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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


あそぼ −三下さんの受難2−
●始まり
 その日は朝から雨だった。
 傘をさしていても足下から跳ね上がる水しぶきに、ズボンの裾が濡れる。横からなぐりつけてくるような雨をなんとか避けながら仕事場へ向かって走っていると、一人の少女が目に入った。
 古めかしい着物を着た、8歳位の女の子。寂しそうにうつむいて、ずぶぬれのまま立っていた。
「これ、もう役にたたないかもしれないですけど……使って下さい」
 傘を差し出すと少女は不思議そうな顔で見上げてきた。真っ黒な瞳には自分、三下忠雄がうつっていた。
「ありがと……」
 少女が小さく囁いた言葉に笑みを浮かべ、再び走り出した。

「……? 何をやっているのかしら、三下くんは?」
 夜10時を回って帰宅しようとした碇麗香は、公園で一人遊んでいる三下の姿に目を留めた。
 楽しそうな笑い声。しかし表情はうつろで、頬がややこけていた。
「そう言えば最近、無断欠勤していたわね……」
 難しい顔で顎をつまむと、麗香は携帯電話を取り出した。
「調べて貰いたい事があるの。明日、編集部に来て頂戴」
 完全な命令口調。しかし逆らう者はいなかった。

 翌日。やはり三下の姿は編集部になかった。自宅に電話をしても誰も出ない。
「……という訳なの。調べてくれるかしら? あれでも一応、編集部員だし。ついでにレポートをあげてくれると嬉しいわね」
 三下の事についての調査が重要なのか、レポートをあげる方が重要なのか、いまいち読みとれない表情で麗香は笑みを浮かべた。

●残業 −前日・深夜−
「まったく武彦さんてば。私の事正式な所員と間違えてるんじゃないでしょうね……」
 残業でこき使われたシュライン・エマは、家路を帰りつつ草間興信所の所長、草間武彦の悪態をつく。
 草間興信所でバイトをするようになって長い。しかし単なるバイトなのに……と思いつつ、だらしない草間を見ていると「やってやらないと」と言う気になってしまうから困る。
「さっさと家に帰って自分の仕事しなきゃ……」
 本業は翻訳家。もうすぐ締め切りの仕事を抱えていた。
「……あら?」
 ふと公園の脇を通りかかると、人の笑い声。昼間なら笑い声なんて普通だが、今は深夜に近い。
 しかもその声には聞き覚えがあった。
「三下くん? なんであんな所に? ……帰宅途中、って訳でもなさそうだし……何をやっているのかしら?」
 霊能力のないシュラインには、三下が楽しそうに一人で遊んでいる姿しか見えない。
「一人で遊んでる、にしちゃ妙よね? ……子供と一緒に遊んでいるような……。まさか、また何かとり憑かれたのかしら?」
 シュラインは携帯を取り出すと、麗香の携帯へと電話をかけた。
 すると、少し眠たそうな麗香の声が返ってくる。
 事情を話して訳を聞くと、最近無断欠勤が続いていて、しかも様子がおかしいという話だった。麗香と話をしながら注意深く三下を見ると、やけに頬がこけていた。
「やっぱり何かにとり憑かれているみたいですね。どうするんですか? ……え、え? ちょっと麗香さん、私編集部の人間じゃないんですよ! ちょ、ちょっとぉ!?」
 ツーツーツー。
 一歩的に電話は切れた。
「ついでだからよろしく頼むわね」
 と麗香は一言。ついでって一体……。
「一体なんのついでなのよ……」
 はぁぁあ、とシュラインはため息をついた。

●月刊アトラス編集部 −当日・朝−
「ええ!? 俺の三下さんがおかしい!? なんでッスか、編集長!」
 最近全然編集部に顔を出さない三下を心配していた湖影龍之助は、麗香の言葉に文字通り目を丸くして叫んだ。すでに龍之助が『俺の三下さん』と呼んでも誰も気にしないらしい。
 それに麗香は耳を軽く塞いで眉間に皺を寄せる。
「聞かれてもわからないわよ。だからそれを調べて欲しい、って頼んでるんでしょ?」
「……そうだったっス……」
 しゅん、と茶色い耳を垂らした犬のように龍之助は首をすくめる。
「公園で一人で遊んどるだけならまだしも、表情が虚ろで頬がこけ……」
 呟いた獅王一葉は、思い当たる事があったらしく、「あ」と口を開く。
「なぁ麗香はん、三下はん何かにとり憑かれとるんとちゃうん? 三下はん人がええから……」
「そうね。あり得ると思うわ」
「ともなく最初は手がかり探しや。最後に来た日は雨のやったけど、傘忘れたん? ちゅうくらいびしょびしょやったやろ。三下さんの事や、机にハンカチとか忘れとるとええねんけど……」
 一葉がサイコメトリの為にごそごそと三下の机をあさり始めると、龍之助は何かを思いだしたかのように顔をあげた。
「パンツ!」
「パンツゥ?」
 龍之助の言葉に一葉は目をぱちぱちさせ、パンツってあのはくパンツかいな、と当たり前の事を呟いてしまう。
「あの日社内のシャワー借りて、俺、三下さんの背中流してあげたんスよ。……三下さんの肌、結構きめ細やかで触り心地が良くて……」
「はよ先話せや!」
 パコン、と一葉のハリセンが、思い出の中に沈んだ龍之助の後頭部に炸裂する。アトラスでバイトを始めて結構経っていて、それなりに話もする為容赦はない。
 龍之助も気にしていないようで、叩かれた後頭部を軽く手で押さえると続きを話し始める。
「ああ、それでっスね。下着全滅だったんで、俺の替えの下着貸したんスよ。……三下さんに着て貰えるなんて嬉しい……。んで、三下さんの下着は、やっぱり社内のコインランドリーで洗って乾かしておいたんス」
 泊まり込みが多い為か、社内に二つばかりコインランドリーが置いてある。
「で、その下着はどこにあるんや?」
「俺のロッカーっス。ちゃんとアイロンかけて待ってたんスけど、翌日から来なくなって。風邪でもひいて寝込んじゃったのかと思って心配してたんスよ」
「ア、アイロンねぇ……」
 黙って聞いていた麗香も、さすがに苦笑いを浮かべる。別に龍之助が誰を好きになろうと、三下がその気持ちに応えようと勝手なのだが。いまいち理解しきれない部分もある。
 龍之助は嬉しそうに自分のロッカーから、ビニールの袋にきちんと畳んでいれられたシャツとパンツを取り出した。
「パンツは駄目っスよ」
「いらんわい。シャツで充分や。なんでうちが三下はんのパンツ触らなあかんねん」
 ぶつぶつ言いながら一葉はシャツに触れた。
 そして目をつむって意識を集中させる。
 浮かんできたのはアパートを出る所だった。その後、ちょっとチューニングあっていないような画像へとかわり、小さな女の子が映し出された。
 三下はその少女に傘を渡したらしく、その後のヴィジョンに雨のような縦線が入った。
『ありがとう……』
 少女のくぐもった声がきこえてきた。去る三下を見送った少女は、ぐずり、と雨の中に溶けて消えた。
 そして画面は一転してシャワーシーン。
『三下さんの肌、すっげ綺麗っス……』
『えええ、ああ、それはどうも……。あ、あの、一人で出来ますから……』
『遠慮しないでくださいっス。俺と三下さんの仲じゃないっスか』
『えええ!? ど、どんな仲ですか、一体!?』
『それは秘密っス。ほらほら、体がこんなに冷えて……』
『止めてくださいぃぃぃぃぃぃぃぃ』
「…………」
 バチコーン!!
 目を見開いてはぁはぁ、と100mダッシュをしてきたくらいに息を切らせた一葉は、間髪入れずに龍之助の頭をハリセンでしばいた。
「変なもん見せんな!!!!」
 外見も中身も男そのものでも、やはり乙女の恥じらいと言おうかなんと言うか……。とにかく一葉はパニックに陥っていた。
「な、なんなんっスか、獅王さん……」
 今度はさすがに痛かったらしく、恨みがましい目で一葉を見る。目には涙が。
「な、なんでもあらへんわ……」
(あー、なんかムカムカするわ……)
 まさか二人のシャワーシーンを見た、とは言えない。一葉は少し紅くなった頬を隠すようにそっぽを向いた。
「……それで、何か見えたの?」
「な、なんも見てへん!!」
「何も見えなかったの? どうして三下くんがああなったのか」
「え、あ、その事か……」
 慌てて手を左右に振って、ついでに首まで左右に振って何も見ていない、と主張した一葉は、麗香の言葉に本来の目的を思い出した。
「ゴホンッ……。三下はんな、公園で女の子に傘貸したみたいなんや。どうもその子が幽霊らしくって、とり憑かれたらしいわ」
 説明すると、麗香は「三下くんらしいわ」と呟いて冷めたコーヒーを飲み干す。
「他にも協力してくれる人がいるから。頼んだわね?」
「はい! 命にかえても!!」
「ついでにレポートも、やろ? わかってますわ。ほな、行って来ます」

●留守番電話 −当日・昼間−
「あれ? れーちゃんからみぃちゃんにおでんわだけど……」
 遊びに行って帰ってきた寒河江駒子は、留守番メッセージを保有するランプを見て首を傾げ、ポチッとボタンを押した。
 そこから流れてきたのは月刊アトラス編集部の編集長、碇麗香の声だった。
 なんでも三下忠雄の様子がおかしいから調べて欲しい、との事。
 駒子と同居人である寒河江深雪はアナウンサー。お天気が専門だが。しかしアトラスと関わり、その後差し入れを持っていく度に取材に巻き込まれ、今では人がいいのも手伝って麗香にこき使われている。
「まだみぃちゃん《きょく》からかえってないんだよねー」
 どうしようかな? と駒子は再度首を傾げた。着物姿の小さな女の子。江戸時代に飢餓で亡くなり、それ以降座敷童子となり寒河江家に住み着き、今では仲のいい美雪と共に生活している。
 首を傾げる度に、さらさらな黒髪がゆれた。
「こまこでも《しらべ》られるかな? なんかちょっときになるし。さんちゃんでしょ? まえに《おかし》くれたしなぁ……。よぉし、こまこががんばってあげる♪ というわけで《こうえん》にれっつらごっ☆ 《れぽーと》はみぃちゃんにかいてもらえばいいしー☆」
 閉められたままのベランダへ通じる窓。ガラスも気にせず飛び込んで、スゥッとすり抜け駒子は公園へと向かった。


●塾帰り −当日・夜−
「……」
 今日もいるな、と御上咲耶は公園で遊ぶ男の姿を見て思う。
 塾帰りに通る度、幼い少女と遊ぶ男性。親子には見えなかった。しかも時間はかなり遅い。こんな時間に子供と遊んでいるのはおかしい、と常々感じていた。しかも、見る度に頬が痩け、精気が薄くなっている。
 そして一緒に遊んでいる少女。咲耶にはそれが霊である事がわかった。
 普段は高校生として暮らしているが、月夜には金色に輝く瞳を持つ狼に変身出来る。そして霊体や人の心に救う『闇』を喰らって生きている。しかし狼になってしまうと、思考能力。理性が半減してしまう。
 今は黒のカラーコンタクトをいれている。髪も黒で、地肌が小麦色をしている為、暗闇に入ると見えにくい。
「人の良い人間はああいった類に好かれやすい、というが……」
 息を吐き、じっと二人の様子を窺っていた。

●通りがかり −当日・夜−
「……おや、あれは三下さんではないですか。しかも……」
 深夜。用事が有り友人宅を訪れていた帰り道。ヴァラク・ファルカータは公園で遊ぶ三下の姿を見かけた。
 依然知り合ったこともあり、顔を覚えている。その上、遊んでいる相手が死霊である、という事が、神父であるヴァラクにはわかった。
 銀色の髪に赤い瞳。それは仄かな月明かりの中で神秘的に浮かび上がっている。しかも服装はそのまま神父服。黒が基調になっているので、白い肌が余計に白く見えた。
 幼き少女。その少女と遊ぶ三下の姿。霊能力の無い者が見れば、一人で三下が深夜の公園で遊んでいるかのように見えただろう。
「哀しげな少女の魂。神の翼の暖かさを知らないのですね……」
 ヴァラクは呟いて胸の十字架を握った。
 心優しい三下と少女を救って差し上げるのが自分のつとめ、とヴァラクは公園へと足を踏み出した。

●おやつは3時と限らない −当日・夜−
 最近美味しい食事を摂る機会が無いから、とおやつがわりにしている三下を、小嶋夕子は捜していた。
 夕子は幽霊だ。今は20代の姿をしているが、実際の年齢(と言ってもいいのだろうか、幽霊に)は683歳。しかも他の霊を喰らって生きている御魂喰らいだ。
 その為普通の幽霊より力は遙かに強いが、その分人間的感情に薄くなってしまっている。
「編集部にいないなんて。何をやっているのかしら」
 ふらふらと飛び回っていると、三下の気配ともう一つ別の霊の気配を感じて夕子はその方向へと向かった。
「あら、きちんとした食事が出来そうね……。霊が人の興味や優しさにつけ込んで、衰弱させて仲間にするのはよくあること……。楽しみだわ。そういう妄執に囚われた霊ほど美味しいんですもの」
 三下と共に遊ぶ少女の霊を見て、夕子は妖しく笑う。
「邪魔が入らないうちに……」
 近づこうとした夕子は、別の嫌な気配を感じて止まった。そちらを向くとヴァラクの姿が見えた。
「神、父? 嫌なところにいるわね。……少し様子を見ましょう……」

●情報収集 −当日・昼間−
「えらいすんまへんな、シュラインはん。部外者に手伝わせてしもて」
 頭を軽く下げた一葉に、シュラインは苦笑した。
「おたくの編集長強引だから。でもしっかりギャラは貰うわよ」
「そうした方がええわ。いっつも顎でこき使われるんやさかい」
「えーっと、まずは何をするんでしたっけ?」
 三下救助で頭がいっぱいな龍之助は、心だけが先に走りだしているようで、口調は上の空。
「聞き込みからよ。一葉の話だと、少女の霊みたいだから周辺で話を訊いて見ましょ」
 興信所で聞き込みは慣れたのか、シュラインは二人を伴って歩き始める。
 最初に訪れたのは公園の近くの駄菓子屋。子供が100円玉握りしめて買いにくるような小さなお店だ。
「すみません」
「はい、いらっしゃいませ」
 声をかけると、奥から老婆が出てくる。お菓子とタバコを売ったお金で細々と生活している、と言った印象である。
 シュラインは適当にいくつか見繕って老婆に渡し、お金を支払う。
 その後ろでは龍之助が本気で何を買おうか悩んでいる。
 中でもクジ物が気になるらしく、しきりに一葉にやってもいいか尋ねていた。
「この辺に着物を着た女の子っていませんでした?」
「着物……? ああ、美菜(みな)ちゃんの事だね。それが何か?」
 尋ねたシュラインの顔を、老婆は無遠慮に眺める。その表情は何か知っているようで、少し哀しげでもあった。
「美菜ちゃんって言うんですか。その美菜ちゃん、最近お亡くなりになりました?」
「……何でそんなこと訊くんだい? あんたたち誰かね?」
「あ、すみません。申し遅れました……」
 言ってシュラインはこういう時の為に用意しておいた名刺を取り出して渡す。
 本来は草間興信所の仕事ではないが、文句は言わないだろう。
「興信所……? 探偵さんかね」
「はい」
「ふぅん」
 じろじろと、一葉と龍之助は見られて作り笑いを浮かべる。
「……美菜ちゃんは可哀想な子供だったよ。まだ8歳だって言うのに、ろくに世話もして貰えないで……。服も貰い物やおさがりばかり……。それもどれも小さくてね。唯一いつも着てた着物がぴったりだったんだよ」
 目頭をハンカチで押さえながら老婆は語る。
「継母な上に、父親が死んでしまって……。あの日は雨だったねぇ。帰りが遅くなったから、って家に入れて貰えなくて、一人で公園で遊んでいたんだよ。うちにお入り、って声をかけても頑固な子でね、全然入らなくて……。その後、風邪をこじらせて……」
「うううう……」
 老婆の言葉に龍之助は大洪水。もっていたハンカチはびしょぬれである。
 一葉も目頭が熱くなって抑え、シュラインも唇をひきしめてうつむいた。
「継母の連れ子がいじめるものだから、学校でも友達が少なくて、いつもそこの公園で一人で遊んでいたよ。と言っても、炊事・洗濯・掃除・買い物……色々やらされていたから、遊ぶ暇なんてほとんどなかったけどね」
「今時そんな子供が……」
「許せへんわ! 小さな子に。子供は幸せになる権利と義務があんねん。そのうちどこや!? うち行って説教したる!!」
 呟いたシュラインの横で、一葉は拳を握りしめる。その後ろで龍之助が同意して叫んだ。
「お、俺も行くっス! 許せないっス!!」
「……気持ちは嬉しいけどね。もうその親子はいないよ」
 老婆は涙に濡れたハンカチを、両手で何度ももむ。
「引っ越した、んですか?」
「ああ。さすがに跋が悪くなったんだろう。お葬式が済んだらそそくさと引っ越して行ったよ」
「そうですか……」
「逃げおったな!! 御天道様が許しても、この一葉様だけは許さへんで!」
「俺もっス!」
「……」
 拳を握りしめて熱血叫ぶ二人にシュラインは苦笑しつつ、公園へと視線を向けた。
 今は数人の子供が遊んでいるが、三下の姿は見えない。例によって夜にならないと出てこないみたいだ。
「夜にならないと出ないみたいね。少し時間置いてから来ましょ」
 シュラインの提案に、異存はなかった。

「あれは……?」
 留守電をきいて公園まで飛んできた駒子は、シュラインたちの姿を見つけて地面に降り立ち、姿を現す。
 アトラスや草間興信所に出入りしている駒子は、3人とも見覚えがあった。
「うわー! 着物姿の女の子っス!」
 真っ先に気が付いた龍之助が、駒子を指さす。
 それに他の二人も振り返り、一瞬ギョッとした顔をするが、すぐに安堵のため息をついた。
「何ゆうとるねん。あれは駒子ちゃんやろ? ほら、深雪さんとこの」
「へ? ……ああ、本当だ……」
 後頭部を軽くどつかれながら、龍之助はまじまじと駒子を見た。
 駒子はテケテケと3人に近寄ると、見上げて笑う。
「きょうはねー、こまこみぃちゃんのかわりにきたのー。みぃちゃん《おしごと》でこられないから」
「大丈夫、駒子ちゃん?」
 しゃがんで目線を合わせシュラインが尋ねると、駒子はにっこり笑う。
「だいじょーぶー☆ あぶなかったらりゅーちゃんたてにするし♪」
「おう、こんな盾でよければいくらでも使ったり」
「……俺の事、なんスけど……まあいいか」
 勝手に胸を叩いて言った一葉に、龍之助は情けない顔になるが、駒子には笑顔を向けた。
「ありがとー。……でも、公園誰もいないね?」
 駒子がさしているのは三下の事だろう。公園では数人の子供が遊んでいるのだから。
「美菜ちゃん!!」
「うわぁっ」
 いきなり駆け寄ってきたおばさんが、突然駒子を抱きしめる。
「こまこ《みなちゃん》じゃないよぉ」
 じたばたと暴れていると、おばさんは我に返ったように駒子をおろして謝る。
「ごめんなさい……。知り合いの子によく似ていたから……」
「あんな……」
 困ったような顔をしている駒子に、一葉は耳元で事情を説明する。
「最近この辺で着物姿の女の子を見かける、って噂になっていたから……もしや、と思っていたんだけど……。お嬢ちゃんだったのね」
 ふぅ、とため息をついて公園を眺める。
「いい子だったのに……。ああ、ごめんなさいね。それじゃ」
 勘違いしたことに恥ずかしくなったのか、おばさんはそそくさと立ち去った。
「ちゃんと成仏させてやらなあかんな……」
 心底心配したような顔をしていたおばさんと、駄菓子屋の老婆。その表情を見ているだけでは『美菜ちゃん』が好かれていた事がわかる。ならば尚更、ちゃんと成仏して幸せになって欲しい。そう願わずにはいられなかった。
 三下を救うことが第一だが、これまで数々の霊的事件に関わって為、思いは強かった。
「こまこ《おともだち》になれるかな?」
 同じくらいの歳の女の子、と聞いて切なくなる。
「いっしょに《あそぶ》くらいなら、いくらでもしてあげるのに……」
「危ないっスよ、駒子ちゃん。三下さん精気吸い取られてるらしいし」
「こまこは《だいじょうぶ》だよー☆ さんちゃんみたく《れいばいたいしつ》のひとは《とりつかれやすい》からきをつけなきゃだめなのにねー」
 言った駒子の耳に微かな声が聞こえた。
『さびしいさびしい。あいされたい……』
(やっぱり、こまこと《おんなじ》なんだね……)
 駒子は公園を見ながら、さみしそうに瞳を伏せた。

●あそぼ −当日・夜−
 近くで時間を潰してから公園を訪れると、すでに三下の姿あった。
「さ、三下さぁぁぁん!! うぐっ……」
 飛び出して行きそうになった龍之助の後ろ首を一葉がつかむ。
「アホ! いきなり飛び出してどないすんの!!」
「……すみません……」
 と謝りながらも口の中で「三下さぁん」と呟いている。
(あんなに頬がこけちゃって……ああ、あまり肉付きが良くない体がもっと痩せて……)
「……」
 見ていた駒子は陰に隠れると、霊体化する。
「……あら、思わぬ副産物」
「え?」
 振り返った駒子の側に、他の幽霊、夕子がいた。
「あの子もとっても美味しそうだけど、あなたも美味しそう……。邪気が少ないのが難点だけど……」
「こ、こまこ《おいしく》ないよ! こまこ《たべられたく》ないもん!!」
 慌てて駒子は逃げる。しかし夕子は追おうとしなかった。
 駒子より、邪気を少し含んだ美菜の霊の方が好みだったから。

「あー、びっくりした。《たましい》たべちゃう《れい》がいるってきいたことあるけど、こまこが《たべられそう》になっちゃうなんて……」
 はぁはぁ、と息を整えながら再び眼下の公園を見ると、ヴァラクと咲耶の姿が目に入った。
「さんちゃんって《にんき》あるんだー。いっぱい《たすけて》くれる《ひと》がいるんだね。……これってもしかしてさんちゃんの《じんとく》かな?」
 少し様子を見てから女の子に話しかけよう、と駒子は思い直し、先ほどの幽霊と合わないように用心した。

「邪魔者が多すぎね……。折角の美味しそうな食事なのに……」
 夕子はぼやいていた。駒子に逃げられた事はくやしくないが、目の前にぶらさげられた人参を、無くしてしまおうとする輩が多い。しかも夕子の目からははっきりわかるが、人狼と神父。勝ち目がなさそうだ。
 それでも隙はあるはず、と狙っていた。

(嬉しかったんだろうな。自分の姿を見ることが出来る人間に出会えて。だがこのままでは少女の霊が彼をあの世へ道連れにしかねない)
 さほど凶悪な念ではないようだから、喰らったところで大して空腹感は満たされないが、邪気を喰らうことで彼女の穢れが祓われ、無事に成仏出来るなら……たまにはこういう人助けもいいか、と咲耶は公園に踏み込んだ。
 咲耶が喰らうのは霊体や人の「闇」の部分のみ。だから、少女の霊を傷つけることはなかった。
 思いながら歩いていると、先を歩く銀色の髪が目に入った。その人物も自分と同じ男性の方向へと向かっていた。
「そんな事をしていても、あなたの魂は救われませんよ」
(同じような事を考えていた人がいたんですか……)
 三下と共に遊ぶ少女へと話しかける男性、ヴァラクの姿を見て、咲耶は微かに笑みを浮かべた。
『誰?』
 少女はヴァラクと、そしてその後ろにいる咲耶へと視線を向ける。
『遊ぶの邪魔するの?』
「いいえ。もし良かったら私が彼のかわりになれれば、と思いまして」
 少女に対してもあくまで礼儀正しい。
「私なら彼のように精気を吸い取られる事もありませんし。あなたの本意ではないはずですよ、彼を仲間にすることは」
 ヴァラクに言われて少女はボールを持ったまま立っている三下を見た。すでに顔色は土気色になり、目は虚ろ。立っているのが不思議なくらいだった。
『このお兄ちゃん、美菜の仲間になっちゃうの? 美菜の仲間って何?』
 自分が死んだことさえよくわかっていないのか、美菜は首を傾げた。
「……こまこが《あそんで》あげるよ」
『?』
 頭上から不意に声がきこえて、美菜は降りてくる駒子を見る。
「あ、くーちゃんもいたんだ☆」
 にこにこと駒子に呼ばれ、ヴァラクは笑う。
「そっちのおにいちゃんは《だれ》?」
 駒子に言われてヴァラクは初めて咲耶の存在に気が付いた。
「こまこはねー、こまこだよ」
「……御上咲耶って言います。少し気になって……」
 駒子は自己紹介にもなんにもなっていない挨拶をするが、咲耶は別段気にしていない様子だった。
「ヴァラク・ファルカータ、と言います。あなたも不思議な力をお持ちみたいですね」
「……」
 ヴァラクの言葉に咲耶は返答せず、否定とも肯定ともとれる笑みを返した。
「ぎょうさん来とったみたいやな」
 駒子が現れた事で、一葉達も公園の中へと入ってきた。
「あああ、三下さん! こんなにやつれちゃって……俺の精気をわけてあげたい……」
「ほんまやな」
 すっかり痩せこけた三下の姿に、一葉は苦い顔になる。
「元々情けない顔だったけど……」
 ため息をついたシュライン一言はなかなかきつい。
「あ、れ……? 皆さんなんで、ここに?」
「さんちゃんだいじょうぶ? みんな《しんぱい》してるんだよ?」
『いいなぁ。心配してくれる人が沢山いて……』
 寂しそうにぽつり美菜は呟く。
「こまこが《おともだち》になったげるから、それじゃあだめ? さんちゃんは《いきてる》ひとだから、このままだと《せいき》がなくなってしんじゃうよ? どうしても《さんちゃん》がいいなら……いっそ《うえ》にあがってから《さんちゃん》の《むすめ》にうまれかわらせてって《かみさま》におねがいしてみればー?」
『お兄ちゃんの、娘……?』
「そうですね。神様はちゃんと見て下さっていますよ。このままではあなたにも良くない。きちんと成仏して、神様の身元へ召され、次の生を待つことが一番ですよ」
 神と同じような気を放ちながら、ヴァラクはにっこりと微笑んだ。
「邪気なら……祓ってあげられるけど……」
 その為には獣化しなければならなかった。獣化をすると理性が半減してしまうため、暴走する前に終わりにしなければならない。
 咲耶は頭上の月を眺めた。

「……あーあ、もう食事は無理みたいね……。どうしてお人好しばっかりいるのかしら。
仲間を沢山増やして、わたくしの食事も増やしてくれた方がいいのに……」
 様子を伺っているが、なかなか隙が出来ない上に人数ばかりが増えていく。
 厄介なのは神父と獣人。座敷童子も多少目障りだが、自分より遙かに年齢は下。力は夕子の方が僅かに上だった。
 他の3人は関係ない。自分を封じる力など持っていないから。
 諦めて去ってしまえば楽なのに、美味しそうな食事が目の前にあるために、今ひとつ諦めきれない。
 ため息をつきながら、夕子はじっと様子をうかがっていた。

「もしかしたら、上にあがれば、一緒に遊んでくれる友達とか出来るじゃないかな?」
 にこにこと言いつつも、龍之助の心臓は口から飛び出して来そうだった。
「ごめんな。この人、お兄ちゃんの大切な人だから……解るよな? 君といたら駄目なんだ。勿論君の事が嫌いだからって訳じゃない。……また産まれてきたら、一緒に遊んであげるから、その為にも……上に行こうな?」
『……』
「ってゆうか、三下さん! 俺とこの子どっちが大事なんッスか!? 逝かせる気はないっスからね!!」
 くるりと三下の方を向いた龍之助は、涙ながらに抱きつく。その様子を美菜はうらやましそうに見ていた。
「三下はんは異常すぎる程運に恵まれてへんけど、それでも普通の人や。見てみぃ、こないにげっそりしとる。このまま遊んどったら取り返しのつかんことになるで?」
『取り返しのつかないこと……』
 子供のなりに色々考えたのか、美菜は「あのね」と顔をあげる。
「なんですか?」
『もう少しだけ、もう少しだけ遊びたいの……。あのお兄ちゃんじゃなくてもいいから。美菜と遊んで欲しいの……』
「こまこはいいよー☆」
 駒子が返事をしたのをきっかけに、全員が頷いた。
 さすがに三下はこれ以上関わらせない方がいい、という事で、本人たっての願いもあり龍之助が様子を見ていた。
「あまり動けないのに乗じて、変なことさらすな!」
「しないっスよー。反応が合った方が面白いっスから」
「……あっそ」
 釘をさした一葉に、龍之助はしれっとした顔で言った。
 それからしばらく、美菜を中心にいろいろな事をして遊んだ。
 当初は一緒に遊んであげているはずの駒子は、こんなに大人数の人と遊んだことがなかったが為に、美菜と同じくらい楽しんでいた。
「?」
 そこにいつのまにか10歳代の女の子が混じっていたのをシュラインは見かけたが、誰も何も言わなかったので、気にしないでいた。
 どのくらい遊んだだろうか。ふと美菜の動きが止まる。
 さすがにシュラインと一葉は常人。疲れが見え始めていた。
『……ありがとう。とっても楽しかった』
「良かったですね」
 咲耶は少女が満足したことと、自分が獣化しないですんで良かった事の両方を思って笑みを浮かべる。
「上に上がる気になりましたか?」
『うん。今度も産まれてきたときも、沢山遊んでね』
「いいわよ。その代わり、早めに産まれてきて頂戴ね。体力がなくなる前に」
 ウインクして言ったシュラインに、美菜は笑う。心からの笑みだった。
「……」
 その隙をついたかのように、スッといつの間にか一緒にいた少女が美菜に近づいた。
 そして手を美菜にかざそうとした瞬間、駒子が間に割ってはいる。
「だめ! さっきの《ゆうれい》さんでしょ!? いっしょに《あそんで》くれてるのかとおもったから《だまって》たけど……。このこ《たべちゃ》だめだからね!」
 同じような年代の子供。少しだけお姉さんな駒子は、守ってあげなくちゃ、と必死だった。
「……悪さをするなら、一緒に上へ導いて差し上げますが?」
「……」
 ヴァラクと咲耶の視線を感じ、夕子は小さく舌打ちをして逃げた。
 ヴァラクの浄霊、咲耶の邪気祓いをされたら、夕子とてただではすまない。見逃して貰えるときに逃げないと。
「勿体なかったわね……。でも、浄化される訳にもいかないし……」
 頭上から見下ろしながら、呟いた。

「それでは……我が父なる神よ。その身もとへその子を誘わん……」
 ヴァラクの体が薄暗闇の中、仄かに光る。その光の帯が美菜も包み込む。
 無数の羽根が舞い広がるように、光は辺りに広がり、見ていた人たちも包まれた。
 柔らかく、暖かい光。
 それに包まれて美菜は笑う。
 駒子も気持ち良かったが、勝手にいなくなると深雪が泣くから、と思い光からそっとはずれた。
 それは束縛するものではなかった為、駒子はすんなり光の中から出られた。
『ありがとう。お兄ちゃん、お姉ちゃん達。すっごく楽しかった。……また、楽しく遊べたらいいな……』
 声は段々遠くなり、そして消えた。
 美菜が立っていた場所には、ハルジオンがひっそりと咲いていた。

●月刊アトラス −後日・昼間−
「す、すみませんでした……」
 まだ完全に回復はしていなかったが、後日三下は編集部に顔を出した。
 真っ先に迎えたのは勿論龍之助。
 一葉は三下の一件をレポートにまとめていた。
「三下さん! 寝てなくちゃ駄目っスよ! ヴァラクさんにも言われたでしょ? 養生が大切だ、って」
「そうなんですけど……無断欠勤が続いてましたし……」
 笑う顔には未だ精気は薄い。
「これでも飲んどき」
 一葉はポイッと健康ドリンクを放る。それを三下のかわりに龍之助が受け取った。
「……大丈夫なの?」
「あ、はい。だいぶ……。ご迷惑をおかけしました」
 すまなそうに頭を下げる三下を、麗香は見ようとしない。
「本当ね。それに、その体調で出てこられても迷惑になるだけよ」
「へ、編集長ひどいっス!」
 ドリンクの蓋を開けながら叫んだ為、中身が少し飛び散る。
「すみません……」
 三下がさらに体を縮める。
「……そこに貰った健康ランドのチケットがあるわ。行ってらっしゃい」
「え?」
「……取材よ。奥の風呂に出るみたいなの。湖影くんも一緒に行って来て頂戴。レポートは4日後にあげてきて頂戴。自宅でいいわ。それ以前に持ってきても受け取らないから」
「……へ、編集長……」
 瞳を輝かせた龍之助を、鬱陶しそうに見てから、ようやく三下に視線を向けた。
「さっさと行って来なさいよ」
「は、はい!」
 三下は慌ててチケットを持つと編集部を飛び出した。その表情には僅かな笑み。
「あ、待って下さいっス!」
 その後を龍之助がご主人大事、と追いかける。
「……麗香はんも優しいところあるんやな」
 ぼつり漏らした一葉に、麗香の冷たい一言。
「人の心配より、早くレポートあげてくれるかしら?」
「……しゅいみしぇん……」

●教会 −後日・昼間−
 ヴァラクは祈っていた。
 神のみもとへと召された少女の為に。
 次の生がきっと幸せでありますように。
 誠心誠意、祈っていた。

●寒河江家 −後日・昼間−
「……それで、なんで私がレポートを書くのかしら……?」
「あのね、こまこがいっしょに《あそんだ》から」
 局から帰ってくると、上機嫌な駒子に迎えられ、原稿用紙を目の前に置かれた。
 深雪は駒子から事情を聞いたが、どうしていいものやら、と悩む。
「くーちゃんがいてね、みんなにあそんでね《うえ》にあがったの」
 よっぽど興奮しているのか、駒子の説明は要領を得ない。
 これは長い時間つきあわないと無理かな、と思いつつ、深雪は嬉しそうな駒子の顔に、自然笑みを浮かべた。

●ビルの屋上 −後日・昼間−
「結局食べ損ねちゃったわね……」
 空にはあまりおいしくなさそうな浮遊霊が浮かんでいる。
 それに手を伸ばして一瞬のうちにとりこんでから、ため息。
「美味しくない……。また捜しに行こうかしら……」
 美味しい食事が出来るのはいつの日か。
 それは誰にもわからない。

●草間興信所 −後日・昼間−
「あ、やっと来たか。これ、頼むわ」
「……は?」
 入ってくるなり草間から書類の束を渡されて、シュラインは半眼になる。
「昨日来なかったから、仕事がたまってなぁ。良かった良かった」
「……良かった良かった、じゃなぁい! これ全部武彦さんの仕事でしょ? なんで私が!」
「俺の字は汚くて読めない、て言うから。だから、よろしく頼むわ」
 全然悪びれない様子で草間に言われて、シュラインは肩で息を吐いた。
 一日のうちにこれだけの仕事をこなせるのだから探偵として優秀なのだだろうが、人間としてはどうかと思う、とシュラインは窓の外を眺めて、もう一度盛大にため息をついた。
「一つだけ言っておく」
「何?」
「ため息ひとつごとに、幸せが一つ逃げていく、て言うぞ」
「……誰のせいだ、誰の!!」
「いてっ」
 思わず手に触れた消しゴムを投げると、見事に草間の頭に命中した。

●公園 −後日・夜−
「……」
 ふと公園を通りかかって咲耶は立ち止まる。
 そして目に入ったハルジオン。
 その周りに、ハルジオンを囲むように他の小さな花が生え始めていた。
 咲耶は笑う。
 そして、ゆっくりとその場を後にした。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0016/ヴァラク・ファルカータ/男/25/神父】
【0086/シュライン・エマ/女/26/翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【0115/獅王一葉/女/20/大学生/しおう・かずは】
【0218/湖影龍之助/男/17/高校生/こかげ・りゅうのすけ】
【0291/寒河江駒子/女/218/座敷童子/さがえ・こまこ】
【0382/小嶋夕子/女/683/無職…??/こじま・ゆうこ】
【0475/御上咲耶/男/18/高校生/みかみ・さくや】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、夜来です。
 咲耶さんは初めまして。その他の方々は再びお目にかかれて光栄です☆
 今回、ちょっと書き方を変えてみよう、としたら、夜来最高記録更新、となりました(笑) 長かったです。他のライターさんなら普通なのでしょうけど(^-^;)
 龍之助くんは……書く毎に変態さんへの道を……げふんげふん……失礼。
 咲耶さんを獣化出来なかったのはちょっと残念かな、と思いつつ。理性をなくされても困るな、と思ってしまったり(笑)
 描写のおかしなところとかあったら遠慮なしに言って下さいね。
 それでは、またの機会にお目にかかれる事を楽しみにしています☆