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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


天使システム〜大天使降臨〜

<オープニング>

「大変です編集長!テレビを見てください!」
 編集室に突如響き渡る声。碇は驚いて振り向いた。
「どうしたの!?」
「いいから早く!」
 編集員にうながされるままテレビ画面を見た彼女の目に映りこんできたもの、それは十字架が書かれた旗を持つおおぜいの人々が、翼を生やした鎧に剣を持つ天使に先導されるまま通りを練り歩いているのである。それだけではなく彼らは手に包丁やナイフを持ち、通行中の市民に襲い掛かっている。
「ち、ちょっとなによこれ・・・。どこかのカルト?」
「分かりません。でもあの先頭の空飛んでいる天使がなんだか気になって・・・」
 彼が指差す天使は光輝き、神々しい。だが、なぜ天使に先導された人間が同じ人間を襲っているのであろうか。このままでは警察が出動して更なる大惨事になることは目に見えている。天使は人を守る存在ではないのだろうか。それなのにこの暴徒を先導しているように見える。だが、これはアトラスにとって特ダネのチャンスでもある。
「とにかく、これをスクープしなくちゃね。勿論カルト特集なんかじゃなくこの天使の特集をしなくちゃ。誰かこれの取材に行って来てくれる人、いない?」
 いるわけがない。誰が好き好んでこんな危険な場所に行くというのだ。
「ええい、もういくじなしどもめ。こうなったら貴方たちだけが頼りよ。ここに行って取材してきて頂戴」
 碇は依頼を受けに来ていた貴方たちにそう告げた。テレビの表示されていた場所は表参道だった。急げばまだ間に合うだろう。

(ライターより)

 難易度 普通

 予定締切日 4/20 24:00

 天使シリーズ第二話です。
 今回天使が出現したのは表参道となります。かなりの人通りがあるこの場所で大パニックとなっているため、目的の天使に到着するだけでも困難かもしれません。また天使と敵対すれば、それに付き従っている信徒達も敵になりますので気をつけてください。彼らを敵にまわすかそれとも・・・。
 依頼内容はこの事件の取材なので、無事取材ができれば一応依頼は成功となります。この事件を収拾させるかどうかはお任せします。ただし前述したとおり、人が多いので行動は困難になります。お気をつけ下さい。
 シリーズものではありますが、全て一話完結型なので初参加の方でもまったく問題ありません。お気軽にご参加ください。
 それでは皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

<戦い終わりて>

 かくして戦いは一応の終わりを告げた。
 表参道から大天使は姿を消し、操られていた人々は開放された。現在警察が事後処理にあたっているが徐々に人も戻りつつあり、表参道は普段の賑わいを取り戻しつつある。だが、これで総てが終ったと考えるのは早計だろう。
「どうにも気になるんですよね・・・」
 警察が操られていた人々を事情聴取している姿を見つめながら、一人の男がつぶやいた。緩やかに波うつ白銀の髪に深紅の瞳が印象的な青年である。名をヴァラク・ファルカータという。とある教会で神父として神の教えを説いているが、今回の事件では民衆を先導していた天使は偽りの天使だと思っていた。故に、敵対してもまったく問題はなかったわけなのだが気になる点があった。
 今回操られた者たちが総てキリスト教徒であるという点である。彼らは統て夢によって天使に導かれ、その後の記憶が無いという。皆敬虔な信者でありキリスト教系カルトというわけではない。となると、導いた天使というのは、キリスト教と関係のまったくない偽りの天使とも言えなくなる。仮に偽りとはいえなんらかしらの関係があるかもしれない。
 ヴァラクがそんなことを考えていると、通りの向こうから一人の女性が近づいてきた。豪奢な金髪に翠色の、エメラルドのような瞳をもった欧風の顔立ちをした美女である。彼女は操られていた人々を見ると顔を悲しみに曇らせた。
「おお、やはりこんなことにしかならなかったのですね」
「こんなこと?」
 ヴァラクは彼女の、こんなことという言葉に思わず問い返した。こんなことというからにはこの事件について何か知っているのであろうか。
「悲しい事です。神の教えを守る者がこのような争いを起こしてしまうとは・・・。やはりヒトは・・・」
「貴女は一体何をおっしゃっているんですか?」
 彼女の言っていることは唐突でまったく意味が分からない。女性はヴァラクに視線を移した。
「その服装・・・。貴方も主の使徒であるようですね。どうしてヒトは争いあってしまうのでしょう」
「何を言っているんですか?今回の事件はあの偽りの天使たちが人々を操っただけでしょう」
「私はヒトを試したのです。真に神の教えを守りし者ならばこのような破壊はおこなわないはずです。隣人愛を実践できている者は一人もいないのですね」
 砕かれたショーウィンドーを見て瞼を閉じる女性。
「人を試した?まさか貴女が・・・」
「ヒトの子はやはり救われぬ存在なのでしょうか。主の教えを守っているであろう者たちですら争いの気持ちを抑えられぬとは・・・。やはりヒトは・・・」
「答えてください。貴女は何者なんですか!?」
 彼女がこの事件を起こした張本人であれば、逃がすわけにはいかない。彼は力を解放し始めた。光が彼を包み込み、まるで羽が舞っているかのごとく淡い光が煌いた。しかし、彼女はそれを見ても大して驚かずこう告げただけであった。
「ガブリエル」
 と。
 その瞬間、ヴァラクの動きが止まった。ガブリエル。本当に彼女はそう言ったのか。だとすれば・・・。
 聖ガブリエル。神の力を体現する天使の中でも最高位の地位であるセラフィム。その中の一人がこのガブリエルである。その力は他の天使とは比較にならず、神すらも時にはセラフに頼ると言われるほどである。また、4大セラフの中で唯一の女性でもある。
「ヒトの子よ・・・。戦うことは愚かなことです。これから世界は修正されましょう。神の世に相応しい形に・・・。受け入れなさい。それこそが幸せなのです」

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0016/ヴァラク・ファルカータ/男/25/神父
    (う゛ぁらく・ふぁるかーた)

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■         ライター通信          ■
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 大変お待たせいたしました。
 天使システム〜大天使降臨〜をお届けいたします。
 この度はヴァラク様の個別パート納入が遅くなり大変申し訳ございません。
 今回は戦闘が終了した後のシーンとなりました。今回の事件の張本人であるガブリエルが登場しました。いよいよ黒幕と思しきセラフの一人が出てきたことで物語は急展開を迎えます。これからの天使シリーズをご期待いただれけばと思います。
 それではまた別の依頼でお目にかかれることを祈って・・・。