<聖獣界ソーン・PCゲームノベル>


§2→円滑な外交には『極秘先遣隊』


「これは極秘ミッションです」
 じっと子らを見つめるのは真摯な眼差し。辺りには緊迫したムードが漂っている。
「我が国と外交を結んだ『月空庭園』を国王が訪問することになったのです。円滑な外交、さらには我らが国王の立派な体面の為に――」
「お父様の場合、体面ってあまり気になさらないと思いますわ」
「そうですわね。むしろどちらかと言うと観光が楽しければそれで良しって感じ……」
「しゃらーっぷ、ですのよ。姫君方」
 にーっこり婉然微笑。圧倒的な迫力を有す大輪の花に、普段は我が道突っ走りの双子花も、わずかに後じさった。
 ここはグリーンキングダム、王都ミックスベジタブルに聳える王城曲水の中の一室。
 ふこふこのソファにゆったりと身を沈めているのは、他でもないこの国の王妃、スピナッチ。でもってその対面にちょっこり座しているのが国王の娘――でもスピナッチの娘じゃないのよ。義理の娘なの――の双子姫、パイナップル・東花とレタス・西姫。
 彼女らがここで何をしているかと言うと。先日、グリーンキングダムと国交を樹立した『月空庭園』への極秘調査訪問の段取りについてである。
 何でも国王が正式訪問する前に、かの庭園が如何な地であるかをこっそり調べようと言うらしい。
「とにかく、あちらの方々にご迷惑をおかけせず、かつ、決して悟られることなく調査してくることが姫君方へ与えられた使命です」
 有無を言わさぬ継母のオーラに飲み込まれ、無言で頷きを返す東花と西姫。っていうか、この双子。さり気なくそういうことは大好きだから否やがあるはずなかったり。
「んー、でも二人だけだとちょっと心許ないから誰か一緒に行ってくれる方を探しましょうか、東花ちゃん」
「そうね、旅は道連れ世は情けって言うものね」
 何かが違う、きっと違う。だけど世間は時に無情。
「調査が上手く行ったらご褒美に花火大会を催して差し上げますから、頑張ってらっしゃいな」
 かくして、謎の密談は終了したのであった。


「……これは、こっそりついていった方がいいだろうな」
 苦労性、長兄パンプキン・北統。
 実は彼女達の内緒話を聞きつけておりましたとさ。


 さてさて、どなたかご協力頂けませんか?


「何で隠れている?」
 唐突に背後からかけられた声に、グリーンキングダム第一王子も僅かにたじろぐ。
 弾かれるように振り返れば、全身黒尽くめの自分とは良い対比になりそうな全身真紅の美女の姿。
 燃える様な赤い髪は、まさに烈火の如く。
「貴方は?」
 気がつかなかったのは彼女に此方に対する敵愾心がなかった証拠。というかむしろ、表情からしてどうやら悪戯をしかけられたらしい雰囲気が満々。真顔を取り繕ってはいるものの、口元に密かに忍ばされた笑いの気配に、北統は居住まいを正して彼女に向き合った。
「ただの旅行者だ――この国風に言うなら、トマト・熾徨。トマトは赤いからな、ぴかぴかだし。それにリコピンは体にいいんだ」
 つらつらと語る彼女――熾徨の言葉に嘘はないようだ。しかしその口調の端々から、北統は彼女が語っている内容以外の情報も瞬時に取り込む。
 彼女は命じる事に慣れた立場にいる存在だ――しかも、かなりの上位の。生まれついて身についている威風堂々たる風情は、決して隠しおおせるものではない。
 発言に若干のびみょ〜さ加減はあるけれど。
「で、なんで隠れてるんだ?」
 熾徨、最初の質問を再び繰り返す。どうやら柱の影に潜む北統の姿に興味津々だったらしい。多分おそらく、それ以外のこの場の状況は全くつかんでいない。まさに大胆不敵な行動術……多分。
「多分じゃない。面白い事には首をつっこむようにしているだけだ」
 あら失礼――って、地の文と会話が出来るとは。うぬぬ、お主なかなかやるな!
「いや、だからそこで変な会話はしなくていいですから」
 あ、北統に窘められちゃったい。そんなこんなで気を取り直して本題へ戻る。どん。
「ご挨拶遅れました。私の名はパンプキン・北統。この国の第一王子です。そして今は……」
 優雅に一礼後、ちらりと時空扉の彼方に消えつつある妹たちに目を馳せる。この状況をどう説明したものか、否、そんなん正直に話しても良いものか。迷いは必然的に言い淀みに繋がる。
「……極秘任務か!?」
「は?」
「なるほど、他言無用の極秘任務と見た! ならば私も手伝おう。良い良い、多くを語らなくとも私には分る」
「へ?」
 北統、やや呆然。なんだかよくわからないうちに、勝手に同行者が確定したもよう。
 人生なんてそんなもん。
 その場のノリと勢いで出来ているのよ――ってわけで、GO!←いいのだろうか?


★超極秘裏ミッション……?

 ずりずりずり。
 前行く姿は見失わぬように、その上で己らの気配を決して悟られることのないように。
 ずりずりずり。ずーりずり。
 立って歩けば胸の高さまでくらいはありそうな薔薇の生垣の間から、不気味に這いずる音が響く。
 ずりずりず――
「もう、止めた! なんで匍匐前進の必要がある? 汚れるだけじゃないか!」
「それはちがーうっ! これぞまさに愛の試練、耐えてこそ真実の筋肉花開くこともあるっ」
 たまらず立ち上がった真紅の髪の持ち主を、すかさず漆黒の髪のムッキンマッチョが引き戻す。
 現在地、アルマ通りから少し道を外したところにある『月空庭園』。さらに細かく限定するならば、その庭園内にある薔薇が群生している地点。
「いや、私は別に筋肉の花なぞ咲かなくていいから。むしろそんなのが咲いた日には思いっきり手折りたくなるから」
「何っ!? もしやお前は悪筋マニア!?」
「いや……別に良筋も悪筋もないと思うんだが。まぁ、引き締まった筋肉は嫌いではないけれど」
「ぬ、それは甘い! 世には美しきビュリホーマッチョと、そうでないヘッタレマッチョの2種類が存在するのだからして」
「あの……オーマさんに、熾徨さん。ちょっと声を落として頂いても宜しいでしょうか?」
 うっかり危険マッチョゾーンへ突入しかけた進行を、北統の言葉が端的に遮った――そんなマトモなフリした彼自身の現状は、匍匐前進一番前なのだけれども。
 それはともかくとして。
 パンプキン・北統を筆頭に、オーマ・シュヴァルツ、そして熾徨の計3人はただいま超極秘裏ミッションの只中にいた。
「ここで騒いでは妹たちに気付かれてしまいます。そして場合によっては私たちこそが此方の住人に気付かれてしまうことになりかねない」
「分かる、分かるぞ! 北統よ、その熱き思い! 危機的状況に追い込まれた姫たちが極限下で生まれる愛に目覚め、そしてその危険な香りにさらわれていくのを案じる気持ちっ!」
 感極まった風情のオーマ。語るより雄弁に、わななく胸筋がその熱い想いを迸らせている――が、微妙になんだか通訳が必要そうなのでサクっと解説。
 どうやらオーマ。極秘ミッションをこなす東花や西姫が、所謂「つり橋状態」ちっくに危険なラブに目覚めてしまうのでは、と。そして兄である北統がそのことを危惧し、こっそりついて来ているのだと思い込んでいる――らしい。ぶっちゃけピントがズレていないわけじゃないけれど、任務に支障はないし、むしろ燃えてもらえそうだから良し。
「や……良しじゃないだろ。っていうか……アレ、本当に大丈夫なのか?」
 熾徨の見つめる先。そこにいる――というより「在る」?――のは巨大なアセロラとパイナップルとレタスの姿。かなり精巧に作りこんであるが、どこからどう見ても等身大の着ぐるみ。
 ひょっとして心配するだけ損なのかもしれない。思わず我に返ってしまい遠い目をしながら、自分の問いかけに応えをかえさぬ男性陣二人を振り返る。で、目を逸らす。他人のフリを決め込む。
「北統、何も案ずることはないぞ。長きにわたって鍛え上げた下僕主夫バーゲン潜入、あーんっど、ナマ絞り仕置逃避行ミッションの成果、今ここで披露するとき。全ては大胸筋マッスル船に乗ったつもりで、どーんっと俺に任せるがいいっ」
 オーマ、北統の手を固く握り締め――匍匐前進姿勢のまま――熱く、熱く、熱く語るよ現在進行中。
「……なるほど。オーマは尻にしかれてるってことか」
 他人のフリを決め込んだはずの熾徨、ちゃっかり聞いてて物騒な感想を漏らすのだった。


 任務は完遂せねばならないもの。ほんの少しのミスも、いずれ時代を大きく動かす剣の切先になってしまいかねないこともある。
 今回のミッションは、姫たちが滞りなくその責務を果たすことが出来るよう、裏からしっかりとフォローすること。
 つ・ま・り。
 姫たち――なんか原因は他にある気がしてならんが――が巻き起こす騒動は、善なる美筋に仇なす悪筋野郎たちの妨害工作であるに違いない、いや、そうに決まっている――以上、オーマのおステキ桃色筋肉脳みそ思考回路が弾き出した結論。
「んっ!?」
 赤い瞳にしっかと見据えられた十数メートル前方、そこには四阿から現れ出でた少女めがけて突進をかけようとするアセロラ――あくまでその着ぐるみを纏った青年――の姿!
 何事かと意識の糸を引き絞れば、姫たちの刹那の動揺が鼓膜の弦を振るわせた。
 どうやら同行者の一人が、美少女めがけてナンパに走ったらしい――それ即ち、悪筋野郎の誘惑以外のなにものでもないっ!
「こういうときはっ!」
 駆け出して取り押さえるには、距離がありすぎて間に合わない。かといって静止の声を上げれば、逆に此方に気付かれる――ならば。
「だーいーきょーきんっ、ちゃーぶーだーいがえーーーっしっ!」
「え? えぇっ!?」
 意味はよくわからない。
 しかし何を思ったか、オーマ。あくまで遠慮がち――何故ならただ今ミッション中であることを忘れていないのだ――な掛け声とともに、北統の肩をむんずと掴んだ。
 どうやら魔法の詠唱準備に入っていたのか、咄嗟のことに北統もオーマの成すがまま。
 鍛え上げられた美しい筋肉に包まれた肉体が、長身の青年の体をふわりと宙へと持ち上げる。
 そしてっ―――
「いざ、喰らえ! 必殺のムーンアニキ悶絶愛の逃避行!」
 振りかぶって……投げた。
 力の限り、精一杯。目指せミットのど真ん中。
「おー、ストライク」
 事の成り行きをだまーって眺めていた熾徨が、ぼそりと呟く。
 彼女の瞳はしっかりと見ていた。オーマに投げ飛ばされた北統が、それこそ矢のような勢いで飛び、器用に空中でアセロラ、パイナップル、レタスをとっ捕まえたのを。
「……あの男、なかなかに侮れんな。瞬時に事態を理解するとは」
 熾徨、感嘆の声をあげたが――多分きっとそうじゃない。おそらく今の行動は脊髄反射に近い行動だったはずだ。自分の身に危険が迫った時、人は何かにすがりつきたくなる者であるからして。
「いかん! まだダメだ!!」
 見事な連携プレーで最初の窮地を脱したと思ったのも束の間、オーマが再び身構える。
「うぬっ、次から次へと厄介なヘタレ筋肉めっ!」
 口惜しさに短く舌を打つ。
「は? 何が?」
 オーマの緊迫した様子とは裏腹に、熾徨がのーんびりと低姿勢のまま一点を注視するオーマの視線を追いかけた。
「……何も見えんぞ」
「心の美筋で見るんだっ」
「いや、そんなもんじゃ何も見えないから」
「それはおまえの心がしなびた筋肉でできているからだっ!」
 確かに心臓は筋肉で覆われてるけど。だけど筋繊維で出来てるハートってのは聞いたことないぞ――と溜息に熾徨が思いを込めようとした瞬間、オーマがダッシュした。
 美しき花々の国を疾走する黒い弾丸。
 瞬きする間もなく、熾徨の目からはオーマがゴマ粒のような点になる。
「あ。見えた」
 じーっと目をこらしていたら見えてきた。叶うなら虫眼鏡が欲しいくらいのサイズで。
 オーマの向かった先には北統が倒れているようだ。おそらく姫2人+1を適当なところに落とした後、力尽きたのだろう。
 そして彼が倒れているその場所に、旅人のような風貌の青年が歩いてきているのだ――と、熾徨の目は捉えていた。
「おー、さすがさすが。投げ飛ばすのもチョロかったくらいだから、抱えて走るくらいわけないか」
 カラカラ笑っている間に、オーマが北統を抱えて此方に戻ってくる。
「っていうかだな。こっちの方が派手に動いてんじゃないか? まぁ、私は面白ければそれでいいけど」
 いや、そんな暢気なこと言ってないで。止めて下さい、熾徨さん。


「何を隠そう、今現在もソサエティ勅命のミッション中なんだが」
 ここを訪れたときは天の高い位置にあった太陽も、いまは既に随分と西に傾いている。
 漂い始める気配は、郷愁の念を思わせる涼やかさ。
 ともすれば安寧にゆるりと気を緩めたくなる時分、しかしそれを許されぬ面々はしつこく地べたを這いずっていた。
「今はこんな風に北統たちに協力することもできるが……いずれはこの地を離れなければならない時が来るだろう」
「……」
 いつになく真面目な様子のオーマの言葉には、深い哀愁のようなものが込められていた。それを感じ取ったのか、北統も真摯な表情で口を噤む。
「や、いきなりシリアスやられても私はついていけないから」
 一人、テンションを変えないのは熾徨。それはそうだろう。ここまでハチャメチャな彼らを見てきたのだ、今になって変えようなんて問屋が卸さない。
「だから、いずれ去る日が来たとしても。形は残らなくても心は繋がり後の世にも絆は続いていくのだと――俺はそういう気持ちでいられるよう、今を過ごしたい」
「オーマさん……」
 過酷な戦いの中に身をおき、今もなお現在進行形で特殊な身の上にあるオーマ。今日のように些細な(?)な事件に心を裂くことができるのは、いったい何時までだろう。分かっているのは、それが永遠に続くものではないということ。
 胸に刻まれる『想い』が強いのだろう。自然と滲み出す心の欠片を察した北統が唇を噛み締める――彼もまた、国を守るために戦いの中に身を置く者だから。
「それでも。グリーンキングダムには既に町の名という形で、俺の存在した証を残せたしな」
 つと視線を地に落とし――地面までは僅か数センチという状態だが――オーマは口の端を僅かに上げて小さく笑った。
 心からの喜びと、それに言いようのない切なさがないまぜになった複雑な微笑。
 間近で――だってすぐ隣で匍匐前進してるから――その笑みを見てしまった北統は、胸の奥を刺す小さな痛みを耐えるように瞳を伏せた。
「……大切にします。オーマさんから頂いたルリリアの名」
「そう言ってもらえると、俺も嬉しい」
 男同士の間にのみ通い合う、熱い心。
「というかだな。ぶっちゃけ私は混ざりたくないぞ。だってよく考えてみろ、この状態だぞ? 全員地面に腹ばいだぞ? 辺り一帯は美しい花が咲き誇る優雅な場所だというのにっ」
 いや、まったくもってごもっともです。熾徨さん。だけどそんな『理』が通じない時があるのも、この世の慣わしで。
 熱い厚い暑いアッツイATSUI男の友情に叶うものはないのだ←なんだか無理な結論。
 と、その瞬間。
「北統! これぞ我が秘儀! 今こそ受け取れ!!」
 オーマ、突発行動再び――否、三度?
「なっ?」
 またしても熾徨の五感が全てを感じ取る前に、オーマの秘儀とやらは完成していた。
「……何で。どーして。つか、どーして北統も付き合うんだ、仮にも一国の王子だろ」
 深々と溜息をつく。紅蓮に広がる髪が、しょんぼり縮んだような錯覚にさえ囚われるほどの消沈振り。
 さもありなん。同行の男性二人が、どこから取り出したのかブロンズ色の全身タイツに身を包んで妙なポーズをつけて固まってしまったら。
「彫像かなんかのフリか? あぁ!? そうなのかっ!? って、え?」
 熾徨、彫像2名を背にして振り返る。たら、物凄い美青年が静かに立ち尽くしていた。
「なるほどっ、こういうことかっ!」
 そうならそうと言えばいいじゃないかっ! 勝手に一人――いや二人だけで場を逃げようとするなんて。
 心の中で激しく毒づき、熾徨は不気味なまでのにこやかな笑顔を満面に張り付けた。『王族』という名の人種だけが持つ、突出した処世術。
「ははは、申し訳ない。あまりに美しい庭園なので勝手に入らせて頂いてしまった。この彫像は私の作りかけの作品なんだ。あぁ、ちゃんと持ち帰るから安心してくれ」
 苦しい、苦しすぎる言い訳だっ! しかし、この現状をどうやって説明しろと言うんだ。せめて人間の姿のままであってくれれば、もっとマシな言い逃れのしようもあったろうにっ
 押さえ込むのがギリギリの毒を、精一杯の微笑の仮面で押さえ込んだ熾徨。そのまま何事もなかったように、両脇に二体の彫像を抱え上げる。
 そのまま大股でスタスタスタ。
 不審気な視線を発している美青年のことは、とにかく無視! 無視無視! 無視あるのみ。
「ちょっと待て、熾徨」
 庭園出口まで平然と歩ききった熾徨に、こそりと語りかけるは筋肉美がたいそう立派なオーマ彫像・
「なんだ」
「実は庭園内に罠をしかけてあるんだ。それを回収してから帰らないと」
 ………
 ………
 ………
 ………
 ………
 たーっぷり十秒は無言。重苦しい沈黙の雨。
「っかー! これからかっ!? これからかっ!? せっかく何事もないように出てきたのに、中に戻れってかっ!??!?」
 カァカァカァ。
 熾徨の悲痛な叫びに、暢気すぎるカラスの鳴き声が追い討ちをかけるのだった。


★たまやー、かぎやーで日は暮れて

「たまやー」
 地面が震えるほどの轟音と共に、星々が瞬く夜空に大輪の光の花が咲く。
 一発、また一発と。去り行く夏への名残を惜しむかのように。
「かぎやー」
「……羽月さん、その掛け声って何ですか?」
 打ち上げ花火が上がるたび、羽月が発する不思議な言葉に、リラがきょとんと首を傾げた。
「……玉屋さんと……鍵屋さんですか? 鍵屋さんはともかく……玉屋さんって、どんな商品を扱ってるんでしょう?」
 ふーむっと口元に手をあて考え込む風情は愛らしい。が、考え込むポイントが微妙と言えば微妙。そんな愛妻のほんわか具合に、羽月は相好を崩した。
「私のいた世界での花火の時の合言葉みたいなものかな。花火を作った人を賞賛するための掛け声だったそうだが――だから、たまやもかぎやも花火屋さんということだな」
「はいはい、難しい話はその辺にして。せっかくだから西瓜も用意しましたわよ、あとこれも♪」
 エイっと羽月の頭に大きなお盆をドンっと置いたのは、浴衣に着替えたスピナッチ王妃。本日の彼女は晴れ時々雷。落下対象は羽月オンリーだから、避難警報は発令しておりません。
「まぁ! 花火といったらやっぱり西瓜ですよね♪ それに……手持ち花火もこんなにいっぱい!」
「リラさん……その西瓜の山が私の頭上にあるっていうのはスルー?」
「はっはっは、そない細いトコを男が気にしたらアカンでぇ」
 どうやらお気に入りのリラの旦那さんというだけで、スピナッチ王妃にいちびられているらしいという羽月の実情に気付いた多祇が、彼の頭上のお盆から大きくカットされた西瓜を一切れ取る――お盆ごととらないのは自分に火の粉が飛んでこないようにする為の処世術。
 藤野羽月、今日は本当にいろいろついていない……ってか、大変な一日だった。
 彼が王妃と繰り広げた水面下での激闘は、おそらくグリーンキングダムの歴史に深々と刻まれたことだろう。
 かくして羽月とリラが王妃番(?)している間に、多祇とスフィンクス伯爵が同行した東花と西姫は無事に月空庭園の極秘調査を完了させた。
 彼らが持ち帰った情報に、スピナッチ王妃はいたくご満悦顔になり――なかでもスフィンクス伯爵が身を持って立証した絶好のお昼寝スポットには涙を浮べて喜んだ――ご褒美の花火大会が催される事になったのだ。
 しかしここには秘められた苦労話がもう一つ隠されていた。先遣隊が立派に情報収集を成しえた裏に、こそりと隠れてついていった北統やオーマ、そして熾徨の涙ぐましい努力。
「やー、悪筋退治は大変だったな。北統」
「そうですね。オーマさんには幾度もピンチを助けて頂き感謝しています」
 しゃくしゃくと小気味の良い音を立てながら西瓜を並んで齧るオーマと北統。二人の間に芽生えたのは男の友情。激しい任務をこなした者同士にこそ、分かち合うに相応しい人生の中の至宝。
 そんな二人を恨めしげに眺めるのは熾徨。ゆらりと気配を消して立つ姿は、さながら夏の風物詩のアレ。いっそ呪ってやろうかという気配を発散している様子は、周囲にいる者の背中にイヤンな悪寒を走らせていた。
 いったい何があった、陰のフォローチーム。誰かがそう彼女に尋ねてくれれば、少しは熾徨の気持ちも浮かばれるのだろうが――生憎、彼女たちが密かに月空庭園を訪れていたことを知る者はいない……幸か不幸か。
「ふむ、この西瓜は絶品なのじゃ♪ ほら、お前も食べるのじゃ〜」
 スフィンクス伯爵が、羽月の頭上の盆から西瓜を一切れ取る。彼の右手には既に自分用の西瓜。新たにとった分は、彼の背中におぶされた子アフロウサギの為のもの。甲斐甲斐しくアフロウサギの世話を焼くスフィンクス伯爵の様子に、場がさらにほっこり度を増す――一部、羽月と熾徨の場所を除いて。
「……何故!? 何故私がこんな事をいつまでもっ!! そうだスピナッチ王妃! 勝負だっ!!」
 唐突に羽月がキレた――いや、ここまでよくもったと言うべきか。
 彼が頭にお盆を載せたままスピナッチ王妃に突き出したのは線香花火の束。
「……ふ、一度受けた勝負、忘れるはずなどありますまい――ふふふふふ」
 両者の間で激しく散る火花。なんだか既にお空の花火より、めさめさ激しい。
「なぁ? 線香花火で勝負って何なん?」
 さすがに当事者の二人に聞くのは憚られたのか、多祇が全く動じていないリラに問いかける。
「……えと、ですね。やんきー座りって言うんですか? その極限の姿勢で、どちらが線香花火を長持ちできるか……そういう勝負だそうです」
「へぇ、そらおもろそうやな」
 や。面白そうっていうか、なんで『ヤンキー座り』なのかを小一時間問い詰めたい気持ち一杯だが、多祇はそんな事を気にした様子もなく、ふむふむっと納得顔。
「でも……僕が混ざったらお妃さんら気悪くするやろか?」
「……んー……そんなこと、ないと思いますよ」
 見れば羽月とスピナッチ王妃、細いロウソクを挟んで真正面から睨みあい中。しかも立派な『ヤンキー座り』で←ここばっかりは羽月指導。
「ホンマ? 僕混ざっても平気と思う?」
「えぇ。……良かったら、私が二人にお願いしてみましょうか?」
「それなら俺も!」
「私も混ぜろ!」
 リラの提案に、オーマと熾徨も身を乗り出す。どうやらこの二人も、勝負と聞いたら体がウズウズしてくる性質らしい――勝負つっても線香花火は線香花火だけど。
「いや、ポイントはそこではなくヤンキー座りだな。アレは存外筋肉が鍛えられる良い運動だ。地面に尻をつけずにいることは、やがて足の痺れを誘う――それをいかに平然と耐えるかはワンダホーでビュリホーな美筋である証拠!」
「っていうか、もう筋肉はいいから。とにかく勝負で私のストレスを発散させろ!」
 言い寄る二人のあまりの勢いに、さすがのリラもやや引きつつ、わかりましたと小さな頷き一つ。
 それから約3分。
 一本のロウソクを囲んで、ヤンキー座りで円陣を組むという不可思議な光景が出来上がっていた。
「あらあら、皆さまも負けん気がお強くていらっしゃる」
「線香花火は私の生まれ故郷が産地――負けるわけにはいかない」
 スピナッチ王妃がくすくすと笑えば――目は全く笑っていない。それだけで人を射殺すことが出来そうなほどの鋭さでキラリ――羽月が日本出身の意地に胸を張る。
「何をっ! 火を扱う事に関しては私だって負けないっ!」
「俺だって筋肉を使うことなら誰にも負けないぞっ!!」
 蓮火族の王としてのプライドを熾徨が滲ませると、オーマも負けじと胸筋ピクピク、おまけに立派な力瘤を作って見事なアピール。
「なぁなぁ、そんなん建前はどーでもえぇから、さっくり勝負しようや! ほら、早せなロウソクどんどんチマくなってくやん〜っ」
 おそらく円陣の中で唯一真っ当な感覚を有した多祇――羽月もマトモな感性の持ち主のはずだが、ただ今変なスイッチON中――が痺れをきらして、線香花火の先端を小さな炎の上に垂らした。
 その瞬間、ピッキーンっと光が走ったのは競技参加者の瞳の端。
「ほほほ、多祇さまは慌て者ですのねっ、これは駆け引きでしたのよっ」
「いかにも! 最初に痺れをきらして火を点けた人はそれだけ線香花火が終わるのが早いっ!」
「そういうことだっ! 甘いな少年っ!!」
「筋肉フェスティバルカーニバル着火〜っ!!」
「なーっ! そんなんありか!? ちゅーか、この勝負にはそんなん策が必要やったんかっ!?」
 どの台詞が自分の発したものかはご想像にお任せ致します。
 かくしてまさに戦闘の火蓋は切って落とされた――線香花火だから落としちゃいけないんだけどね。
 じっくりまったり、火がついてしまったら無言でジジジジっと可憐な花を咲かせる炎の玉を見守るのみ。
「……スフィンクス伯爵は、線香花火よかったんですか?」
 異様な熱気を醸し出す人口密集地をほのぼの見守っていたリラ――ある意味、彼女が一番の大物――が、一人我関せず風のスフィンクス伯爵を振り仰ぐ。
「うむ。火に近づいてこの子が火傷をしたりしたら大変なのじゃ。それにワシはこの美味なる西瓜があればそれでじゅーぶんっ」
 辺りを注意深く見てみれば、いつの間にやらそこら中にネコが点在。しかもみんな自分専用の西瓜をカジカジと美味そうに食んでいる。
「ふふ、そうですね……それに、線香花火はそっと静かにやるものだと思いますし」
 悪気なく呟かれたリラの一言は、おそらくこの世の殆どの人と一致する意見だろう。けれど、スフィンクス伯爵はアフロウサギのもこもこ頭を撫でながら、ダンディに笑んだ。
「それは、人それぞれ。あぁいう楽しみ方も、あっていいんじゃないかな?」
「……それも、そうですね。人生は楽しんだ者の勝ち……なんですっけ?」
「そうそう。その通り」
 日中にお昼寝たんまりで充電満タン状態のスフィンクス伯爵、いつになく――失礼な――真っ当にリラとの緩やかな会話を楽しむ。
 すっかり勝負に熱中しちゃってる羽月あたりが聞いたら「私は決して楽しんでいるんじゃないっ!」という抗議の声の一つでも上げそうだが。
「……随分、涼しくなりましたね」
「ふむ、これからは美味しいものがたくさんの季節なのだ」
 辺りを撫でるように吹く風は、凛とした芯の強さを内包している。日中の暑さにまろやかに抱き込まれたそれは、もう少し北の地方ではほどなく正体を露にして大地を駆ける木枯らしになるのだ。
 グリーンキングダムは間もなく一年で最も収穫に忙しい時期が訪れる。
 そして月空庭園には、今日見た彩とはまた違う花々が咲く季節がやってくるのだろう。
「はーい! 変な勝負に熱中してる皆さぁーん!」
「今からドーンと特別な花火を打ち上げますわよー!」
 線香花火競争――ただいま物凄い激闘中。やっぱり断然有利は慣れてる羽月。それを果敢に妨害に走るのがスピナッチ王妃。多祇は我関せずと素直にパチパチ、オーマもやや黄昏て花火の中に家族への思いを馳せ中。そして熾徨は小さな火にジレンマ爆発させて一気に引火→消火を繰り返し中――の車座一団から少し離れたところから、姿の見えなかった双子姫の甲高い声が上がった。
「いきますわよー、これぞグリーンキングダム名物!!」
「ナマモノ花火〜」
「……ネーミング、なんだかイマイチですね」
 最後の鋭い突っ込みはリラ。うん、旦那さんと別行動してる間に、ツッコミ調子が上がってきたようだ。誰だって乙女は愛する人の前では可愛らしくありたいものだものv
 と、妙なハートマークはさておいて。
 双子の掛け声と同時に、シュっと短い音とともに微かな光が中空を目指して走った。
 直後、天空に開いたのは紫色したドラゴンフルーツ型の花火。さらに追いかけるようにオーマの顔が夜空いっぱいに瞬いた。
「「次々いきますわよー」」
 どうやら双子の魔法も関与しているらしい。光の花が咲く直前に、薄ぼんやりとした灯が少女たちの体を包む。
「これは、また」
「粋な演出だな」
 オーマの笑顔が空から消えた後に広がったのは、真っ赤なトマト花火と熾徨の顔。
 線香花火に集中していた面々も、どうしたことかと空を見上げた。
「あ、今度は僕や」
 とげとげした形はどうやって作ったのだろう、アセロラの花火は天を突く槍のよう。その頂点には多祇が笑っている。
「今度は私か」
 星の煌きの中に実ったパプリカは、赤や黄色やオレンジと色とりどり。ヘタの先端にちょっと仏頂面気味の羽月の顔が浮かんだが、やがてそれも笑顔に変わった。
「お、ワシじゃな」
 今度は小さなオリーブの実にも似た紫色のミラクルベリーの粒が点々と空に散らばった。それからにゃんにゃんにゃんっと小さな子猫たちがミラクルベリーを追いかけて飛び、最後には大きなスフィンクス伯爵のダンディ笑顔の完成。
「……ということは」
 最後に、リラ。いよいよ自分の番かと胸の前で両手を組んで、空を見上げた。
 予想通り、緑色のほうれん草の葉が空にドンっと広がる。
 続いてリラの笑顔がパっと華やかに咲いたと思ったら、並んでスピナッチ王妃の嫣然とした微笑が並んでぽっかり。
「グッジョブ! グッジョブですわ、姫君方!!」
「なんで貴女も一緒なんだっ!」
 双子姫にむかってスピナッチが労いの言葉を投げると、羽月がすかさず喰らいつく。
「何を仰るのでしょう。言っておきますけれど私もほうれん草ですわよ? スピナッチ=ほうれん草。偶然並んで何が悪いのでしょう?」
「意図的じゃないのか? そうじゃないのか? 線香花火勝負で負けたからって腹いせじゃないのかっ!?」
「……っ、そんなこと、私がするはずありませんでしょう?」
 反論の前に飛来した僅かな沈黙が、羽月の言い分がズバリそのものであることを物語っていたりするのはさておいて。
「まぁまぁ、ケンカはよくない、ケンカは」
 日頃冷静な羽月と、それ以上に化け狐の皮を被りまくっているスピナッチ王妃の間に生じた駄々っ子空気に、オーマの声が割って入る。
「ほらほら、せっかくなんだからギスギスするな――ほら、これは俺からだ」
 そういうとオーマ、どこから取り出したのか愛用の銃器を肩に担いだ。銃口は遥か高みを目指している。
「これは任務完遂祝いと、外交が結ばれた祝いだ」
 音もなく、銃口から気が放たれた。
 目に見えない何かが夜気を切り裂き、そして十数メートル上空で軽やかな鈴の音のようなメロディーと共に弾ける。
 幻想的な七色に輝く美しい光の花。オーマの精神力を具現化する能力が夜空に描き出したそれは、ちらちらと雪のように人々の下まで舞い降りる。
「これは……美しいですわ」
 羽月とにらみ合っていたスピナッチ王妃が、感動の溜息を零す。
「本当に素晴らしい祝いを、ありがとうございます」
 怒涛のように過ぎた一日もこれにて閉幕。
 どんちゃん騒ぎで、どこに理があるのかさっぱりだったけど――だってそれはここがグリーンキングダムというお国だからということで、さっくり解決。
 皆さん、それぞれのお仕事、お疲れさまでした〜
 そして月空庭園さんも、ありがとうございました。


「……ところで、全然関係ないですけど。西瓜って野菜なんですか? 果物なんですか?」
 はうっ、リラさん突然何ですか(汗)。
 そういうわけで、本日の野菜果物豆知識。
 日本――ソーンのお話だけど、そこんとこは置いといて――では野菜と果物の判別は、草なのか木なのかで行うそうなので、それで言ったらズバリ「野菜」。
 でも甘さが強いので感覚的には果物として扱われてるみたい。
 ちなみに、グリーンキングダムでは果物扱いなのでした。
 以上、ミニ知識講座お〜終い。


★花火の後に……

「っがー! その辺に終わった花火を置かない! 終わった花火は水を張ったバケツ、これが常識!!」
 美しい打ち上げ花火の後に残されたのは、大量の手持ち花火。
 皆でわいわいとそれらに興じたところまでは良い。むしろ火を操る種族である熾徨にとっては、世の人々が炎と楽しく戯れる姿を見るのは嬉しい事だ――が。
 その後がいけなかった。
 皆が皆、なんだかんだでめいめいに楽しんじゃったのが禍したのだろう。終わった花火が各所に点在。てんてけてん。
 羽月やリラは作法をわきまえているらしく、ちゃんと一所に纏めている。
 が、それ以外の面子があまり宜しくなかった。一応、周囲に火がついたりしないよう気をつけているようではあるけれど、それでは熾徨の許容全然範囲外。
「知ってるか? 火とは怖いものなんだぞ、美しくもあるが、一瞬で全てを灰にしてしまうんだぞ」
 ぶつぶつと呟きながら、それでもせっせと散らばる屑を集めてまわる。せっせと拾ってはポイっと水の入った桶に入れ、また拾っては桶に入れる。
 ――間違っても、一族の王がするような仕事ではない。
 そして……熾徨の性格でするようなことでも、ない。
 それでも淡々と作業してしまうのは――火を操る一族としての誇りと……なんだか今日一日ですっかり身についてしまった苦労性のためだろうか。
「おかしい……何かが大きく間違っている」
 自問自答。
 そう、自分はこんなことをする為にこの国を訪れたはずではなかった。何か面白いことを嗅ぎ付けて、それに便乗しようとしていたはずだ。
 そ・れ・な・の・に!
 何なのだ、この展開はっ!!
 言う事聞かぬ家臣の方が、まだまだ可愛く見えて仕方ないっ!!
 深々と溜息をつき――その最中もせっせと花火の屑拾い。終いにゃ西瓜の種まで拾い出す始末――熾徨、世間の広さを噛み締める。
 世の中、侮れない人物が多い。
 私もまだまだ……そういうこと、なのだろう。
 その時。ふと視界の端っこにこんもり積まれた小さなぐるぐる渦。
「なんだ? これ?」
 見たことのない形のものだ、暗闇の中近づいて眺めてみる。それでもよくわからなかったので、指の先に火を点し渦に近づけた瞬間、どんな偶然か一陣の風が舞った。
「いかんっ!」
 慌てて指先の火を消そうとしたが、時既に遅し。
「な、な、なんだっ、これはっ!?」
 火種を貰った小さな渦は、しゅるしゅると音を立てながら回りはじめる。しかも火花を幾重にも散らしながら………→すなわち、そこにあった渦がやがて全部物凄い勢いで回りだす。
「待て、待て、待てっ! 何なんだ、これはっ!!」
 どういう原理になっているのか、それらに追いかけられながら熾徨は叫ぶ。少し冷静になれば、火を消せば言いだけの事と気付いたのだろうが――人間、そうは便利にできておらず。
「いったい誰だっ! こんなところにこんなものを置いたのはーっ!」
 数分後、熾徨はそれが「ねずみ花火」と呼ばれるものだということを知ることになる。
 何でもリラのたっての希望でスピナッチ王妃が準備したものだとか。
「何で追いかけるっ!?」
 えとえと。
 トマト→リコピン→体に良い→人に良い。
 ほらほら、若いうちは苦労は買ってでもしろって言うじゃないですか。
 そんなこんなで熾徨さん、一日とってもお疲れさまでしたーっ(脱兎)。


□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0520 / スフィンクス伯爵 / 男 / 34 / ネコネコ団総帥
1879 / リラ・サファト / 女 / 16 / 家事?
1953 / オーマ・シュヴァルツ / 男 / 39歳 /
            医者兼ヴァンサー(ガンナー)
1989 / 藤野 羽月 / 男 / 17 / 傀儡師
2166 / 熾徨 / 女 / 18歳 / 煉獄王
3335 / 多祇 / 男 / 18歳 / 風喚師

□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■         ライター通信          ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□

 こんにちは。もしくは初めまして。ソーンゲーノベ第2弾をお届けいたしますライターの観空ハツキです。
 この度は外交において重要な(?)先遣調査ならびに、王妃のお相手をして頂きありがとうございました。
 ……って言うか。色々な意味で各所で壊れて頂いておりますが……だ、大丈夫でしたでしょうか?(汗)

●熾徨さま
 初めまして! この度はご参加下さいましてありがとうございます。
 一族の王としてご立派な方……というイメージを最初に抱いたのですが……気がついたら物凄い苦労性と化してしまい(滝汗)
 影ながら努力して頂き本当にありがとうございました(涙)そして……恩を徒で返しまくって申し訳ありませんでしたっ(謝)

 誤字脱字等には注意はしておりますが、お目汚しの部分残っておりましたら申し訳ございません。
 ご意見、ご要望などございましたらテラコン等からお気軽にお送り頂けますと幸いです。
 この度はご参加下さいまして、ありがとうございました。少しでも皆さまに喜んで頂ける部分があるよう、切に願っております。