<聖獣界ソーン・PCゲームノベル>


【炎舞ノ抄 -抄ノ伍-】糸を解く

 着物姿の御方を、よくお見かけするようになった気がします。
 白山羊亭に勤めている今も、そう。…今日はお客様の中にもいらっしゃいました。
 先程注文を取らせて頂いた、お若い男女の御二方です。

 …少しして、義弟が来店している事に気が付きました。松浪心語。わたくしの大切な義弟です。その義弟が――先程のお若い男女の御二方と同じ席に着いて何事か話し込んでいます。御二人が心語のお知り合いなのだとしたら、お邪魔にならないだろうタイミングで、わたくしも御挨拶の一つくらいしておきたいとも思いますが…何にしろ、来てくれたのですから勿論、まずは心語と言葉を交わしたいとは思います。心語の注文は、まだですから…注文を取る形で声をかけても、いいかとは思います。
 お話のお邪魔にならなければ、いいのですけれど。思いながら、テーブルに向かいます。

「いらっしゃいませ」
 心語。
「…兄上」
「はい。…今日は同席の方がいらっしゃるんですね」
 言いながらも、わたくしは同席してらっしゃる御二人にも丁寧に会釈をしておきます。
「注文は決まりましたか」
「注文の方は…その、まだ、なのだが、兄上に少し話が」
「?」



「秋白様に関わるお話しなのでしたら、わたくしも是非、同席させては頂けませんか」

「…ああ。いや、そりゃ構いやせんが…」
「有難う御座います。舞様の方は…」
「っと…勿論構いません。秋白って子に何度も関わってるのなら、むしろこっちからお願いしたいくらいですし」
「そう言って頂けると。…ああでは、ひとまず店の方に断りを入れて参ります」

 心語に御二人の――夜霧慎十郎様と舞様の事を紹介して貰い、御二人にわたくしの事を紹介して貰ってからの事。心語がわたくしに話を求めた理由を聞き、わたくしは驚きました。
 秋白様の事だと、言うので。
 知らされた時点で、心が逸ります。秋白様――時折、偶然にしか会えない御方。…この御二人が着物姿であったのは偶然ではなく、同郷の――関わりのある方であったとは。…それも、あの朱夏様まで。
 勿論、給仕のお仕事も重要ですが、それについてはきちんとお断りを入れれば、どなたかに代わりをして頂けもします。ですが秋白様の事は――そうは行きません。
 ですから、お店にはご不便をおかけ致しますが、ここは秋白様を優先させて頂きます。バックヤードに戻り、少しお仕事を離れる旨をお伝えしてから、心語たちの待つテーブルへと戻り、改めて同席させて頂きます。

「秋白様の事でお知りになりたい事があるならば、わたくしで知る範囲ならば全てお伝えできます。朱夏様とお話しするに当たっても、わたくしでお役に立てる事があるのなら、できる限りの事は致します。…ですがその前に…御二人と秋白様の御関係や…これまでの経緯など、聞かせてはもらえませんか」

 そう頼んだら、心語も同意するように頷いていました。御二人の方は…一度躊躇うようにして、顔を見合わせています。
 何か、話し難い事があるのでしょうか。

「…秋白って子との関係って言われても、その子についてはあたしたちは名前しか知らない感じなんですよね」
「ええ。秋白については…おれたちにしてみりゃ、何者であるのかが知りたい相手、になりやすか」

 まず、御二人の目的は、天災に近い魔物のような何か――獄炎の魔性と化して出奔してしまった佐々木龍樹と言う御方を、元に戻して自分たちの元に連れ戻す事。その為に、龍樹様の剣の師匠で親代わりのような存在になる風間蓮聖と言う御方の力を借りてこのソーンに来訪したのだと仰いました。
 そして、今の龍樹様の――獄炎の魔性の現れる先で、現れる前後に何かしらの痕跡を見せているのが、秋白様なのだそうです。ですから、御二人はその秋白様なら、龍樹様が獄炎の魔性として出奔した理由について何か知っているかもしれない、と考えたのだとか。
 ソーン来訪前の御二人と龍樹様との関係は、御身内のようなものだと仰いました。…言葉や態度の端々から、御二人にとって、とても大切な御方なのだろうともお見受けします。
 また、慎十郎様が術の為の道具を作り、舞様が使う事で元々『獄炎の魔性』の封印を手がけていたのだとも聞かせて頂きました。

「…あれを、封印していただと…?」
「…。…おい。…ひょっとして、あんたも直に龍樹に遇ったのか?」

 慎十郎様が目敏く気付きました。
 わたくしに伺いを立てるように、心語の目配せがわたくしに届きます…わたくしは小さく頷きます。
 それから、心語は慎十郎様に答えました。

「ああ。先日…戦った。ここ聖都に来る旅の途中でな」

 …その話を心語から初めて聞いた時には、心臓が止まるかと思いました。ですが詳しく顛末を聞くにつれ、疑問もまた大きくなりました。
 心語には、「人」と言うより「現象」と感じられた事。突き詰めれば、心語の操る『気』の力自体と同じものではとさえ感じた事。けれど話を解する人格は確かにあった…との事。慎十郎様の事を話し、揺らいだ事。わたくしが秋白様を信じていると話した事。…それで却って、揺らいでいた相手の躊躇いが消えた事。『済まないな、応えられない』…何処にかかる返答かはわかりかねたが、そう伝えられた事。
 そんな相手と、大切な心語が対峙した事自体。一つ一つが、私の心には刺さる話です。

「…そう。最後…意識が飛んで、殺された…と思ったのだが、何故か俺はその後に目が覚めてな。付けられた致命傷どころか…『爆闘気』――その時駆使した『気』の中でも特に消耗する技なのだが――を使った事での『代償』すら、どうやらその龍樹に回復されていた節がある」

 それが、わたくしも疑問に思った事でした。元通りに回復したのなら、その事実については何よりではありますが…その状況で何故そういう事になるのかは、心語もわたくしも、全くわかりませんでしたから。

「真っ当な方法で…回復できるような『代償』じゃない。…だがその分の消耗は…目覚めたその時の俺の身には…もう無かった。あの場で…それが可能な力と考えたら…並の理屈が通りそうにない、あの…獄炎の魔性の力しか考えられなかった」
「…『今』の龍樹さんが、そんな事を?」
「やる、とは到底思えなかったのだが…あの場で「可能な力」と考えると、それしかなかった」
「…ありゃあ、壊すだけの力じゃねぇ、って事か」
「少なくとも…俺にはそう思えた。…ただ、あれの場合は…あまりにも桁が違う力だとも思えたが。…だからこそ、あれを封印していたとなると…凄い、と思う」
「えっと…多分、心語さんが想像されているのとは意味がちょっと違うと思います。…あたしたちの言う龍樹さんの封印は、そもそもが力尽くでする封印じゃないんですよ。龍樹さん自身で魔性を御する為に使う術具を、あたしたちが作ってた、って感じです」
「で、今はその辺の事ァ…奴はてめぇで全部振り切っちまってるみてぇでして。現に今も封印の術具、着けっぱなしでいるみてぇですしね。元々封じてた力があるたァ言え、こうなっちまやァあんまり期待ァできやせんよ」
「でもそれがあったから蓮聖様があたしたちをソーンに連れて来てくれた訳でもあるんで、諦めるつもりもないですけど」

 蓮聖様。その名前もまた、重要なところにあるようです。どうやら龍樹様の師匠で親代わりと言う前に、朱夏様のお父上…に当たるのだと伺いました。そして慎十郎様と舞様にすれば龍樹様と出会う前の事になるとの事ですが――朱夏様は元々、龍樹様の許婚だったそうで。剣の方でも、龍樹様とは兄弟弟子だったそうです。
 …わたくしには舞様も…ひょっとすると慎十郎様も龍樹様に想いを寄せてらっしゃるようにお見受けするのですが…少し、引っかかります。

 いえ。それより今は――この蓮聖様が、秋白様の存在に何かしらの御心当たりがあるようだとも知らされて、そちらの方がわたくしは先に気になっていました。

「でも、はっきり「知り合い」って感じじゃないんですよね」
「蓮聖様にゃ、どうも思わせ振りな態度取られてる感じがしましてね。何つぅか、秋白当人が知り合いっつぅんじゃなく、「そういう奴が現れる心当たり」が前からあって、現に姿を見せたのが秋白って名前のガキだった…って後から当て嵌めたみてぇな節もありやす」

 …当の蓮聖様からは、あまりはっきりとしたお話を伺う事ができないようです。
 朱夏様についてのお話も、まだ続きがありました。…朱夏様は本来、故郷世界では亡くなってらっしゃる…どころか魂ごと喪われている筈の存在なのだそうです。
 話が前後したのは、御二人にとっては話し難かったから、なのかもしれません。…自分たちが想い人に出会う前の、既に亡くなっている筈の…想い人の許婚。ならば複雑な想いを抱いてしまうのも仕方が無いかもしれませんから。

「…それは…具象心霊、とは違うのか?」

 心語のその素朴な疑問は、わたくしの疑問とも重なりました。…ソーンでは、故郷の世界で亡くなった方の魂が、聖獣に導かれてここで具象心霊として生きている事もおありです。朱夏様もそれなのではないかとは、一番初めに可能性として考えられます。
 ですが、御二人の方で「魂まで喪われている」と言い切られる以上は…どうなのでしょう。
 御二人はまた、顔を見合わせています。

「…そう、とは考え難いんですよね。色々と訳はあるんですが…『今』の朱夏さんがここに居るのは、考えれば考える程、何かがおかしくて…父親の蓮聖様ですら計りかねているみたいで。ここがソーンだからこその理屈で計れない不思議…であるだけならいいんですが、そうとも限らないから」
「…ええ。つまりァ、秋白だけじゃなく朱夏についてもそもそもよくわかんねぇって次第でして。ただ朱夏の場合は…一応こっちに力貸しちゃくれる立ち位置にァ居ますが。ただ厄介なのは、龍樹が『今の』獄炎の魔性と化した引き金が、『今の』その朱夏…ってところがあるみてぇでして」

 曰く、『今の』この朱夏様が、ソーン世界で生活していた龍樹様の元に訪れ顔を見せたその時に、龍樹様が獄炎の魔性と化して出奔された、のだそうです。
 その時何があったかについては、慎十郎様も舞様も、朱夏様から既にお聞きになられているそうです。…本当にただ訪れて顔を見せただけで、一言も言葉を交わさない内に起きた出来事だったのだと。何故そうなったのかは朱夏様御自身にもわからなかったそうです。
 ですが、朱夏様も龍樹様を連れ戻したいのは御二人と同じであるそうで…その件がある為に、今の龍樹様の状態は自分のせいかもしれない、と責任を感じてらっしゃる様子もおありなのだとか。
 わたくしの知る限り、ここで働いている朱夏様はそんな影のある様子は見せていません。抱え込んでしまっているのかもしれない。と少し心配にもなります。

「…まとめると…朱夏が引き金で龍樹が獄炎の魔性と化し出奔、その龍樹が現れる先で、秋白の姿が見え隠れしている…と、言う事か」

 御二人の知る、はっきりしている事柄だけを言うなら、そうなるのでしょう。

「蓮聖様…と言う御方が、秋白様に心当たりがおありのようなのですね…秋白様も、ずっとどなたかの事を心に留め置いているようではありましたが…その、蓮聖様の事なのかもしれませんね」

 直接お名前を出す事はありませんでしたが、と続けます。お会いした時に、秋白様が、わたくしに話して下さった事。ずっと心に留め置いている、恨み事の一つも言いたいと言う、相手。

 参考になるかはわかりませんがと前置いて、今度は御二人にわたくしの知る秋白様の事をお話しする事にしました。秋白様の事――聖都に程近い丘で、寂しげな様子でたった一人でいらっしゃった事。何か、お辛い事があるように見えた事。生命について問われた事。その問いの、秋白様なりの答えも聞かせて貰った事。
 恨み事が言いたい相手は、自分の『位置』を奪った相手。返して貰える当てがない事もわかっているけれど、文句の一つも言いたいと。その為にここに来て、恐らくは…悲しい方法を取って動いてらっしゃるのだと。わたくしにはそう受け取れる言い方で、秋白様は、そう、仰っていました。
 今の自分は一人じゃなくて全てだとも言っていた事。…そして、その言葉を証明するように、様々な事を見通しているような、一段上から俯瞰して物事を見ているような、余人には計り難い言動を取っていた事。不思議な力を持ってもいた事。掻き消えるように居なくなってしまったり、何処からともなく現れたり。
 わたくしと言葉を交わす中、安らぎを見せて下さった事もあって。自分の『位置』を新たにここに作ればと提案したら、途惑いながらもとても嬉しそうでいて下さって。

「…やめてもいいかもしれない、と。そうも仰っていました」

 何を「止めてもいい」のかまでは、わたくしの理解できる形では聞かせて頂いてはいません。ですが、今ここで話を聞いた今…慎十郎様や舞様の憂い事、龍樹様に関わる事なのかもしれない、と思えました。

「てぇ事は『やめる』以前に…その秋白が『何か仕掛けた』結果、龍樹や蓮聖様がああなったのかもしれねぇってぇ事かもしれやせんね」
「その前に。秋白様の方でも譲れない事情がおありのようでした。…元の世界での『位置』が奪われ、押し付けられた事の意趣返し…だと。そう説明しては頂けたのですが、残念ながらわたくしではわかりかねる内容のお話でした」
「…。…朱夏さんも、秋白って子が何かしたから、今ここに居る、って事、あるかな」
「…そうかもしれねぇ、そうじゃないかもしれねぇ。ただ、確かめてみる価値ァある話だ」

 そろそろ、いいですかい。そう纏めて、慎十郎様はバックヤードの方へと目を向けました。…ちょうど朱夏様がお店のバックヤードから出て来るところでした。心語もそちらを見ていたようで、わたくしを見、視線で問いかけて来ます。…あれが話に出た朱夏様なのか、と言う事でしょう。
 わたくしは、頷きました。



「…秋白、ですか?」
「ああ。お前の方に何か違った心当たりがねぇか…確かめたくてな」
「うん。秋白って子については…知ってるよね、前に白山羊亭であった依頼の時にその名が出て来てるし」

 朱夏様を呼び止めて、慎十郎様と舞様は今日ここに来た本題…である話を始めました。『朱夏様に、秋白様の事を訊いてみる』――そうするに当たり、話が偏らないよう第三者に同席して欲しい。そんな理由で心語が御二人に同席を求められ、秋白様と何度も会っているわたくしの事が心語から御二人に伝えられた、と言う事の次第だったようです。
 まずはお話のお邪魔にならないよう、心語共々、口を挟まずに御三方の話をじっくりと聞かせて頂く事にしました。

「…父上様ではなく私に聞くのですね」
「おれらの方じゃそんだけ手詰まりだって事だよ。蓮聖様ァ…時を追う毎に話してくれるようになって来ちゃあいるが、その分、こっちに何を言う前に手前で動いちまってる節があンだろ」
「わかります。…近頃、姿すら見せて下さいませんし」
「…朱夏さんにも会いに来てないんだ」
「…はい」
「…あたしたち避けてるだけならまだわかるけどそれどうなんだろ」
「今は、もっと大切な事が、おありなのだと思います。…きっと、秋白と言う御方の事もその一つ」
「龍樹じゃ、なくてか」
「同じ事に、繋がるかと」
「それを言うなら『お前も』じゃねぇのか」
「…」
「龍樹の事、秋白の事、お前の事。『同じ事に繋がる』っつぅ言い方をするんなら、お前の事も分けられねぇと思うがね。こう言っちゃなんだが、お前が今ここでこうやってるだけの事も『わからねぇ事』で括れる中にあるんだぜ」
「…」
「『秋白』って名前についても気が付いているよね。あなたの名前との繋がりが、連想できるって事」
「父上様は、秋白について私に何も話してくれてはいませんよ」

 聞いていて、少し、気になる事がありました。

「…。…何か思うところがあるなら、一人で抱え込まない方がいい」

 同じように思ったのか、わたくしより先に心語の声が響きます。…「自分たちだけでは話が偏る」。御二人がそう仰っていたのが何故か、わかった気がしました。
 それは…同じ目的を持つ、身が近しい方であるのだろうやり取りには聞こえます。朱夏様の事を、本気で気遣ってらっしゃるようにも聞こえます。でも同時に、追い詰めてしまっているようにも聞こえます。朱夏様の方でも…御二人に真摯に応えようとしていながらも、話の核心についてはさりげなく逸らしている様子があります。
 何か、お互いの様子を探り合っている風にも感じました。どうにも、微妙にぎこちない関係になっているとお見受けします。…先程わたくしが思った通りなのかもしれません。御三方の間で複雑な想いが絡んでいるからこそ、そうなってしまうのやも。

「朱夏様も、何か、お辛い思いをなさってはいませんか」

 朱夏様を見つめ、己の目に意識を集中して微笑みかける事にも努めます。わたくしの目に宿る『友愛の瞳』の力も、使う事を考えました。朱夏様の御心を、少しでも解して差し上げたいと思いましたので。
 すると朱夏様は、たった今わたくしがここに居る事に気が付いたと言うように、わたくしを見ました。

「静四郎様。…そういえば、どうして舞さんたちと…?」
「秋白様に関わる話であると伺ったので、先程、無理を言って同席を求めました。朱夏様には…いきなり踏み込んだ話に関わる事になってしまい、大変恐縮なのですが」
「…静四郎様は、秋白…と言う御方を御存知だったのですか」
「何度か、関わる事がありました。…聖都に程近い丘で。できる事なら心安らかでいて欲しい、御方です」
「…。…貴方、だったのですね」

 内心で首を傾げます。
 不意に、朱夏様の様子が変わっていました。『友愛の瞳』の効果もあったのかどうかまではよくわかりませんでしたが、わたくしの話を聞いて軽く驚いてから、ほっと安堵したような、そんな風に見えました。
 そうだったのですね、と何かに得心したような言葉も続けていました。…ですが、これも何処にかかる言葉なのかが、いまいち判然としません。
 何に得心されたのか、訊いてみる事にしました。わたくしだけではなく、慎十郎様も朱夏様に何か仰ろうとしていました――が。
 …わたくしどもが話すより先に、朱夏様の、声がしました。

「貴方が、秋白と言う御方の御心を解いて下さっていたのですね。よかった、やっとわかりました」

 …何処か、不穏さを感じさせる声音に聞こえました。

「あの揺らぎが、謀でないのなら――もう、堪えはしません。…きっと、大変な御面倒をおかけしてしまう事になるかと思いますが――私は『私』に戻ります」

 そう言うと、朱夏様は。
 微笑まれました。
 …どうぞ、よしなに、と何かを託されたような気がしました。

 少なくともその時のわたくしには、そう感じられました。ですが――すぐ、朱夏様の微笑みは、揺らめき燃え盛る朱金の炎に隠されてしまいました。何が起きたのかわかりませんでした。少し間を置いて、朱夏様の纏うコートが炎の翼と化し、朱夏様御自身からも炎めいた光が揺らめくように立ち上っていたのだと、気が付きました。
 朱夏様が纏うその光自体に、凄まじい圧があるのも、すぐに、わかりました。

 まるで、灼熱の炎の化身のように、見えました。



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 登場人物紹介
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■視点PC
 ■2377/松浪・静四郎(まつなみ・せいしろう)
 男/28歳(実年齢41歳)/放浪の癒し手

■同時描写PC
 ■3434/松浪・心語(まつなみ・しんご)
 男/13歳(実年齢25歳)/傭兵

■NPC
 ■夜霧・慎十郎
 ■舞

 ■朱夏

(名前のみ)
 ■秋白

 ■佐々木・龍樹
 ■風間・蓮聖