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調査コードネーム:淫魔はオジサマがお好き
執筆ライター :水上雪乃
調査組織名 :草間興信所
募集予定人数 :1人〜3人
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窓の外では、粉雪が無音の円舞を踊っている。
老朽化したスチーム暖房が、声高にレゾンデートルを主張しながら室内に暖気を送り続けていた。
受話器を置いた草間武彦が、ぐるりと事務所内を見渡す。
彼の視線の先では、所員たちが忙しそうに、書類の整理や報告書の作成を行っていた。
草間興信所。
またの名を、怪奇探偵事務所。
通常の探偵業務の他に不可思議な事件も扱う、ちょっと変わった探偵事務所である。
もっとも、所長の草間に言わせれば、好きこのんで変わっているわけじゃない、といったところだろうか。
「皆、ちょっと聞いてくれ。仕事が入った」
そう言って、草間は全員の注意を喚起した。
どことなく嬉しそうである。
それもそのはずで、久しぶりに「まとも」な仕事の依頼だったのだ。
浮気調査である。
まるで、探偵のような仕事だった。
「依頼者は、ターゲットの妻。どうも夫が浮気しているらしいので調査してほしい、とのことだ。手の空いているものはいるか?」
草間の呼びかけに、三人ほどの所員が手を挙げる。
満足そうに頷き、所長は話を続けた。
「依頼者の話によると、ターゲットは一ヶ月ほど前から外泊するようになり、しかも、日に日にやつれているらしい。ただの浮気とは思えないそうだ。ドラッグとかに手を出しているかもしれない。で、もし麻薬が絡んでいたら、警察に知られる前に何とかしたい、と。泣かせる話じゃねぇか。俺たちの仕事は、主に尾行と写真撮影になるだろう。ただ、本当に麻薬がらみだったらヤバイからな。くれぐれも慎重に行動してくれ」
ごく軽く言い置いて、草間は所員にメモを手渡す。
そのメモには、乱暴な字で依頼者の住所が書き留められていた。
――港区。
どうやら、けっこうな報酬額が期待できそうである。
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淫魔はオジサマがお好き
白い吐息が、蒼穹へと吸い込まれてゆく。
冬晴れの東京。
吹き付けるビル風に晒されながら、一組の男女が立っていた。
巫・灰滋とシュライン・エマである。
彼らが見つめるのは高層マンション。否、「億」ションであった。
「どんな悪事を働いたら、こんな所に住めるんだか」
巫が偏見を込めた感想を口にする。
「美術商だそうよ」
メモ帳を片手に持ったシュラインが、冷めた口調で応えた。
「美術商ねぇ」
「そのうち、脱税なり疑獄なりで捕まるでしょうけど。捕まえるのは私たちじゃないわ。行きましょ」
「へいへい」
巫が、肩をすくめて応じ、マンションの入り口をくぐった。
このような動作が、奇妙に様になる男だ。
と、シュラインは思いつつ、巫に歩調を合わせる。
こうして、背の高い黒髪のコンビは、怪異な事件の扉を開いた。
黒川・宗佑、四三歳。西洋美術を扱う大企業の社長である。現在、この人物に浮気の疑惑がかかっている。
疑惑を抱いているのは、彼の妻たる葉月、二〇歳であった。
「よろしくお願いいたします」
そう言って依頼者は、深々と頭をさげたものである。
純日本的美人といった容貌が印象的だ。
社会的成功と美しい幼妻。
巫あたりならば、運命の不条理を嘆きたくなるかもしれないが、まあ、金持ちの中年に惹かれる女性は数多いものだ。
ごく簡単に事務上の手続きを済ませた彼らは、早速、実務的な話に入る。
「そういえば、草間さまは、三人の調査員を派遣する、と、仰られたように記憶しておりますが」
だが、早々に葉月が話の腰を折った。とはいえ、二人と三人では報酬も大きく異なる。依頼者としては確認しておきたいところだろう。
「ご心配なく。後の一人は、すでにご主人の会社に向かっております。部下の方々から情報を集めるために」
丁寧な口調で、シュラインが説明する。
「多角的、多面的な調査が、我が興信所のモットーでして」
愛想良く巫も同調した。
社交儀礼というものである。スポンサーに対しては、愛嬌など幾らでも切り売りして良いのだ。
もっとも、明確にしておかなくてはいけないこともある。
「失礼ですが奥様。ご主人の年齢や収入、社会的な地位から鑑みまして、愛妾の一人や二人、いても不思議ではないように思われますが。どうです? この点は」
シュラインは、別に意地悪で言っているのではない。依頼人のスタンスを確認せねばならないのだ。
たとえば、浮気は絶対に許さないということであるなら、浮気の証拠は離婚訴訟のための武器に使用されるだろう。それならそれで一向にかまわないが、離婚となった場合、依頼者が生活に困ることになる。
現在の日本では、離婚時の慰謝料など数百万円が関の山だ。子供がいるわけでもないので、養育費の請求もままなるまい。
じつは、よくある話なのだ。浮気調査から離婚に発展し、その結果として生活に困った挙げ句、調査した探偵社に責任を押し付ける。他罰傾向の極致である。
正直いって、そんな事態にまで責任は持てない。
「わたくしは、主人の浮気を責めるつもりはありません。拾っていただいた恩、育てていただいた恩、妻にしていただいた恩、その他諸々の恩義がございますから。ただ、主人の健康を心配するのみです‥‥」
意味深な葉月の言葉であったが、二人の探偵には理解できた。
事前の調査は、既に完了している。
孤児だった葉月は、黒川に拾われ養育されたのだ。そして、華燭の典をあげたのは二年前のことである。
光源氏プロジェクトだな、と、内心で巫は吐き捨てた。
幼少の頃から育成し、完全に自分好みの女に仕立て上げるというわけだ。
おそらく、葉月は黒川のいない世界など、想像することもできないのだろう。そのように刷り込まれているのだ。
醜悪さに反吐がでる思いである。
万人が騎士道精神の持ち主という世界も、いささか気色が悪いが、現存する全ての俗物を愛さねばならないこともあるまい。
「判りました。私たちは、ご主人の浮気そのものではなく、犯罪やそれに類することに対する関わりを調査する、ということを方針として行動します。それでよろしいですね」
巫の内心を知ってか知らずか、シュラインが淡々と述べる。
葉月が黙然と頷いた。
シュラインと巫はカウンセラーではない。依頼者の心の問題まで解決してやることなどはできないのだ。彼らにできることは、完璧に依頼を遂行することである。
「では、まず、ご主人の私室を見せてもらえますか?」
「その前に、これを見ていただきたいんです」
応接ソファー立ち上がりかけた黒髪の探偵たちを、葉月が引き留める。
彼女が差し出したものは、白いワイシャツだった。
「これは?」
不審そうに巫が問う。
「昨日、主人が洗濯に出したものです。左袖を見てください」
言われた通りにした二人は、ごく小さな赤い染みを発見した。
シュラインの青い瞳と巫の赤い瞳が同種の光芒で、一瞬、交錯する。
染みの正体は血痕だった。
二の腕のあたりにしるされたそれは、ある確信を二人に与えたのである。
「‥‥高層マンションの次は、庭付きの豪邸かよ」
不満たらたらの呟きを巫が洩らした。
調査開始から二日、ようやく、浮気相手の家らしきものを掴んだのである。
問題の家は、豪壮な屋敷だった。巫の年収では、一億二千万年ほど働かねば手に入らないだろう。
溜息の一つも出ようというものだ。
「ぼやかないぼやかない。それより、ここの主人のデータが送られてきたわ」
モバイル通信機を見せながら、シュラインが言う。
先日、黒川の私室を詳細に調べた二人だったが、結局のところ、麻薬に関連したものを発見することはできなかった。おそらくは、注射器や薬などの「足のつく」ものは、常に携帯しているのだろう。意外とも取れる慎重さだった。普通、麻薬中毒患者は、注意力散漫になっているものだが。
「‥‥別宅なのか、ここ」
「今ここを使っているのは一人娘の美咲ね。使用人は四人ばかり」
屋敷の名義は来島製薬。日本有数の製薬会社である。
「で、この屋敷で、お嬢様は、夜な夜なドラッグパーティーを開いているわけか」
納得がいったような表情で巫が囁く。
製薬会社の一人娘ならば、さほど苦もなく麻薬を入手できるだろう。それこそ、合法ものから違法ものまで、お望みのままだ。
「まったく、お金持ちの考える事は判らないわね」
慨嘆の吐息をつくシュライン。
社会的な成功を収め、金銭的にも満たされている人々が、なぜ麻薬になど手を出すのか。逃避の必要など、ないであろうに。
「そういえば、こっちからも報告があったんだ。さっき、榊から連絡があった」
榊とは、黒川の会社に張り付いている、彼らの仲間である。
「で?」
「今日もターゲットは、うな丼とスッポンの生き血を召し上がったそうだ」
「また? そんなに精力つけて、どうするのかしら」
「そりゃあ、ナニするに決まってるさ」
「‥‥下品大王」
「下品なのは俺じゃなくて奴さんだ。だが、解せねぇな」
「そうね。麻薬中毒患者が、そんなに食欲あるかしら」
「まあ、あれこれ考えても仕方ない。今のうちに忍び込むか?」
「消極的賛成」
戯けるようにシュラインが言う。
おそらく、夜になれば麻薬常習者たちが集まってくるだろう。正常な判断力を失っている連中だ。まともに正対しては危険である。
それに、彼らの仕事は麻薬組織の摘発ではない。それに黒川が関わっているという痕跡を消し、その後は彼をどこかに監禁するなりして麻薬を抜く。まあ、黒川が無事に更生できたら警察に通報しても良いだろう。他の面々の処遇までは、彼らの責任ではないのだ。
どちらにしても、侵入するなら昼間の内である。
「警報装置とかはないのか」
「あるけど大丈夫。武彦さんが警備会社に手を回してくれたわ」
「なるほどな」
巫が苦笑を浮かべた。さぞ巧妙な脅迫が行われたに違いない。
「進入路はココよ。頭に入れておいて」
「裏口か。肝心のヤクの有りそうなところは、見当がついているのか?」
「たぶん寝室。最も秘匿性の高いところに隠すものでしょ。まあ、相手がまともな精神をもっていれば、だけどね」
シニカルな笑いを、交わし合う二人。
冷たい風が、頬をなぶっていった。
侵入した邸内は、異様な気配に支配されていた。
「‥‥なによこれ」
シュラインが掠れた声を絞り出す。
「‥‥血臭だな。それと、腐敗臭だ」
巫もまた、わずかに青ざめた声を出した。
この屋敷は、明らかに様子がおかしい。
狂気にも似た空気が、粘りつくように二人を取り巻いてる。
「シュライン。ここからはアンタの耳だけが頼りだ。人の足音、聞き逃すなよ」
巫の言葉に、嘔吐感を抑えながらシュラインが頷く。
彼女の技能は、その卓絶した聴覚である。
隠密行動時には、レーダーの役割を果たしてくれるのだ。
それにしても、この血の臭いは何であろう。
麻薬などというより遙かに剣呑な雰囲気である。
「‥‥美咲の寝室は二階よ。行ってみましょう」
疑問を整合しえないまま、嫌そうにシュラインが促す。
得体の知れない涜神的な恐怖感が、彼女の五感を苛んでいた。
「そうだな。ここに留まっていても意味がないな」
巫もまた、後退しようとする両足を叱りつけるように言の葉を紡ぐ。
二人は、より血臭の二階へと足を向けた。
そこで、今度こそ驚愕に値するものを発見するのである。
「ひっ!?」
と、気丈なシュラインが小さな悲鳴をあげた。
彼女は見てしまったのだ。二階のバスルーム。おそらくは、美咲専用のバスタブの中に血液が満たされいてるのを。
思わず口を押さえる。
背後に立った巫が、彼女の体を支えた。
「なあ、シュライン。エリザベート・バートリって知ってるか」
呆然とした表情で、呟きを発する。
「‥‥知ってるわ。女吸血鬼(カーミラ)のモデルでしょ」
バートリ伯爵夫人エリザベート。世界の犯罪史に残る女性である。西暦一六〇四年から一六一一にかけて六〇〇人にのぼる少女たちを殺害し、その血を飲んだり風呂に満たして入ったりした。むろん、エリザベートは本物の吸血鬼などではない。単なる嗜血症の変態である。
バスタブに満たされた赤い液体は、奇妙な符合で二人の想像力を負の方向に刺激した。
「そこにいるのは誰かえ?」
不意に、背後から女の声が響く。
シュラインらしくもない失敗だった。至近まで近寄ってきた人の気配に気が付かなかったのだ。
慌てて振り返る二人。
赤と青の瞳が映し出したものは、たおやかな美女だった。
透けるような白皙。腰まで伸びる艶やかな黒髪。紅い唇。
おそらくは、この館の主人たる美咲であろう。
「招いた憶えはないが、来たからには、ごゆるりとなさるがよい」
時代がかった言葉が、紅い唇を飾る。
美しい声であった。だが、どことなく虚ろな印象を受けたのは、二人の気のせいだったであろうか。
「来島美咲さんですね。俺たちは草間興信所の者です。勝手にお邪魔してすみません」
動揺を押し殺して、巫が口を開く。
正直に名乗ったのは、言い訳しても無益だからである。こうなったら、正攻法で打ち破るしかない。
「構わぬよ。妾の屋敷には色々な者が来るでの」
簡単に美咲が言い捨てた。
「では、幾つか伺ってよろしいですか」
壊れたエレベーターのように背筋を上下する悪寒に耐えながら、シュライン口を開いた。
美咲が人形の動作で頷く。
「貴女のお友達である黒川宗佑さんに、麻薬使用の疑いがかかっています。これについて、どう思われますか」
「異なことを言う娘じゃな。あの男は、魔の薬など用いておらぬ」
資料によれば、美咲は二〇歳のはずである。二十六歳のシュラインを、娘と認識するのはおかしいのではないか。
思わず顔を見合わせた二人の探偵が、さらに質問を発しようとした。
だが、美咲は右手を挙げて制する。
「このような廊下で長話でもないじゃろう。ささ、こちらに参られよ。温かい飲み物など振る舞おうほどに」
艶やかな笑みで誘った美咲は、探偵たちの返答も待たずに歩き出した。
「どうする?」
小声で、巫が問うた。
「いくしかないでしょ」
シュラインも小さな声で応えた。
ここまで来て、手ぶらで帰るわけにもいかない。
水深は深くなり泥が厚くなるのを承知の上で、前進するべきだろう。
私室に招かれた二人は、飲み物を振る舞われた。
暖めた血だったらどうしよう。などとシュラインは考えていたのだが、どうやら普通の日本茶らしく、一安心である。
ところが、美咲の話は、全く要領を得たものではなかった。
奇妙な日本語だけが原因ではない。その瞳も何を映しているのか判然とせず、巫もシュラインも、理解せざるをえなかった。
すなわち、美咲の精神は、既にこの世のどこにも存在しないのだ、ということを。
追求しても無益である、ということを。
諦めて席を立とうとしたシュラインの耳が、男性の足音を捉えた。
「誰か近づいてくるわ」
相棒に注意を促す。
やがて、身構える二人の前で扉が開き、壮年の男性が現れる。
黒川宗佑であった。
「‥‥私の口から説明をさせていただきます。探偵さん」
穏やかな紳士の言葉を、意外な想いでシュラインと巫は受けとめていた。
黒川は、一代で財を成した成り上がり者である。
若い頃には、相当な苦労をしてきた。
貧乏のなかで、彼は一人の女性を捨てた。海外に美術品取引の修行に赴くため、女性の存在が邪魔になったのだ。
二一年も昔の話である。
だが、捨てられた女性は彼の子を身籠もっており、やがて出産する。とはいえ、その日の食事にも困るような貧乏暮らしである。産まれた子は孤児院の前に捨てられた。
後になって、そのことを知った黒川は、全国の孤児院をまわって自分の子を探し出し自分の元へと引き取った。
それが葉月である。
もちろん、実の娘と結婚などできるわけはない。
要するに、葉月はまったくの別人だったのだ。
では、本当の娘はどこにいる?
黒川は手を尽くし、真実を探し求めた。
ようやく解答に辿り着いたのは、三ヶ月ほど前のことである。
本当の娘、すなわち美咲は、来島製薬に引き取られていたのだ。ただし、養子としてではない。実験動物としてである。
彼が娘を発見したとき、美咲の精神はすでに壊れていた。度重なる実験と陵辱で、心身ともに破壊されてしまったのだ。
黒川は憤り、復讐の念にかられた。
だが、安易な復讐は、娘の名誉と妻の人生を傷付けることになる。断腸の思いで来島家との交渉の席についた彼は、この屋敷と娘を奪い取ることに成功した。
そして、娘に残された短い時間を、なるべく一緒に過ごそうと決意したのだった。
「ちょっと待ってくれ」
黒川の話に、巫が口を挟む。
「娘さんのことは理解できたが、バスタブの血や、アンタの麻薬使用はどうなるんだ?」
「麻薬など使用しておりませんよ。ワイシャツの染みは、血を抜いた跡です」
どこから情報を獲ているのか、黒川はわらって回答してみせた。
彼は、自分の血を抜いて娘に与えていたのだ。
これでは、やつれるのは当然である。それを補うためにウナギやスッポンなどを食していたのだ。気休め程度にしかならないだろうが。
もちろん、彼の血だけではバスタブ一杯にはならない。
足りない分は買っていたのだ。海外からの輸入血液は、安全性などでの問題もあるが、輸血するわけではないから大丈夫である。
とにかくも、こんな生活が長く続けられるわけはない。
美咲の余命が半年ほどしか残っていないとしても、それまでに黒川が倒れてしまう。
「‥‥よい機会だったのかもしれません。すべてを妻に話しますよ‥‥。許しては貰えないでしょうが‥‥」
ほろ苦い呟き。
シュラインは皮肉げに、巫は黙然と、肩を落とす黒川を見つめていた。
窓から差し込む夕日が、紅い情景を現出する。
なにが可笑しいのか、くすくすと美咲が笑っていた。
エピローグ
「どうだ、シュライン。今夜、一杯付き合わないか?」
どこか心楽しまぬ様子のシュラインに、草間が声をかけた。
依頼は無事に解決したものの、後味の良くない事件だった。
「いいわよ。武彦さんの奢りなら」
「ま、今夜くらいは良いさ」
「あら、珍しい。明日は雪かしら?」
「最近の寒波は、俺のせいだったのかもな。だが、もう寒波は来ちまってるからな。奢られないとマル損だぜ」
「そうね。じゃあ、ちょっとだけ付き合うわ」
戯けた口調で言った青い目の美女が、さりげなく手を差し出した。
「光栄で御座います。女王陛下」
大仰すぎることを言い、エスコートするように腕で輪をつくる草間。
笑いながら腕を絡ませたシュラインが空を見上げると、都会の狭い空で、星々が弱々しく輝いていた。
おわり
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【 PC名 / 性別 / 年齢 / 職業 】
シュライン・エマ/ 女 / 26 / 翻訳家
巫・灰慈 / 男 / 26 / フリーライター
キャラクターデータ
PCの名前 シュライン・エマ
ふりがな しゅらいん・えま
年齢 26
性別 女
クラス 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト
一人称 私
二人称 あんた
語尾 クールに
敬語使用 使う
身長 高い
体型 細身
髪の色 黒
瞳の色 青
肌の色 白
性格1 防御 □□□■□ 攻撃
性格2 理性 ■□□□□ 感情
性格3 狡猾 □■□□□ 純真
性格4 協調 □□□■□ 自主
性格5 仕事 □□■□□ 恋愛
性格6 現実 □□□■□ 神秘
PCの名前 巫・灰慈
ふりがな かんなぎ・はいじ
年齢 26
性別 男
クラス フリーライター兼『浄化屋』
一人称 俺
二人称 呼び捨て
語尾 豪快に
敬語使用 使う
身長 高い
体型 普通
髪の色 黒
瞳の色 赤
肌の色 一般的日本人肌
性格1 防御 □□■□□ 攻撃
性格2 理性 □■□□□ 感情
性格3 狡猾 □□■□□ 純真
性格4 協調 □□□■□ 自主
性格5 仕事 □□□■□ 恋愛
性格6 現実 □□■□□ 神秘
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■ ライター通信 ■
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毎度のご注文、ありがとうございます。
どうですか? お客様の推理は当たりましたか?
楽しんでいただけたら幸いです。
では、またいつかお会いしましょう。
水上雪乃
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