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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


サンシャイン60〜無実〜

<オープニング>

「毎度毎度ながら妙な依頼が入ったもんだ・・・」
草間武彦はそう言ってパソコンを指し示した。
そこには、一通のメールが開かれている。
内容はごく簡単に3行。

巣鴨プリズンで無実の叫びが響き渡る。
闇の帳が下りる頃、
白き使者が訪れ、
その無念を晴らし、開放する。
阻止されたし。

「このメールが届いた同日、俺の口座に匿名での振込みがされていた、恐らくこれを調べろというだろうけど・・・。巣鴨プリズンってどこだ?」

(ライターより)
久しぶりの死霊シリーズです。
草間は分かっていないようですが敵と場所はおわかりになりますよね?
初参加の方はベルゼブブの依頼を一度目を通されることをお薦めします。特に白き使者が分からないとツライと思われますので。勿論、今まで参加されていなくても全然問題はありません。
戦闘と調査、半々の割合になるかと思われます。ちなみにこの場所は夜閉められてしまい、警備員もいますのでうまくもぐりこまないと依頼失敗になる危険性をはらんでいます。慎重な行動が肝心です。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。



少年は師匠の家でのんびりくつろいでいた。特にすることもないしパソコンを起動させ(師匠に無断である)、ネットサーフィンを楽しんでいた。
その時、携帯の着信音が鳴り出した。表示された電話番号は彼の師匠の電話番号だった。
「あれ〜、師匠どうしたんすか?」
「珪、お前今日暇してるな?」
「暇っすけどそれが何か?」
珪と呼ばれた少年はいや〜な予感に囚われていた。もしかしてパソコンを無断しようしているのがばれたのだろうか。
「今から草間の興信所に来てくれ。調べて欲しいことがある」
「へ?今から」
「そうだ。今すぐ来い」
有無を言わさぬ師匠の言葉。やはりバレているかもしれない。
「え〜と、どうしてもいかないと駄目?」
「駄目」
行かないと鉄拳制裁が待っている可能性が大。まだ他の人がいる興信所に行ったほうが無難だろう。いきなり殴ったりしないだろうし、他の話かもしれない。
「分かりましたよ。すぐ行くっす」
「さっさと来い」
ガチャリと切れる電話。はふぅとため息をつくと、少年は外出の準備を整え始めた。
陰陽師である久我直親の元で修行に勤しむ(こきつかわれている)見習い陰陽師
九夏珪。それが少年の名であった。

草間興信所には久我と草間が待っていた。九夏はソファーに座らされて、目の前にノートパソコンが置かれる。
「なんすか、これ?」
「この頃不人関連の依頼を出しているメールがあるのは知っているな。このメールの送信者について探れ」
「はぁ?別に誰だっていいじゃないすか」
「良くない。誰が何の意図をもってこちらに連絡をとっているのか突き止めておかねばならない。もし不人あたりが依頼しているのであれば奴の手に踊らされているだけかもしれんしそれは避けたい」
九夏の返事も聞かずに黒いコートを羽織ると「任せたぞ」と言って興信所を出て行く久我。草間はと言うと、
「まぁ、そういうことだ。ボチボチやれや、珪」
と言って背もたれに寄りかかって煙草を吹かすのみ。
「いや、そう言われたって・・・。やってみるけどさ。大体ウェブメールだったら調べても無駄だと思うなぁ」
渋々パソコンを起動させて調査を始める珪。
案の定、送り先のアドレスはウェブメールなので足取りを掴むことはできなかった。しかし、もしかしてということもあるので送り先のアドレスにメールを送ってみる。
「うーん。匿名っつっても依頼してくるならメール出せば返事来ないかな?前に情報くれた人と同じかもしれないし。『不人の事を知ってるならもっと詳しい情報を下さい』っと」
しゃべった言葉と同じようにメールに入力すると、送信ボタンをクリックする。メールが送信され、後は待つだけとなった。
「ただ、待つだけじゃ芸がないよな。そうだ!振込み先のATMの監視カメラを見れば分かるかも。草間さん、相手の振込み先のATMって分かる?」
「んん?ちょっと待ってろよ・・・。え〜と確かここに・・・」
ゴソゴソと机の引出しや戸棚を開ける草間。普段整理整頓などまったくしない草間らしく、明細書もどこかにおいて無くしてしまったらしい。
探すこと10分。
「ワリィ。どっかやっちまったらしい」
「はぁ。そうすか」
彼のプランでは振込み先のATMを確認した後、式神を放って騒ぎを起こしているうちに監視カメラの映像を盗み見るというものだった。しかしこれは行動に移せずに終ってむしろ良かったといえるだろう。監視カメラの映像はテープに入っているので、その日分のテープが探し出せるかどうか不明であるし、幾らテープを手に入れるためとは言え、式神を利用して騒ぎを起こしたことが久我にバレたらただではすむまい。
落胆する九夏の目にメールが受信されたとのメッセージが飛び込んできた。慌てて送り先を見てみると先ほどのアドレス。今まで月刊アトラスなどに複数送られてきたメールだが、何度メールを送信しようと何の返答も無かった。それが今回は返信があったのだ。抑えきれない興奮を胸にメールを開く。

拝啓

いつも無茶な依頼を受けていただき感謝の言葉もない。
どうしても正体を明かすことができないためこのような形での連絡手段しかとれないことをお許しいただきたい。
貴方がたに止めていただくよう頼んでいる不人だが、あれは人類全てを憎んでいる。いや生きとし生けるもの全てというべきか。魎華にしてもそう。彼らは同じ一族の出身だから・・・。
まだ彼ら一族の正体を明かすことができないことを許して欲しい。彼らの存在をまだ明らかにするわけにはいかないのだ。
今ならまだ間に合う彼らを止めてほしい。例え死をもってもしても仕方ないと思う。彼らは引くことができないから。だが、できることなら・・・。いや、やめておこう。それをいう権利は私にはないのだから。

「なんだよこれ。意味不明じゃん」
不平をもらす九夏の肩に草間の手が置かれた。
「まぁ、そういうな。一応不人じゃなかっただけましだっただろう?」
依頼人からの初コンタクト。不人を止めて欲しい。果たして彼の正体とは何者なのであろうか。謎は深まるばかりである。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0319/当麻・すず/女/364/骨董屋
0054/紫月・夾/男/24/大学生
0231/直弘・榎真/男/18/日本古来からの天狗
0229/鷲見・千白/女/28/(やる気のない)陰陽師
0095/久我・直親/男/27/陰陽師
0112/雨宮・薫/男/18/陰陽師
0183/九夏・珪/男/18/高校生(陰陽師)
0116/不知火・響/女/28/臨時教師(保健室勤務)
0328/天薙・撫子/女/18/大学生(巫女)

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■         ライター通信          ■
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大変お待たせいたしました。
サンシャイン60〜無実〜番外編をお送りします。
ついに依頼人からの初コンタクトがありました。まだまだ明らかにされていることは少ないですが、不人の正体を知る者のようであることは判明しました。
一体不人と魎華の一族とは何なのか。彼らの背後にいる者と関係は?謎は深まるばかりですが、徐々に明らかにされていくことと思われます。
次回をご期待ください。
それではまたお会いできることを祈っております。