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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


陰陽師狩り〜大怨〜

<オープニング>

「しくじったようだねぇ。罵沙羅」
「ふん。大怨かよ。嫌味を言いにきたってか?」
「別に。あたしゃそんなに暇じゃないんでね」
「じゃあ、何の用だ」
「今度はあたしが出るって伝えにきただけさ」

「はぁ?呪いを解いて欲しい?」
「はい。どうやら私、呪いをかけられているみたいで・・・」
 草間の前に現われたのは整った顔立ちをしている美女だった。だが、その顔は翳りを見せている。彼女の話によると、なんでもストーカーらしきものに前から付けねらわれていたらしく、いつもヘルメットをかぶった男が彼女のまわりに付き纏っていたらしい。その事では警察と相談したが、何の解決にもつながらず、どうしようもなかった。そのうちに、先日自宅の前に猫の生首とともに血文字で書かれた紙きれが置かれていた。あまりの気味の悪さにそれを処分したところ、その日から自宅で変な物音が立て続いて発生するなど、いわゆるラップ現象が起きはじめ現在それに悩まされているという。
「もう、何かの祟りか呪いでもかけられたんじゃないかって、心配で心配で・・・」
「でもウチはただの探偵事務所ですよ?」
「いえ、こちらにはオカルト事件を専門に担当される方がいらっしゃるとお聞きしましたわ」
「オカルト・・・。まぁ、いなくはないが・・・」
「では、何とか我が家においでいただけないでしょうか?もうこのままではとても落ち着いて生活などできなくて・・・」
 そう言って、依頼人は涙を浮かべた。
「ってことなんだかどうする?誰か引き受ける奴はいないか?」
 ちなみに血文字で書かれていた文字は、今流行りの陰陽道などに出てくる符に書かれている文字と似ていたそうだ。

(ライターより)

 難易度 やや難

 予定締め切り時間 4/11 24:00

 陰陽師狩りシリーズ第二話の始まりです。
 今回は依頼人の女性の自宅を訪れ、どのような怪現象が起こっているのかを調査して、解決していただくことになります。そのストーカーの男に関しては、生首事件が起きてからも未だにつきまとっているようです。買い物や出勤の時に必ずバイクに乗って現われます。
 依頼人の自宅は2DKの平屋で、一人住まい。家族はいません。ラップ現象は昼も夜も関係なく起きているそうです。
 調査主体ですが、戦闘が起こらないとはかぎりませんので、準備は怠り無く・・・。

<呪禁>

 呪禁。中国の道教などの神仙思想と土着の呪術信仰の中から生み出された呪術の一種。その術は現在に伝わる陰陽道の術と同じ五行を元にした術であるものの、陰陽が五行(木、火、土、水、金)の自然な流れを助ける行為を用いるのに対し、呪禁はそれに逆らい、五行に縛られる全ての存在の行動を思うがままに操る術が主体となる。また、陰陽は暦など天文学に通じる学問的側面があるのに対し、呪禁は呪術のみの即物的な側面を有する。陰陽と五行説が中国から日本伝わり、最初に花開いたのは呪禁であった。あらゆる存在を自在に操り、呪いをかけられる呪禁は時の為政者たちに受け入れられ呪禁師たちは隆盛を極めた。だが、あまりに俗世的でしかも自然の流れである五行に逆らうという破綻した理論に基づく呪禁は、次第にその存在を疎まれ、中国より伝来した陰陽五行理論を基本とする陰陽師たちにその座をとって変わられた。 失脚した彼らは一部の術が陰陽道に取り込まれ、衰退し滅び去った。はずであったのだが・・・。
「大怨。本当に一人で大丈夫なのかよ?」
 紅蓮の炎のごとき真紅の髪をした青年の問いに、大怨と呼ばれた艶かしい黒髪をもった妖艶な女は意外そうな顔で彼の顔を見た。一見して良い仕立てと思われる着物を、わざと肩のあたりをさらけ出すように崩して着こなしている。それがまた彼女の妖しい魅力を高めていた。
「おや、あんたがそんな心配をしてくれるなんて意外だねぇ。大丈夫さ。罠はちゃんと張ってあるし、例の興信所に依頼が行くように仕向けておいたからね」
「別にそんなんじゃねぇよ。陰険なお前の作戦だから甘チャンな奴らのこったから引っかかるだろうけどよ、奴らそこそこやれるぜ」
「安心おし。連中全員を相手にするつもりはないよ。ただ、挨拶をして来るだけさ。呪いという挨拶をね。ねぇ、あんたも怨みを晴らしてやりたいだろう」
 大怨が視線を向けた先には一人の女性が立っていた。彼女の顔は怨みと憎しみより醜く歪んでいる。
「憎い・・・。憎らしい・・・。陰陽師・・・。許さない」
「そうだよ。奴らに怨みを晴らしてやりな。陰陽師だけじゃない。大義名分を振りかざし真に霊の事に敬意を払おうともしない傲慢な異能者たちにも思い知らせてやるんだよ」
「いつもながらに思うが恐ろしい女だぜ・・・」
「おや、そいつは最高の誉め言葉だねぇ。有り難く頂戴しておくよ。あははははは!」
 大怨の哄笑が暗い闇の底に響き渡った。

<呪い>

「どうぞ、こちらです・・・」
 依頼主である女性は、消え入りそうな声で依頼を引き受けた者たちを自宅に案内した。永坂霞。二十四歳の都内の某会社に務めるOLと名乗っている。中は5畳の和室と6畳の洋間に台所とダイニングと、一人暮らしにしては十分過ぎるほどの広さだ。家具はあまり置かれていなく、テーブルや椅子、机、ベットなど必要最低限の物が置かれているだけ。日当たりはあまり良くなく、昼間だというのに薄暗い。
「一つお尋ねしたいのですが、例の血文字が書かれていたという紙切れを見せてもらえませんか?」
 長髪を後ろで束ねた涼やかな表情の青年が静かに問うた。その背は高く、気品ある顔立ちをしている。あまり有名ではないが関西に実力のある名門財閥の跡取り息子。名を宮小路皇騎と言う。宮小路家は表の顔は財閥(日本では財閥は名目上存在しないので総合企業)として様々な分野に投資をしているが、陰陽師の一族としての裏の顔を持っている。今回の事件に関して、その血文字で書かれた紙切れをみれば何らかしらの手がかりになるのではないかと彼は考えていた。
「すいませんが、あまりに気味が悪くて捨ててしまいました」
「そうですか・・・」
 事務的な口調で答える宮小路。もしや呪いに用いる巫蠱ではないかと考えていたようだが、実物が見れないのでは確証が得られない。人を呪うという行為は、大抵のものが相手に気付かれないようにして行われる。逆に呪いをかけるのに用いたものや呪いをかけている現場を見られることは非常に危険で、万が一それが見られてしまってはかけた呪いが自分に返ってくる可能性すらある。その呪いに用いたかもしれない道具をこれみよがしに相手にさらすとなるとこれはやはり悪戯なのだろうか・・・。だが、それではその後から発生したというラップ音に関して説明がつかない。
「まぁ、単なる悪戯なら問題はないんですけどね」
「でもあまりにも不気味で・・・。なんだか気持ち悪いんです」
 確かに一般人にとってこのような呪いといわれる行為というのは、気味の悪い不気味なものとしか映らないだろう。たが、呪いは現在も脈々と受け継がれている。最も有名な戌の刻参りや、蠱毒と呼ばれる蟲の怨念を利用したもの、その他に例を挙げれば枚挙に暇は無い。今回の血文字と猫の首は単なる悪戯かもしれないし、ラップ音に関しては他の要因が関係するかもしれないので、彼はひとまずストーカーについて話題を変えることにした。
「ストーカーと思しき人物ですが何か心当たりは?」
「いえ、特には・・・。どうして狙われているのかまったく心あたりはありません」
 これに関しては依頼を受けた他の者が調査しているという。人の恨みというものはひょんなことから買いやすい。本人にはまったくその気が無い行為でも相手がそう感じるとは限らない。憎しみを抱く者が一人もいない人間などほとんどいないであろう。
「となると後はそのラップ音というものを実際に聞いてみるしかなさそうですね」
 一体何者の仕業なのか。百聞は一見に如かずといったところだろう。
「はい・・・」
「元気だしてくださいね?大丈夫ですよ!皆さんもついてますからね?すとっかーなんて怖くないです」
 まだ高校生くらいの小柄な少女が、不安そうな顔をする永坂の手を握って笑顔で励ました。
(ストーカーだろうが・・・)
 少女にしか聞こえない声で文句をいう式鬼をあえて無視する彼女。拝み屋と呼ばれる民間の霊媒師の見習として修行中の現役高校生篁雛。現在はまだ未熟なため見習として様々な事件に参加しているが、術を使おうとすると、まったく正反対の効果を生み出してしまうなどある意味凄い失敗をしてしまうことが多い。ちなみに式鬼とは陰陽師や他の術師などに使役される鬼のことで、彼女の場合代々家に仕えている夜刀という鬼を使役している。普段は持ち運びやすいよう、携帯している薙刀の刃に化けさせている。
「有難うね、雛ちゃん」
 永坂は儚げな笑みを浮かべて雛の頭を撫でた。自分よりもはるかに年下の少女がこんなに気丈に振舞っているのだ。自分も少しは元気に振舞わなくてはなるまい。
「いえいえ、どういた・・・・」
 ガタ。
 何かが落ちる音がした。
 ・・・ガタガタ、ガチャ。
 台所の棚の扉が開いた。
 ガシャガシャガシャ。バリーン!
 棚から食器が飛び出し、破片が飛び散る。
「いやぁぁぁぁぁ!!!」
 永坂が頭を抱えて悲鳴を上げた。遂にはテーブルや椅子までがガタガタと動きだし、台所のフライパンや鍋が空中を飛び回り始めた。
「これがラップ現象!?」
 霊現象を多く見てきた術師たちも、流石にこれだけ派手なラップ現象が起きているとは予想していなかった。まるで大きな地震が起きているように家全体が激しくゆれ始め立っていられなくなくなる。
「あ、あれ!」
 篁は指差した先にいたのは、空中に浮かぶ青白い炎に包まれた一匹の黒猫であった。猫はその口を大きく開けると、ニタリ、という形容詞がぴったりくるような形に口を歪め消え去った。それと同時に空中に浮かんでいた鍋などが急に浮力を失ったかのようにガタガタと落ち、家全体の揺れもおさまった。
「もう嫌!どうして私がこんな目に会うの!?」
 今までこんなことなど起きたこともなかった。それなのにどうしていきなりこんな目に合うことになってしまったのか。もう四六時中このような状態が続き、永坂の精神状態は極限に達していた。
「永坂さん・・・。大丈夫です。私たちがきっと原因を掴んで解決しますから」
 篁と同年代くらいの、さらさらと風になびく糸のように細い髪の毛が印象的な少女が彼女の手をそっっと握って安心させるように微笑んだ。神崎美桜という名が彼女の名である。
「うっうっう・・・」
 堪えきれず永坂の瞳から涙が零れる。常人には耐えがたい苦痛であることは確かだろう。神崎はその肩をやさしく抱きしめるのであった。

<疑惑>

 それからしばらく経ち、永坂が買い物に行くということで何人かが護衛で同行することになった。その間に呪いについて知識のある者たちは彼女の家を調べることで先ほど現れた猫の霊とおぼしきものが、なぜ現れたかなどを調べることにした。だが、依頼を受けた者の中には最初から彼女の事を疑っていた者もいたのである。
「で、彼女に触れてどのような思いが感じ取れましたか?」
 長身の、眼鏡をかけた青年がにこやかな笑顔でお茶を入れながら神崎に問うた。それを受取りながら、神崎は少し考え込む。
「どうしました?」
「あの人の心は悲しみに包まれていました。凄く悲しくて胸が張り裂けそうなくらいつらい気持ちを抱いています。でもそれだけではないようなんです」
「・・・・・・」
「わすかではあったのですが、心の奥底に憎しみらしきものがあったような感じもしました。本当に僅かなので誰に向けられているとかは分からなかったのですが・・・」
 神埼は精神感応能力ともいうべき特殊な力を持っている。それは、相手の考えや気持ちなどを知ることができる能力である。以前、この能力が上手く使えなかった時は相手の考えや気持ちなどがどんどんと心に流れ込んできてしまいトラウマとなっていたのだが、今は能力をセーブできるようになっている。相手が明らかに敵意などをいだいていればそのままでも察知することは可能なのだが、相手が心の中で密かに思っていることなどを調べるには、直接接触する必要がある。そこで先ほど彼女は永坂を励ましながら彼女と接触して心を覗いていたのである。
「憎しみですか・・・。となるともしかすると僕の予想どおりかもしれませんね」
 青年は額に皺を寄せながら腕を組んだ。桜井翔。病院の跡取り息子で現在医大に通う医大生である。彼は最初から依頼人の事を疑っていた。普通ストーカーは相手に好意をもって付きまとうのが主流で、相手に何か送るとしても自分だとわかる物にするはず。だが相手が送ってきたものは猫の生首に血文字の紙きれ。自分の存在を気付かせるためというよりは怨みを晴らすためというほうが近い。となるとこれはストーカー犯行ではなく呪い関係と思われる。呪いなら神社とかそういう専門の所に行かず草間興信所に依頼を持ち込んだのはこの女に何らかしらの思惑があるのかもしれない。彼はそう思って神崎に彼女の心を探ってもらっていた。
「でも、本当にほんの僅かな気持ちでそれが私たちに向けられているとは限りませんが・・・」
「彼女に他意がないのであればそれで結構ですが、彼女が罠を仕掛けている可能性は捨て切れません。前例もありますしね」
 かつて彼らが携わった依頼の中に、依頼主が敵であったという依頼があった。陰陽師という存在を狩ろうと様々な罠を張り巡らし、その術中にはめられてしまった者もいた。今回はそれを踏まえて彼は警戒を怠らないように務めていた。
「ですが罠にかかったふりをした方が、自分の思い通りに込んでいると思い込んだ彼女からボロを出し僕達が知りたい事を素直に喋ってくれるかもしれません。今は警戒しながら彼女が帰ってくるのを待つことにしましょう」

「どうだ姉御。何か掴めたか?」
 着物を着た女性に問いに、目にも鮮やかな赤髪の女性は首を横に振った。
「これといって感じられないわ」
 二人の女性がいるのは永坂の家の玄関前。猫の首と血文字が書かれた紙切れが置かれていたという場所だ。既に物は片付けられてしまったが、呪いの影響が残っているのであればそれを関知できるのではないかと調べていた。だが、これといった呪いの手がかりは残されておらず、また赤髪の女性が試したサイコメトリーでも特に人の意思を探ることはできなかった。
 サイコメトリー。それは物や何かに接触することによって、それに関係したものの意思や考えを知ることができる能力のことである。ただしこの能力は万能というわけではなく、その物を持っていた者の強い意志が無いと察知することはできない。また手に入る情報も断片的なものが多く全てを知ることができるわけでもない。
「となると、もしや・・・」
「ええ、罠の可能性があるわね」
 本来呪いというものは強力な憎しみや怨みの気を高め、相手に悪影響を及ぼす術の事を指す。その念は強ければ強いほど効果を発揮し、対象者に深刻な被害を与えるものは大抵強力な念が込められているものだ。それなのにまったくその相手の気を感じないということは、単なる悪戯かそれとも意図的に行われた罠であるのか・・・。
「まぁ、良い。あの女の後を追えばその考えも分かろうというもの。あまり私の側を離れるでない。サイコメトリー能力のため、お前の陰陽の力は私ほど安定してはおらぬ。私は和泉の道具、よってお前を守る義務があるのだ」
 着物姿の女性は銀を磨き上げて作り上げられたかのような瞳を赤髪の女性に向けた。長い髪を持つ妙齢の美女で、その顔立ちは美しく整っているものの、雪嶺のような肌と何の表情も表さないその面のような顔は作り上げられた美を感じさせるものであった。和泉怜。陰陽師であるが、まだ見た目は二十代後半近くの彼女が実は一世紀近くも存在していると言ったら誰が信じるであろうか。そう、彼女は正確には人間ではない。精巧に作り上げられた傀儡人形なのだ。だがその立居振舞からは作り物じみたぎこちなさはまったく感じられない。
「その道具と言い方止めなよ。あんたは自分の意思をもっているじゃないか」
 髪と同じ色をした紅蓮の瞳で和泉を見つめたのは、小泉優。もう二十二歳であるというのに、小柄で今だ高校生で通じるくらいの顔立ちをしている(もっともこの事は本人もきにしているようであるが)。陰陽師の一族和泉本家の生まれでありながら、本家の考え方に合わなかったために分家に養子として出て行った経歴がある。
「私は和泉の者を守る者。それ以上でもそれ以下でもない」
 和泉の答えは素っ気なかった。

<護衛>

(あの黒いバイク、気になりますね) 
 家を出てから数分も経たぬうちに一定の距離を保ったままずっと付き纏っている黒いバイク。運転手はヘルメットを被っているのでその正体は掴めないが、あの者が永坂の言うストーカーなのであろうか。
「永坂さん、さっきからずっとバイクが一台付き纏っているの知っています?」
「えっ?」
 慌てて後ろを振り向こうとする彼女を長髪の青年が制止した。
「振り向かないで。気付かれたら逃げられてしまいます」
「で、でもどうしたら・・・」
「落ち着いてください。ここは私がどうにかしますから」
 心配のあまりおろおろし始めた永坂を落ち着かせながら、萬屋道玄坂分室店主冷泉院柚多香は穏やかな笑みを浮かべた。店の名前だけを聞いているとどこぞの骨董屋のようにも聞こえるが、意味はよろず仕事引き受け屋、いわゆる何でも屋である。持病である「放っとけない病」が発病し、龍神でありながら人助けの依頼を引き受けた彼は、彼女の護衛を務めていた。術に関してはまだそれほどの知識の無い若い龍であるので(それでも三百年以上存在している)、血文字など呪い関連に関しては他の者に任せている。
「この通りの曲がり角を右に曲がったら真っ直ぐに走って下さい。いいですね?」
「は、はい・・・」
「その間に私があの男を止めておきましょう」
 やがてとおりの曲がり角にささしかかると永坂は一目散に走り出した。黒いバイクに乗っている者は大いに慌てたらしく、大急ぎでバイクにエンジンをかけて彼女を追跡しようとする。そしてそのバイクが冷泉院の前を差し掛かった時、急にバイクの前輪がパンクし、勢いがついたバイクはスピンしながらガードレールに激突した。乗っていた者は道に放り出された。
「残念ですが、貴方がストーカーであることは分かっているんですよ」
 冷泉院は道に倒れている者に冷ややかに告げた。バイクが前に来るところを見計らい、彼は手にしたペットボトルの蓋を開け、中に入っている水を高速で振動させて生み出した水の刃でバイクのタイヤを切りつけたのだ。金剛石すら切り裂く水圧の刃の前では、ゴムのタイヤなど紙切れも同然だった。水を操ることを得意とする龍神ならではの攻撃である。
「く、くそっ」
 どうやら大した衝撃を受けずに済んだようで、彼は頭を振りながらなんとか立ち上がると冷泉院の前から逃げ出そうとした。しかし、その彼の前に二人の女性が立ちはだかった。
「逃がしはしない」
「ストーカーなんてのは撲滅されるべきよ。覚悟しなさい!」
 永坂の後を見張っていた和泉と小泉である。彼女たちもこのストーカーらしき者がいることを掴んでおり、ずっと監視していたのである。そしてバイクが突然走り出そうとしたその時を見計らって先周りをしたのだ。
「さて、どうしてこんなことをしたのか素直に話せば良し。さもなくば・・・」
「警察に突き出してやるからね!」
「ゆ、許してくれ!俺だって好きでこんなことやってたんじゃないんだ。無理やり脅されて、それで・・・」
「脅されて?一体誰に脅されたというんです?」
「そ、それは・・・」
 男は口ごもりながらも、三人に凄まれ、止む無くその者の名を告げた。
「あいつだよ。永坂霞本人さ」
「やはり狂言であったか・・・」
 和泉の言葉に小泉が頷く。やはりこのストーカー騒ぎは仕組まれたものであったのだ。となると例の猫と血文字の件も自作自演の疑いが強い。今回の事件は術師を陥れるため故意に用意された罠なのであろうか。だが、次に男の口から語られた事は三人にとって驚愕の事実だった。
「でもなんで死んだはずの霞が俺の前に現われて俺にストーカーまがいのことをしろなんて言ったんだ?なぁ、あんたらあいつの知り合いなのか。なんであんたらも死んだはずの女と一緒に居るんだよ!?」

<真実>

 その頃、依頼人永坂を怪しいと睨んでいた者たちの中には家を調べるのではなく、彼女自身を経歴を調べる者がいた。周囲に対する聞き込み、知人、家族などにも誕生日や生まれた場所を尋ねようとした。だが、永坂の説明によるとあまり周囲と付き合いも無く、特に知人と言える者はいないとのことだった。家族に関しても両親とも既に他界しており、他の家族とは付き合いはないという。一応周囲の家に聞き込みを行ってみたが、大した情報を得ることはできなかった。
「だが、これが本当かどうかなどという確証はない。詳しく調べないとな」
 高校生くらいの背の高い少年が横を歩く黒いスーツを着た男に告げた。だが、その男は不機嫌そうに顔を顰めただけだった。
「どうした、久我?」
「どうしたじゃない」
 久我と呼ばれた男は少年を見つめた。彼の顔は不機嫌というより幾分苛立っているように感じられる。
「お前、前回のあの件を忘れたわけではないだろう」
「あの件?」
「とぼけるな罵沙羅とかいうあの男の件だ」
 罵沙羅。それは今はもう衰退し滅び去ったはずの呪禁師の名。かつて雨宮はこの者と対峙した時、敵の罠にはまり背中を大怪我を負った。その時は仲間の治癒で大事に至らずに済んだが、かなり危険な状態であったことは間違いない。久我と呼ばれた男、陰陽師である久我直親はそのことを言っていた。
「あの件か・・・。安心しろ。もう俺は油断するつもりはない。それに一人で行動することもしない。だからお前と一緒に行動しているんだろう」
「俺が言いたいのは、俺が知らないところで勝手に殺されるなということだ」
「ふ、随分と理不尽な事たな」
「笑いごとじゃない。守役もお前のことを心配しているんだぞ、雨宮」
 守役の事を言われてはっとなる少年、雨宮薫。幼少の頃より自分に付き従っている男の顔を思い出し、ため息をついた。陰陽師の名家天宮家の次期当主として相応しい振る舞いが求められていることは分かっている。確かに前回の行動はその点からみれば問題となるものだろう。敵にいいようにしてやられたのだから。
「分かった。もう少し慎重な行動をとる事にしよう」
「もう少しどころではなくだな・・・」
 その時、久我の持っている携帯が鳴り出した。画面に表示された電話番号は草間興信所のもの。どうやら依頼していた情報が得られたらしい。
「草間か。首尾はどうだった」
「ああ、ばっちり調べられた。だがな、聞いて驚くなよ」
 忘れ去られているかもしれないが、草間の本業は探偵である。その能力を活かし今回の依頼人に関して調査を行ってもらっていたのだ。
「依頼人の永坂霞だが、両親はまだ生きている」
「やはり嘘だったか・・・」
 両親はともかく知人がほとんどいないというのは解せない事だった。だれか一人くらい自分の事をよく知る人物がいてもおかしくない。それに両親が死んだにしては彼女の家には仏壇が存在していなかった。両親が死んでいるというのに仏壇か、最低でも位牌くらいはありそうなものだが、それらもまったく見当たらなかったのだ。
「その両親から聞いたんだか、永坂はもう死んでいるそうだ」
「なんだと!?」
「二ヶ月も前に自殺したんだとさ。恋人に裏切られてそれを苦にした自殺だったそうだ。だからお前たちが今あっている永坂は、永坂霞本人ではないかもしれんぞ」
「なるほど・・・。分かった感謝する」
「気をつけろよ」
 草間との電話を切りしばし思案に耽る草間。彼の言っている情報が確かだとして、では自分たちが先ほど目にしていたあの女の正体は一体何者なのか。永坂霞を名乗る偽者なのか、それとも・・・。
「どうだったんだ、久我?」
「ああ、実はな・・・」
 久我は草間から聞いたことを薫に伝えた。彼の顔色はみるみるうちに変わった。
「なんだって!だとすると隼人が・・・!」
「というか家に残っている連中全員が危ないかもしれんな」
「悠長にしている場合か。とにかく連絡するぞ」
 守役の雨宮隼人に電話をかける雨宮を見ながら、久我は一抹の不安を覚えていた。偽者だったらまだいい。だが、彼女が本当に永坂霞だったとしたら・・・。

<大怨>

「そうですか、やはり・・・」
 三十代前半くらいの落ち着いた容貌の持ち主は、携帯電話から伝えられた情報を冷静に判断していた。先ほど話しに出ていた薫の守役雨宮隼人である。
「となると、今出かけていますがやはり彼女は私たちの敵、もしくは罠と考えられますね」
「ああ。俺達も急いで引き返すが気をつけてくれ」
「かしこまりました。そちらもお気をつけて」
 電話をかけてきた薫との話を終え、携帯電話を切り愁眉を顰めた。やはり予想していたとおり永坂はクロであった。一応ストーカーに狙われているということで、彼女が留守中に念の為盗聴器等が仕込まれていないか調べたり、隠れた場所に符やなにか文字が残されてないか見てみたが、特にそのような形跡は無かった。
「さて、では皆にこの事を伝えないと・・・」
「気付くのが遅すぎましたわね」
 背後に突然生まれる殺気。隼人の背中目掛けて振り下ろされようとする出刃包丁。この状態では流石にかわせない。そう覚悟して痛みに耐えるために集中する隼人。だが・・・。
「くぅ!」
 悲鳴を上げたのは彼を刺そうとしていた永坂の方であった。彼女の手は何か動物に噛まれたような跡が残っており、包丁を取り落としていた。
「よし、よくやったくーちゃん!」
 そう言って、自分の手元にいる小さな掌サイズの狐を誉めるのは篁であった。
(だから言っただろうが。くーの野生の勘は使えるって)
「すっご〜い。流石夜刀ね」
(いやぁ、それほどでも)
 照れて赤くなる薙刀の刃。実に人間あふれる鬼である。これより前、隼人と同じく永坂の家を調べていた篁は鬼の夜刀の指示に従って、使役している管狐を放ち探索にあたらせていた。そして管狐が感じた妖の気配を辿ってみたところ、永坂が包丁を手に、無防備な隼人の背後から迫っている光景を目の当たりにし管狐に攻撃させたのだ。
(へ、あのすかした野郎の言うこともたまには当たるじゃねぇか)
 夜刀の言うすかした野郎とは、薫のことである。薫は家から出るときに夜刀に前回の事もあるので一応依頼人も警戒するように伝えていた。そこで 篁が使役しているもう一つの存在管狐(通称くー)を使用するようにあらかじめ彼女に言っておいたのである。
「お、おのれ・・・!」
 歯軋りしながらとりあえず間合いを計る永坂。
「大丈夫?隼人さん」
「ええ、お陰様でね。助かりましたよ篁さん。さて・・・」
 隼人は永坂に視線を向けて、
「色々と話してもらいましょうか。貴方からは聞きたいことが沢山ありますんでね」
「慌てるんじゃないよ。役者が揃ったらゆっくり説明してやるからさ」
 艶かしい女の声。それは永坂から発せられた言葉ではない。忽然と姿を表したのは艶やかな着物を着た妙齢の女性だった。黒い髪に、黒い瞳と日本人風の、いわば芸者スタイルの姿だが、その身にまとう妖気は尋常なものではない。近くにいるだけで寒気を感じ、冷や汗がふき出てくる。彼女は永坂の近くによると妖艶な笑みを浮かべた。
「残念だったね霞。あの男も陰陽師だったというのにさ」
「御免なさい・・・」
「おやおや、別に謝らなくていいんだよ。あんたが悪いわけじゃない」
「あんた誰よ?」
 薙刀を構え着物姿の女に問う篁。
「だからさっき言ったじゃないか。少しお待ちと。もうじき役者が全部揃うはずさ。・・・おっと噂をすればなんとやらだね。お出でなすったようだよ」
 彼女の言葉どおり、宅内の他を探っていた者、もしくは家の外で永坂の警備や調査に当たっていた者たちがダイニングに集まってきた。彼らを見渡しながら女は満足げに頷く。
「よしよし。いいタイミングだね。じゃあまずは自己紹介からいくとするかね。あたしの名は大怨。しがない芸者さね。で、こっちは既に紹介が済んでるだろうが永坂霞さ。短い付き合いだけどよろしく頼むよ」
「ふざけるな!貴様何者だ。普通の芸者がこんな妖気を漂わせているわけがないだろう」
 気色ばんで問い質す薫に、大怨はやれやれと肩をすくめた。
「そんな大声で言わなくても聞こえているよ。そうさね、あんたたちにはこう名乗ったほうがいいかもしれないねぇ。呪禁師大怨と」
 呪禁師。その名を聞いて中にはやはりと思った者もいた。以前罵沙羅という呪禁師と戦った者たちがいるからだ。彼女の手口はその男と似ていて、罠を張り巡らせて敵の力を分散させてから各個撃破という戦法を用いていた。薄々感づいていた者もいたのである。
「ではあの罵沙羅さんの仲間ですか?」
「まぁ、そうなるね。あいつはあたしの同僚さ」
「なるほど」
 冷泉院は彼女の言葉に頷き、ペットボトルを開けて中の水を操り刀を生み出す。同じように各々の武器を取り出し油断無く構える彼らを見て、大怨は冷笑を浮かべた。
「早まるんじゃないよ。こっちは別にここでやりあうつもりじゃないんだ」
「そっちになくてもこっちにはあります」
 宮小路は抜き放った白刃の太刀を片手に彼女に切りかかる。実家の工業部門と電子部門の合作として作らせたもので、秘伝の神鉄を形状記憶アモルファス状に精錬した帯状鋼を刀身としている。長さは25cmくらいの小刀だが、刃の長さは自動巻き取り式の伸縮自在で最長で9メートルまで伸びる。今は80cmくらいの日本刀サイズにしてある。鍛錬のため剣術を学んでいる彼の太刀筋は鋭く、大怨の身体を確実に捉えたかに見えた。
「まったく喧嘩っぱやい坊やだね。焦るんじゃないよ。・・・禁刀!」
 彼女は素早く印を切ると、片手でその刀を防いだ。鋼鉄をもたやすく両断する刀をその細い腕で押さえ込んだのである。
「ば、馬鹿な!」 
 さしもの宮小路もこれには驚きを隠せなかった。本来ならその手ごと彼女の身体を両断しているあずである。
「あはは、馬鹿だねぇ。罵沙羅と戦ったんだから少しは呪禁について知っているのかと思えばまったく知らないようだね。あんたのこのご立派な刀の刀たる力、すなわち刀であることを封じさせてもらったのさ。だからこの刀は今や単なる鉄の塊というわけ。おわかりかい?」
 呪禁は陰陽五行の動きを妨げ、自分の思うがままに万物を操る術が存在する。彼女はそれを使用したのであろう。大怨はこともなげに彼を突き飛ばすと、霞に視線をやった。
「今日は挨拶に来ただけさ。彼女の事を知ってもらおうと思ってね」
「その女は本当に永坂霞なのか?彼女は死んでいると聞いたが」
「ああ、彼女は永坂霞。本人さ。そして死んでいるというも間違ってはいない」
 久我の問いに答えながらニヤリと笑う大怨。
「でも彼女は霊体ではありません。ちゃんと暖かい血が通った肉体があります。それなのにどうして・・・?」
「あんた反魂という術を知っているかい?」
 逆に問い返され、神崎は首を横に振った。反魂とは鬼道と呼ばれるかつては邪馬台国の卑弥呼が用いたとされる古の術の一つである。媒体となる人間の身体に、この世に未練のある魂を憑依させてまさしく蘇らせる呪法。しかし、冥界から現世に魂を呼び起こし、しかも別の人間の身体を完全に奪うということはかなり高度な技量を要する。この類の術はイタコが行う口寄せなど、一定の時間乗り映らせて話させるのが本来ならば精一杯なのである。
「彼女は反魂の法をもって現世に戻ってきたのさ。復讐するためにね」
「ちょっと待ってよ!ならどうして私たちが襲われなくちゃいけないの?話は聞いたわ。貴女彼氏のあの男にいいように玩ばれて捨てられたそうね。それで自殺したって・・・。でも、それならあいつに復讐するだけでいいはずでしょ」
「そうだな。わざわざこんな手の込んだ事をする必要もあるまい。奴を祟ればそれでいいのだから」
「分かってない。あんたたち何にも分かってないわ!」
 初めて永坂が激昂して、和泉と小泉を睨みつけた。
「そう、貴女たちの言うとおり、私はあの男に取り付いてやった。私の受けた苦しみを何倍にもして反してやるために。なのに、なのにあいつは陰陽師のところに転がり込んで助けを求めたのよ」
「当然でしょう。祟られている本人とっては堪らないことですからね」
「堪らない?なら彼女の気持ちはどうでもいいってのかい?笑わせるんじゃないよ。その男も素直に彼女に詫びてればこんな事にならずに済んだんだ。それにさも自分が被害者であるかのごとく語るその男の言葉を鵜呑みにして、ろくに事情も聞かずに神の名の元にその腐れ陰陽師は彼女の訴えに耳も貸さず無理やり式神を使って追い出したんだよ。この子はね。一言謝ってもらえれば、いや、せめて自分の気持ちを誰かに理解してもらえればそれで成仏できたんだ。それをなんだい。陰陽師ってのは何様なのか知らないけど自分は神か仏の代理人とでも言うつもりかね。神の力をかさにきて死者を脅すなんて最低の行為だよ」
 確かに巷にあふれる陰陽師や霊能力者の中には、霊の言葉にまったく耳をかさずにただ除霊をする者が多数いる。なぜその霊が取り付いてしまったか、またその霊が何を望んでいるのかなどまったく解さずに真言や経、それに式神などの力で無理やり追い出しにかかるのである。それで果たして霊は救われるのであろうか。そして彼らは霊を敬っていると言えるのだろうか。
「だからあたしたちは復讐する。あの陰陽師に・・・。それが住んだら今度はあんたたち陰陽師たちの番だよ。霊を馬鹿にした報いを受けるがいい!」
「俺たちはそんなことをしていない!」
「どうかね。口ならなんとでも言えるよ。まぁいいさ。ひとまず今回はこれで失礼させてもらうよ。もしあんたたちにその気があるならこの子を止めてごらん。ま、無理だと思うけどね」
「逃がしませんよ。貴女はここで死ぬんです」
 にこやかな笑顔のまま拳を繰り出す桜井。だが、大怨の身体が光に包まれたと思うと彼女は小さな一枚の紙切れになっていた。
「形代・・・」
「逃げられたな」
 陰陽道などでも用いられる形代と言われる人方の紙切れ。式神を召喚したり、分身を生み出すのに使用するのだが、そうなると最初から大怨はここにいなかったことになる。何時の間にか永坂もその姿を消していた。

 果たして自分たちが今まで行ってきたことは本当に正しいのであろうか。霊とはどのような存在なのか。ただ恐ろしいだけの存在なのか。それとも畏れ敬うべきものなのか・・・。大怨が言っていた「何様なのか知らないけど自分は神か仏の代理人とでも言うつもりか」という言葉が皆の胸に深く突き刺さるのだった。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0461/宮小路・皇騎 /男/20/ 大学生(財閥御曹司・陰陽師)
 (みやこうじ・こうき)
0427/和泉・怜 /女/95/陰陽師
    (いずみ・れい) 
0196/冷泉院・柚多香/男/320/萬屋 道玄坂分室
    (れいぜいいん・ゆたか)
0413/神崎・美桜/女/17/高校生
    (かんざき・みお)
0416/桜井・翔/男/19/医大生&時々草間興信所へ手伝いにくる。
    (さくらい・しょう)
0498/小泉・優/女/22/陰陽師
    (こいずみ・ゆう)
0095/久我・直親/男/27/陰陽師
    (くが・なおちか)
0331/雨宮・隼人/男/29/陰陽師
    (あまみや・はやと)
0112/雨宮・薫/男/18/陰陽師
    (あまみや・かおる)
0436/篁・雛/女/18/高校生(拝み屋修行中)
    (たかむら・ひな)

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■         ライター通信          ■
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 大変お待たせいたしました。
 陰陽師狩り〜大怨〜をお届けいたします。
 前回の失敗を踏まえて、永坂を警戒していたため特に怪我もなく依頼を完了することができました。しかもいきなり永坂を敵とみなして戦闘するという方もいなかったため、問題もこじれずに済み結果は大成功といっても良いでしょう。
 おめでとうございます!
 今回大怨の突きつけた問題、果たして陰陽師や霊能師の除霊という行為は正しいのかどうか。皆様はどのように感じられたでしょうか?
 この作品に対するご意見、ご感想、ご要望、ご不満等ございましたら、お気軽にテラコンより私信を頂戴できればと思います。お客様のご要望にはなるだけお応えしたいと思います。
 それではまた別の依頼でお目にかかれることを祈って・・・。