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Weekly Victim
≪顔の見えない招待状≫
『ゲームをしませんか?』
投稿者:YUKARI 投稿日:2002/04/XX(Sat) 00:00
初めまして。
突然ですが、私が毎週金曜日に提供している仮想現実ゲームに参加して下さる方を募集しています。
場所は新宿。都庁近くの5階建のオフィスビルにて開催します。
ルールは至って簡単。最上階の一室で眠っている人を最初に起こした人が勝者です。
ただし『ゲーム』と言うからには色々と仕掛けがあります。
最上階の部屋にたどり着くには、1〜4階にそれぞれ隠された『鍵』が必要です。
1階には地の鍵が、2階には水の鍵が、3階には火の鍵が、4階には風の鍵がそれぞれの属性に関係した場所に隠されています。
各階の構造は次の通り
1階:エレベーターホールと警備員室。大会議室が2室に小会議室が6室
2〜4階:ワークデスクが50程度入るオフィススペースが4つ
5階:中会意室が20室(←そのうちの4つが鍵で扉が開きます。開いた部屋から全て繋がる一室がゴールです)
上記以外に各階、給湯室、喫煙室、自動販売機、トイレ(男女別)があります。オフィスビルですので机・椅子・パソコンなど普通あるものは普通にあると思って下さい。
移動には通常エレベーター(2機)、貨物用エレベーター(1機)、屋内階段、屋外階段の何れを使用されても構いません。
また鍵はそれぞれの属性に守護されていますので、狙う鍵を決め対策を考えておくことをお薦めします。‥‥当然、それ以外の電子人形等の障害も用意してあるので十分に気を付けて下さい。
勝者はただ1人。報酬として一時ではありますが夢のような時間を約束します。
参加希望の方はメールにてご一方下さい。折り返しご連絡差し上げます。
扉が開かれるのは金曜の21時。
死をも、久遠の眠りをも恐れぬ貴方の挑戦をお待ちしております。
≪エントリースタート≫
天には紅筆で引いたような月、地上の全てを嘲笑うかのごとく。重く立ち込める暗雲の彼方に、なぜだかその姿を覗かせていた。
ふと時計に目を遣ると、デジタルのそれは間もなく21時を迎えようかという時刻を点滅させていた。
「で、今回のゲーム参加者はこのメンツということか」
顔の見えない招待者からの呼びかけに蟠りを覚え、参加意志を伝えたメールの返信に添付されて来た地図で指定されたビルの前、佇む影は三つ。
その中で最も長身のそれ――紫月夾は自分以外の二人の顔を交互に眺めながら嘆息した。
どう見てもただのサラリーマン風情の男と、こちらはTVか何かで見覚えがあるような気がするが物腰の柔らかそうな金の髪の女。
このようにあからさまに不審なゲームに進んで参加するほどのゲーム好きには見えないし、自分のように特殊な能力を有しているようにも見えはしない。
興味本位で我が身を滅ぼす事がないことを祈るばかりだな。
つきかけた2度目の溜息を気付かれないように潜め、夾は考えを改めた。人というものは見かけによらないものだ、と。
「それにしても‥‥入り口らしきものが見当たりませんわね」
眼前に聳えるは漆黒の建物。高層ビルの多いこの界隈にしては随分とこじんまりとした造りになっている。
先ほどから敷地の入り口から丁度正面になる、何もない壁を興味深そうに触っていた女――ラフィエル=クローソーは夾の内心の思いをほんの一片も知ることなく、ほんわりとした笑顔を背後の男性陣二人に向けた。ゆるいウェーブを描く金の髪が傾ぐ彼女の動きに合わせてフワリと揺れる。
「うーん。多分、それもゲームの仕掛けの内の一つじゃないんですかね? 21時になったら扉が開かれるって」
背中や腕、膝裏部分に今日一日の労働の証である横皺を刻んだスーツに身を纏った男――室田充がラフィエルの問いに応えた。
日頃、『アンジェラ』の名でネット上に独自の世界を持つ充には、今回のゲームに直に関わるか分らないが、気になる情報が少なからず集まっていた。
表だって取りだたされることなく、いっそ不気味なまでに密やかに開催が続いているこのヴァーチャルゲームの始まりは昨年末辺り。運良く話を伝え聞くことの出来た参加者の弁によると、それは真実、恐ろしいまでにリアルで、かつ『ゲーム』であったと言う。
何でもその参加者は一度、障害物である『機械人形』に致命傷を負わされ、死ぬ! と思った瞬間、スタート地点であるビルの入り口に戻っていたらしいのだ。無論、負傷の痕跡は一切なく。
ゲームスタートまでの残り少なくなった時間を使って、充は夾とラフィエルに自分が調べ得た情報を説明した。
「あぁ、その辺は俺も調べた――確かにこのゲームには不審な点が多過ぎる」
どういう根回しになっているのか、決して『勝者』に辿り着くことの出来なかった事前調査。夾の持つ情報網を持ってして、充が知り得た情報以上のことを入手することは不可能だった。それが、更なる疑惑を生んだのだが。
「そろそろ約束の時間ですわね」
柔和な表情を崩すことなく、穏やかに二人の話を聞いていたラフィエルがアルカイックスマイルを浮かべる月を見上げて呟く。
「何事も、考えていては始まりませんわ。とにかく動いてみないと何も始まらないのではありません?」
地上の大人達がそれぞれの情報交換に身を置く頃、一足先に目的のビルに辿り着いていた少年は都会の喧騒を遠くに聞いていた。
「フン、バカな大人は困るね。何も正直に入り口から入ることもないじゃん。頭は使わないとね」
小柄な体を、屋外階段の手摺に預けて大沢巳那斗が理知的な光を瞳に宿し、建物の三階部分で暗い天を仰ぐ。
小学生である彼がこんな時間にこんな所にいることに、恐らく彼の両親は気付いていないだろう。一瞬だけ胸に飛来した冷たい痛みに巳那斗は気付かぬ振りをして瞳を正面の黒い壁に向けた。
「ホント、何もないんだもんな」
そっと差し伸べた指先から伝わってくるのは、無機質なコンクリートの感触。大人達を出しぬく形でこの場に到着してから、幾度触れたか分からないそれは、微塵の変化も見せない。
ゲームスタートに合わせてタイマーをセットした腕時計が、予告の時間が近いことを液晶ディスプレイの点滅で伝えてくる。
「さぁーってと、お手並み拝見」
ゲーマー魂に炎が燻る。
――今日は退屈しないで済む夜になりそうだ。
うふふ《うふふ》♪
《びる》の《ねむりひめ》だってー♪ おもしろそ〜☆
こまこは《れいたい》だから《かぎ》は《かんけーない》もんねー。ぜーんぶ《かべをぬけ》て《とんで》いけばいーんだもん☆
巳那斗が大人達よりほんの少しだけ月に近いところでそれを見上げていた頃、更に程近い場所に今は人の目に見えない存在がいた。
東北地方の家に住むと言い伝えられている家の守り神の精霊、子どもの姿をしているという座敷童子の寒河江駒子である。ちなみに彼女、今は被守護家たる寒河江家の娘、深雪にくっついて上京中らしい。なんとも便利な座敷童子だ。
はやくどこかの《まど》あかない、かなー
他の階同様、駒子の視界に映るのは全面漆黒のコンクリートの壁だった。それでも通りぬけてしまえば済むのだが、約束の時間が21時と指定されているので、その時間を守っているのは‥‥駒子が駒子だからだろう。
地上から舞い上がる風が、霊体状態の駒子のまさしく日本人形のように肩口で真っ直ぐに切り揃えられた黒髪と、赤い童女着物の裾を軽やかに踊らせる。
うふふ
《おひめさま》ってどんな《ひと》かな〜♪
ここには誰一人として、『最上階で眠る人物』が女性であると言われていないことを駒子に指摘するものはいない。
「‥‥21時だな」
デジタル数字が『21:00』を表示する。
誰もが息を飲んだ瞬間、その扉は不意に姿を現した。
一階にはなんの変哲もない両開きの自動ドアが。三階には重い鉄の非常扉が。そして五階には全面ガラス張りの窓が。
「‥‥ゲームスタートのようだな」
「そのようですわね」
「ふーん、本格テキじゃん」
《おひめさま》♪ はやく《みたい》なー☆
それぞれがそれぞれに銘々の目的に走り出す。
「あ、そう言えば。このビルって地図上には存在しない‥‥」
だから充がうっかり伝えるのを忘れていた肝心の情報を耳に出来た者はいなかった。
≪入らずの扉≫
わーい《まど》が《あいた》ー☆
21時ちょうどに駒子の目の前に不意に現れたガラス張りの窓は、外部からの駒子の来訪をほんの少しも妨げる事はなかった。
するり、と壁を抜け駒子の存在が屋外から屋内へ移動する。
《おひめさま》は《どこ》かな?
敢えて実体を取ることはせず、駒子は霊体のままフワリフワリとフロアー内をゆっくりと探索し始めた。
どうせ誰かと争う意志はないのだ。このゲームに彼女が参加したのは《ねむるおひめさま》を見てみたかっただけのこと。
人の目には映らない童女が、一つ、また一つ壁を抜けて無人のフロアーを移動する。全くの無音の世界に、聞こえる者にしか聞こえない楽し気な子供の笑い声だけが響く。
そんな一人きりでのお姫さま探しを彼女が続けること暫し、ふと駒子は通り抜けられない扉があることに気付いた。
この《とびら》、《なに》かなのかなー??
駒子の興味がお姫さまから、通り抜けられない扉へと移る。
不可侵の扉の前に立ち、深雪から説明してもらったゲームの内容だと、この階には20の部屋があったことを思い出す。
一つ、指を折る。
そして近い扉からもう一度、通り抜けられるか通り抜けられないかを試し、先行きを拒まれる度に指を折った。
ひとーつ
ふたーつ
みーっつ
よぉーっつ
全ての扉を試し終え、折り曲げた指を元に戻しながら、童歌でも歌うように数を駒子は確認した。
ぜーんぶで《よっつ》
《はいれ》ない《とびら》は《よっつ》だね
最初に気付いた扉の前にキチンと正座して、自分に問いかけるように確認すると駒子は思い至った考えに破顔する。
そっかー、《おひめさま》に あいにいける《とびら》は《よっつ》っていってたねー
なんだ、ざんねん
鍵がないと霊体である自分さえも扉をくぐることが出来ない事に気付き、駒子はほんの少しだけ顔をしかめる。そして不意に眼前の扉に何かの模様があることを発見した。
これはー《かざぐるま》?
暗い世界にホワリと蛍光塗料が発するようなごくごく淡い光を発して、扉に浮かび上がる駒子の手のひら大の模様。
慌てて他の三つも見てまわれば、それぞれ同様に小さな模様が描かれていた。
こっちはー《たきび》
《これ》はー……《おやま》
んーーっと……《これ》は……《おいけ》??
首を傾げながら最初の《かざぐるま》の前に再び戻ってくる。
そして、何かに惹かれるようにその模様に透き通る少女の手が触れた瞬間、駒子は全身を恐怖に凍り付かせた。
《いま》の《なに》……?
かわいらしい言葉遣いの駒子の語尾が常にないほど掠れて消える。
《むらさきいろ》の《め》?
扉に浮かび上がる模様に触れた瞬間、脳裏に鮮やかに浮かんだヴィジョン。誰のものとは知れない鮮やかな紫の瞳。全てを射貫く強さでこちらを見ていた。
ありやなしやの心臓が高鳴る感じを覚え、皮膚という皮膚が泡立つように思える。
《ここ》は《こわい》ところ、なのー?
漆黒の瞳が忙しなく宙をさ迷う。動こうにも体がうまく言う事を聞いてくれないような気がした。
と、不意に馴染んだ気配が駒子の意識を引き寄せる。
……《むーちゃん》? 《あんじー》??
瞬きにも満たない刹那、まるで叫び声のように膨れ上がったそれは急速に存在をかき消して行く。
《あんじー》♪
しかし、恐怖という枷を解かれた駒子にはそんなことなど関係なく。まさに矢の勢いで彼女は馴染みの気配の元へ舞い降りた。
昏い室内に一つの人影があった。
唯一の光源はノートパソコンの液晶画面が発する人工の輝き。
キーボードの上を指が踊る度にカタカタという音が掻き鳴らされる。
「‥‥さて、どう出る――かな」
カタ カタ カタカタ タ タタタタタ‥‥‥
≪地の鍵、最強ユニット誕生≫
『《むーちゃん》? それとも《あんじー》??』
スーツのジャケットの裾をツイツイと引っ張りながら見上げてくる少女の黒い瞳に、充は優しい笑顔で「どっちでも良いよ」と答えた。
何度か目を擦ってみたが、現実は変わらない。
ただ変わったこと、といえばネット繋がりで友人になった寒河江深雪の家の座敷童子の駒子が傍らにいること。
それもそれで劇的変化なのだが、それよりも充には自分が今経験したことの方が信じられずにいた。
確かに、巨大な電子人形が背後に立っていて。今まさに充に襲いかからんとしていて、自分は覚悟をムリヤリ決めなければならない窮地に追い詰められていたのではなかったのか?
それが現在、まるで何事もなかったようにスタート地点に立っている。
側にいる存在に多少の変化はあれど。
『《むーちゃん》?』
どうやら今の充がスーツ姿であることから『むーちゃん』と呼ぶことにしたらしい駒子が、愛らしい仕草で再びスーツの裾を引く。すっかり自分の考えの世界に浸っていた充は、小さく視線を揺らすと何の汚れもないキレイな手を駒子の頭の上に置いて軽く撫でた。
クスクスと駒子が嬉し気に笑う。
『あのね、こまこさっきこわい《め》を《みた》んだよー』
『それでね《むーちゃん》がここに《いる》ってきづいたの♪』
駒子の手を取り、今度は二人で自動扉を潜る。一度足を止めてグルリと見まわしたが、先ほどと全く変わった様子はなかった。当然、巨大な電子人形の姿もありはしない。
『《むーちゃん》が《わー》っておおきな《こえ》だしたみたいな《かんじ》がしたんだよ〜』
でも、《すぐ》にきえちゃったけど、ねー
疑いながら記憶を辿る。自分が不可思議な土の塊を発見したのは――この観葉植物の鉢の中。
充がしゃがみ込むと、合わせて駒子も座り込む。
「‥‥あった」
『《なに》、なぁに〜??』
駒子が覗きこむ充の掌中。そこには拳大の土の玉。触ってみたがなんだかとっても冷たい感じがした。
「と言うことは――」
充は立ちあがりながら恐る恐る振り返る。当然、駒子もそれに習う。
『わーい☆ おおきな《おにんぎょう》さんだー♪』
「やっぱり出るのねーーっ!」
キャッキャと笑う駒子と裏腹に、充の絶叫がフロアーに響き渡る。それもそうだろう、彼等の目の前には充が先ほど見たものと同じ巨大電子人形が音もなく立っていたのだから。
「いい加減にしてっ、よーっッ!!」
渾身の力で、目を閉じたまま手の中にあったものを電子人形に向かって充は投げ付けた。
しばしの間隙。
無音の時間。
そして――大音響。
『わーい♪《むーちゃん》すごいねー! ほら《かぎ》もあったよ〜☆』
怖々と世界を見渡した充の視界には、エレベーターホールの半分を占拠する形で昏倒した電子人形と、その額近くで割れた土の塊。おまけに小さな金属性らしい鍵を持った駒子の姿だった。
≪水の鍵、最強ユニット真実へ≫
「つまりはそういう事」
場所はオフィスビル二階。
足に絡み付くパソコンのLAN配線などを必死掻い潜りながら充は駒子の手を引きながら走っていた。
時々ワークデスクに腰骨の辺りを強かに打ち付けたりしていたが、そんなことを気にしている余裕は――はっきり言ってない。
「つまり、これはまさに≪ゲーム≫で僕は一度リセットを食らったと」
歩くのは仕事で慣れている。しかし、こんな仄かに明るいだけの夜のオフィスを全力疾走するような訓練はしていない。
息が喉に絡んで咽る。しかし立ち止まっている暇はなかった。
『ねぇ《むーちゃん》? やっぱり《おひめさま》は《おーじさまのちゅー》で《おきる》のかなぁ?』
躓きそうになる度に、何が楽しいのか分らないが駒子が笑い声を上げる。
『《おひめさま》はねむったまま《おーじさま》がむかえにきてくれるのを《まって》るんだよね☆』
真っ白になりかかる思考の中に、駒子の無邪気な声だけが響く。
《眠り続けるお姫様》
《起こされるのを待っている》
――報酬として一時ではありますが夢のような時間を約束します。――
――死をも、久遠の眠りをも恐れぬ貴方の挑戦をお待ちしております――
‥‥夢のような時間
‥‥久遠の眠り
――毎週金曜日に提供している仮想現実ゲーム――
『神隠し』
『新宿に出かけて行ったっきり一週間音信を絶つ者』
‥‥毎週
‥‥一週間音信不通
「あーーーーーーっ!!!!」
『なぁに??』
突然、絶叫に似た声を上げた充を駒子が両目を大きく見開いて見上げる。
「分った! そう言う繋がり! ――ってそしたら起こしたらヤバイんじゃない」
不意に転がり込んだ事の真相に充の顔が輝く。何やら良い事があったらしいと察した駒子が、トンっと近場のワークデスクに登り精一杯の背伸びをして小さな手で充の頭を撫でた。
『よかったねー♪《むーちゃん》』
「ありがとう! これも駒子ちゃんのおかげだよ」
視線を駒子の高さに合わせて充が笑む。
そして気付く。
「って! 忘れてたーっ!!!」
『わーいぃ☆《おにんぎょうさん》につかまっちゃうよ〜♪』
本日二度目の巨大電子人形。いや、正確には三度目か。
等身大の電子人形達には二階に上がってから何度か遭遇したが、何故だかその度に人形同士が鉢合わせしたり、自分でコードに絡まって転倒し動けなくなったりとの幸運に見舞われていたのだが。
流石にこの巨大電子人形にはそれも通じないらしく、先ほどから追い掛け回されていたのだ。
充の手の平にジットリとイヤな汗が浮かぶ。
ここまで来て、またリセットされるのは勘弁したい。
何よりも気付いた真実を早く他のメンバーに伝えなくてはまた新たな犠牲者が出てしまう。
しかし、充には戦う術がなかった。無論、駒子にも。
『《むーちゃん》?』
すっかり固まってしまった充を、どんどん距離を詰める巨大電子人形と交互に見遣りながら駒子が歌うように呼ぶ。
「ってこうなったら手段は一つ!」
自棄を起こしたと思ってもらっても構わない。彼が――否、アンジェラが癒しの系のキャラであることからの習性であると言ってもらっても構わない。
そして真実、充が電子人形を癒したい――そう思ったのもまた真実。
「眠れ眠れ、心穏やかに〜♪」
猛るものには子守唄。
『わーいぃ《むーちゃん》おうた。こまこも《いっしょ》にうたう〜♪』
何が起こったのかすぐには分らなかった。
まるで充と駒子の歌に共鳴するように、防災シャッターが降りて偶然そこを通りかかっていた巨大電子人形を押し潰して。
動かなくなったそれを間近で見下ろしながら、充は電子人形の腕部分に一緒になって割れた飲みかけのペットボトルを発見した。
すぐ近くに零れたお茶か何かの水溜りに浸る小さな金属の破片。
「‥‥こんなことってあっていいのかな?」
『わーい! 《むーちゃん》とこまこ、《かぎ》ふたつー☆ 《おひめさま》にあえるねー♪』
舞い降りた幸運の女神は、充を軽やかな足取りで最上階へと誘うのだった。
「‥‥面白い。今回の挑戦者は本当に面白い輩ばかり‥‥」
声を押さえたクツクツという笑い声が、キーボードを叩く音に絡みつく。
「『人間』でない者も混ざっているようだし」
パタリ、とノートパソコンが伏せられた。唯一の光源を断たれ、室内を闇の帳が支配する。
「どういう選択をするのだろうよ」
笑いが――止まらない。
『《むーちゃん》は《ちから》もちだねー♪』
充の腕の中で駒子がキャッキャとはしゃぎながら笑う。それに対し、充のほうは既にへとへと状態であった。
それはそうだろう。彼は駒子を抱えたまま二階から一気に五階まで階段を使って駆けあがって来たのだから。
「駒子ちゃん‥‥扉、どれか分かる?」
荒い息を繰り返しながら充は駒子に訪ねた。
彼の手の中には二つの鍵。
途中立ち寄った三階と四回は、一目見ただけで『誰か』が『何か』と争った形跡があったので、既に鍵は無しとみなして素通りして来た。
『んーっとね《おやま》の《え》ならあっちの《とびら》で、《おいけ》の《え》ならそこの《とびら》だよー♪』
駒子が二つの扉を指し示す。
充は迷わず近いほうの扉に鍵を差し込むと一気に駆け込んだ。
急がなくては
新たな犠牲者が出る前に
――急がなくてはならない、知ってしまった真実を伝える為に。
『やっと《おひめさま》にあえるね〜☆』
駒子の無邪気な笑い声は充の耳までは届かなかった。
≪その先にあるもの≫
「へぇ‥‥何もない部屋か」
眠る人――それ以外は。
巳那斗と夾が最初に辿り着いたその部屋は、壁全面を紫色で塗り込められていた。出入り口は一つしかなく、窓もない。縦長の造りのその部屋にあるのは鈍色に光る冷たい石で出来た寝台と、そこに静かに横たわる青年だけだった。
「他のメンバーはまだ到着していないのか」
周囲を警戒するように入り口の扉付近で立ち尽くしたままの夾が呟く。
見渡さずとも一望できる室内には、規則正しい寝息を立てる青年と自分、そして巳那斗の姿しかない。そして感じられる気配もその三つだけ。
しかし、どうしてだか心がざわつく。
得体の知れない――そう、誰かに値踏みされるような視線を感じていた。
「ということは、勝者は俺達ってことだね」
夾の態度から、取り敢えず室内に電子人形が潜んでいることはなさそうだと判断した巳那斗は、臆することなく眠る青年に近付いた。
白い、貫頭衣のような服を身につけた青年は巳那斗の接近にも覚醒の気配はない。
「おい、不用意に起こすなよ」
「当然じゃん。こーゆーのは寝てる本人がラスボスってのがゲームのお約束だし」
夾の忠告に、余裕の態度で巳那斗が返す。
実際、こういうゲームで助けるべき相手が実は‥‥というのはお約束中のお約束である。巳那斗は『経験』としてそのことを知っていた。
注意深く、眠る青年を観察する。着ている物以外はどこにでもいるような青年だった。別段、怪しいような所は見うけられない――まぁ、目を開けた途端というのはよくある話だが。
「なぁ、このままじゃ埒があかないから起こしてみないか?」
この場合、勝者がどちらになるか分からないので取り敢えず夾を振り返って巳那斗が確認を取る。
「そうだな」
暗に報酬など俺は必要ないから、起こすならお前が起こせと伝え、夾は万一何かが起こった時の為に臨戦体制を取った。
夾としてはまずゲームの主催者にこのゲームの意図を問いただすつもりだったのだが、その相手がこの場にいないようでは何も始まらない。
行き詰まっているのは二人とも同じだった。
「それじゃ、起こすよ‥‥」
「ちょっとお待ち下さいませ!」
巳那斗が眠る青年に手をかけようとした瞬間。夾の背後の扉から一人の女性が駆け込んできた。ようやく五階に辿り着いたラフィエルである。
「待って、くださいませ」
余程慌てて来たのか、部屋に到着したラフィエルは肩で荒い息を繰り返した。白磁のような白い額にうっすらと汗が浮かぶ。
「‥‥間に、合いまして?」
ようやく呼吸の落ち着きを取り戻し、改めて状況を確認するラフィエルに夾と巳那斗は一度視線を絡ませた。
「一応まだ起こしてないけど」
眠る青年より、突然の金の髪の乱入者のほうに驚いた巳那斗が代表して二人の意をラフィエルに伝える。その答えにラフィエルは安堵の溜息を溢した。
「良かった。皆さんお気づきかどうか分かりませんが‥‥この部屋はおかしいです。入り口の扉を潜った瞬間、時空が捻じ曲げられているのを感じましたの」
それは決して尋常なことではない。
しかし自分たちが潜った炎の鍵の扉からこの部屋の扉までは一直線で他に入り口はなかった。そして同じ鍵を持つはずのないラフィエルが現れたのもまた同じ扉。
物理的に不可能な事――それが常状で考える事であるならば。
「それに其方の方、何か呪≪しゅ≫の気配を感じます」
ラフィエルがそっと巳那斗の肩に手を添え、寝台から遠ざける。
「呪?」
「えぇ。まだはっきりとしたことは分かりませんけれど‥‥少なくとも誰かに『眠らされている』気配がいたします」
ラフィエルがその左手を眠る青年の額に掲げる。彼女の細い腕に飾られたブレスレッドが夾と巳那斗の前で淡い燐光を発し始める。
その幻想的な光景に二人の意識が引き寄せられようとした瞬間、その厳粛な空気は二人の来訪者によって打ち破られた。
「駄目です! その人を起こしたら!」
『《おひめさま》〜♪』
充と、その充に抱えられた駒子である。
充に抱えられた駒子の方は当然のことながら元気だが、充の方は既にグロッキー寸前だった。彼も余程急いでここを目指したのであろう。
『‥‥《おひめさま》じゃない‥‥』
気まずい沈黙の中に駒子の不満の声だけが静かに響く。
「その人、起こしたら駄目なんです。起こしたら起こした人が眠りについてしまうんです。それがこのゲームの報酬『夢のような時間』なんですっ」
一気にまくし立てて充が激しく咳込む。その様に一番近くにいた夾が取り敢えず充の背を叩いてやった。
「で、詳しくはどう言う事なんだ?」
「‥‥それは、このゲームの主催者にお伺いした方が宜しいようですわ」
駒子と巳那斗を自分の背後に庇うように押しやって、ラフィエルが何もない筈の壁の一点を睨み付ける。
「――なるほど。主催者のお出ましと言うわけか」
スっと夾も身構える。先ほどから感じ続けていた視線の気配が実体化したのを感じた。
「ラスボス、登場?」
『え? こんどこそ《おひめさま》?』
ワクワクとした巳那斗と駒子の声が重なる。
そしてそれは現れた。
先ほどまで何もなかった場所から。
「今回の参加者は、賢しい者ばかりで本当に面白いね‥‥」
≪Weekly Victim≫
紫の女だった。
「よもや私がここに呼ばれる事になるとは思っていなかったよ」
癖のない長い髪と艶を含んだ瞳は、壁一面の色よりなお鮮やかで鮮烈な、そして昏い輝きを帯びた紫。
年の頃は27、8と言った所か。豊満な肢体を包むのは、黒のスリップドレス。一つの斑もなく紫のマニキュアで爪を整えられた手には小型のノートパソコン。
「この部屋に複数の鍵が‥‥四つの≪鍵≫が揃うとは思っていなかった。その点に関してはお前達を私は高く評価しているよ」
黒のピンヒールが冷たい床で硬い音をたてた。
『‥‥《あれ》は、なぁに‥‥?』
金縛りに遭ったように動く事が出来なかったゲーム参加者の内、最初に言葉を発したのは駒子だった。ラフィエルの服を固く握り締めた小さな手は、小刻みな震えを繰り返している。
『‥‥こまこがみた《め》?』
「あぁ、そんなに怖がるんじゃないよ。別にお前をどうしようというつもりはないのだから。赤いおべべの良く似合うお嬢ちゃん」
女がクスリと笑う。その様に駒子はビクリと肩を揺らして充の元へ駆け出した。
「貴女がこのゲームの主催者? そしてここ最近の新宿での神隠しの犯人というわけ?」
駒子をそっと抱き込んだ充が、挑む瞳で問いかける。
「さぁ、どうだろう。私は欲深い人間達に遊びの場を提供しているだけに過ぎない。その結果がどうなろうと、それは参加した者の勝手だ。私に非があるわけではあるまい?」
「それは貴女の勝手な言い分です。人の心を弄ぶような事を神がお許しになるはずはありませんっ」
ラフィエルの銀の双眸が淡い紫の光を煌かせる。それまでの穏やかさはひっそりとなりを潜め、代わって今にも爆発しそうな膨大な熱量を彼女自身が発していた。
「止めておくが良いよ、我等と対極に位置する娘。お前の力は多少厄介だったからこの部屋に入ると同時に枷をかけてある――気づかぬお前ではあるまい?」
女は手にしたノートパソコンを顎でしゃくりながらラフィエルの鋭い眼差しに、慈愛と侮蔑の篭った視線で応える。
事実、ラフィエルはこの部屋に入った時から自分を取り巻く何かがあることを感じていた。そしてその何かが、女の持つパソコンに繋がっていることも。けれど分かっているからと言って、それを覆すだけのことは今は出来ない。翼を広げればどうにかなるかもしれないが、未知の領域であるこの場と、そして何より『人間』のいる場所でそれを成すのは危険過ぎる。
噛み締めた唇にうっすらと赫い血が滲んだ。
「そして我等と同じ魂の刻印をその名に持つ者よ、今私を消してしまってはこの者は永遠に目を覚まさなくなるが構わないのか?」
女の唇が細い月と同じ形を作り、鋼糸を操ろうとした夾に微笑みかけた。
「‥‥厄介なことだな」
張り詰めていた呼吸を一気に吐き出し、夾が臨戦体制を解く。敵の手の内に切り札がある以上、情勢は不利。この場を打開する術は今はない。
「つまりは。これは≪ゲーム≫で、なんだか知らないけどあんたが主催者ってこと」
ラフィエルの背後に庇われていた巳那斗が一歩前に踏み出す。
「そういうことになるかな」
そして迷わず女に手が届く場所まで歩みより、やおらその身体に触れた。
「一応実体――っと。ということは参加者を遠くから眺めて笑ってるって言うより、自分の退屈凌ぎにこのゲームを開催してるって感じかな」
「‥‥頭の良い子供は好きだよ。下手な大人より分を弁えていて付き合いやすい」
「そりゃどーも」
それなりに納得の行く答えを得たのか、巳那斗は再びラフィエル達の元に戻り、そして全員に問いかけた。
「で、誰がこの人起こす?」
少年の言葉に一同が息を飲む。
「驚く事じゃないでしょ? 俺達がこのままこの人のこと無視して帰ればこの人はきっと次のゲームの勝者が来るまで眠りっぱなしってことだろ。別に俺はそれでも構わないけど、そんなことしたくなさそうな人ばっかな気がするし。かと言って今あのおばさんをどうこう出来たり、この人にかかってる呪とか言うのを何とか出来る人はいないんでしょ?」
巳那斗の弁が終わるやいなや、女が拍手と共に声を上げて笑い出す。
「あっははは。本当に頭の良い子だ――で、どうする?」
決断を迫る声。女は腕を組んだ姿勢でうっとりと微笑んだ。
「‥‥ならば、私が起こしましょう」
人を救うのが天使の役目。自分を置いて適任者はいまい、とラフィエルが名乗りをあげたが、その彼女を止める腕があった。
「貴女はダメ。どこかで見た事があると思ってたけど‥‥貴女、世界的なソプラノ歌手のラフィエル=クローソーさんでしょ? そんな有名な人が一週間も行方不明になったら大騒ぎになっちゃうよ」
抱きかかえていた駒子をラフィエルの腕に預け、にっこりと優しく微笑んだ。
「他の人はどうか分からないけど。僕は別に仕事に命かけてる訳じゃないし、有休だって残ってるし。というわけで、悪いけど駒子ちゃん。帰ったら深雪ちゃんに頼んで僕の会社に代理で連絡を入れるようにお願いしておいて。理由は‥‥海外の友人に不幸があったとか、で」
『‥‥《むーちゃん》、《あんじー》になって《おやすみ》しちゃうの? もう《おはよう》しないの?』
「ううん。多分また来週になったら元気になると思うから。だから深雪ちゃんに伝えてね? 約束」
駒子の小指に自分のそれを絡ませて、充は笑みを一層深くした。
『うん、わかった。こまこ《やくそく》する』
何が起こっているのか良くは分かっていないのだろうが、今にも泣き出しそうな顔で駒子がブンブンと繋がれた小指を振る。
名残を惜しむように、温もりを残したまま指が解かれる。
「起きたら‥‥きっとここであった詳しいことなんて憶えてないんだろうけれど」
神隠しとこのゲームがすぐさま直結されなかった理由。そしてゲームの勝者に決して辿り着けなかった訳。それを口に出して推察しながら充は眠る青年の隣に立った。
ラフィエルが、せめてと守護の歌を歌い始める。それはまさしく天使の歌声。
「‥‥名を聞いておこうか」
充の手が青年の肩に触れる。
「それくらいの褒美はやらぬとな」
女が夾の赤い剣呑な耀きを宿した瞳を楽しげに見つめながら紫の瞳を細めた。
「私の名は紫胤≪しいん≫。別に憶えておく必要はないよ」
「‥‥忘れはしないさ」
夾の唸るような呟きと、充の手が青年を揺り起こすのがほぼ同時。
そして世界は紫色の闇に包まれた。
≪繰り返されるゲーム≫
闇から開放された時、ゲーム参加者はビルの外にいた。
「‥‥終わりましたのね」
ラフィエルが呟く。
「本当、終わっちゃったみたいだね」
その声に全員が振り返る。
「え? あれ? どうしたの? ってヤバ、終電行っちまう!」
そこに立っていたのはジーンズに黒のシャツ。その上から迷彩柄のブルゾンを羽織った青年だった。
「じゃ、俺は先に帰るから! バイバイ」
青年が何事もなかったように駆け出す。その背に声をかけようとしたラフィエルを巳那斗が制した。
「意味ないよ。あの人なんにも覚えてないから」
「そうだな‥‥逆に混乱させるだけだろうからそっとしておいた方が良い」
夾にも同意され、ラフィエルは伸ばしかけた手を下ろす。
「じゃ、俺も帰る。今日はありがと、ばいばい」
真っ先に立ち直った巳那斗が青年の背を追うように新宿駅を目指して走り出した。
『こまこ、《むーちゃん》との《やくそく》、《みーちゃん》につたえなきゃ』
駒子の姿が闇に解ける。
フワリと一陣の風が舞った。
「‥‥これはまだまだ続くのでしょうか」
「終わらせるさ。いつかは」
そう、いつかは
いつか、は。
星の見えない街の夜空に、妖艶な女の笑い声が響いたような気がした。
そして翌日、その場を訪れた人物は我が目を疑った。
ビルがあった筈の場所は建設予定地の立て札があるだけの空き地になっていたのだから。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0029/大沢・巳那斗(おおさわ・みなと)/ 男 / 10 /小学生。】
【0076/室田・充(むろた・みつる)/ 男 / 29 /サラリーマン】
【0291/寒河江・駒子(さがえ・こまこ)/ 女 / 218 /座敷童子】
【0054/紫月・夾(しづき・きょう)/ 男 / 24 /大学生】
【0477/ラフィエル・クローソー/ 女 / 723 /歌手】
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■ ライター通信 ■
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駒子ちゃんとしては『初めまして』、英語は最大鬼門の観空ハツキです。そんなわけで、今回の依頼のタイトル、文法的に変じゃないの〜というツッコミはご勘弁下さい(笑‥‥えない)。そのようなわけで、今回はYUKARIこと紫胤の招待に応じて頂き誠にありがとうございました。
当初の予定では少々理不尽なだけの物語を予定していたのですが、皆さまのゲームに参加される以前の調査や、ゲーム中の行動、そして眠っていた青年への疑惑からこのような展開になりました。観空的にはまだまだ紫胤は出すつもりはなかったので、ちょっとびっくりな状態になりました(笑)。
駒子ちゃん、書いていてものすごーっく楽しかったです。駒子ちゃんがいるだけで話がホンワリしてきてかなりノリノリで書かせて頂いてしまいました。ので、行き過ぎていないか心配していたりするのですが(やや本末転倒)。
しかし、どこを「《》」で区切るべきなのか散々悩みました。PL様の法則性から外れていないと良いのですが‥‥
余談ですが。駒子ちゃんの渡橋十三さんとのツインピンナップ、大好きです。あの絵のイメージで今回の幸運の女神っぷりを書かせて頂きました。
さて、今回のシナリオですが。最初に書いた通り想定していた以上に話が進んでしまった事から、後日改めて≪解決編≫ということで草間興信所にて京師紫から依頼を提出する事に致しました。
今回のゲームはゲームとして完結しておりますが、この理不尽なゲームを終わらせたい、もしくはその後どうなったかを知りたいと思われる方がいらっしゃいましたら、今後の観空の依頼、もしくは完成した物語をチェックして頂けると幸いです。
それでは改めて今回は本当にご参加頂きましてありがとうございました。少しでも皆さまのお気に召して頂ける事を切に祈っております。ご意見・ご指摘・ご感想などございましたら、クリエーターズルームもしくはテラコンより送ってやって下さいませ。
ではでは今回はこの辺にて。「また」の機会があれば良いな‥‥と思っております。
季節の変わり目、体調を崩されませんようお気をつけ下さい。
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