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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


+Re+ Weekly Victim

≪Weekly Victim≫

「おっひさ〜!」
 その日は朝からイマイチはっきりしない空模様が続いていた。
 早足で駆け過ぎて行ってしまった春の気配は既に遠く、大きく開け放たれた窓からは湿り気を帯びた初夏の風が舞い込み、煙草の煙に満ちた室内を浄化している。
「はぁ‥‥今日もいい天気だな」
「‥‥思いっきり無視したね」
 この興信所の主、草間武彦にすげなくされた通称『金にならん依頼ばかりを持ち込む傍迷惑な男』、仲介依頼人の京師紫(けいし・ゆかり)はブチブチと呟きながら、ここを訪れた時の指定席であるソファに腰を降ろした。
 そんな二人のやり取りを小さく笑いながら、紫に茶を勧めた女性所員が救いの手を差し伸べる。
「で、今回はどんな依頼なんですか?」
「んー、新宿で少しだけ噂になってる『神隠し』の話って知ってる?」
「新宿に出かけたっきり丸一週間音沙汰なくなるってアレですか?」
 流石にここの人達は耳が早いねぇ。
 目には目を、歯には歯を、無視には無視を。大袈裟なアクションで草間に背を向けた紫はこれみよがしの大声で語り始めた。
「じゃ、これは知ってるかな? 毎週金曜日に都庁近くの5階建のオフィスビルで開催されているヴァーチャルゲーム。勝者に与えられるのは――夢のような時間」
「え? それって‥‥」
 目を大きく見開いて、神隠しとゲームを繋ぐ糸に気付いた所員に、紫は「ほんと、飲み込みの良い人ばっかりで助かるよ」と微笑んだ。
「そう、想像通り。ゲームの勝利条件は最上階で眠っている人を起こす事。そして起こした人物――ゲームの勝者が新たな眠りにつくってワケ。これが『神隠し』の正体らしいんだけどね」
 そして紫は応接テーブルの上に1枚の地図を取り出した。
「場所はここ。この建設予定地になってる空き地にゲーム開催日に忽然と入り口のないビルが現れて、そしてゲームスタートの21時になると何もない壁から扉が出現する」
「そんなバカなことがあるか!」
 紫の話を背中で聞いていた草間が溜まらず怒鳴り声をあげる。しかし紫は冷静な目でそれに応えた。
「嘘じゃないよ、僕も経験者だし。すごいリアルなゲームでね、マネキンみたいな人形が出てくるんだけど、そいつらに殺される! って思ったらスタート地点に戻されてたりとかしたからさ」
 まるでリセットボタンを押してるみたいにね。
 その言葉に、居合わせた所員達は息を飲む。ただ草間だけは小難しい表情で眉を潜めた。
「というわけで、今回の依頼はこの理不尽なゲームを終わらせる事。
 今度の金曜、扉は僕がなんとか20時半には開けるから、ゲームが始まる迄の30分の間に全てを片付けて欲しい。
 最上階のゴールの部屋にたどり着くには1階から順に『地の鍵』『水の鍵』『火の鍵』『風の鍵』と4階までの各階に1つづつ、その名に関係する場所に隠してある鍵を手にいれる必要がある。一応スペアキーも僕が作ったのがあったりはするけど、万端とは言いきれない。
 まぁ一番の問題は勝者にならず、どうやって眠る人を起こすかだと思うけど‥‥」
「で、そんな馬鹿げたゲームの主催者は誰なんだ?」
 相変わらず背中を向けたままの草間の問いに、紫はその日初めての苦い笑みを浮かべた。
「それは不明。いかんせん僕はクリアー出来なかったからさ」
 また金にならん依頼を‥‥深々と草間が吐き出した吐息に、紫は「それが僕のポリシーだから」と舌を出した。

   ***   ***

 餓えていたのだ
 ただ久遠に続くこの刻に
 持たぬものなど何一つありはしなかった
 だからこそ生まれた虚無感
 そして見つけた
 それを癒す玩具を
 目まぐるしく移り換わる生を一呼吸置くのさえ惜しいかのように駆けぬける
 これほど面白いものはないと思った
 生まれた意義にようやく出会った
 そう悟った

 『人』は脆弱であるからこそオモシロイ‥‥


≪Retry + 紫月夾≫

 ムラサキイロの幻が見えた。

 例えば自分の手が血塗られているとか、何人の死を冷えた瞳に映して来たとか、それこそ何度か死んだほうがマシな人間に限ってのうのうと生に見苦しくしがみついているとか。
 そんなことを考えないワケじゃなかった。
 人の命を奪う仕事をしながら、人の命を救う術を学んでいる矛盾に、自分で自分を笑いたくなったことがなかったワケではない。
 考えていないワケではない。
 思わないワケでもない。
 ただ、そのどれもが『紫月夾』という人間を形成する上で、何一つ欠かせないファクターであるということを知っているだけだ。
 『そこに在るものは、そこに在る』
 そう遠くない昔――否、むしろ最近と言うべきか――とある男に言われた言葉をもう一度奥歯で噛み締めてみる。
 薄いガラスの板越しに見下ろした白衣から覗く自分の手は、薄い手術用の手袋に覆われていた。
 見て来たばかりの人が人を救う作業を、始めから終わりまでほんの少しの取り溢しもなく瞼の裏で再現する。
 切り開かれた腹部。
 紅に彩られた臓器は、生を主張するようにグロテスクに蠢いていた。

 生を与えることは難しく、そして美しくない
 しかし、死を与えることは容易でかつ美しい――少なくとも自分の手によって成されるものは

「おーい、紫月。お前これからどうする?」
 学友に声をかけられたが、夾の指は迷うことなく白衣のボタンを一つ、また一つ外して行く。
「悪い、今日はちょっと用がある」
 嘘。
 本当はこれっぽっちも悪いと思っていないくせに。
 薄手だが意外に保温性の高い白衣を脱ぎ捨てると、院内の薬品の匂いに満ちた空気が肌を刺した。
 眼鏡を胸ポケットにしまいこみ、黒のスプリングコートを羽織る。

 あの女は必ず現れる

 軽く手を振って『仲間』達に背を向ける。

 紫色の女が笑う幻が見えた―――


≪始動≫

「なら、俺が火で、クローソーが風の鍵だな」
「地の鍵なら僕達でなんとかなると思いますよ。エマさんもいてくれるし」
「それなら俺は水の鍵ってことですね」
「そういう割り振りになるか。くれぐれも早まらないで全員の到着をギリギリまで待つ事を憶えておいてくれ。どうやら四つの鍵が揃わないとあの女は出てこないような口ぶりだったから」
「‥‥やっかいな話ね」
 四つ人影が表通りから少し離れた場所にあった。
 いっそ不自然なまでに人の流れの途絶えたそこは、窓一つない不審な漆黒のビルの裏手にあたる所。
 色様々なネオンに彩られた中空から降り注ぐ光で、暗闇とは程遠い立地条件にありながら、そのビルはひっそりと夜の中に溶け込んでいた。
 それはまるで――誰かが意図的にそうしているのではないかと思える程に。
「でも、ゲーム参加者が三人もいてくれるってのは正直心強いですね」
 ジーンズにTシャツ。その上にパーカーを羽織ったいかにも高校生らしい姿の碧が、周囲の大人達を見まわして微笑んだ。
「ゲーム参加者と言っても、僕の場合はひたすら逃げ回ってただけだけどね」
 その言葉に、いつも通り一日の労働の跡が色濃く残ったスーツを着た充が照れたように頬を掻く。そんな彼の肩を、全身黒一色で衣服を統一した夾が軽く叩いた。
「そんなことはないだろう。現に『勝者』になったのはあんたなんだし。色々な所を見て回ってくれたおかげでこうしてビル内部の地図が用意できたんだからな」
 取り敢えず、無事に目が覚めてよかった。
 先日参加したゲームで顔を合わせ、充が勝者となり眠りについていたことを自分の目で見て知っていた夾は、この場に充がいることに珍しく頬を緩めた。
「確かに地図はありがたいけど」
 今回、このゲームに初参加となる――正確には依頼を遂行することになる――充とは対照的に彼女の性格をまるで体現したように爪の先まできっちりと整えたシュラインは、今ここにはいない子供のような青年から手渡された一枚の地図を見て嘆息した。
「まぁね‥‥僕もちょっとビックリしたんだけどさ」
 充の話を元に作成されたソレは、確かにビル内部の状況を事細かに記してはあったが、今時珍しい手書きのコピーだった。しかも罫線までがコピーに出ているは、消しゴムで何度も消した跡が残っているわで‥‥明らかにノートに手書き、しかも鉛筆で描いた物である事がくっきりと見て取れる。
 充の話だと、地図を作成した張本人が人前でパソコンを使うことを嫌がったゆえの顛末らしい。
「皆さん、お待たせしました〜」
 純白のワンピースに同系色のボレロを身を纏った女性が緊張感のかけらもないおっとりとした足取りで四人の元へ駆け寄った。
「クローソーさん、お疲れさまです」
「あれ、黒駒くんは?」
 コピーして持ってきていた地図が、気が付いたら一枚たりなくて慌ててコンビニに走って行った地図製作者の黒駒と一緒に、「今夜はちょっと冷えますから温かい飲み物でも買ってきます」と、自分は二度目だから詳しい話は簡単に聞けば分かりますので、とコンビニに付き添った筈のラフィエル単独の帰還に充が疑問符を投げる。
「えっと、行ったコンビニ。偶然コピー機が故障してまして。遅くなるとみなさんが心配するからって私だけ先に戻って来てしまいました」
 なんだか、どうしてボクっていつもこうなんだろうって泣きそうになられてたのが気にかかるんですけれど。
 小首を傾げながら、見る者の気持ちを穏やかにする笑顔を惜しげもなく振り撒くラフィエルの手から、コンビニ袋を譲りうけた碧が全員に缶ジュースを手渡してまわる。
「しっかし、その依頼人って人。まだですかね?」
 時計を見れば既に『入り口を開ける』約束の時間まで、あまり余裕のある状態ではなかった。現に、今日のゲームの「招待参加者」であるだろう人影もビルの反対側――つまりは大通りに面した方にチラチラと見え始めている。
「お待たせ」
「うわぁぁっ」
 不意に背後から何かに抱き付かれた碧が短い悲鳴を上げ手にしていたコンビニ袋を派手な音を立てて地面に落下させた。何事かと、拘束された体で振り返れば、自分よりほんの少しだけ背の低い男が、ワシっと碧の背中に張り付いている。
「紫くん、遅いっ」
 未だ事態の把握に至っていない少年の体を隠れ蓑にした遅刻寸前ギリギリセーフ状態の仲介依頼人の紫が、碧の背からちょこっと顔を覗かせ、充の言葉に「ゴメンゴメン」と二度謝ってみせた。
「‥‥相変わらず得体の知れない行動をする男だな、京師」
「あ、紫月くんも来てくれたんだ」
 別件で既に紫と面識のあった夾は短い一瞥をくれたが、その視線に呆れだけでない再会を喜ぶような色が混ざっていることに紫は気付き、パタパタとそれに手を振って応える。
「初めまして。ラフィエル‥‥」
「クローソーさんですよね。TVで時々お姿拝見してます」
 隣に立つ充に紫をコソっと紹介されたラフィエルが、絵的に似合わない甘さ控え目の缶紅茶を両手で握り締めたままフワリと優雅に紫と初対面の挨拶を交す。
「ところで京師さん。その子、固まってるわよ」
 顔なじみの気安さのシュラインの鋭い指摘に、紫は思い出したように碧の背中を解放した。
「ごめんごめん。ってことは君が鷹科碧くんだね?」
「あ‥‥と、えぇそうですけど。ってことはアンタがこの件の依頼人?」
「そうです。草間さんちに金にならない依頼を持ち込むのを趣味にしている京師紫です。今回はよろしくね」
「‥‥京師さん、絶対に武彦さんおちょくって遊んでるでしょう?」
 シュラインの手厳しいコメントにフフっと目を細めながら、紫は改めて碧に対し正面に向き直り、スッと右手を差し出した。
 その手を、いきなり他人の背中に張り付くような男に払う礼儀があるもんだろうかと釈然としないまま一応碧は握り返してやる。
「ところで黒駒くんは?」
「お‥‥っ、お待たせしました〜っ!」
 紫の追及のタイミングを待っていたかのような絶妙さで黒駒ががパタパタと駆け戻って来た。
「はい。碧くんの分です」
 笑顔で差し出されたのは当然先ほどの手描きの地図のコピー。
 今回の面子で最年少だからという遠慮もあってか、足りない分を辞退していた碧だったが、既に地図の概要は頭の中に十二分に叩き込んである。しかし要らないとは流石に言えなくて小さく有り難う、と告げるとそれを受け取った。
「というわけで、全員揃ったね」
「一番最後に来た人の言うセリフじゃないわね」
 シュラインのツッコミに、紫は一瞬押し黙ったが「すいませんねぇ」と悪びれた様子もなくすぐに復活を果たす。
「時間がないから手短に確認。使える時間は今から21時までの約30分。リセット食らってる暇はないから各々行動には十分に気をつけて」
「時間がないのはアンタが遅かったせいだろ‥‥‥」
 背後に取り付かれたのを根に持っているのか、目上の者には敬語を使う筈の碧がボソっと呟きながらジト目を向ける。が針のムシロに慣れたのか、紫はにっこり邪気のない笑みでそれに応えた。
 碧の肩をぽんぽんと慰めるように充が叩く。
「で、鍵の奪取その他だけど‥‥」
「それに関しては既に調整は終わっている。あんたは入り口を開けてさえくれれば大丈夫だ」
「そうなんだ。なら安心して任せられるね」
 夾の言葉に、紫は無言で頷くと、六人に背を向けて入り口のない漆黒のビルに歩み寄った。
 男にしては線の細い手が、コンクリートの冷たい壁にそっと触れる。
「僕は足手まといになるといけないからここで待つけど。くれぐれも油断はしないで」
「そんなこと当然だろ」
 すでに臨戦モードに突入した碧に、紫は皮肉でもなんでもなく心の底から「頼もしいね」と微笑むと、そっと瞳を閉じる。
 訪れる静寂。
 目に見えない何かが紫の無造作に結われた髪をフワリと持ち上げた。
「それじゃ、行っておいで!」
 その刹那、なかった筈の裏口用の非常扉が出現した。
 ムダな動き一つなく、次々に六人が扉の中に吸い込まれて行くのを紫は黙って見送る。
「貴方も気をつけて」
 駆け込みざま、ラフィエルは紫の額に浮かぶ汗に気付いて声をかけた。


≪炯眼≫

 夾が足を踏み入れたフロアーは、前回その部屋を訪れた時と様変わりをしていた。
 と言うより、今からその形を成そうとしていた作業の途中でムリヤリ手を止めさせたような、そんな中途半端な状態だった。
 壁と言う仕切りが全くないただ広いだけのフロアーには、子供がひっくり返した玩具箱の中身のように、乱雑に、そして規則性がまったくなくワークデスクが散らばっている。
「まぁ、こういう事も起こり得るだろうとは思っていたがな‥‥」
 ムリヤリ指定の時刻より30分も前に扉をこじ開けて中に入ったのだ。『準備』が整っていない場所があっても不思議ではない。
 四方が見渡せる、広大な部屋の中央に夾は静かに立つと、そっとその瞳を伏せた。
 全神経を解放する。
 鋭敏な五感でこの部屋の全てを、己の感覚の配下に置く。
 一瞬だったのか、それもともかなりの時間が経過したのか。
 不意に夾は無駄と言う言葉を一切排除した優雅な動作で、羽ばたくように両手を広げた。
 コートの裾が翻ったその姿は、まさに天空を巨大な翼で舞う大鷲のよう。
「姿を消すだけでは意味がないという事を知っているか?」
 その言葉に、部屋の隅から夾の鋼糸に囚われた一人の女が、闇のヴェールを脱いで姿を現した。
 つややかな紫色の髪、豊満な肢体を包むのはラインの際どい黒のスリップドレス。
 けれど夾は間違わなかった。
「お前、紫胤ではないな」
 感情の篭らない声で短く言い捨てられた言葉に、紫にわずかに藍色が混ざった瞳が驚愕に見開かれる。
 鋼糸に自由を奪われたままの体が、急速に輪郭線を失い全体がぼんやりと陽炎のように揺らぐ。そして再び姿を成したそれは彼女ではなく彼だった。
「何故分かった?」
 腰までの長さの黒髪を僅かに振り乱した美しい青年は、紫胤に多少似通ったその顔にうっすらと汗を浮かべて夾に問いかける。
 たかだか一介の人間風情に己の術が見破られるとは思っていなかったらしい口ぶりに、夾は抑揚のない声で答えを返す。
「気配が全く違う。お前はあの女の足元にも及ばぬ小物だろう?」
 その夾の言葉に、藍色の瞳の青年がヒステリックに笑い出した。
「人間の分際で、私を小物扱い――」
 続く言葉は永遠に最後まで紡がれる事はなかった。
 ほんの僅かに夾の右手首が角度を変える。ただそれだけの動きで青年の首は胴体という台座から転がり落ちた。
「五月蝿い」
 美しい面に醜い表情を刻んだ青年の首が、ゴトリと床に弾む。と、同時に鋼糸で縛られていた体は音もなく四散した。
 残された首は、建物が傾いているのか、それとも何らかの力が働いているのか、コロコロと夾の足元まで転がり、それにぶつかって動きを止める。
 一滴の血も流さないそれ。
 夾は右足を軽く振り上げると、無感動に踏み潰した。
 霧のように消え失せる肉体。
 唯一、そこに何かが在ったのだということを証明するように落ちていた、淡い紅の輝きを帯びた小さな金属性の鍵を拾い上げると、夾は振り返ることなくその部屋を後にした。

 本物との再会は――もう、すぐそこ。


≪open into …≫

 1階から最上階の5階まで、一気に充、シュライン、黒駒が息を切らして駆け上がって来た時、彼等を最初に向かえたのは碧の笑顔だった。
「‥‥間に‥‥あった‥‥かしら?」
 肩で息をしながら問うたシュラインに「ギリギリセーフです」と碧は優しい笑みを浮かべて答えを返す。
 その言葉に、黒駒と充はリノリウムの冷たい床に揃ってしゃがみこんだ。
 なんだか、このビルに来ると走りまわりっぱなしな気がする。
 前回もそうだったし、今回もやっぱりそうだ。
 どれくらい前に辿り付いていたのかは知らないが、服装に微塵の乱れもない一回り年下の少年の気遣いに、充は少しだけ哀愁を漂わせた。
「あ、クローソーさんに紫月さん!」
 充同様、床にペッタリと座り込んでいた黒駒が、同じ形状の扉が並ぶだけの廊下の向こうから、走り寄ってくる二人を目聡く見つけて嬉しそうに手を上げる。
「鍵は?」
 夾の短い問い掛けに、シュラインはずっと握り締めたままだったソレを突き出した。
「間違いありませんわね。これからあの扉の模様と同じ力の気配を感じます」
 ラフィエルの言葉に、碧と夾が顔を見合わせて頷き合う。この階に到着したばかりの三人にはその意図が計れず、無言の眼差しで説明を要求した。
「えっと、黒駒さんにもらった地図にメモしてあったでしょう? この階の扉には鍵の属性を示すようなマークがあるものがあるって」
 碧の説明に充が、あぁ、と頷きを返した。
 前回参加した時に一緒だった寒河江駒子が気付いたコト。そのおかげで充は鍵の合う扉を一つ一つ探す手間が省けたのだ。
「どうやら、その模様に何らかの力が封印されている気配がするんです。それら全部をこの鍵を使うことで解放して初めてこのゲームの主催者の方に辿り付くのではと思いますの」
 ラフィエルの言葉に充と黒駒が目を合わせて笑う。
 事前に必要なことをキチンとまとめて書いた地図が役に立ったことが、純粋に嬉しかった。黒駒の癖のない黒髪を、充がやや乱暴に掻き混ぜた。
「とにかく。もう残り時間が少ないからな。全員揃ったことだしそろそろ行こうか」
 夾が、鍵の属性に対応する扉を一つ一つ指し示す。
 充と黒駒が、重い腰を上げた。

 充・シュライン・黒駒は連れ立って山のようなマークが蛍光塗料が発するそれに似た淡い光で描かれた扉の前に立った。
 碧はこの先に待つ『結末』に不敵な笑みを浮かべて、水の滴のようなものが描かれた扉へ姿勢を正して向かう。
 夾は何一つ迷いのない足取りで炎が描かれた扉の前へ。
 そして白銀の十字架をそっと握り締めたラフィエルは、風車が描かれた扉の前へと進む。

「皆さんに神のご加護がありますように!」
 ラフィエルの祈りと同時に、今全ての扉が開かれた。


≪bring … to a conclusion≫

「待って、いたよ」
 何もない部屋に二人いた。
 いや、一人は冷たい石の寝台に横たわって眠っているだけなので、そこに在っただけと言ったほうが正しいか。碧と年齢的に大差ない感じの少女だった。
 そして、もう一人。
 深淵を思わせる闇より深いムラサキイロに彩られた女。
 壁一面を紫に塗り込められた部屋に、初めて足を踏みいれた者はその異様さにまず眉を顰め、再び至った者は、婉然とした笑みを浮かべ片足に体重を預ける姿勢で、組んだ両手に小型のノートパソコンを持ち静かに立つ女に視線を奪われた。
「‥‥紫胤」
 夾が低い唸りにも似た声で女の名を呼ぶ。
 ラフィエルは、先ほどその女の幻に触れられた首筋に、握り締めていた白銀の十字架を押し当てる。
 そして充は――以前、このゲームで<勝者>の称号を得、一週間の眠りを得た充は、何故だか石の寝台で眠り続ける少女に見覚えがあるような気がした。
 多分、恐らく。
 この少女が自分を起こし、新たな眠りについたのだろう。
 そのことを充は理性ではなく本能で知覚した。
 それぞれ違う扉を潜った筈なのに、ドアを開けた瞬間から六人は同じ場所にいた。ただ細長い真っ直ぐな廊下。
 話には聞いてはいたものの、目の当たりにするとやはり我が目を素直に信じることは困難で。しかしそれでも足を止めるわけにはいかず。六人は無言のままこの紫色の部屋の扉を揃って開いたのだった。
 ここは彼等の日常のものさしは通用しない世界なのだ。
「へー、エラク美人なお姉さんが、こんな悪趣味なことをやってるんですねぇ‥‥」
 碧が小さく首を傾げて紫胤を眺め遣る横で、黒駒は怯えた様子で充の背に姿を隠した。
「アナタの目的は何なの?」
 影を縫い取られたような硬直から、シュラインが抜け出しゆっくりと紫胤に歩み寄りながら問いかけた。その声に混じる明らかな非難の響きに、紫胤は僅かに唇を綻ばせ微笑んだ。
「そこの三人から聞かなかったのか?」
「自分の暇つぶし? そんなものの為にこんなことを?」
「何か私が非難されるようなコトをしていると?」
「当然でしょう! アナタに人の時間を拘束する権利はないわ」
 激しく言い募るシュラインに、紫胤は静かに視線を横に流しながら底の見えない笑みをその顔に刻んだ。
「そうだな、私に権利はないかもしれないな。けれど、人間の方から私の方に寄ってくるのだ。自分の意志で来るものが自分の責任でどうなろうと‥‥私に非はあるまい?」
 これは以前にも語ったことだがな。
 押し黙ったシュラインに紫胤は黒のスリップドレスの裾を揺らした。
「人は脆弱だからこそ面白い。弱い心に棲み付かせた闇にほんの小さなキッカケを与えることで、本当に色々な顔を見せてくれる」
 こんなに楽しい玩具はあるまいよ。
 紫胤の言葉に、趣味サイアクっと吐き捨てる。
「ところで、お前達は良いのかい? 私は――楽しいから別に構わないが」
 ふっと紫胤がないはずのそこに窓があるように、目を細めた。その行動の意味することに気付いた黒駒が時計を見遣り、小さく短い悲鳴を上げる。
「たっ‥‥大変ですっ! 約束の21時まで残り5分もありませんっ」
 黒駒の言葉に碧も自分の時計で時間を確認し、不快感を露に前髪をかきあげた。
「要は‥‥っ、要はゲームを止めてまえばエエんやろっ! なら全員であの人一斉に起こしてまえばイイんと違います?」
 加速した苛立ちに碧の言葉使いが一変する。しかしそれに対しての反応を返せるほどの余裕のある者はいなかった。当のゲームの主催者を除いて。
「駄目だ。それでは恐らく眠る人間の意識に最初に触れたものが勝者になってしまうだろう。それに根本的にゲームが止まらない」
 夾の導き出した答えに、紫胤が満足そうに喉の奥を鳴らして笑った。
「その人を私達以外のモノで起こす方法には策があるんだけど‥‥」
 シュラインが、お守り代わりにポケットの奥に忍ばせてあるものをそっと服の上から握り締めた。そこには先日、以前紫から武彦が貰ったと言うガラス製の鍵が静かに覚醒の時を待っていた。
「それじゃぁ、あのパソコンの中身。全部消しちゃえば良いんですね、きっと」
 充の背後から顔を出した黒駒が、不意に思いついたことを口にした。瞬間、全員からの視線を浴び、「え? え??」と戸惑いながら再び充の背に隠れる。
「さて、相談会はそろそろ終わりかい?」
 紫胤の紫の瞳が舐るように全員を一人一人眺め見た。
「‥‥私があの方の能力を封じます」
 それまで無言を通していたラフィエルがそっと夾に耳打ちする。夾も無言でそれに肯き返し、二人の様子を伺っていた碧に一度だけ目を伏せて事態の了解を求めた。
「私の力が貴女に及ばぬと言うのなら、私は神に祈りを捧げましょう!」
 ずっと握り締め続けた白銀の十字架を胸に押し当てて、高らかに祈りの言葉を口にする。
「聖霊来たり給え、信者の心に充ち給え。主の愛熱の火をわれらに燃えしめ給え。しかしてよろずの者はつくられん。地の面はあらたにならん」
 そして謳い上げる。
 聖霊降臨祭で謳われる美しい調――『Venisancte spiritus』
 彼女のこの世の物とは思えぬ、まさに天使の歌声と形容されるに相応しいその旋律に、共鳴するように左腕のブレスレッドが淡い、そしてやがて炎の熱にも似た光を発し始めた。
「聖霊の光をもって信者の心を照らしたまいし天主、同じく聖霊をもってわれらに正しきことを悟らしめ、その御慰めによりて、常に喜ぶを得しめ給え。われらの主、キリストによりて、願い奉る」
 その瞬間、夾と碧が同時に動いた。
 夾の右手の一振りで意志を得た鋼糸が紫胤に絡みつきその動きを封じる。とそのタイミングに合わせて彼女の元へ走り込んだ碧が、それと認識される前に紫胤の手からパソコンを奪うと充と黒駒の方へそれを投げた。
「初期化命令! 分かるやろっ!!」
「――っ!」
 まだワケがわかっていないらしいまま充にしがみつく黒駒を取り敢えずそのままの状態で、充は手早くパソコンの電源を入れてメンテナンスモードに突入する。
「へぇ‥‥中身は普通のパソコンなんですね」
 興味深げに黒駒が発した言葉に、ホント、それで助かったと充は安堵の息を吐き出した。
「エマさんっ!」
「任せて」
 充の合図にシュラインがポケットの中から祈りを込めてそれを取り出した。
 繋ぎたい時に繋ぎたい場所へ扉を繋げてくれるという鍵。
 握り締めて自分の思いを伝える。
 眠る少女の隣と階下で今も動く人形の目の前を今すぐ繋げて。
 そうすれば不意に現れた障害物に人形が躓き、少女に向かって倒れこむ。そしてその衝撃は必ず彼女の目覚めに繋がる筈だ。
 室内に、ラフィエルの発する純白の光に、微振動を繰り返し始めたガラスの鍵が纏う薄水色の輝きが混ざり始めた。
 その水色の光に一瞬だけ紫胤が目を奪われたことに、彼女のすぐ近くにいた碧さえも気付かなかった。
 ユラリ。
 陽炎のような大気の揺らめきが生まれ、眠る少女のすぐ近くに半透明な扉が出現する。
「今だ!」
 誰が叫んだかは分からなかった。
『‥‥お前達には本当に楽しませてもらったよ。だから今回は私はここで引くとしよう』
 聴覚が捉えたのではなく、意識その物が捉えた紫胤の声。
 それは充の指が完全初期化命令を下すのと、幻の扉から現れた人形が眠る少女に向かって倒れこむのと、そして夾の鋼糸が捕獲していた対象を忽然と失って冷たい床に滑り落ちるのと完全に同時な出来事だった。

  ***   ***

 ふと気がついた時、六人はそろって屋外にいた。
 振り仰いだ空は、少なくない星の瞬きを忘れてしまった都会の夜空。
 少し離れた所から鼓膜を揺らした「なんだ、結局このゲームの話ってガセかよっ」と口々に不平を漏らす声に、彼等は事態を悟った。
 駅に向かって歩き出す人の塊とはやや距離を置いた所には、一人で立ちすくむ高校生くらいの少女の姿。
 その少女も、しばし考えあぐねた様子だったが、すぐに駅に向かって走り出して行った。

「お疲れ様でした。依頼、無事に完了してもらえたみたいですね」

 不意に背後からかかる声。
 まるで合わせたように全員で振りかえって。
 そこにあった紫の笑顔で、六人はようやく自分たちが自分たちの現実に返って来たことを実感した。


≪紫魂≫

 そこにだけ闇があった。
 事件の一応の解決に、穏やかな空気を纏わせた面々に背を向け、夾はただ一人その闇に向かって足を進めた。
 未だ健在の漆黒のビル。
 だがしかし、朝日が昇る頃には忽然と消えているのだろう――誰に疑問を抱かせることなく。そして二度とこの場所には現れないのであろう。
 狂信にも似た確信に、夾は一瞬だけ酷薄な笑みをその頬に刻み、ピタリと足を止めた。
 途絶えた音。
 切り離された空間。
 捻じ曲げられた現実。
 起こり得ない風が、その身を凍て付かせるほどの冷気を伴って夾の首筋をやんわりと撫で擦った。
「‥‥そこにいるんだろう?」
 鋼糸を構えることなく、夾はいつの間にか紛れ込んだ迷路のような漆黒に塗りつぶされた世界の中で、更に濃い暗闇に向かって声を投げた。
「出てこいよ――紫胤」
 その名に凝った大気が震える。漆黒だと思われた世界が、それと見紛う程の濃密な紫色の世界に一瞬で変貌を遂げた。
 そして、周囲の何よりも鮮やかで昏い紫色の闇が音もなく夾の眼前に姿を取る。
「私を探して‥‥そしてお前はどうするんだい?」
 豊満な胸を強調するデザインの黒いスリップドレスの裾を、一瞬だけ渡って行った風に踊らせ紫胤が婉然と微笑んだ。
 彼女の吐息が、耳元を掠め夾の長めの横髪をフワリと弄ぶ。
 銀のリングを薬指に嵌めた左手で、スルリと夾の頬を紫胤は撫上げ、まるで恋を語らう者同士のように右手を己より一回り長身の青年の首に巻きつけた。
「お前、さっき俺の鋼糸の枷から逃れようと思えばいつでも逃れられただろう?」
 押さえていたようで、まるで雲を縛り上げるような感覚が指先から伝わって来たことを思い出す。
 そしてそれは全てが成された後、音も立てず彼女の存在自体が闇に消失したことが、紫胤がもっと早くにそうすることが出来たことを覆しようのない事実として夾に教えていた。
 ならば何故。
 何故、そうしなかった?
 紫胤の媚態に動じることなく、言外にそう含んだ問いに女は殊更ゆっくりと己が唇を舌でなぞりながら、鮮やかな紫の瞳を糸のように細めた。
 妖しく濡れた輝きを帯びるキッチリと引かれたワインレッドのルージュが細い月のような笑みを形作る。
「その方が面白そうだと思ったから」
 今にも触れ合いそうなほど唇を寄せて、紫胤が夾の望む答えを掠れた音にした。
「‥‥そうだろうな」
「そうだとも。それ以外で私がそうする理由はあるまい?」
 ツッと踵を上げて、耳朶を噛むように紫胤は言葉を直に夾の耳元に送り込むと、気紛れな猫のようにスイっとその身を離した。
「私はより面白いことを望むだけだ。それ以外で私が動くことはあるまい――それくらい、お前になら分かるような気がしたのだが?」
「分かりたくもなかったがな」
 随分と勝手な紫胤の物言いに、何故だか腹は立たなかった。
 そう。
 恐らく自分は、この目の前の女がそういう<生き物>であることを感覚で知っていたのだ。
「本当に、お前は面白い男だよ」
「それはどうも」
 短い夾の答えに、先ほどまでの妖艶さを捨て去り女王の風格を身に纏った紫胤が声を立てて笑い出した。
「一つだけ、お前の問いに答えてやろう。こんなに楽しい気分は久々だからね」
 紫胤の言葉に夾の瞳が血のような緋色の輝きを帯びる。射貫く鋭さで真っ直ぐ見つめた瞳は、超然とした笑みを浮かべたまま、それを真っ向から受け止めた。
「‥‥お前達は何だ?」
 何者だ? ではなく。
 <何>と問う。
 人でないのは、触れた体温の冷たさ、纏う気配から知れた真実。無論、目の当たりにした少なくない幻のような現実が、ただの人間が成せる範疇を著しく逸しているのもまた一つの要因。
「聞いてどうする?」
「どうも。ただ聞きたいと思ったから聞いたまでだ」
 取り付くしまのない簡潔な夾の言葉に、紫胤は一瞬だけ目を見開き、次に満足そうに唇を吊り上げた。
「いいだろう。我等は<紫鬼>。文字通りお前達人間が『鬼』と称する生き物の一部だよ」
 誰が最初にそう呼んだかは知らないけれどね。
 おおよそ予想していた答えを、夾は表情を変えることなく正面から受け止めた。
 暗殺業が家業として成り立つ世界。明るい日の光の影に出来るこの場所に、どんな魑魅魍魎が跋扈した所でいまさら不思議でもなんでもない。
「‥‥お前、本当に面白いね。気に入ったよ」
「別にお前に気に入られても――」
 嬉しくもなんともない。
 そう返そうとした夾の言葉は、何の前触れもなく眼前に放り投げられた手の平大のそれを受け止めることで空気を震わせることなく、つめた息と共に飲み込まれた。
「たった一度だけ、望んだものの真実の姿を映す鏡だよ。いかように使うもお前次第さ」
「お前に物を贈られる謂れはない」
 そう言って、手にした繊細なガラス細工で縁取られた正方形の鏡を紫胤に投げ返そうとした瞬間、夾はその場にいるのが自分一人であることに気付いた。
 閉ざされていた筈の空間が、いつの間にか果てを知らない世界と繋がり、遠くに都会の喧騒が聞こえる。
 当然、そこに紫色の女の姿はあるはずもなく。

 永い夜が明けるのか始まるのか。
 胸に飛来した疑問に、今は封をして。
 鬼よりも何よりも恐ろしい、人間と言う生き物がざわめく街並の中へ、溶け込むように夾もまた姿を消した。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0054/紫月・夾(しづき・きょう)/ 男 / 24 /大学生】
【0076/室田・充(むろた・みつる)/ 男 / 29 /サラリーマン】
【0086/シュライン・エマ/ 女 / 26 /翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【0418/唐縞・黒駒(からしま・くろこま)/ 男 / 24 /派遣会社職員】
【0454/鷹科・碧(たかしな・みどり)/ 男 / 16 /高校生】
【0477/ラフィエル・クローソー/ 女 / 723 /歌手】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、ひっそりライター観空ハツキです(何?)。この度は京師紫からの依頼を受けて頂き、ありがとうございました。

 紫月さん。前回に引き続き今回もご参加頂きありがとうございました。無事に事件の方、解決できて観空のほうも安堵しております。
 ところで‥‥紫月さんだけ、エンディングに出てくる人物が違うという怪現象が今回発生しております(汗)。滅多に出てくるキャラではない予定なのですが、彼女、えらく紫月さんのことを気に入ったようで‥‥なんだかご不快に思われたら申し訳ありません。
 そして‥‥キャラカードにシングルピンナップ拝見致しました。カードの方を拝見して「紫月さんの白衣姿を書くんだ!」と‥‥一人勝手に意気込んでしまったことを暴露しておきます‥‥

 それでは改めて今回は本当にご参加頂きましてありがとうございました。少しでも皆さまのお気に召して頂ける事を切に祈っております。ご意見・ご指摘・ご感想、更には不思議アイテムのネタ(←品切れ中・笑)などございましたら、クリエーターズルームもしくはテラコンより送ってやって下さいませ。
 雨の多い季節になってまいりました。風邪など召されぬようお気をつけ下さい。