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『裏罠愚出斗（りびんぐでっと）』
------＜オープニング＞----------------------------------------------------------
バブルが弾け、日本経済は混迷の一途を辿っている。
そんな時代の波を受けて潰れてしまった梶野病院は豪華ホテル並の設備がウリと言う成金趣
味な病院であった。
だが、世間に言われる直接の原因とは別に、異様に多い医療事故や医者・看護婦が定着しな
い為、病院として成り立たなくなってしまい潰れてしまったと、まことしやかに囁かれている。
かつての絢爛な建物も手入れする者も無く、風雨に晒され、雑草の伸びるに任せた結果、廃
墟と化してしまっていた。
そんな病院に入っていく人影が２６。
暴走族『裏罠愚出斗（りびんぐでっと）』の者達であった。
「おっ、ここすっげーよ。俺達のアジトにしようぜ」
そう言って宴会の準備を始める面々。そんな彼等の周りをうっすらと白い霧が取り巻き始め
ていた。
………そして、忘れ去られた場所に響く絶叫。
とぼとぼと警察署を出てくる少女。リーダー城島雄吾の妹の奈月だった。
十日前から帰らない兄を心配して警察に来たのだが、札付きの悪である雄吾達はどうせその
辺で遊んでいると決め付けられ、門前払いされたのだ。
正門を出た奈月は走って銀行に行くと、預金を解約する。
そして、真っ直ぐある場所に向かっていた。
『草間興信所』
お金の入った封筒を握り締めながら、震える手でドアを開いた。
----＜不知火響の場合＞----------------------------------------------------------
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥暇ね。
今日に限ってサボりの生徒も怪我も病気もありゃしない。まあ、保健室が暇なのはいい事な
んだろうけど、養護教諭にとっては程度問題よね。
ここの生徒はいろんな関係がいいのか、保健室登校は無いのよね。
ま、それはいい事だけど。
あ、断っとくけど私、不知火響（しらぬい ひびき）に人望が無いって訳じゃないのよ。結
構慕われてるんだから。
んーーーーー。
雨宮くんでも来ないかしら。彼って、なんて言うかこう‥‥‥格好良いのよね。美味しそうって言うか。って、何考えてるのかしら私ったら。
でも彼のイメージ沸いたからちょうど良いかも。ワンオラクルで彼の事占っちゃおっかな。
愛用のアルバノウエイトタロットを取り出すと、シャッフルし始める響。
背の純白が眩しい。図柄のビビットな色彩がインスピレーションを刺激するこのアルバノウ
エイトタロットを愛用し始めたのはいつの頃だったろう。
彼女が一番初めにこのカードに出会ったのは、たぶん生まれてすぐ。
それより前には家にあったと言う話だから、そのカードは二十八年より前に買われたのは間
違いない。
その物も残ってはいるが、どう丁寧にシャッフルしたところでやはり摩擦は避けられない。
大事な物なのできちんとしまってあるのだ。
それはさて置き。ワンオラクルのスプレッドは一枚なので、捲られたカード１枚でリーディ
ングと言う事になる。
「戦車の逆位置‥‥‥見かけによらず、熱くなる子だからなあ。ちょっと心配かな」
何か不吉な予感を感じた響は放課後になっていることもあって、急いで学校を後にする。
車に乗り込もうとしたその時、携帯電話が鳴る。
着信を告げるメロディーと画面に映し出された名前を見て、口元に微笑を浮かべる響。
「もしもし」
『俺だ。用件は何と無く判ってるだろ？』
「もしかして、雨宮くんの事？」
電話の向うで男の含み笑いが聞こえる。
『あの家に一つ借りになってしまったが、ある事件の保険に坊ちゃんに仕事を依頼させて貰っ
たよ』
「私は保険の保険？」
『まあ、そんなところだ。未成年だから保護者もいるだろう』
電話を一度切ると、今度は響がどこかに電話を掛けていた。画面には権藤と出ている。
『もしもし。あ、アンタか』
「ちょっと調べて欲しい事があるのよ」
電話の向うの人物は権藤と言う名前の情報屋。普段は池袋あたりで浮浪者をやっている人物
だ。族がアジトに出来るような廃病院を探している事。そしてその大体の場所などを告げる。
『ＯＫ、１０分程待ってくれ』
待っている間、車に乗り込んで助手席を倒して雨宮くんの受けている依頼について占ってみ
るにする。今回はギリシャ十字と呼ばれるスプレッドでやってみよう。
順番に<現在><展開予想><障害><対策><結果>。
そして、捲られたのは、棒の騎士(逆)、剣の10(正)、棒の10(逆)、法王(正)、死神(正)。
棒の騎士が意味するのは若い男、暴走しそうな‥‥‥剣の10は現実的な損失を伴う大きな痛
み‥‥‥棒の10は手に余る現状や困難‥‥‥法王は誰かの援助あり‥‥‥‥‥‥そして、結果
を示すカードは、死神。
意味する物は‥‥‥依頼の失敗と雨宮薫の死。
愕然とする響の携帯電話が鳴る。すぐに取ると権藤であった。
『さっきの件だけど判ったよ。だが、悪い事は言わない。手を引いたほうがいい。あの病院は
立てる時に小さな神社を壊して建てているんだが、その神社は神を祭る為ではなく、霊を鎮め
る為の物だったらしいんだ。その人物の名は判らないが、呪術専門の妖術師だったらしい』
「‥‥‥ありがと」
そう言って切ると、対策についてもう少し詳しく占う事にした。今度はフリーオラクルで。
<私の成すべき事><巧く対策を利用する鍵><最大限に対策を生かせた場合の結果>。
捲られたのは棒の８(正)、聖杯の３(正)、悪魔(逆)。
意味は順番に、スピードや速さ、仲間や友人との協力‥‥‥悪魔は、解放かな。私のインス
ピレーションはそう言ってる。急げば何とかなる！
なんて言うか‥‥‥止めて聞く子なら良かったんだけど。
梶野病院に至る道を走っていると、何者かと争う若者‥‥‥雨宮薫の姿があった。
「お願い、間に合って！！」
先程のカードの結果が頭にちらつく。その場に間に合いさえすれば、絶対に運命は良い方に
流れる！ そう念じつつ走って行くと、雨宮薫は生きていた。
何とか、間に合ったのだろうか。戦闘用のジルコニアファインセラミックに焼いたカードと、ケプラーの防刃手袋をはめて外に飛び出す。
「雨宮くんっっ！！」
「くそっ、逃がしたか！？」
どうやら、間に合ったらしい。もし‥‥‥間に合わなかったら、結果はカードの示す通りに
なっていたのであろうか。
「生きてるわね、青年」
「‥‥‥あんたか。で、何の用だ？」
大きく息を吐きながら首を振る響。まあ、カードの結果って言ったってこの子にはねえ。
「何の用、とは御挨拶ね。こんなに広い病院を調べる依頼だから、手伝ってあげようと思って
来たんじゃない。それに、そんな綺麗な顔傷つけるのは犯罪行為だしね。生徒の行動には責任
持たなくちゃ♪」
軽い頭痛を覚えて雨宮はこめかみを押さえる。
「さっきの見ての通り、かなり厄介な依頼だ。正直帰ったほうがいいと思う」
「なぁに馬鹿言ってるのよ。さて、中に入りましょうか。あ、そうそう。私もここの事調べて
見たんだけどね。多分ここの親玉は呪術専門の妖術師みたいよ」
‥‥‥先程までとは違って、敵意丸出しの波動が二人を襲う。
恐らく、先に入った依頼人と共に来た一団は依頼人の危険を考えて残していったのだろうが、
そもそもここまで連れてきた事が間違いだったのかもしれない。
「急ごう。依頼人の命が危ない」
あなたの命も危なかったんだけどね。何とか、先に依頼受けた人たちと合流しないと。
そう言って二人は病院の中に歩を進めて行く。痛いほどの敵意がどんどんどんどん大きくなって‥‥‥爆発した！
「お待ちかねって訳か！？」
もしかすると、敵はどうあっても合流を阻止する心積もりなのか。で、あるならここを突破
しなければ結局運命から逃れられないのかもしれない。
ズルッ‥‥‥ズルズルッッ‥‥‥。
敵意の正体は病院の庭内に配置された動物の石像。動くはずのないそれが、石の摩擦の音を
響かせ二人に迫ってくる。
「どうやら囲まれたわね」
「是非も無い。前に進むだけだ！」
だが、石像相手では響はやや分が悪かった。いかにジルコニアファインセラミックの切れ味
が鋭かろうと、石を一撃で無力化するほどの力は無い。後一つの武器である鞭では、動きを止
めるのがせいぜいだ。
だが‥‥‥。
頭上の枝に鞭を巻きつかせ、飛び上がって反動に任せてのドロップキーック！ これには堪
らず石像も倒れこむ。動きの止まった所で、雨宮が石像のひび割れに退魔刀を差し込んで除霊
を行使する。この二人で仕事をするのが初めてであるならともかく、結構場数は踏んでいた。
そのコンビネーションは見事な物で、ついに包囲網を突破する！
そして、その時だった。かなりの派手な音が前方の非常口の方から聞こえてきたのは。
うん、近いわねっ。そう思ったその時だった！
鎖で封鎖された正面入り口を無理やりに突き破ってきた暴走族風の男が８人飛び出してきた。ここで足止めされては先程の石像達とこの男達に挟み撃ちにされてしまう！
「結構な危機ってかんじかしら？」
「そうみたいだな。けれど、依頼された仕事は成し遂げる！」
正気を失った男たちが白目を剥いて襲い掛かってくる！ その様子を見る内、何かに気づい
た‥‥‥もしかして！？
祓いの法を行使しようとする雨宮の手を押さえて、一点を指差す響。
「間違いない。石像も男達も常に一人を守るように後ろに下げて行動してる！」
そう言う事であれば何はともあれそいつを無力化してみれば良いと言う話だ。雨宮と微笑み
合うと、言葉を交わす事無く響は男達に、雨宮は石像に向かった。
人間という物は意外に脆い物で、両方の足の親指を攻撃されると、途端に歩行出来なくなる。
響の持つカードの威力であれば、半月板を切り裂く事も可能であった。
霊に囚われて正気を失っている痛覚に訴える攻撃や出血させる攻撃はあまり意味が無い筈だ
が、体の機能自体を破壊する攻撃であれば十分威力を発する事が出来る。
足止めを恐れていたが、ターゲットが一人であればそう難しくも無い！！
守られていた男を無力化した瞬間、全員の体が力を失ってばたばたと倒れていった。それは
石像の方にしても同じだったようで、振り向くとそこに立っている石像の姿は無くなっている。
「急ぐぞ！」
そしてついに、前を行く者達の姿が飛び込んできた！
瞬間、カードケースに手を伸ばした響は何枚かのカードをそれに向かって投げ付けた！
生暖かい血がそれから溢れ出た。少女の首を締めていた手は皮を一枚を残してぶら下がって
いる。二人の到着に狼狽したのか、そこで争っていた黒い影は逃げ出し、憑依していた霊はそ
こにいた陰陽師によって除霊されていた。
「天宮か‥‥‥」
中にいた陰陽師が呟き、その男と視線がかち合う。
陰陽師が総て知り合いと言う訳ではないのだが、同じ東京で活動していれば嫌でも顔を付き
合わせる機会も数多くあった。そんな訳で雨宮と行動を共にしていた響の事も見知っている。
「興信所からの依頼で来た。悪いが休んでる暇は無い。詳細は歩きながら話す！」
早歩きで中に入っていく雨宮に戸惑いを覚える。
いつものヤツであればこんなに熱くなることもないだろう。
「ち、ちょっとまってよ！」
苦しげに声を絞り出す月下に優しく寄り添って、ポケットから喉飴をとりだす。
「余裕が出来たら、舐めとくと楽になるわよ」
「あ、ありがと‥‥‥」
響の優しげな瞳に思わず照れてしまう月下。だが、和んでいる暇は無い。
月下の事はとりあえず響に任せ、百合子は雨宮に駆け寄っていく。
「休んでる暇は無いって、なにかあったの？ 確かに雄吾さんのところには早く行かないとい
けないかもしれないけど」
無論、死んでいる可能性があるのも判っているが、言葉にするのは嫌な感じがする。
「依頼人が攫われた。だから、急ぐんだ！」
移動の最中に響が告げた情報で敵の正体が妖術師である事を知る一行。そして病院内を捜索
する中で、殆どの場所を見回ってしまった‥‥‥はずなのだが、どうしても、妖術師の憑依し
た城島雄吾を見つける事が出来ない。
「あのさ‥‥‥さっき歩いてて思ったんだけど。院長室って無くない？」
月下の言葉に一行は玄関近くの院内案内図前まで戻ってきていた。
「あれっ！ 通ったはずなのに‥‥‥」
思わず百合子は声を上げる。どうやら、通ったはずのところなのだが。ナースステーション
から霊安室までドアを開けてくまなく調べ、見落としているなんて事は考えられない筈なのに。
「やっぱり、あれか？」
雨宮に水を向けてみる。
「多分、それで間違いない」
陰陽師の間で納得されても、他の三人には訳がわからない。
「もう、二人で納得しないでよ！」
百合子の言葉に、顔を見合わせる二人。
「結界だよ、たぶん」
「形代使った結界だと思う。呪禁道の道士だと思うんだけどな、鎮められていたのは。薬師と
しての役目もあった呪禁道士の神社壊して病院ってのも皮肉な話だけどな」
雨宮の言葉の後に言葉を続ける。さっき話し合って出した答えなのだが。そして、院長室の
あったはずの場所に一行は向かうが、やはり着かない。
先程からナースステーション、内科医局、配膳室、検査室、リハビリテーションル−ムの周
りをぐるぐると回っているようだ。
「もおっ！ 急いでいるのにっ」
焦れた百合子が思わず声を張り上げた。
「落ち着いて。大体わかったから」
月下に気を使って歩調を合わせていた響が小アルカナのＡを４枚と愚者のカード懐からを出
す。そして、『棒』ナースステーション、『金貨』内科医局、『聖杯』配膳室、『剣』検査室、『愚者』リハビリテーションル−ムと説明する。
「え？ それってどう言う事？？」
そう聞いてきた月下の頭をぽんと叩く響。
「形代は同時じゃ無いと剥がせない。でしょ？ 雨宮くん」
「多分、そうだろう。でも、ただで剥がさせて貰えるとは思えない。けれどどこかに２人配す
る事はできない。みんな、覚悟はできてる？」
「もちろん♪」
ここまで来たら、もう運命は変わってる。これも協力なんだしね。
「絶対、助け出すんだからっ」
「オイラ、頑張るよ！！」
順番に響、百合子、そして月下が決意を述べる。
「‥‥‥行くか」
久我がそういい終わるのと同時に順番にカードを引くと、それぞれの場所に歩いていく。
響が引いたのは聖杯のカードだった。つまり、配膳室である。
形代と言うのは人の形に切った紙の符である。結構目立つ形ではあるのだが、所詮紙である
ので隠そうと思えばどこにでも隠せる。
どこに隠してあるのかしら。何と無くワンオラクルしてみる。棒の２の逆位置か‥‥‥。
カードから目を離した響の目に映ったのはセーラー姿の少女。
「加奈子さん‥‥‥」
前任校で保健室登校していた生徒。
『先生‥‥‥どうして私の事、置いて行っちゃったの！？』
これは一体どういう事なのかしら？
『一人は、辛いよ。痛いよ。先生‥‥‥どうしてなの？』
「加奈子さん。あのね、先生一つ聞いていいかしら？」
黙っているその生徒に響は構わず質問する事にする。
「どうしてこんな所にいるの？ まさか‥‥‥自殺‥‥‥したの？」
こくりと頷く少女。小さな溜息を一つ、響は吐いた。
「嘘」
『嘘なんかじゃない！ 先生、どうして信じてくれないの！？』
懐の中からカードを１枚取り出して、響はその少女にカードを投げ付けた！！
『せ、先生‥‥‥！？』
ギリギリ避けた少女は驚愕の表情で響を見ている。だが、響は表情一つ崩さない。
「馬鹿ね。私が変わる直前に制服ブレザーになったじゃない。そりゃ加奈子さんの印象はセー
ラー服の時のが強いけど。心の中を覗いた、そんなとこでしょ？ あまり良い趣味とは言えな
いわね」
『く‥‥‥くそっ！ ばれてしまってはしょうがない！』
かわいいセーラー服の少女の顔も表情も膨れ上がって部屋一杯に肥大化していく。醜く膨れ
上がったそれは、高笑いを浮かべて響に襲い掛かってきた！
『はっはははは！ 絶望の淵で魂を戴こうと思ったが、たかが占い師風情、術も武器も持たぬ
であろう。欠片残さず頭からバリバリと食ってやろうぞ！」
そう言って霊が大きく口を開いた瞬間！！
『ば、馬鹿な！？』
言葉が終る頃には、その醜い霊は殆ど消えてしまいかけていた。響が放ったカードがその霊
体を切り裂いたのだ。
「さよなら」
総てが消滅した後、カードを拾い集める響。すると、虚形代の欠片がひらひらと舞い落ちて
きた。さっきの霊がこれを守っていたのか‥‥‥。
「御生憎様。タロットカードって聖別するから、浄化能力あったりするのよね。残念でした」
どうやら総てに於いて、響のほうが一枚も二枚も上手だったという事だったらしい。
----＜エピローグ＞--------------------------------------------------------------
全員が同時に走り出す！
誰一人欠く事無く全員が勝利して結界が崩壊し、その中心の院長室のドアがそこにあった。
開いてみると、ソファーの上に安らかな寝息を立てて眠る奈月の姿を発見する。
「だいじょぶっ！？」
走り寄った月下の呼び掛けに、奈月はゆっくりと目を開く。
「こ、ここは！？ お、お兄ちゃんは！？」
「心配するな、向こうで寝てるよ」
雨宮のその言葉に全員の視線が集中する。
「妖術師は倒した。すべては終わった」
「ほ、ほんとっ！？」「やったのね」「いよっしゃあっ！！」「倒したか‥‥‥」
四者四様の声をあげる中、奈月が立ち上がって一同を見渡す。
「お兄ちゃんのところに連れて行ってください！」
そして、伴われてやってきたナースステーションで兄の姿を確認し、走り寄る奈月。
「大丈夫なのか？」
「ああ、完全に妖力は失せてる」
兄の体を抱き起こし、乱暴にゆさゆさゆさゆさと、揺さぶって声をかける。
「お兄ちゃん！ お兄ちゃん！！」
そして、目を開く雄吾。
「奈月‥‥‥‥‥‥‥‥はらへったあ、朝飯はまだか！？」
兄のバイクに同乗して、奈月は家へと帰っていく。お礼ととびっきりの笑顔を残して。
だが、奈月の笑顔が浮かぶ中、心の中に何かが引っかかっていた。
何かは判らない。判らない何かが。
【終幕】
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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【 ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業 】
不知火 響 女 ２８ 臨時養護教諭
雨宮 薫 男 １８ 高校生（陰陽師）
久我 直親 男 ２７ 陰陽師
王優 月下 女 １６ 高校生
滝沢 百合子 女 １７ 高校生
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■ ライター通信 ■
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はじめまして！ 篠田足往（しのだ あゆき）と申します。
２キャラ投入ありがとうございます。大変うれしいです！！
タロットは高校生の時、少し興味を持って調べたりしたんですけど、小アルカナ
の方なんか、意味とか忘れちゃって調べて書いてみました。
カバラ関係の情報も練りこもうかと思ったんですけど、陰陽師の方でほぼ力尽き
てしまいました。次回があればがんばらせていただきます（笑）。
一応、ハッピーエンドです。
集まった面子の戦闘能力が高かったので、シナリオ成功、ってことで進めており
ました。まあ、何か含みのある終わり方ではあるんですが、また別のシナリオで何
かつながるやもしれません。
感想御意見等いただけますと、今後の参考や直すべき点として注意いたしますの
で、よろしければお願いします。
それでは、篠田のシナリオをお買い上げくださいまして、誠にありがとうござい
ました。またの御指名をお待ち申し上げております。
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