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調査コードネーム:夢は夜ひらく
執筆ライター :水上雪乃
調査組織名 :草間興信所
募集予定人数 :1人〜3人
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鉛色の空から降りてくる雪が不機嫌なダンスを踊っている。
面白くもなさそうにそれを見つめていた草間武彦は、ストレスと一緒にタバコの煙を吐き出した。
ニコチンとタールを含んだ白い霧が、罪もないコードレスフォンにかかる。もしも電話機に呼吸器官が付いていたら、さぞ煙たかったことだろう。
まったく、気に入らないことばかりだ。
不順な天候も、調子の悪いスチーム暖房も、先刻の依頼も。
「店内に幽霊が出る、か。こういう業界じゃ珍しくもないな」
皮肉げに歪んだ唇から冷淡な言葉が漏れた。
左手には殴り書きされたメモ用紙が握られている。
新宿歌舞伎町。キャバクラ。潜入捜査。などという文字が雑多に書き込んであった。
依頼内容は簡単である。
深夜の店内に幽霊が出るので客もホステスも気味悪がっている。このままでは営業に差し支えるし、女性たちも退店してしまう。何とかしてくれないか、と。
まるで、テレビの三文バラエティー番組のような話だ。
「さて、と。三人くらいで良いだろうな。女はホステス、男はウェィターとして潜入させるか」
溜息をついて、脳細胞に収納されている人名録をめくる。気に沿わぬ仕事だからといって、タバコをふかしているだけでは解決しない。
「‥‥それにしても、あいつらに水商売なんてつとまるかな?」
草間の唇が、ふたたび皮肉に歪んだ。
窓の外では、飽きもせずに雪が踊っている。
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夢は夜ひらく
甘いバラードがホールを満たし、店内の照明は極度に落とされる。
ダウンタイムと呼ばれる時間帯である。
所在なさげな顔を見合わせながら、探偵たちはホールの片隅に佇んでいた。
ベストと蝶ネクタイで身を固めた雨宮薫は、なるべく仲間の方を、とくに女性陣の方を見ないようにしていたが、彼女らから視線を外すと、今度はホステスたちのあられもない格好が視界に飛び込んでくる。
まったく、幾重にも目の毒だった。
「‥‥珪のヤツ、帰ったら見ていろよ‥‥」
内心に呟く。
まさか、こんな仕事だとは思っていなかった。それを伝え忘れたのは友人の過失か、それとも故意か。にわかには判断が付かない。ただ、一つだけ判っていることは、その友人が現在の自分の有様を見たら、腹を抱えて笑うだろうということだ。
歌舞伎町にあるキャバクラ。『天使の微笑』である。
探偵たちは潜入調査の真っ最中だった。
接客向きでないと自認する雨宮にとってみれば、キャバクラのウェィターなど、苦行以外のなにものでもない。まして、こんなセクシー系の店ではなおさらだ。
雨宮は、深く深く溜息をついた。
もっとも、この状況を楽しんでいる仲間もいる。
秋津遼と巫灰滋である。
遼にしてみれば、恥ずかしさよりも好奇心の方が勝っているのだろう。そして、巫にとっては、またとない目の保養である。
仲間のこんな艶姿を生きている内に拝めるとは夢にも思わなかった。
ストラップレスの黒いレオタードに編みタイツ、長いの耳のついた髪飾り。要するにバニーガールスタイルである。
これがこの店のホステスの制服なのだ。
むろん、シュライン・エマや杜こだまも同様の服装に身を包んでいる。
ウエィトレスとして潜入しているものの、制服を着ないわけにはいかない。まあ、無理に頼めば男性従業員と同じ格好、つまり、蝶ネクタイとベストにスラックスということもできたかもしれないが、それでは特別扱いされていることがホステスたちにバレてしまう。隔意を抱かれては情報を集めにくいだろう。だいたい、六人も一度に入店したことだけでも充分に奇異なのだ。猜疑深いものなら、探偵たちの目的に気付くかもしれない。
それにしても、女性陣たちはバニーガールの扮装がえらく様になっている。
とくにシュラインなどは身長も高いゆえ、ブロードウェイのショーダンサーのように美しい。
思わず頬の緩む黒髪の浄化屋だった。
そんな巫の様子に苦笑混じりの同感を示しながら、武神一樹は手に持ったトレーサーをクルクルとまわした。女性陣だけでなく男性陣もなかなかの伊達男ぶりだ。万事に超然たる態度の武神だけでなく、理知的な美貌の雨宮も、野性的な肢体の巫も、そのまま社交界デビューが果たせそうなほどである。
もっとも、この三人の場合、黙って立っていればという注釈が付くが。
まあ、水商売というものは、内面の充実よりも外面的な美が要求させる世界であるから、それで良いのかもしれない。それに、容姿の上でホステスたちの注目を浴びることが出来れば、閉店後の情報収集もやりやすい。
ホステスとしての業務をおこなう探偵がいない分の穴は、男性陣の奮闘で充分に埋められるだろう。
ちなみに、女性陣がホステス役を演じていないのには多少の事情がある。白人であるシュラインが客に付けないのは日本の水商売の大いなる矛盾点としても、こだまと遼には問題などない。否、問題があるから接客できないのだが。
例えば、こだまの問題点は容姿ではなく態度である。極低温の魔剣のようなクールさでは客が萎縮してしまうのだ。この態度と言葉遣いで毒舌を吐かれた日には、客は泣きながら帰ることになるだろう。これでは商売にならない。
遼は最初、ホステスをやると興味津々で主張していた。彼女の話術と蠱惑性をもってすれば、さほど難しい仕事ではない。だが、結局のところ断念せざるをえなかった。その理由は彼女の接客技術ではなく後天的資質に求められるべきである。つまり、遼は陰陽師が苦手なのだ。したがって、雨宮も苦手ということになる。彼がテーブルや椅子の裏にベタベタと貼った符の存在、それが彼女をテーブルに着かせない最大の理由だった。坊主が憎ければ袈裟まで憎い、というわけだ。
このような事情から客の話を聞くことは困難になった。しかし、それほど悲観する必要はない。もともと一般客が知っている話など噂の域を出なかろう。
ホステスが客に本当のことを言うはずがないのだ。
ここは「虚飾と背徳」を旨とする世界、水商売なのだから。
さて、その日の営業を早めに終了した『天使の微笑』では、ミーティングルームに探偵たちが顔を揃えていた。
時刻は深夜一時。
探偵たちの顔には疲労の色が濃いが、平日だからこそこの時間で終了できたのである。もしも金曜日や土曜日だったら、太陽が恥ずかしそうに顔を出すまで営業が続いたことであろう。
水商売というものは、案外に体力を使う仕事なのだ。
「さて、と。まずは初日の感想を聞かせてくれ」
疲れを振り落とすように武神が口を開いた。
「‥‥とにかく疲れたわ‥‥」
「‥‥同感だ‥‥」
シュラインと雨宮が応える。その声には普段の元気がない。
それもそのはずで、この二人が探偵たちの中で最も活躍していたのである。接客を苦手とする二人が一番働いているというのも皮肉な話ではあるが、なにしろ目立つ二人なので仕方がない。
雨宮はその若さでホステスたちの人気を博し、席に呼ばれること多数。酒を勧められることも幾度もあった。ほとんどは未成年だからといって謝辞したのだが、その態度がまた「可愛い」と言われてしまう。処置なしであった。
シュラインにいたっては、白人という希少価値とその美貌によって、客からの人気が絶大だった。本来、酒を運んだりする仕事なのに、場内指名までされそうになったほどだ。そして仕事中、尻を触られること二十数回に及び、彼女の機嫌は完全にレッドゾーンに突入していた。客を殴り倒さなかったのが不思議なほどだ。大人になったねシュライン、というところだろうか。もっとも、胸の谷間に挟まれたチップの総計額も十数万円を数えており、不満と満足はどうにか相殺されている。
「霊の存在ってんなら、店中に溢れてるぜ」
「まったく。自殺霊に水子霊から想念まで、博覧会場って感じね」
とは、巫とこだまの言い分であった。
彼らは水商売の経験があり、雨宮やシュラインほどには疲労していない。むろん疲れていないわけではないが、手の抜きどころを心得ているのだ。このあたりは経験の差といえる。
「ま、乱れた世界だからねぇ」
なるべく雨宮と目を合わせないようにしながら遼が言った。
探偵たちの中で最も元気を残しているのが彼女である。疲労蓄積度は限りなくゼロに近い。なんといっても、夜は彼女の世界なのだ。
「で。どうする? 今晩中に何とかしてみる?」
「‥‥そうだな。遅くとも営業前までには解決しよう。でないと、明日もまた潜入調査だ」
遼の問いかけに対して、武神が重々しく提案した。
彼とても、このような場所からは早々に立ち去りたいのだ。店内を漂う霊の存在に畏怖しているというより、香水とアルコールと女性の体臭に辟易しているのである。
「賛成よ。さっさと片付けましょ」
シュラインも同調する。
彼女には臭いの他に大音響という大敵も存在するのだ。キャバクラで垂れ流されているバックグランドミュージックの音量は、普通の人間ですら難聴めいた症状を誘発することがある。シュラインのような超聴覚の持ち主であれば、苦痛は容易に想像の域を越えるだろう。
「今のところ可能性は二つ考えられるな。つまり、ライバル店の妨害工作というのと、本当に騒霊現象というということだが」
表情のチャンネルをウェィターのものから探偵のそれに切り替え、巫が事態を要約してみせる。
「霊だとしたら地縛か念縛か、どちらかだろうな」
「そう。それに女性霊であることも疑う余地はない。男性の霊がこんなところに彷徨ってくる理由がないもの。あくまで、霊だとしたらだけど」
「人間の仕業だとすれば、店内に小道具が隠してあるかもしれないわね」
雨宮、こだま、遼の順に自説を開陳し、シュラインが軽く頷いた。
鋭敏な推理力と多角的な論理思考力。
これこそが怪奇探偵の優秀さの秘密である。
いたずらに特殊能力を誇示するだけではないのだ。
「問題が発生したとき、必ずそこには原因がある。となれば、原因を究明して取り除くことができれば、自ずと問題も解決するということだな」
武神が厳かに腕を組む。
奇をてらった発言ではないが、凡人のよく及ぶところではない。事態を単純化して要点を把握する明哲さと、決断に際して躊躇しない胆力がなくては、ここまで見切ることはできないだろう。
現在の状況はいささか複雑であるが、根幹部分では難しくない。
この店に幽霊が出るとして、その目的は奈辺にあるか。
一つは営業を妨害するため、そして、もう一つは供養などを依頼するためである。ところが、この二つの命題は両立が困難なのだ。霊の存在を認知した店は、妨害行為に腹を立て霊を駆除しようとするだろう。理解ある歩み寄りによって解決しようなどと考える人間は、かなりの度量の持ち主くらいである。事実、草間興信所が受けた依頼は、霊を「なんとか」してほしいといった趣旨のものだった。端的な表現をすれば、除霊であっても供養ではない。
人間心理とはそういうものである。
幽霊もまた、かつては人間だった存在だ。そのあたりの事情が判らぬはずはなかろう。 では、何のために妨害をするか。その理由は明白で、この店に恨みを持っているからだ。それも特定の個人にではない。店自体に対する恨みである。個人に対する怨念ならば、その人を呪うなり祟るなりすればよい。
もちろん、店の経営を悪化させることによって復讐を遂げる、という考え方も存在する。オーナーや店長などは、かなりの損害を被るだろう。
ただ、それは幽霊の発想というよりも人間の策略だ。
霊体には、そんな回りくどい方法を採るべき理由がない。となれば、生きている人間が何らかの目的をもって策動していると考えるのが自然だろう。
すなわち、幽霊騒ぎは何者かが仕組んだことである。
「じゃあ、そろそろ始めよっか」
そう言ってシュラインが立ち上がり、他の五人もそれに続いた。
綿密な実況検分こそ彼らの本領なのだ。
怪奇探偵の蠢動が、いま始まる。
雨宮とシュライン、今回の依頼の前半では割を食った二人は、女子更衣室へと赴いていた。
黒曜石のような瞳を持つ陰陽師にとっては、女の園への初侵入ということになるが、幸運を喜ぶ気には、とてもではないがなれなかった。
香水と女性の臭いの残滓が漂い、彼の鼻腔に不快な刺激を与える。べつに雨宮は女嫌いというわけではない。しかし、もの慣れぬ高校生にとっては、ホステスたちの更衣室など刺激が強すぎよう。性的な興奮よりも、嫌悪感の方が先立ってしまう。
このあたり、潔癖という言い方もできるが、ただれているよりは余程ましである。
「‥‥あれか‥‥」
その雨宮が、壁の一点を見つめて口を開いた。
視線の先では、まるで冗談のように赤い手形が壁に張り付いている。
「たしかに、ちょっとだけ不気味ね」
さして不気味そうでもなくシュラインが感想を漏らした。
ここまで露骨だと、恐怖心というものは呼び起こされないらしい。
だいたい、きちんとした手形になっているのが都合良すぎる。これに作為を感じないなら、怪奇探偵など務まらない。
「どう思う? シュライン?」
「そうねぇ。油性塗料じゃないかしら? ホンモノの血のわけはないと思うわ」
「だな。とりあえず、少しはがして持ち帰るか。草間なり稲積なりに頼めば分析してくれるだろう」
「そこまで手間をかける必要はないわ。これが血じゃないことを証明すれば充分よ。じつは、こんなものも用意してるのよ」
悪戯っぽく微笑んだシュラインが、ハンドバッグからスプレーボトルを取りだした。
「聖水? シュラインはキリスト教徒だったか?」
「違うわよ。これは過酸化水素溶液」
「なるほどな。ルミノール反応というわけか」
「ご名答」
ごく簡単に、シュラインは雨宮を称揚した。
ルミノール反応とは、血液に過酸化水素溶液が反応して蛍光色に光ることである。主に殺人現場の捜査などに使用される。
灯りを消したとき壁が光らなければ、手形は血ではないということだ。
そして、手形は何の反応も示さなかった。
「やっぱりねぇ」
「幽霊がペンキ屋でバイトしてるんじゃなければ、人間の仕業だな」
珍しく愉快な言い回しをした雨宮に、シュラインがくすくすと笑う。
クールな陰陽師も、やはり人間なのだ。
慣れない接客のストレスと視神経を侵す強烈な刺激のせいで一時的に失調していたのかもしれない。
「ま、まあ、こちらの調査はこのくらいにして、皆と合流しよう」
明らかに照れ隠しの台詞を吐いて、そっぽを向く雨宮だった。
さて、それぞれの調査結果を持ってホールに再集結した探偵たちは、一つの結論に達せざるをえなかった。
つまり、この事件は、やはり人為的なものだということである。
すべてのフラグメントが人間の悪意の存在を示唆していた。
おそらく、ことの始まりはトイレの音だろう。
そこから無責任な噂が派生し、ライバル店に目を付けられたのだ。
更衣室の血の手形、リストマイクに入り込む奇妙な雑音、照明が映し出す奇怪な影、すべては人の手によって仕掛けられたものである。
目的はただ一つ、この店の売り上げを落とすためだ。
あざといやり口ではあるが、生き馬の目を抜くような水商売の世界では、とくに珍しいことでもない。
「だが、犯人が判らないな」
軽く首を振りながら雨宮が言った。
たしかに、仕掛けた人間を特定することは難しい。
ホステスか男性従業員のなかに内通者がいることは疑いえないが、その人物を現段階で絞り込むのは不可能というものだ。
「良いんじゃない。私たちの仕事は原因の究明であって犯人探しじゃないんだから」
遼が戯けた口調で反論した。
発言者が雨宮でなければ、殊更に異を唱えるつもりになったかどうか。
「怪奇現象の原因はすべて取り除いた。今後事件が起こらなければ、内通者は退店したか諦めたか、どちらかだろう。まだ事件が続くようなら、セキュリティーを強化すればいい。従業員一人ひとりを取り調べる手もあるだろう」
取りなすように武神が発言する。
最年長者でも彼が調停役を務めるのは、いわば暗黙の了解であった。それにしても、つくづく調停というものに縁の深い男である。
「‥‥結局、今回も心霊事件じゃなかったわね」
「‥‥そうだな‥‥」
「‥‥そうね‥‥」
シュラインの何気ない台詞に、巫とこだまが曖昧な表情で頷いた。
怪訝な顔をするシュライン。
六人の中で唯一霊視能力をもたない彼女は気が付かないのだろうが‥‥。
「さて、と。じゃあ撤収しましょ。夜はまだまだ長いけど、みんなは疲れちゃったでしょ」
大きな伸びをした遼が言う。
「そうだな。解決祝いは後日に延ばして、とにかくフロ入って寝たいぜ。俺は」
「俺も巫と同意見だ。しこりが残らないこともないが、明日も学校があることだし、な」
「そうね」
「私にも異存はない」
「そうか。では撤収しよう。祝賀会は俺の方で日取りと場所を決めて連絡する。それで良いか?」
その言葉に全員が同意したので、さらに武神は続ける。
「それとシュライン。今回の報告書は俺が書きたいだが構わないか?」
「別に良いけど‥‥。また借りが増えちゃうわね」
「なに。草間に貸しを作るのは非常に良い気分だ。そのうちに返してもらうが、多少の利息は覚悟しておくようにアイツに伝えてくれ」
「わかったわ。確かに伝えとく」
笑いを含んだ表情でシュラインが応える。
その様子に苦笑した武神が、突然、あらぬ方を見遣って頭を下げた。
「じゃあ、俺たちは引き上げる。疑って悪かったな」
面食らうシュラインに構わず、探偵たちが次々と言葉を紡ぐ。
「もう来ることもないと思うけど」と、こだま。
「それがお前の望みなら、俺は何も言わない」と、雨宮。
「つぎ生まれ変わったら、自殺なんかしちゃダメよ」と、遼。
「頃合いみて、ちゃんと成仏しろよ」と、巫。
なぜか暖かい空気がその場を包み、シュラインは、仲間が何をみているか知った。
やがて外に出た探偵たちを、都会の明るい夜が包み込む。
夜風はすべての人間に対して、冷たく、そして暖かく吹き渡っていた。
エピローグ
後日、武神の名で、草間の元に報告書が届けられた。
――○月×日。事件解決。
この時点で、トラブルの原因となる事象の除去は完遂した。
今後の対策は、セキュリティーレベルを上昇させる等の対処療法を選択するのが、最も穏健な処置と思われる。
尚、今回の事件に関して、一二年前に店内で自殺したホステスは、全くの無関係であることが判明した。
悼んで個人の冥福を祈るものである――
三頁にのぼる報告書は、そう結ばれていた。
一読した草間は、シニカルな笑みを瞳にたたえて、くわえていた煙草に火を付ける。
吐き出された煙が宙を漂い、音もなく空気に熔けていった。
終わり
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086/ シュライン・エマ /女 / 26 / 翻訳家 興信所事務員
(しゅらいん・えま)
0173/ 武神・一樹 /男 / 30 / 骨董屋『櫻月堂』店長
(たけがみ・かずき)
0030/ 杜・こだま /女 / 21 / 風水師
(もり・こだま)
0258/ 秋津・遼 /女 /567 / 何でも屋
(あきつ・りょう)
0112/ 雨宮・薫 /男 / 18 / 高校生 陰陽師
(あまみや・かおる)
0143/ 巫・灰慈 /男 / 26 / フリーライター 浄化屋
(かんなぎ・はいじ)
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■ ライター通信 ■
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毎度ありがとうございます。
水上雪乃です。
今回は、ちょっと不思議なお話でした。
お客さまの推理は当たりましたか?
楽しんでいただけたら幸いです。
それでは、またお会いできることを祈って。
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