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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


彼方からの手紙
●空港で待つもの
 瓶底のような眼鏡をかけた青年、秋葉祐二(あきば・ゆうじ)は生まれて初めて、千歳空港に降り立った。その理由は、彼の手にしている古ぼけた手紙だった。
『もしこの手紙を受け取ったならば、この宛先まで手紙を送って下さい』
 この手紙は秋葉青年の引っ越し先である家の郵便受けに入っていた。どうやら5年もの間、誰にも気づかれずに置かれていた物らしい。差出人は当時13歳の少女。日付が5年前のものなので、今なら高校生ぐらいになっているだろうか。秋葉はこの手紙を見て、本人に会って話をしたいということを思いついた。しかし、このぱっとしないひ弱なそうな外見なのと、宛先である札幌を熟知していないことで‥‥草間興信所を訪れ、苦労の末、援助依頼を成功させた。こうして秋葉は安心した面もちで千歳空港へやって来たのだ。
「よう、あんたが秋葉君だな?」
 髭が濃い上に、ひとまとめにしたぼさぼさの頭。そしてサングラスの男に秋葉は声のでない悲鳴を上げる。出迎える者は‥‥見るからに怪しい男だった。
「そんなに驚くなよ。俺は奥津城徹(おくつき・とおる)。草間から頼まれて札幌駅まで案内しに来たんだ。最後まで付き合ってやれればいいんだが、用事があって、札幌駅からは別の優秀なスタッフに頼むことになる。いいやつばかりだから、安心しろよな!」
 にっと奥津城は笑みを浮かべる。秋葉は不安を隠せないままに、奥津城と札幌駅への電車に乗りこんだのであった。

●流れる電波に誘われて
「今日はちょっとセンチメンタルに浸っちゃうようなお便りが届いています。ラジオネーム『悩める子羊』さんから。『僕の引っ越し先に一通の手紙が残されていました。差出人は5年前の幼い女の子のようです。手紙の内容は僕の引っ越し先である家にまつわる思い出が書かれていました。大きな壁にある傷は背比べをしたときに付けたものだとか、小さなバルコニーで食べたバーベキューの話とか‥‥』」

 ラジオの収録を終えた女性DJが、スタジオから出てくる。
「お疲れさま〜。頼みを聞いてくれて、ありがとう」
 札幌のとあるテレビ局に研修中の寒河江深雪(さがえ・みゆき)がDJを迎える。
「ううん。前にお天気予測してくれたとき、ホントに助かったしね。これで貸し借りナシになるだけよ」
 にこりと笑みを浮かべながらDJはそう告げた。
「深雪ちゃーん、そろそろお天気レポートの時間だよ〜」
 遠くで深雪を呼ぶ声が聞こえる。
「まあ、何があったのか知らないけど‥‥あなたもお仕事頑張って。何か連絡があったらすぐに知らせるから」
「はい〜、今日は本当にありがとうございました〜」
 深雪はDJに礼を述べてから、自分の仕事に戻るのだった。

 ここはとあるビジネスホテル。その一階にある喫茶件食堂にて、九尾桐伯(きゅうび・とうはく)は眼鏡の少年、祐二と朝食を取っていた。長く緩やかなウェーブのかかった髪を一つにまとめ、憂いを秘めた笑みを口元に含んだ青年。それが桐伯だった。
「手紙、先ほどは見せていただきありがとうございました」
「え、あ‥‥は、はい‥‥」
「可愛らしいお手紙でしたが‥‥あなたはどうして、郵送せずに直接会うという方法を選んだのですか? 良ければ聞かせて下さい」
 朝食が終わったのを見計らって、桐伯は訊ねる。
「あ、あの‥‥一度、郵送したんですが、戻ってきてしまって。それなら探して、直接会いに行こうって‥‥思ったんです。その、どんな子なのかも、気になっていたから‥‥」
 最後の方には頬を火照らせながら、そう祐二は答えた。
「そうだったんですか。わかりました」
 どうやら好奇心があってのことらしい。
「あ、コーヒーおかわりしますか? 持ってきましょう」
 この食堂のコーヒーはセルフサービスでおかわりが出来る。桐伯は自分のカップと祐二のカップを持つと慣れた手付きでおかわりを入れに行く。
「ふう‥‥」
 祐二がそう息をついたとき。
「あの‥‥初めまして」
 ぺこりと頭を下げるのは黒いマントを羽織った小学生くらいの少女。その手には月を模した飾り付きの杖が握られていた。彼女の名は冬野蛍(ふゆの・ほたる)。
「き、君は‥‥?」
 突然やってきた不思議な来訪者に祐二は目を丸くさせていた。
「ボクは冬野蛍。あのね、ボクのこと知らない? ボク、記憶がないんだけど‥‥あなたを見たら懐かしいって思って。ねえ、知らない?」
 ちょこんと図々しくも蛍は祐二の隣の席に座った。
「そう言われても‥‥あっ!」
 祐二は何かを思いだした。
「そっか、君‥‥僕の手伝ったゲームのキャラクターにそっくりだ!」
 その言葉に蛍はきょとんとする。
「ゲームのキャラクター?」
「うん、RPGに出てくる魔法使いの女の子にそっくり‥‥って、これじゃあないよね。さすがに‥‥」
 首を傾げる蛍に祐二は苦笑しながら、肩を落とした。
「ごめん、力になれなくて‥‥」
「なら、一緒にいてもいい? もしかしたら思い出すかも知れないし」
 にこりと笑う蛍。祐二も顔をほころばせた。
「おや、可愛らしいお客様‥‥ですね?」
 二つのカップを持って戻ってきた桐伯が驚いたのはいうまでもない。

●送り主の正体は?
 深雪のラジオ放送を使った呼びかけが功を奏した。なんと本人から連絡が来たのだ。祐二達はさっそく本人から指定された待ち合わせ場所へと向かう。
「待ち合わせはテレビ塔の前‥‥なんですけど‥‥」
「胸に薔薇を刺した方はまだ来ていませんね」
 深雪の言葉に桐伯は辺りを見渡す。まだその少女は来ていないようだ。
「も、もしかして‥‥嘘?」
 泣きそうな顔で祐二は言う。
「えええ? そ、そんなこと、ないです〜。絶対来てくれます〜。私もやっとお休みいただけたのに、それでは困ります〜」
 深雪はおろおろと艶やかな漆黒の髪を揺らしていた。
「でも、ありえないとは言い切れませんね。残念ですけど‥‥」
 桐伯がそう帰宅を促そうとしたとき。
「あれ? あの人、薔薇を付けてる‥‥」
 蛍が見つけたのは。
「あ、あの、あの‥‥その、葛木舞華(かつらぎ・まいか)さん‥‥ですか!?」
 声を裏返させながら、祐二はその少女に訊ねる。
「そうだよ。ずっとここにいるのに、ちっとも声かけてくれないから、もう帰ろうかなって思っていたトコ」
 不機嫌な顔をしながら、色を抜いたツインテールにミニスカートの少女、舞華がそう告げた。その少女のツインテールにはピンクの薔薇の飾りがついていた。
「なるほど‥‥薔薇と言っていましたから、薔薇の花束を持っている方をずっと探していました」
 ぽんと手を打ち、桐伯は頷く。
「私は薔薇のブローチを着けている方を探していました〜」
 どうやら、皆、薔薇違い‥‥いや、勘違いしていたらしい。ともかく、一行は舞華を加え、近くのレストランに入ったのであった。

「で、試してみたの。本にあったことと同じことが起きるかどうか。そしたら‥‥」
 舞華は目の前にいる祐二を見つめた。
「僕が来たってこと‥‥ですか」
「そういうこと」
「では、この手紙にある『重い病気でもうすぐ死んでしまうかもしれない』というのも」
 桐伯は冷ややかな眼差しでそう話に加わる。
「素敵な演出よ。そうでもしないと手紙出そうって気にならないでしょ?」
「そ、それでは‥‥せっかく苦労してここまで来た秋葉さんが‥‥」
 今にも涙が零れそうな深雪に舞華は眉を潜めた。
「いいんです‥‥僕、いつもこういう感じに騙されていますから」
 まるでこの状況に慣れたといった口調で祐二はそう告げる。
「でも、一つだけ言わせて下さい。手紙、ありがとう」
「ふん、どういたしまして。それじゃ、あたし帰るから」
 そう言って一人立ち上がり、さっさと自分の勘定を済ませていた。
「秋葉君、いいんですか? これで」
「いいんです。皆さん、ありがとうございました」
 その祐二の顔は何処か淋しげだった。

 と、そのとき。

「ちょっと、アンタ! 離してよ!!」
 店を出たと思われた舞華の声が響き渡る。
「あのお姉ちゃん‥‥黒い服のお兄さんに捕まってるよ?」
 蛍の声に皆は声のした方へと視線を移す。
「あれは一体!?」
「た、大変です〜!」
 舞華は皆のいる前で、車に連れ込まれ、何処かへと行ってしまった。
「ぼ、僕、助けに行きます!」
 そんな祐二の言葉に。
「本当は警察に任せるところですが、あなたがそういうのであれば、私もお手伝いしましょう」
「私も行きます〜」
「お兄ちゃんが行くなら、ボクも行くよ!」
 四人は立ち上がり、店を後にしたのだった。

 場所は変わって、ここは札幌でも一番高い場所。辺りには誰一人いない。いや、一人だけそこにいた。
「ほえー、『どうろ』が『ごばんのめ』みたいだー」
 和服姿の愛らしい少女は札幌駅にある建設中のJRタワーの展望台の上にいた。ちょこんと座り、楽しそうに札幌の風景を見ている。彼女の名は寒河江駒子(さがえ・こまこ)。
「あっちには『とうきょうたわー』みたいなのがあるー☆ いっぱい『ねん』があるけど『とうきょう』よりはきつくないね」
 ここに女の子がいることは誰一人気づいていない。いや、『見えていない』と言った方がいいだろう。彼女は生きている者ではないのだから。
「あれ? なんだろ? あの『くるま』‥‥」
 駒子の目にした先にあるのは、一台の黒い車が猛スピードでとあるビルへ入るところだった。
「なんだかすごい『ねん』をかんじた‥‥」
 じっとその屋敷を見ていたが。
「あっと、そのまえにみーちゃんにこの『ちけっと』わたさなきゃ!」
 手にしていた大切なチケットのことを思い出したのだ。
「んもう、さむいところすきなのはわかるけど、『わすれもの』しちゃだめだよ」
 うんと一つ頷いて、駒子は展望台からジャンプした。ふわりと飛んでいき、駒子は走って何処かへ向かおうとする深雪達を空から見つけたのだった。

●囚われのお姫様と‥‥
 駒子の案内‥‥いや、姿の見えない駒子の言葉を深雪が聞いて案内したお陰でどうにか、ビルにたどり着いた四人はそれを見上げていた。
「ここ、ですね‥‥」
 ほうっとため息をつきつつ、深雪はそれを見上げた。
「う、うん‥‥」
 蛍も頷く。
「とにかく、まずは中の様子を探らなくては」
「それなら僕に任せてよ」
 桐伯の言葉に祐二が毅然とした態度で前に出る。
「表から入ったらすぐに捕まっちゃうだろうし、なら裏から地図を手に入れて潜入した方がいいと思わない?」
 にこりと笑みを浮かべ、祐二は手にしていた鞄を抱えながら、ビルの裏に回った。
「それはどういうことですか?」
 祐二の態度の変わりように少し驚きながら、桐伯は訊ねた。
 祐二は鞄から黒いノートパソコンを取り出し、電源を入れる。
「ホントは内部に入ってからのハッキングが安全なんだけど‥‥入れない以上、電話回線を使って行くしかないよね?」
 一つ、二つとパソコン画面に浮かびあがるウインドウをリズミカルなタイピングで閉じたり消したりしている。
「何をしているの?」
 そっと見ていた駒子が深雪に訊ねる。
「うーん、よくわからないですが、ビルの中を調べているようです」
 首を傾げつつ、深雪は答えた。
「ですが、これは犯罪なのでは?」
「犯罪? 向こうも女の子一人さらっているんだ。それに‥‥僕を捕まえることは不可能だよ。ほら、もうアクセス出来ちゃった」
 桐伯の言葉に淡々と応えながら、祐二はビルの内部地図を画面に映し出した。
「内部も分かったし、後はセキュリティを制御して内部を混乱させ、その隙に舞華ちゃんを助ければ‥‥」
「あの、セキュリティを制御するのは、秋葉さんですよね? 秋葉さんはここに残ることになります〜」
 その深雪の言葉に祐二は驚くような顔をした。
「となると、潜入するのは私になりますね」
 桐伯の言葉に。
「私も行きます〜」
「え? あなたも行くのですか? ですが、中がどうなっているか‥‥」
「でも、一人よりも二人の方が安全です〜」
 力強く拳を握りしめる深雪に桐伯は苦笑を浮かべた。
「わかりました。行きましょう」

「うわあ? 何なんだこれは?」
 ビル内に設置されたカメラが右左と指示していないはずなのに動き、非常ベルが鳴ったり止まったりを繰り返している。しまいにはスプレインクラーが作動してしまっていた。
「秋葉さんも奮闘しているようですね」
 スプリンクラーの水を浴びながら、桐伯は突き進む。
「えっと、次は左です〜」
 桐伯の隣にいる深雪が指示を出す。
「それにしてもよく分かりますね」
「駒子ちゃんが教えてくれるんです〜」
 振り返り答える深雪。
「駒子、ちゃん?」
 と、目の前に黒いスーツを身にまとった男が立ちはだかった。
「何なんだお前達は!? これはお前達の仕業‥‥うっ!!」
 キュルキュルという音と共に二人の男はばたりと倒れた。男は桐伯の放った鋼糸で体を縛られ身動きが出来ずにいた。
「と、桐伯さん、危ないっ!!」
 何と後ろからまた二人の男が現れたのだ! 深雪はとっさに手を彼らの前にかざした。
「凍れっ!!」
 深雪の髪が黒から白へと変わっていくと同時に、手のひらから吹雪が生み出される。その吹雪は男達の足元を凍てつかせた。
「これで、しばらくは動けません〜。あんまり使いたくはなかったんですが‥‥」
 元通りに黒髪に戻るのを確認しながら、深雪はそう桐伯に笑みを浮かべる。
「だから、共に行くと仰ったのですね」
 二人は顔を見合わせ頷いた。舞華のいる部屋はすぐそこだ。
「みーちゃん、ここがそうだよ☆」
 紅い和服が翻る。
「え? も、もしかして、深雪さんの言っていた駒子さんとは‥‥」
「こまこのこと、よんだ?」
 にこりと駒子は笑みを浮かべた。駒子の指し示した扉の先には倒れた舞華が丁度、目を覚まそうとしていたときだった。

「ごめん、蛍ちゃん‥‥僕‥‥もうだめかも」
 パソコンを操作していた祐二がそう告げる。
「え!?」
 驚いた蛍は祐二を見る。どうやら、祐二はかなり眠そうだ。
「僕‥‥実は昨日、あんまり寝ていないんだ‥‥。その、緊張して‥‥」
 うとうとしながら、祐二はそういった。
「だ、駄目! まだ、終わっていないよ? それに皆、戻ってきていない‥‥」
 そう蛍が祐二をゆさゆさと揺さぶり始めたときだった。
「お前等か? こんな騒ぎを起こしたのはっ!!」
 黒いスーツの男達に見つかってしまったのだ。
(このままでは、皆がやられてしまう!!)
 蛍は一か八か杖を取り出し、それを口に付ける。杖と思われた物。それは笛でもあったのだ。心地よい笛の音が辺りに響き渡る。
「な、何なんだっ!?」
 それにうとうととするスーツ姿の男がいたが、完全にはかからなかった。
「かかりかけた者がいるっ!?」
 それは少ないものではあるが、怪異を持つ者を意味する。何故ならこの笛の音は怪異存在を眠らせるための笛。
「こいつめ!!」
 完全にかからなかった男の手が、蛍に掴み‥‥。
「うぐう‥‥」
 その手は結局蛍を捕らえることはなかった。
「おや? 何でここに依頼人が来ているんだ?」
 青色の本が男の頭を直撃し、気絶させたのだ。その本を大切そうに取り上げるのは、祐二を札幌まで連れてきた徹だった。蛍は祐二の陰に隠れるように徹を見上げる。
「まあとにかく、ここはヤバイ。さっさと場所を移動しなきゃな」
「で、でも‥‥寝てるの‥‥」
 祐二はぐっすりと寝ている。さっきの笛が子守歌になったと見える。
「仕方ないな。嬢ちゃんは依頼人のパソコン持ってくれるか? 本当なら依頼人とパソコンを持ってやりたいところだけど‥‥『ニセモノの日記』でも妙な力があるからな」
 そう言って徹は右手に寝ている祐二を抱え、左手に青い本を片手に立ち上がった。
「秋葉さーん、蛍さーん!! 舞華さんを無事、救出出来ました!! 早く逃げましょう〜」
 丁度良く、深雪達がやってくる。皆は徹の乗ってきたワゴンの車に乗り込むと、その場を後にしたのだった。

●空港で旅立つもの
「結局ふられちゃいました‥‥」
 あの後、目を覚ました祐二は側にいた舞華に愛の告白をしていた。しかし、こっぴどく振られてしまったが。ここは新千歳空港。目的を果たした祐二達は東京へと戻るため、飛行機を持っていた。
「元気を出して‥‥」
 蛍が勇気づける。
「‥‥蛍ちゃんだから言うけど、本当は皆に一つ嘘、ついていたんだ。僕、舞華ちゃんを知らないって言っていたけど‥‥実はずっと前から知っていたんだ。手紙を貰う前に一度会ったことがあって‥‥けれど忘れられなくって。そんなとき手紙が残っていて、これだって思ったんだ。でも、結局駄目だったね‥‥」
「だめじゃないよ☆」
 そこに現れたのは駒子。
「え? 君は?」
「こまこっていうの。おにーさん、ここにくるひこうきでも『ためいき』ついていたよね。それって『まーちゃん』のこと? ちょっとだめだったけど、きっとそのぶんいいことあるよ☆ こまこがいうんだから『ぜったい』だよ☆」
 その駒子の言葉に祐二は苦笑する。
「何だか元気づけられちゃったね。振られちゃったけど、僕、そのお陰で少し吹っ切れたと思うんだ。それにとあるところから、仕事しないかって誘われているんです。これを機に仕事に打ち込もうと思って。もしかしたら、舞華ちゃんよりもいい子と会えるかもしれないしね」
 その言葉に蛍と駒子は笑顔を浮かべる。
「秋葉さん、蛍さん、駒子さん、行きますよー」
 桐伯が呼びに来たようだ。
「さて、帰りましょうか。僕たちの街へ」
 祐二の顔はいつになく、晴れ晴れしい表情だった。

「はあい、皆! 先日のセンチメンタルなお手紙を送ってくれたラジオネーム『悩める子羊』さんのこと、覚えているかな? な、なんと! 手紙の女の子と無事に会えたんだって!! このラジオを聴いて来てくれてたみたいで連絡してくれたのよ。それで、その後どうなったかって言うと‥‥」

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

 0332/ 九尾・桐伯 / 男 / 27 / バーテンダー
 0174/寒河江・深雪 / 女 / 22 / お天気レポーター(研修中)
 0276/ 冬野・蛍 / 女 / 12 / 不思議な少女
 0291/寒河江・駒子 / 女 /218 / 座敷童子

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■         ライター通信          ■
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 初めまして☆ 相原きさ(あいばら・−)といいます。今回は私の依頼を受けて下さりありがとうございました☆ 今回の依頼結果はいかがだったでしょうか? 恐らく参加した方皆さんが驚かれるような展開だったかと思います。実は私もこのような展開になるとは思わなかったので、びっくりしています。
 まさか、今回の依頼に本物の「座敷童子」さんに参加いただけるとは思いませんでした。プレイングも可愛くて読んでいてほのぼのとした気分になりました。描写の方はいかがでしょうか? 楽しんでいただけると嬉しいです。
 このノベルを少しでも気に入っていただけたなら、ファンレターや以下の私のサイトまで感想を聞かせて下さると嬉しいです☆
http://members4.tsukaeru.net/kisa
 それでは今日はこの辺で。また機会がありましたら、お会いしましょう☆