突然何ですか（汗）。
そういうわけで、本日の野菜果物豆知識。
日本――ソーンのお話だけど、そこんとこは置いといて――では野菜と果物の判別は、草なのか木なのかで行うそうなので、それで言ったらズバリ「野菜」。
でも甘さが強いので感覚的には果物として扱われてるみたい。
ちなみに、グリーンキングダムでは果物扱いなのでした。
以上、ミニ知識講座お〜終い。
★着ぐるみ体操。１、２、３。
「お疲れさまでした〜」
「お疲れさまなんです」
「はい、お疲れさん」
賑やかだった花火大会も無事終わり、今日はこのまま王室御用達のお宿へ向かう事となった御一行。
心地よい疲労感に身を浸しつつ、てくてくてくと暢気に石畳を歩けば、靴底が軽快な音楽を奏でる。
時計は見当らない――が、時間は既に日付変更線時刻が間近に迫っているはずだ。
うーんと大きく伸びをして、多祇は並んで歩く双子姫を交互に眺めてみる。たいそう良く似た二人だが、どうやら性格は微妙に違うらしい。ぱっと行動に走るリーダー的風格を持ったのが東花、でもって一見おっとりだが、中は幾重にも複雑な層になっていそうなのが西姫。なるほど、まさにパイナップルとレタスだ。
最初に作った着ぐるみは名前になぞらえて作ったものだったが、案外中身にもぴったりだったようで――まぁ、それこそがグリーンキングダムの摂理なのだけど。
「ところで多祇さま、今度わたくし達にもぜひ着ぐるみの作り方、教えて下さいませね」
「そうですわ！ あの立派な質感、やはり魔法でなく現物で表現したいんですもの」
ねー♪ と顔を見合わせ手を取り合う二人に、多祇は笑顔で「えぇよ」と軽く答を返した――それが後のグリーンキングダムにいかほどの影響を与えるか想像せずに。
「まずは、着る人の体型を正確に知るんが重要やな。着ぐるみはサイズ合わんと動き辛おて適わんから」
街灯に照らされた道は仄かに明るい。治安も良いのだろう、酒場帰りと思われる人々で、すれ違う人には事欠かず、通り過ぎる美女に思わず目を奪われかける。散漫になる意識は、双子が怪しげな笑みを浮べている事を、多祇に気付かせない。
「それから、完成形をよーく頭の中に思い浮べる事や。実物をスケッチしたりして、ちゃーんと勉強してからにした方がえぇもん作れる」
上機嫌でキルティングマスターとして、着ぐるみ製作の極意を双子に伝授する多祇。
海辺の町の夜は、眠ってしまうにはまだ早いようだった。
それから数ヵ月後。
旅の空の下にいた多祇の元に、とんでもない情報が舞い込んできた。
「……アセロラ多祇体操？ なんやん、それーっ！」
何でも風邪をひかない為の体操とかで、しかも着ぐるみを着たままやるのがコツらしい。ダイエット効果も抜群とかで、聖獣界ソーンにも由来となる人物の容姿と共に伝播しているようだ。
流行の発信源は某国双子姫。それらが徐々に各地を侵食しているのは……喜ぶべき事か、悲しむべき事か。
「はぁ……最近ちらほら視線感じるって思っとったら、そんなんオチかいーっ」
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
【整理番号 ／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業】
0520 ／ スフィンクス伯爵 ／ 男 ／ 34 ／ ネコネコ団総帥
1879 ／ リラ・サファト ／ 女 ／ 16 ／ 家事？
1953 ／ オーマ・シュヴァルツ ／ 男 ／ 39歳 ／
医者兼ヴァンサー（ガンナー）
1989 ／ 藤野 羽月 ／ 男 ／ 17 ／ 傀儡師
2166 ／ 熾徨 ／ 女 ／ 18歳 ／ 煉獄王
3335 ／ 多祇 ／ 男 ／ 18歳 ／ 風喚師
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■ ライター通信 ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
こんにちは。もしくは初めまして。ソーンゲーノベ第２弾をお届けいたしますライターの観空ハツキです。
この度は外交において重要な（？）先遣調査ならびに、王妃のお相手をして頂きありがとうございました。
……って言うか。色々な意味で各所で壊れて頂いておりますが……だ、大丈夫でしたでしょうか？（汗）
●多祇さま
初めまして！ この度はご参加下さいましてありがとうございました！
えと……まずは、あ、怪しい関西弁で申し訳ございませんでしたっ！ 親戚に関西圏の人間はいるのですが、それでも聞きかじり状態で……本当に「似非」状態で（滝汗）
作中ではボケ倒したり、かと思ったらつっこんだりと、いろいろお世話になり本当にありがとうございました。
誤字脱字等には注意はしておりますが、お目汚しの部分残っておりましたら申し訳ございません。
ご意見、ご要望などございましたらテラコン等からお気軽にお送り頂けますと幸いです。
この度はご参加下さいまして、ありがとうございました。少しでも皆さまに喜んで頂ける部分があるよう、切に願っております。
|
|
