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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


【疾風】

------<オープニング>--------------------------------------
ゴーストネットの掲示板をみていたらこんな内容があった。
『はじめまして。私は巫女の見習いの身であるものです。
ある日、私の祖母がお亡くなりになってから突然、
家の中がおかしくなったのです。
両親の離婚、姉の突然死・・・
兄は偶然だと私をなぐさめてくれました。
私にとってかけがえのない家族・・
それ故に戸惑いで心の乱れがあるせいか
霊たちの声を聞き取ることができません。
心のどこかで真実を知るのが怖いと
感じているのかもしれません。
どうか、真実を知って解決してくれませんか?』
こんな内容だった。

どうか巫女を・・家族を救ってくれませんか?


●天乃原神社の巫女はお婆様それとも・・・
一行は地図を片手に神社へと向かった。
「あっ!あれね」七森・沙耶(ななもり・さや)が言った。
「そうですわね・・でもさすが神社です。正常な気が漂っていますわ」
天薙・撫子(あまなぎ・なでしこ)が言った。
霊がいる家などでは空気の流れや違和感があるがこの神社はたいして
感じないのはなぜだろうか?
「とりあえず、神社内に入ってみよう」神社の鳥居を見上げる一行に
七森・慎(ななもり・しん)が言った。
「しっかし、どんな人なんだろうなー巫女って」
日刀・静(ひがたな・しずか)が言った。
なぜそんなことを言ったかというと実は掲示板にもその後の返事のレスにも
歳が書かれていなかったからだ。
「でも、結構礼儀正しい言葉で書かれていたし結構な歳じゃねーか?
例えば婆だったりして。」
鬼伏・凱刀(おにふせ・がいと)が言った。
「意外とかわいらしい小さな女の子かもしれませんよ」
撫子が笑顔で言った。
撫子の発言に本当だったりして・・・と一同はふと思ってしまった。
そして長い一本道を歩いているとお賽銭箱のあたりで掃除をしている白髪
のお婆さんを見つけた。
「あんたが依頼主?」凱刀がつかさず声をかけた。
「おぬしら何もんじゃ!」お婆が大声で言った。《地声》
「あれ?でも祖母は亡くなったって・・」
沙耶が掲示板の内容を思い出した。
「名蘭のことか?わしの子供じゃい」
「ええ!!もしかして平たく言えば曾祖母?」
慎がびっくりした顔で言った。
「失礼な!!これでもまだ102歳じゃ!!」
お婆さんはえらそげに言った。
「お婆様、これでいいですか?」8歳くらいのかわいらしい女の子が現れた。
漆黒の髪を2つで結わえた小さな女の子だ。
「わーかわいらしいですわ」撫子が思わず言ってしまった。
静が突然巫女にポケットにいれていたクルミを唐突に投げた。
静はよけられる程度の強さで投げたつもりだったが巫女はとっさに両手で
自分を守ってよけようとしなかった。
「!!」静は少し焦った。
「仕草大丈夫か?」後ろから背の高い男性が現れてクルミをキャッチした。
「時雨お兄様・・」仕草は声に反応してゆっくりと目を開けた。
「仕草、お払いがまだだった・・お婆様と見てきてくれるかな?」
時雨は仕草をこの場から離させた。
「仕草はよけられないですよ。普通の人なら避ける事以外考えないでしょう。
心を集中するなど簡単な事と伝えたかったのでしょ?
技量の差など問題じゃない。大事なのは状況を見極める判断力と決意。」
静が思っていることとまったく同じだった。
「あの子が巫女へと決意をするのには幼すぎた」
時雨は少し間をおいてから話し出した。
「はじめまして。仕草がだした依頼を引き受けてくれるのが君たちかな。」
時雨は落ち着いた口調で言った。
「ここではなんだから中へどうぞ」時雨は一行を応接間へと案内した。


●信じる心
「大体のお話は聞いておりますわ」おしとやかに撫子が言った。
「あの、一つ聞いてもいいですか?仕草には決意が早すぎたってどういうことですか?」
沙耶だけでなく皆が少しひっかかった部分だ。
「祖母が亡くなったのはあの子が4歳の時。両親の離婚5歳の時。
姉の突然死は7歳。本当は姉が神社を守っていたのですが突然死で巫女を
継ぐものがいなかった。両親も離婚してから私たちの元へ一度も現れなかった」
だから仕草は決意をして巫女になった・・7歳の夏に・・
あの子にはきっと荷がおもいでしょう。
自分にかかる重圧と巫女となる厳しさも・・。だから精神を集中しなきゃと
考えるほど簡単なことでさえ困難に感じてしまう」
時雨は少し悲しそうな顔をしていた。
「心配するなって!俺たちがそのためにきたんだろ?」
静かが時雨に声をかけた。時雨は少し安心した顔をみせた。
時雨は家族と撮った写真を見せてきた。
「これが、一家全員がそろって撮った唯一の写真です。
父、母、仕草、姉、私、祖母、お婆様の順です」これといって変わった
感じが初めはしなったが後ろのご神木ともいえる大きな木が気になりはじめた。
「この木の場所へ案内してもらえませんか?」
撫子が言った。
「やっぱり・・気づいたか?変な気配だな・・この木」
と撫子に凱刀が小声で言った。
「俺もそう思う・・しかしあの兄貴ってなんかありそうだよな?」
静が言った。
「沙耶!あの木はご神木といえども沙耶の取り付かれやすい体質だ、
集中しとけよ・・」慎は沙耶のことを心配していた。
「うん、お兄ちゃんありがとう」沙耶は慎に笑顔を見せた。
沙耶はお兄さんのことが大好きで、仕草の兄に対する気持ちを
理解している分だけ実のところ疑いたくはない。
「さーて行くか〜」慎は凱刀と静とたわむれてにいった。
「なに?何の話してんだ?お前ら」慎が尋ねた。
「秘密」静が少し考えた顔をしながら言った。
撫子が沙耶の重い足取りに気がついた。
そして撫子が沙耶の隣へやってきた。
「沙耶様、お兄様を疑うのはきっと沙耶様にとって残酷といったほうが
いいと思います・・私も見ているだけでおもいますわ。
明らかに仕草様は時雨様のことを大切におもっていますわ・・。
人を疑うことはよくない、それは私も思いますが、この仕事というのは少しは
疑わなくてはこなせませんわね。」沙耶は少しためらいながらも
「・・ありがとう・・」と言った。
実は沙耶は幼い頃両親を失い家族といえば3人の兄しかいないのだ。
そのため家族を想う彼女の気持ちがひといちばい分かっているのだ。
まして、相手が家族ならなおさら疑うことが自分のことのように
恐怖に感じるのだ。
撫子は沙耶の表情をみて沙耶の手をぎゅっと握り締めた。
撫子は何も言わずにただ微笑んでいる。
「こーらお前、元気ないぞ!」
凱刀も沙耶のことに気づき近づいてきた。
幼い妹を失った経歴を持つ凱刀にもそのことは十分分かっていた。
「沙耶、時雨と時雨を自分でたとえるなよ!
お前にとってもし慎が敵だったら・・お前だけでも信じてやればいい。」
沙耶は前を歩く静かと慎が無邪気にたわむれる姿をじっとみつめる。
少し悲しそうな顔をしている。
凱刀が沙耶の頭を軽くぽんっと叩いた。
「それともなにか?信じてやれねぇー?」
沙耶は凱刀を見て「そ・・そんなことないです!
私は兄のことを信じる人がいなくても自分はずっと信じてられます・・」
沙耶ははっとしたように気づいた。
真実を知った仕草は傷ついてしまう。
けどずっと待ち続ける・・。
凱刀と撫子はやっと理解してくれた沙耶の顔をみて少し笑みがこぼれた。
そして静がちらっとこっちのほうを見て軽く手をふった。
どうやら静も気づいてきて慎と沙耶を少し離すようにするために慎と
話をしていたようだ。
「心を乱すと回りに悪影響がおこる・・けど周りに強気心と固い決意を
持っているものは回りに勇気を与える・・凱刀、『集団は己の枷になる』
と言った言葉、時には+にでも−にでもなる・・
でもいつでも俺らは+に考えてる」
静はぼそっと言った。
さっき、秘密と言った言葉はどうやらこのことのようだ。
慎は静の言葉を聞きとれなかった。
「えっ?なんかいったか?」慎は不思議そうに言った。
「いいや・・」静は初めて少し優しい笑顔をこぼした。
慎はその瞬間なんだか自分自身もうれしくなった。



●吹荒れる疾風
「んん・・」撫子の長い髪が風でゆれる。
「結構風あるなー」凱刀が言った。
風が吹いていることは写真からある程度予測はできていたがそれでも予想より
はるかに弱い。
「ここじゃ・・ないみたいだな」静が言った。
「でも、近くみたいだな。写真から考えてみても近くで霊の気配を感じとれる」
静はきょろきょろ周りをみわたし始めた。
慎がなにかに気づいたように近くの壁を触った。
「神社に入ってこられるほど・・強い念をもっているんだな」
凱刀が時雨に言った。
「・・仕草は巫女としてまだ未熟です。だから強い念には勝てないのです。
神社の柱が未熟なら全体も壊れてしまいなんの意味もなくなる。
だから・・・」
「なら、なんで時雨が柱にならないのか?」静の言葉に一瞬表情が変わった。
「重たい心は嫌いですから」時雨は少し微笑みながら言った。
ますますあやしく思えてくる。
「ここか?」慎はさっきからおもむろに壁に触れている。
「なにしてるんだ?」凱刀が慎に尋ねた。
「痛っっっ!」慎が壁から手を離した。
「お兄ちゃん!!手が切れてるよ」沙耶が近づいた。
「ん?大丈夫・・見た目ほど痛くねぇーよ」慎の手からは血が出ていた。
「だめ!!手をだしてください」沙耶は慎の手をハンカチで縛った。
「まーこれは・・霊の結界ですわね・・慎様よくお気づきになられましたわ」
撫子がびっくりしながら言った。
「俺の長刀で壊すか?」静が聞いた。
「ええ・・私が浄化する隙に壊していただけますか?」
一行は一歩後ろへとさがって2人を見守る。
撫子が静かに浄化を始めた。とても綺麗な光を放った。
同時に慎が呪符を手にした。
「お兄ちゃん?」沙耶が不思議そうに慎を見た。
静は意識を集中し一瞬の隙をみわけ「えいっ!!」見事に結界がとけた。
2人の行動は一見普通に見えるが高度な技と集中力がなせる技なのだ。
強い疾風が吹荒れる。その風は切り裂くように向かってきた。
慎は符術を使って守りの結界をはった。実は慎は未来を洞察していた。
「大丈夫か?」慎のおかげで誰一人怪我をしていないようだ。
風と結界がぶつかりあったせいで砂と埃がたった。
そしてうっすらと人影が見える。
「けほけほ」一番前にいた慎が苦しそうに咳をした。
『・・あなた・・誰?』小さい女の子のようだ。
「仕草?」凱刀が目を細めてみた。そしてはっきりと姿が見えた。
「仕草?!!」さすがの時雨もびっくりした顔をしている。
「仕草の中にはいって操っているな・・これ以上は危険だ」
凱刀が気づくように言った。
仕草の精神面から言っても見てはっきり分かるくらいあぶない。
『・・分かっている・・でも私のこの思いは消せない・・だから!!』
霊は沙耶をめがけた。沙耶は一回よろけたが踏ん張った。
仕草は意識をもうろうとさせながら沙耶を見た。
「大丈夫、必ず戻ってきますから」沙耶は仕草に微笑んだ。
『取り付かれやすい体質?安定している体・・これならあの人にあえる』
どうやら体をのっとられたようだ。
「あの人?」静が刀を構えながら聞く。
凱刀はまんがいいちに備え鬼を召喚した。
何事もなかったかのように沙耶が目を開けた。しかし沙耶にふだんの
穏やかな笑顔と気配がない。
『私はあの人に会わなければ・・』霊を退治させたいのはやまやまだが
それでは沙耶の体が危ない。
「あの人とは誰ですか?」撫子が尋ねた。ようやく霊は話を聞いてくれた。
『・・分からない・・けど・・とっても悲しくってつらい・・』
少しよろけて息も荒いようだ。
「どうする、慎?」静が沙耶の兄である慎に尋ねた。
「・・・」慎はいろいろと考えているようだ。しかし答えが返ってこない。
その時、霊が凱刀に霊気をぶつけてきた。鬼で応戦しようとしたが沙耶が
下手したら死んでしまうという思いもあったが幼い妹の顔が沙耶とかさなったため
ためらってしまった。しかしすばやく札をだして守りの体勢に入った。
「はぁはぁ・・」凱刀の様子が少しだけおかしい。
「凱刀様?!!」後ろにいた撫子があわてて凱刀の元へ向かった。
「・・大丈夫だ・・気が乱れただけだ・・」凱刀は普段あまり札を使わない。
理由は多少の乱れが出るという現象がおこるからだ。
「慎!!あまりためらっていると沙耶だけじゃすまされないぞ!!」
静は慎の顔を真剣な眼差しで見つめた。
「凱刀をころさせはしないさ・・」慎は少しうつむいて言った。
そしてまっすぐ前を見て言った。
「けど・・沙耶も救う!」その真剣な眼差しについつい吸い込まれそうに
なる。そして静は慎の背中を軽くぼんったたいた。
「あたりまえだ!もし、どっちか選んでいたら殴っていたかもな」
静の顔が少し緩んだ。
「そうだ・・俺も同じことしていたぞ。2発くらうとこだったな」
凱刀が慎の方を向いて言った。
「しかしどうやって助ける?」凱刀が言った。
「・・うーん・・霊が誰なのかもわからないですし」
撫子がほっぺたに手をあてて考える。
「でも、理由が分からないというのは珍しいです」
撫子の一言に一同は反応した。
「もしかしてさ・・この神社のせいで封じられているんじゃないのか?
さっき、慎の手が切れただろ?あの境界線からなんとかだせないか?」
凱刀が言った。
「ありえるかもな・・へたしたら霊の力が高まるかもしれないがやってみるか?」
慎が言った。
「直感を信じてやるだけだ」静が長刀をぐっとにぎりしめた。
「ええ・・行きましょう」撫子が真剣な顔で言った。


●優しき心
一同は結界の境界線からでた。
「皆さん?成仏できましたか?」時雨が外で待っていた。
そして沙耶の体が境界線を通り過ぎた。
『・・時雨』霊はすべてを思い出したようだ。
そして沙耶の体から霊が出てきた。そして沙耶が倒れそうになり
慎がそれを支えた。「おにい・・ちゃん・・藤蘭さん・・とっても苦しそう」
沙耶は藤蘭が体をのっとられているときに感じた。
「名蘭じゃなくって?」慎が尋ねた。
「沙耶、本当に藤蘭だったか?」凱刀も思わず聞き返した。
「・・うん・・仕草と時雨さんのお母さんみたい・・」
「!!!!!でも・・離婚で死んだと言う話は聞いてない」静が聞いた。
「・・離婚して・・2人はばらばらになり・・子供の元へ現れなかった・・
そうじゃなくって・・現せなかった・・死んでしまったから」
沙耶は意識をもうろうとさせながら必死に言った。
『名蘭、おやめなさい・・』そこに現れたのは美しい女性だった。
『お母様!』一同は唖然とした。
藤蘭から見る母といえば仕草から言う祖母にあたるのだ。
「しっかしきれいすぎねーか?」凱刀が言った。
『くすくす・・これは昔の私の姿です』とても柔らかい声をだしてきた。
「あなたはどうして成仏ができないのですか?」撫子が言った。
どう見てもこんな優しいオーラをもつ人がこの世に恨みや憎しみがあるとは
考えにくい。
『藤蘭のことです・・私が死んだ理由はあの子の強い心に負けてしまったから。
あの子は時雨にいろいろと苦労をかけてきた・・
仕草が生まれる前に、あの子は荒れていた。
帰ってこない日があると思えば鳥居の下で眠っていた。
けど・・仕草がおなかにいると分かって流産を決意しようとしたが時雨が
心を込めて支えるからっと・・その強い眼差しに心をうたれて産んだ・・』
とてつもない過去をもっているようだ。
名蘭は言葉を続けた。
『でも・・それ故に自分を追い詰めてしまった。
タバコもお酒もやめたるつもりだったけどある日・・口にしてしまった。
時雨の仕草に対する優しい光景を目にしたとき自分が死ぬときに・・』
「時雨さんも一緒に?」撫子が尋ねた。
『ええ・・』目を閉じて名蘭は答えた。
「なんで?よくわかんねーよ・・それ」凱刀が言った。
「もしかして・・いつしか時雨と自分の心を同じように考えてた?」静が言った。
そして名蘭はうなずいた。
『時雨・・一緒にいこ?ね・・お母さんあなたがいないと苦しいの・・
時雨もそうでしょ?』時雨の言葉をまるで耳に入れない。
藤蘭は時雨に触れようとしたその時2人の前に結界が
現れた。「時雨、大丈夫か?」慎が結界をはったのだ。
『・・じゃまをするな!!』強い風が吹荒れた。慎の足が少しずつ後ろに
下がっていく。「沙耶と撫子は仕草と時雨の元へ、凱刀・・」
静は凱刀を見た。
「分かってるよ・・援護する」静は振り返り長刀を強く握り藤蘭をめがけた。
風のせいでそこらじゅうが切れたがかまわず突っ切った。
『邪魔をするな!!』藤蘭がもう一方の手で風を起こした。
狙い通りに風を起こしてくれた。
その時うえから凱刀が鬼を使役し放った。
『う・・ぐ・・たぁ!!』
藤蘭はかろうじて鬼から逃げられたが相当弱っている。
「強い念で・・ここまで・・」
凱刀は鬼から逃げた藤蘭を計算以上に強いことを悟った。
いや、皆同じであろう。
「慎様!」結界をはっていた慎の元へ仕草を抱えた撫子と沙耶が現れた。
「結界を一度はりなおしていただけませんか?」
撫子が言った。
「けど!それじゃーはり直すときに隙ができる」
慎がびっくりしたように言った。
「いいんです・・その隙がほしんです」撫子は剣を手に持った。
「分かった・・いくぞ!!」慎はすばやく結界を解きはり直す体勢に入った。
「えぃぃ!!」撫子がその隙間から体を出し藤蘭めがけて突き出した。
その一瞬の瞬間を静も逃さずつきさした。
とどめを付くように凱刀が鬼を使役した。
そして藤蘭の行動がようやくおさまった。
『どうして・・私はただこの子と・・』
時雨が目を閉じていった。
「お母さん、私はまだ死ねない。仕草がいるんだ・・あの子はまだ幼い
だから守ってやりたいんだ」藤蘭の目から涙がでてきた。
『藤蘭・・帰りましょ。2人を見守ってあげましょう』優しく名蘭は手を
かけた。そしてゆっくりと消えていった。
その時何故、時雨が柱になるのをこばんだかをようやく理解できた。
きっと、理由を知っていたから、もし自分が死んでしまっても
仕草に強く生きてほしいという願いがあったからだろう。

もう、空は日が傾きかけていた。


●帰り道
「なー、御神木のところへ行くまでに何はなしてんだ?」
慎が気になっていた事を凱刀に尋ねた。
「ん?んー・・なんだろうな」
「なんだよー教えろよ!」
慎はすごく気になっていた。
「慎、お前たち兄弟のつながりだよ」前を歩いていた静が言った。
「?」慎はよく理解できなかった。
「なんで?沙耶と俺はお互い信じてるよ」
慎の答えを聞いた2人は少し笑いかけそうになった。
「あっ!」慎が突然走り出した。
「沙耶、俺らこっち!」どうやら皆と方向が違うようだ。
「あっ、本当だね・・」
沙耶と慎は皆に手を振って別れた。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0230/七森・沙耶(ななもり・さや)/女/17/高校生
0425/日刀・静(ひがたな・しずか)/男/19/魔物排除組織ニコニコ清掃社員
0569/鬼伏・凱刀(おにふせ・がいと)/男/29/殺し屋
0328/天薙・撫子(あまなぎ・なでしこ)/女/18/大学生(巫女)
0565/七森・慎(ななもり・しん)/27/男/陰陽師
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■         ライター通信          ■
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今回、依頼を受けてくださった方々ありがとうございました。
葵桜です。
沙耶さんと慎さんには2度目の依頼を受けてくださって感謝しています。
初めて受けてくださった静さん、凱刀さん、撫子さん、ありがとうございました。
今回の依頼はいかがだったでしょうか?
感想をいただけると嬉しいです。
今回でも戦闘をいれています。それぞれの特徴を生かしたつもりなのですが
どうだったでしょうか?
では、今回の依頼をじっくり見ていただけると嬉しいと思います。