＜聖獣界ソーン・黒山羊亭冒険記＞
殺戮の女神、海上の決戦
珊瑚色の髪に菫色の瞳をした女性は、出された紅茶のカップを両手で包むと目を伏せた。
普通のお客とそうでないお客 ――― 冒険者や依頼主など ――― を見分ける才能にかけては人よりも優れているエスメラルダは、彼女が黒山羊亭に来た時から何となくピンと来るものがあったため、彼女がいきなり
「殺戮の女神と呼ばれる海賊をご存知ですか？」
そう尋ねてきても、大して驚きはしなかった。
「えぇ、聞いたことあるわ」
「戦闘員非戦闘員関係なく、女子供老人に至るまで殺す、最低最悪の海賊です」
「どこかの港町でとても困っているって、聞いた事があるわ」
「‥‥‥私の町なんです」
女性の名はキャシー。先日殺戮の女神 ――― goddess of the massacre ――― の襲撃を受けて弟を二人亡くしたのだと言う。
「その商船には、弟の許婚も、その子の妹も、海の向こうに買い物をしに乗り込んだ老夫婦も乗っていました。船長の下のお子さんなんて、まだ７歳でしたし、若い船員の娘さんはまだほんの３つでした」
「乗っていた人は全員‥‥‥」
「海上を彷徨っていた船を漁船が見つけ、乗り込んでみたのですが‥‥‥酷い有様だったそうです」
眉根を寄せ、耐えるように口を引き結んだキャシーは、意を決したように顔を上げると胸元で手を組んだ。
「私達の町でも、海賊を捕らえるために何度も船を出しました。けれど、皆‥‥‥。ほとんどの人は、もう諦めてるんです。商船はもう出さないほうが良いんじゃないかとまで言ってるんです。でも、それでは何も解決しないんです！」
きっと彼らは海を漂流し、また次の獲物を定めるのだろう。
「‥‥‥アイツラは、一撃では殺さないんです。‥‥‥言っている意味が分かりますか？ 弟の身体にも、許婚の身体にも、３歳の子の身体にさえも、無数の切り傷がありました。彼らがどれほどの苦痛を強いられたのか、分かりますか？」
菫色の瞳に涙が盛り上がる。 エスメラルダは小さく嗚咽を漏らすキャシーの体を抱き締めると、優しく背中を撫ぜた。
「船はこちらで用意します。船の扱いに長けた人で、私の意見に賛同して船を出してくれるって言う人がいるんです。けれど、私達には戦う術がないんです。戦える人が、いないんです」
「‥‥‥私が何とかするわ」
エスメラルダはそう言うと、唇をキツク噛み締めた。
＊
親愛なるジェイド君へ
この手紙が君の元へ届いている頃、僕は何処にいるのだろう
この世界にいるのか、それとも違う世界を旅しているのか、全ては風のみぞ知る、だね
君は昨日、どうして僕が悪に手を染めたのか、そう訊いたね？
昨夜ははぐらかしたけれど、君にだけ特別に教えてあげるよ
理由は簡単、世界が僕を裏切ったからだよ
僕は馬鹿だったんだ。 裏切られる直前まで、僕は世界を信じていた
僕は世界のために動き、世界もそんな僕を優しく包み込んでくれていた
本当は薄々は分かってた事だった。 けど、信じたくなかったんだ
それから最後に１つだけ‥‥‥
僕は悪に染まった気はないよ。 あくまで、僕が楽しいと思うことを追及しているだけだよ
それじゃぁ、もう二度と会うことはないと思うけれど、元気でね
クロード・フェイド・ペディキュロージア
＊ ＊ ＊
生ぬるい海風を受けながら、リルド・ラーケンは嫌な予感を感じていた。 周辺の海域に氷の粒を発生させて殺戮の女神を探しているものの、一向に見つかる気配はない。
「高度な魔法、か‥‥‥」
「何か引っかかる事でもあるのか？」
やや高い声に視線を落とせば、湖泉・遼介が黒い目をこちらに向けていた。青色の短い髪が風に揺れ、長めの前髪が睫を擦るたびに目を細めている。
「いや、ちょっとな」
「リルドさん、遼介、こっちに来てください！」
風に流されながらもなんとか届いた声を頼りに、蒼柳・凪の元へ向かう。 高い波に煽られて揺れる小さな商船の上では、なかなかバランスが取り辛い。
「先ほどの話をもう一度していただけますか？」
凪に促され、丸椅子に座っていた初老の男がノロノロと頷くと目を細める。 何かを思い出しているらしい横顔には翳りが浮かんでおり、口はもごもごと微かに動くものの声はなかなか出てこない。
「私は、殺戮の女神の襲撃を受けた船を見た事があるんだ」
長い沈黙の後で重々しくそう言った男性は２，３度頭を振ると溜息をついた。
「それは酷い有様だった。一面血の海でな、それはもう、惨たらしい有様だった。 殺戮の女神に襲われた場合、誰一人として生きてはいない、それは知っていたんだが、それでも諦められなかった」
一人一人息を確かめながら歩き、船内も確認した。やはり誰も生きてはいない、すぐに港に戻って応援を呼ばなくては、そう思って甲板に出た時、一人の少年が寂しそうに立っていた。
「驚くほど美しい少年だった。金色の髪に、赤い瞳、私は天使が現れたのかと思った‥‥‥」
無残な死を遂げた人々の魂を優しく抱いて天に連れて行ってくれるのだろうか？ そんな疑問を浮かべながら立ち尽くしていると、少年は一粒の涙を零し、何かを呟いた。そして、はっと顔を上げるとこちらを振り返った。
「少年は私と目を合わせると、先ほどまでの表情が幻だったかのように鋭く残酷な雰囲気を身に纏い、私に一言言葉をかけた」
「なんて言ったんだ？」
「“力は使い方次第だ、悲劇を起こそうと喜劇を起こそうと、全ては使い方次第”」
「そしてそう言った後、そいつはどこへ？」
「すっと消えたよ」
金色の髪、赤い瞳、驚くほど美しい少年、彼が残したと言う言葉 ―――
――― いかにも“アイツ”が言いそうな台詞だ
クロード・フェイド・ペディキュロージア ――― 天使のような外見の中に強大な魔力を秘めている男 ―――
「リルドさん、これは‥‥‥」
「あぁ、俺の勘が外れてなきゃ、アイツで間違いないな。 アイツなら、大型船に魔法をかけるくらい朝飯前だろ」
「その子が涙を零しながら何を呟いたのかは聞こえなかったんですか？」
遼介の言葉に、男性が灰色の瞳を宙に向けると眉根を寄せた。
「確か‥‥‥“でも、僕には死すらないんだ”と言っていた気がするよ。もっと長い事を言っていたけれど、聞こえなかったね」
“死すらない”とはどう言う事なのか？ もしかして、クロードは‥‥‥
考え込もうとした時、慌てたような声が船上を巡った。
「殺戮の女神が‥‥‥！！」
＊
人目を避けて竜化したリルドは、商船に向けて撃ち出される大砲を風魔法で撃ち落していた。１回大砲を撃った後に次の大砲を用意するまでに時間がかかるのか、攻撃頻度はさほど高くはない。
攻撃の合間に殺戮の女神の周囲だけ海面を凍らせる。 緩やかに凍った海面の中で身動きが出来なくなった船にすかさず雷を落とすが、船にダメージを与える事は出来ない。
再びの砲撃に、商船が四苦八苦しながらなんとか回避をしようとするが、大砲が落ちた際に出来る波によって右へ左へ船が大きく傾いている。
雷がきかないならばと砲門へ雷を纏って突進する。 船に入り込もうとした瞬間、リルドの全身を冷たい何かが包んだ。
――― やっぱり‥‥‥
全身を包んでいた雷が掻き消える。竜化を解いたリルドに襲い掛かってくる海賊を横目にスラリと剣を抜き、構える。 右から襲い掛かる相手を袈裟懸けに斬り、左から襲い掛かる相手に足払いをかけた後で斬る。
圧倒的な力の差を感じて後退する海賊をそのままに、砲の破壊を試みるが上手く行かない。 剣で斬りつけても、砲は硬い何かに包まれているかのように跳ね返されてしまう。
――― 船全体に魔法をかけてやがるのか？
そのくらい、アイツなら軽くやってのけるだろう。 そう難しいことではないと言いながら、こんなの僕の持ってる魔力の１％も使ってないよと肩を竦めながら。
グラリと船が揺れる。 凍らせていた海面がジワジワと溶け出し、殺戮の女神は再び動けるようになったらしい。
――― これもアイツの力なのか！？
「くそっ！！」
早く商船に帰らなくては危険だが、帰ったところで手立てはない。再び海面を凍らせても、また同じような事の繰り返しになるだけだ。
船全体には高度な魔法がかけられているらしい。 そう聞いておきながら、船を破壊しようとしたのが間違いだった。まずすべき事は、魔法をかけた主を見つけること、そしてその主が見つけられない、または勝つのが難しい相手であった場合、ブルックを倒さなくてはならない。
リルドは小さく舌打ちをすると、手近にいた海賊を捕まえた。
「クロードはどこにいる！？言え！」
海賊の怪訝な顔から何かを悟ることなく、リルドは彼の足元から徐々に凍らせていった。
「早く言わないと、氷漬になるぞ！？」
「そ、そんなこと言ったって、クロードって‥‥‥」
「君は本当に喧嘩っ早いね」
凛と澄んだ声にリルドは振り返った。 砲台の上に座っていたクロードがニッコリと微笑み、パチンと指を鳴らす。短い音が船内に響くのと、海賊の腰元まで侵食していた氷が解けるのは同時だった。
「クロード‥‥‥」
「僕がただの下っ端の前に姿を現すはずがないじゃないか。 クロードって言っただけじゃ、普通は通じないよ」
「どうしてブルックに力を貸した！？」
「力を貸したつもりなんて毛頭ないよ。貸し借りをするようなフレンドリーな関係は築いていないからね」
「じゃぁ、どうして‥‥‥！」
「彼が力を望んだからだよ」
反対側の砲台が火を吹く音が聞こえる。 早く商船の援護に向かわなくては、頭では分かっているものの、身体は目の前にいる少年の前から動こうとしない。
「彼が力を望み、その代償を払うと言ったから力を与えた」
「‥‥‥ブルックがどんなやつか、知ってるのか？」
「最初は知らなかったよ。僕は他人に興味を持つことは稀だからね。特に、僕の力を欲する者に興味はない」
「それなら、どうして‥‥‥！」
「どうして？ 何でそんな馬鹿げた質問をするのかな？ 僕は言ったよね、彼が力を望み、その代償を払うと言ったから力を与えた。これはね、完全な取引だよ、商売だよ」
残酷な笑顔は、それでも美しい。 透き通るような白い肌は皇かで、彫刻のように整った顔に浮かぶ表情は、例え悪魔のような笑顔でも、人々を魅了し惹きつけるだけの力があった。
「代償はなんなんだ？ これだけの術を施すだけの代償は、相当高いんだろう？」
「これだけの術って、リルド君は見る目がないな。 僕が術をかけたのは船だけだよ、船員まではかけてない。こんな簡単な術に法外な代償を要求したりはしないよ」
「答えろ、代償はなんなんだ！？」
「‥‥‥君に答えなくてはならない義務はないね」
一瞬頭に血が上る。 商船の上で初老の男性から聞いた、殺戮の女神に襲撃された後の甲板で会ったと言う少年、彼の涙、キャシーの必死の願い、惨たらしく死んで行った人々、目の前で薄い笑いを浮かべているクロード。 全ての事が頭の中で混ざり合い、論理的な思考能力を奪っていく。
振り下ろした剣を軽く避けたクロードが不満げに口を尖らせる。 その先に出る言葉は知っている。
「またそうやって剣を振り回す‥‥‥もっと平和的に話をしようよ。ね？」
「どうして船の上で涙を流した？ 死すらないって、どう言う事なんだ？」
「‥‥‥リルド君は、僕の事がそんなに気になるの？」
「あたりまえだっ！」
「でも、リルド・ラーケン。君に僕は見つけられない」
「なんだと！？」
「君だけじゃない。誰も僕を見つけることは出来ない」
誰も僕を見つけることは出来ない。 再度念を押すようにそう言った後で、クロードの姿がすぅっと透明になった。
「まだ話は終わってねぇ！ 代償ってなんなんだ！？何故船の上で‥‥‥死すらないって、どう言う事なんだ！？」
「君が真実を欲し探すのなら、いずれ真実は君の前に現れるだろう。 けれど、真実は自分から歩いては来ない。待っているだけでは、見つけられはしないんだよ」
グラリと大きく船が傾く。 慌てて地面に膝をつき顔を上げるが、その時には既にクロードの姿は幻のように消えていた。
＊ ＊ ＊
クロードが消えたのと時を同じくして、リルドの周囲の時間が止まった。 波は不自然な形のまま固まっており、風は雲を流す途中で止まっている。殺戮の女神だけではなく商船の時も止まっているらしく、必死の形相で応戦する凪と遼介の姿が見える。
海賊達のマネキンの中を進む。 コツコツと床を叩く靴音だけがやけに大きく響く。
船内は騒然としたまま凍りついており、リルドは苦戦しながら人々の間をすり抜けると一際大きく立派な扉の前で立ち止まった。
ノックなど必要はなく、いささか乱暴に扉を破る。 眩い光りが天井から室内を満遍なく照らしており、薄暗い船内に慣れていた目が悲鳴を上げる。
「どうやらあのお方は、俺とお前を会わせたかったらしいな」
「戦いの舞台を整えてくれたってわけか？」
「お前はあのお方の事をまだ理解していない」
「そっちこそ、随分クロードに敬意を払ってるみてぇじゃねぇか」
「お前、名はなんと言う？」
「普通人に名前を訊く場合は自分から名のらねぇか？」
「お前は俺の名前を知ってるんだろ？」
「‥‥‥リルド・ラーケン」
リルドよりも身長の高いブルックは、威圧的な雰囲気を纏ったままリルドを見下ろした。
「リルドか。‥‥‥お前は、何か信念を持っているか？」
「あんたは信念を持っていたから、あんな残虐な殺しをしたってのか？」
「お前は人を殺めた事はないと？」
「いや、お互い様な部分があることは否定しねぇ。ただ、俺には嬲り殺す趣味はねぇ」
「あのお方の折角の計らいに背く事は本位ではないが、お前と一寸剣を交えてみたい」
「叩き切ってやるよ」
「せいぜい自分の身を守るに徹するんだな」
「お前こそ、地獄のホテルに予約の電話は入れておいたか？」
雷を纏ったリルドを前に、ブルックが嬉しそうに目を細めると背中から大斧を取り出した。
力では敵わない事は分かっていたため、ブルックの太刀を受け流すと横にずれ、背後に回る。体重を乗せた大振りはブルックの背後をがら空きにしていたが、リルドが剣を振り下ろすよりもブルックの脚が跳ね上がるほうが速かった。
蹴りを交わすために空中で身をそらせ、部屋の隅に置かれていた机をなぎ倒す。
「なかなか身のこなしは軽やかなようだが、力が足りていないな」
「規格外サイズの自分を無理矢理標準にすんじゃねぇよ」
「お前は中途半端な人間だ。 情を捨てきれず、かと言って冷酷な部分が無いわけではない」
「あんたは情は捨てたってか？」
「俺は綺麗なものが好きなんだ。 特に人が死んでいく瞬間の刹那の美が‥‥‥」
「死んでいく瞬間にあるのは美なんかじゃねぇ」
「では、何があると？」
「‥‥‥何かがあるとでも思ってるのか？」
嘲笑うように吐き捨てた後で、一気に間合いを詰める。 ブルックの大斧が唸るのを聞きながら剣を振り下ろした瞬間、船が大きく左右に揺れた。
止まっていた時が動き出したかのように、一瞬にして静が動に変わる。 崩れそうになるバランスを取りながら、リルドはブルックを見上げた。
「代償はなんなんだ？」
「お前に教える義理はない」
冷たく言い放ったブルックが扉を顎でさすと大斧を背に戻した。
「じきにこの船は空へと旅立つ。お前を船員に加えるつもりはない、出て行くが良い」
「俺はまだ‥‥‥」
「ここらでの狩りは終わった。ここにはもう、用はない」
それでもまだ話しは終わっていないと剣を握りなおそうとした時、ブルックがリルドに向けて何かを放り投げた。小箱のようなそれを反射的に取った時、部屋の隅に冷たい瞳をしたクロードが立った。
「クロード‥‥‥」
「リルド君、そろそろ下船の時間だよ」
「まだ俺はブルックと‥‥‥」
「君はこのまま船に乗り続けることは出来ない。 強制的に放り出させてもらうよ」
リルドの身体がふわりと浮かび上がり、船室の天井を突き抜ける。 分からない事が多すぎて混乱する頭の中、ブルックの低い呟きが静かに響いた。
「その箱を、放すんじゃないぞ‥‥‥」
＊ ＊ ＊
殺戮の女神を取り逃したリルドだったが、ブルックの言葉どおりそれから一度もその界隈で殺戮の女神が出没する事は無かった。
彼らは他の海へと旅立ち、今までと変わらずに殺戮を繰り返しているのだろう。
強大な魔力を持つ魔術師のかけた魔法の船に乗って ―――――
＊
リルドはブルックから受け取った箱を開けると、中から数枚の紙の束を取り出した。
一枚はいつの時代の物とも知れない黄ばんだ手紙で、書いてある文字も古代文字らしく、リルドには読めなかった。もう一枚同じような黄ばんだノート片があったが、そちらも手紙と同じく何が書かれているのかは分からなかった。
三枚目は比較的新しい紙で、“親愛なるジェイド君へ”から始まる短い手紙だった。 リルドの勘が正しければ、古代文字の手紙を訳したのがコレなのだろう。
「これはいったい、どう言う事なんだ‥‥‥？」
世界をクロードを裏切った？ どう裏切ったんだ？ どうして裏切ったんだ‥‥‥？
混乱する頭を振り、四枚目の紙に目を通す。 こちらも先ほどの手紙と同様比較的新しい紙に書かれており、左上には“ジェイドの日記片”とあった。
ジェイドの日記片
望まざる力を持った彼は、可哀想な人だった
望まざる力が彼にもたらしたのは、悲しみと痛み、裏切り
彼の精神は次第に蝕まれていっているが、まだ今なら彼を引きとめることは出来るだろう
ただ、私は彼が辿ってきた人生をあまりにも知らなさ過ぎる
私は、彼が歩んで来た道を探すべく、旅に出ようと思う
その先で何が見つかるのかは、分からないが‥‥‥
――― ジェイドって誰なんだ？ クロードの過去に何があった？ どうしてブルックはこの箱を俺に渡した？
ブルックがクロードに払った代償、何故ブルックはあれほどまで残酷なやり方をしたのか、クロードが船の上で流した涙、死すらないと言う言葉の意味、ブルックと会う時間をわざわざ与えたクロードの意図、全ては分からない事だらけだった。
けれど１つだけ確かなことは ―――――
「リンク・エルフィア‥‥‥」
クロードの手紙とジェイドの日記を訳したのが、あの少年だと言う事だけだった。
END
◇★◇★◇★ 登場人物 ★◇★◇★◇
【整理番号 ／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業】
3544 / リルド・ラーケン / 男性 / 19歳 / 冒険者
2303 / 蒼柳・凪 / 男性 / 15歳 / 舞術師
1856 / 湖泉・遼介 / 男性 / 15歳 / ヴィジョン使い・武道家
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