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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


調査コードネーム:上海風水人形
執筆ライター  :立神勇樹
調査組織名   :草間興信所
募集予定人数  :1人〜5人


■オープニング■
 中国の経済中心はずっと南――蘇州にあった。
 やがて蘇州など中国各地の金持ちや夢追い人は上海に集い、龍を導きそこに魔都をつくった。
 彼らはまた香港へと逃れた「龍」を追いかけ今の「香港」をつくった。
 そして流れはまた上海へ戻り、勢いのまま大陸の外へ出ようとしている。
 決して渡してはならぬ。反らしてはならぬ。
 ――風と水の流れによって作られし、見えざる「大陸の龍」を。

「護衛?」
 いつもより一オクターブ低い声で草間武彦は聞き返した。
 彼の目の前には、常に小春日和の笑顔を浮かべる警察庁の調査官――榊千尋と、白い陶磁器の肌と精巧な目鼻立ちをした人形じみた・十二才程度の少女が、一人前に榊と肩を並べちょこんとすわっていた。
 いや、ただの少女ではない。
 少女が身にまとっているのは、金糸銀糸で鳳凰が縫い込まれた純白の中国服であり、少女が物珍しげに興信所のあちこちに顔をむけるたび、大きな翡翠のイヤリングがゆらと揺れ、白檀のくすぐったいような甘い香りが室内に広がる。
 まだ幼い瞳は日本人と同じ漆黒であるにも関わらず、どこか広く高い風の流れを――大陸の空気を感じさせた。
「そう。彼女の護衛です」
「どこまで?」
 日本語がしゃべれないのか、少女――緑(リュー)と名乗った――は沈黙のまま、黒檀の瞳で草間の唇の動きを面白そうに眺めている。
「さあ? どこでしょう。リューが行きつく先まででしょうかね?」
 微苦笑のまま告げ、榊は警察官にしては繊細な指先でコーヒーカップをはじいた。
「観光の護衛か? ローマの休日じゃないんだぞ」
「わかってますよ。が、ウチからは護衛を出す訳にはいきませんし。かといって断ると外交上の問題があります」
「外交上? なんで小娘一人の護衛がそんな大事になるんだ?」
 目を見開いた草間の前に、いつもより多めの金額が書き込まれた小切手を榊はひらつかせてみせた。
「大事にもなるでしょうよ。今まで中国がその体内に囲っていた龍がソウルを得て、この東京に襲いかかろうというのですから」
「ちょっとまて、龍って?!」
「ああ。風水龍ですよ。どうも龍の流れを導く龍脈を作る基点の一つが動かされ、中国の体内を巡っていた「風水龍」が逃げだし、この東京にある「火」を象徴する塔を襲おうとしているらしいんです。で、あの国はソレをとめたい。だから龍を止められる力もつ娘……緑(リュー)を、我々に脅迫紛いの外交で押しつけた」
 何故? と聞きかけて草間は口を閉ざした。聞いた処で榊は決して答えないだろう。
「風水龍は「四神相応」の地に上手く閉じこめるとあらゆる「気」のエネルギーの恩恵を受けるといいますからね。上海しかり、香港しかり――そして日本の京都しかり。ですよ。京都は風水上有効な土地であったからこそ「世界でもっとも長く王都であった地」でいられたという説もありますし。しかしそれだけ莫大なエネルギーを持つが故に、「四神相応」の調和の檻から放たれた場合、洪水のように力――この場合は龍ですか。が、流れ出す」
「で、もし失敗して龍がその「龍脈の基点」とやらに導かれ「火」を象徴する塔を襲ったらどうなるんだ?」
「おそらく東京は経済的にも物理的にも大きな被害を被ることになるだろう――というのがあくまでも「あちら側」の言い分です。まあ、それを全部信用して正義ゆえにあの国がこの東京を気遣ってるなんて、カケラも思いませんけれどね」
 聖母のような柔らかな微笑みで、辛辣な事を言うと、横目でちらりとリューを見た。
「ともかく、今回は危険ですよ。なにせ相手は銃を使うことも辞さない――流氓達ですから」
 ぽつりとつぶやいた榊だが、その瞳は全てを裏切ろうとする堕天使のように、冷たい怒りに燃えていた。


■13:00 昼間のバーで■

 昼間といえど、極端に採光源の少ないバーは夜と変わりない暗さだった。
 バーの主である黒月焔(くろつき・ほむら)は名前を模したように赤く鮮やかな髪を、邪魔にならないようにバンダナでまとめ、モップでフロアを拭いていた。
 焔が店をあけるよりまえに、客がここを訪れていたためか、開店準備がいつもよりずいぶん遅れていた。
 使い慣れたモップを黙々と動かす。見る人が見れば、その一部の隙もない動きにため息をついた事だろう。
 あいにくな事に、彼の機敏な動作をみているのは、磨き抜かれたグラスと林のように並べ立てられたリキュールやブランデーの瓶達だけであったが。
「龍か……欲しいな、その力」
 先ほどまでここにいた客……榊千尋から聞いた話を脳裏で繰り返しながら、ぽつりつぶやいた。
 もちろん榊は昼間から酒を飲みに来たわけではない。そんなことをすれば天下の警察が泣くというものだ。
 もっともここ最近の警察の不祥事に、榊の昼間の飲酒がくわわったとて、何のスキャンダルにもならないだろうが。
 彼がここを訪れたのはただ一つ、「裏」の顔を利用しにきたのだ。
 沖縄での一件で面識をもって一月たたないというのに、彼はいかなる情報網を駆使してか、黒月のこの隠されたバーに現れたのだ。「オカルト」――つまり怪奇に属する事件の解決をもとめて。
「だが風水の力故に土地に宿らせるしかないのか。個人のものにできるのであれば、何とかしてでも手に入れたいが」
 俺の刺青って龍だしな。
 と妙なところで妙な符号の一致付けをして、モップで床を拭く手にを止めて鏡張りの壁をみやる。
 そこには怜悧な横顔に、今にも脈動し飛び立ちそうな見事な龍の彫り物を刻んだ男が口元を三日月の形に歪め嗤っている姿が映っていた。
「面白そうな話だな、焔」
 落ち着いた、それでいてどこか他人を突き放すような冷たい響きに満ちた声が背後から投げかけられる。
「東京が大打撃を受けようが受けまいが知った事じゃないが、俺の楽しい遊び場所が無くなるのは退屈だ」
 そう言いながら硬質的な足音をたてて近づいてくる男を、焔は面倒くさげに見やった。
 かすかな動きにもさらさらと揺れる繊細な黒髪。
 知る人ぞしる能の流派の当主だけあってか、その身体は細目ではあったがたおやかという程ではなく、風のひとそよぎにも答えて雅を醸し出す、古都の桜を思い起こさせる。
 ――能の名手は指先の何気ないうごきにさえ、花のかおりやあでやかなりしいにしえの都を感じさせるという。
 であるならば、目の前に立つこの銀の瞳の青年――沙倉唯為(さくら・ゆい)は間違いなく超一流の能の名手だろう。
 古典芸能など何もしらない焔にですら、その存在感と気配のあでやかさが伝わってくるのだから。
 精巧につくられた日本人形のような白い肌持つ顔には、優しげにたれた瞳と、意志の強さを感じさせるつり上がった眉。相反するはずの二つの部品が際どい処で完全に調和し、唯為にしかもちえない美をみせつけていた。
 唯為は仕立ての良い黒いスーツを引き立てる、赤い石のついたシルバーのネックレスを弄びながら、ふ、と口元をゆるめる。
 言葉はないが、これが彼流の焔への挨拶なのだ。
「てめぇ、沙倉。準備中の札が目にはいらなかったのかよ」
 拭き残しの床を手早くモップでなぞり上げると、片づけもそこそこ、バンダナを取りながら焔は頭を振った。
 かすかな光に反射し、燃え上がるような髪がぱさりと目にかかる。
 髪を邪魔くさげにかき上げてから、焔は髪と同じ燃え上がるような深紅の瞳に唯為を捕らえて、笑った。
「ああ、かかっていたな。確かに。だが空いていたから入ってきた」
 それが何か? とマイペースに言い切ってから、唯為は手近にあったスツールに座る。
 何がきっかけだったのかお互い忘れたが。いつの頃からか沙倉唯為はこの黒月焔の経営するバーに現れ始め、特に会話を交わす出もなく月日が流れた。
 それだけならば、ただのバーテンと寡黙な客で終わったのだろうが。
 終わらなかったのは、単に、こうして軽口をたたき合いながらも「お互いが気に入った」からに違いない。
 だから焔はこれまたいつの頃からか、暇をもてあまし、準備中だというのに異にも介さずふらりと現れる唯為を放任しているのである。
「それにしても、今日は妙な日だ。開店前だというのにもう二人目の客か」
 苦笑しながら、エプロンを脱ぎ捨て客の目に届かない洗濯かごへと丸めて放り投げる。
 そしてカウンターの中に入り二人分のコーヒーを用意しようとして、手を止めた。
 なぜならそこに三人目の人物が現れたからだ。
「ちょっと、さっきここに榊がいたでしょう?」
 耳をくすぐる官能的な声に、唯為と焔が同時に苦笑する。
 声の主である女性は、男二人の苦笑にかまうことなく「準備中」の店内に、小気味よくハイヒールの音を響かせながら入り込んでくる。
「ああ、もう。タクシーで行きすぎたのをわざわざ歩いて戻ってきたのよ。この私が! なのに居ないだなんてどういうことかしら?」
 理不尽な事この上ない責任追及を、唯為は優雅に肩をすくめることで、焔は沈黙のままに三人分のコーヒーを用意することで答えてみせた。
 その答えに納得しなかったのか、女性は腰に手を当て、顔を逸らしながら最新流行のワイン色の口紅がぬられた、形の良い唇の端を2ミリだけ持ち上げて肩に掛かる琥珀の髪をふりはらった。
 傲然とした自信に満ちたその姿は、戦争に出る騎士たちを鼓舞する女帝のように周囲の空気すらも完全に圧倒し、支配させる。
 さすが女王――否、女帝と呼ばれるだけある。
 もっとも現代日本には王政などないから、当然のごとく高級SMクラブの女王様、なのだが。
 クラブの店内だけに及ばず、実生活にあっても湖影華那(こかげ・かな)は生まれつきの女王であった。
 この分では行きすぎたタクシーの運転手がどれほど、辛辣に言葉責めにあったのか考えるまでもない。
 一番不思議な処は、彼女が女王然と高飛車であるにも関わらず、周囲の人間は不快をもよおすどころか、好きこのんで従ってしまう処である。おそらくタクシーの運転手も言葉責めにあいながら、自分の中に隠れた隷属性を見いだし今頃驚いている事だろう。
 そういう意味では華那は新たな人生の指示者でもあるかもしれない。
 閑話休題。
 焔がカウンターに三つのコーヒーを並べると同時に、まるで最初から決められた台本のセリフを暗唱していたかのように、榊から依頼された話、というのがおわった。
 一体どうしてコーヒーを煎れる事(しかも三人分だ!)と事情説明を同時進行で行い、ここまで見事にまとめ上げたのかと、華那と唯為が内心舌を巻いていると、焔は頬に描かれた龍の顔を指先でかすかになでながら二人を交互に見た。
「どうする?」
「どうするって……ぶっちゃけると、龍を日本なんかに渡してたまるかって事でしょ? 榊の依頼を素直に引き受けるのは癪だけど、気になるから参加してやるわよ」
 沖縄の一件の後、榊が彼女に何をしたかを焔も唯為もしらなかったが、この美しき女帝の好奇心とも対抗心とも取れない複雑な感情を抱かせるとは、大したものである。
(榊にあったら、取りあえず神経逆撫でしないとね。そうそう”キャリオ”とよんでやろうかしら)
 前回完膚無きまでに華那を翻弄した榊だ、それぐらい仕返さなければ女王の名がなくというものだ。
「ふ、榊とやらもなかなか楽しめそうな奴だしな。龍騒動に巻き込まれてみるとするか」
 漆黒の液体から立ち上る、霞のような白い湯気をゆったりと吹き払いながら唯為は微笑んだ。
「それで、塔っていうと、東京タワーが出てくる私は安直すぎるかしらね?」
 早速ビジネスモードに入ったのか、華那が男二人に蠱惑的な視線を送りながら言う。
「風水で「火」はとがってる建物とか、赤い塗装の建物とかを指すっていうわよね」
「「火」を象徴する塔は東京タワーと見て間違いないだろう。アレを襲えば確かに東京は大混乱だろうな」
 まるでその風水龍が焔の顔に宿ってるのだ、と言わんばかりに意味ありげな視線を焔の横顔に注ぐ。
 確かに「龍眼」――顔だけでなく全身に彫り込まれた龍が見せる幻惑のすさまじさを知ってる者ならば、そう勘違いしても可笑しくない。もっとも唯為は「そんなことはない」と知っていてわざと意味ありげな視線を送って、焔の反応を楽しんでいるだけに過ぎないのだが。
「見ても何もでない。どちらかといえば俺がその「風水龍」を飼ってみたい位だ」
 きっぱりと言い、コーヒーに砂糖を入れて一気に焔は飲み干した。
 その反応に、軽く鼻を鳴らすことで、唯為は答え、華那はああそう、とつぶやきかえした。
「「火」の象徴であるタワーは、その龍とやらが「水」の属性のものであれば相殺される、か。――タワー、いや「火」があると邪魔な何かがあるのか?」
「なら少しおかしいな。逃げ出した「龍」が水の属性だったとしてわざわざ自分の力が弱まるような場所に行くか? 俺だったらいかねぇな。むしろ楽な方――同じ属性か、力を高める属性……たとえば「木」のある場所へ行くだろう?」
「ほう、木生火か。なるほどな」
 風水にある五行相生の法則を思い起こし、唯為がつぶやく。
 「木生火」「火生土」「土生金」「金生水」「水生木」。
 木は火を生み、火は土を生み、土からは金が生まれ、金からは水が生まれる。そして最後に水は木を生むという、5元素循環の法則である。
 ならば流れ出した龍は「木」か「火」なのか?
 ――否。確か榊は言っていたではないか「基点が動かされている」のだと。だから「基点を動かす」側と、「基点を動かしたくない側」が緑という少女を狙っているのだ。
「けど……場所がわかっても緑ちゃんがソコにいくかもわかんないし。……ま、いいか。それにしても流氓が動いているなんてやっかいね」
「流氓? ただの流れ者、やくざ者じゃねぇか。そんな輩なんて今まで何度も相手した事があるが大した者は少なかったな。骨のある奴が一人だけ居たが……難という名前だったかな?」
 両腕を組み、焔は眼を細めて空をにらむ。
 しかし記憶をたどるには、彼の日常は忙しく、また様々な怪奇事件に彩られて騒がしすぎた。
「しかし流氓が龍を移そうとしているのか、阻止使用としているのかが依頼内容からはっきりせんな」
 確信をついた焔の一言に、唯為と華那が同時に肯いた。
「何にせよ、理由も背景もわからずに使われるのは好みじゃなくてな。榊は正面から聞いても答えんだろうし……お嬢さんの護衛の前に、裏を探る必要がありそうか……」
 ポケットから煙草を取り出す。と、絶妙のタイミングで焔が自分のジッポーを差し出す。
(男同士でもこういうことされると、妬いてイヂワルしたくなるのよねぇ)
 などと、二人のさりげない動作を眺めながら考えていた華那は、無理矢理「イヂワル女王様」になりたい自分の欲求を押さえつけ、素っ気ない不利をよそおって「ちょっと調べてみましょうか?」と唯為に言う。
 が、唯為はいや、君がするまでもないさ。と答えて、紫煙と共に言葉を吐き出した。
「何、昔ちょっと悪さをした時に世話になった警視庁の偉いさんがいてな。少しなら何か知ってるかもしれんな」
「あ、そ」
 榊にバレて前のように逆鱗に触れたら、と一瞬だけ臆した自分にイラ付きながら、華那は冷め切ったコーヒーのカップを爪先で何度もはじく。
「ついでにG2の事も詳しくしらべて」
 断ることを許さない口調で言うと、唯為は少し驚いたように眼を見開き、続いてからかうような調子で華那の顔をのぞき込んだ。
 焔も喉の奥で笑いを押し殺しながら、わざとらしい仕草で華那から視線をそらす。
「何なのよ二人とも。いいわ。もう。……そう言えば前、この店でオイタをした子供がエアガン忘れていったわよね? それ貸して。護衛中の武器にするから」
「貸してもいいが、実弾ははいってねぇし、殺傷力ないぞ」
 さりげなく不穏当な事をいいながら、焔はカウンターの奥から改造エアガンを探し出し、華那に渡す。
 火力には火力を持って答えるだけ。魔術・密教・道教・陰陽術。それらを達人と言わないまでもそこそこ使いこなす焔だ。強力な術者ならあやういが、能力者でもない流氓達に遅れをとることはなかったし、いざとなったら常に自分と共にある、この刺青の龍の力……龍眼でとっておきの幻覚を見せるまでである。
 もちろん、平安時代から代々「妖」の者を狩るってきた一族総本家「櫻」の当主である唯為は言うまでもなく。だ。
「まあ後は、調べながら東京タワーで待ち伏せだな」
 どこか不敵な笑みを浮かべながら焔はコーヒーカップを片づけ始めた。
 この分では今夜はずっと「準備中」だろう。
 どちらにせよ客が来るとは思えない。
 なぜなら、開店前に三人も招かざる客がきたのだから……。


■15:00 東京タワー・大展望台1F■

 「カフェラ・トゥール」は、窓際にテラス風のスタンドカウンターを配置した、地上145mの展望カフェである。
 とはいっても所詮東京タワーの狭い展望室内にあるカフェ。品数は地上のカフェに及ぶわけがない。
 小階段や柵で空間にアクセントをつけたり、床を約60cm高くするなどして工夫してはいるものの、押し寄せる観光客の中にあっては狭いことこの上ない。
 東京タワー南西の絶景とはいっても、見えるのはビルだけであり、昼間に訪れてもスモッグでかすんだ都会のまぬけな姿がみえるだけだ。
 そんなカフェの中にあって、外に広がる絶景より人目を引く美男美女の一団があった。
 黒月焔、沙倉唯為、湖影華那の三人だ。
 華那は如何にもと言った風に着彩されたメロンソーダを、飲むきにもなれないままストローでかき回す。
 女王然としている彼女でも、こうして退屈をもてあましている姿はどこか少女じみていて、かわいい。
「警察の上の方の人……知ってると良いけど」
 そうつぶやいて、カフェの外、展望エリアで携帯電話で通話をしてる唯為をちらりと眺める。
 普段なら観光客であふれているはずなのに、今日は珍しく人気もなく、優雅な唯為の姿は意識して探すまでもない程に目立っていた。
「まあ、知らなければ知らないで。取りあえず緑を襲う者から守り、龍を止めるのをサポートすればいいんだ」
 もっとも俺はサポートに使えそうなのは封印系しか知らないから、どう役にたつかわからないが。と、稚気に満ちた笑みを浮かべながら焔が華那に答えてみせる。
 話す言葉もなく、二人が沈黙していると、唯為が秀麗な顔を渋りきらせながらカフェへと戻ってきた。
「面倒だな」
 吐き捨てるようにつぶやくと、まるで義務のように唯為は淡々と事情を語り始めた。
 ――曰わく、言葉と行動が伴っていないのだ。と。
 行動は至って簡単だ。
 中国政府は緑を「火」の塔。つまりこの東京タワーへと送り込みたい。
 流氓はソレを阻止したい。
 だが、理由がおかしいと警察は首をひねっているのだ。
 中国政府は風水龍を本国に連れ戻すためにやっているというのだ、龍が東京タワーに移れば莫大な被害がいくから。と。
 しかしソレでは可笑しい。
 中国に――否、上海から生まれ、家族の、血のつながりを他のどの国より大切にする、中国の流氓が何故それを阻止しようとするのだ。逆に率先して協力するはずではないか。
 それをやらないというのは、どこかに嘘が潜んでいるという事ではないのか?
(大体、龍を連れ戻すために「火」の塔に「緑」をはこべと言うのがおかしいんですよ)
 と、G2――広域犯罪捜査共助準備室の榊調査官は、国の方針に反発したという。
 緑はすなわち植物……特に木を表す。ならば何故「木生火」となる筈の「緑」を東京タワーに連れて行かなければならない?
 もし、龍が東京タワーに根付いて莫大な被害が東京に来るというのなら、木である「緑」ではなく「水」の何かをもって封じ込めるべきではないか。と。
 そして祖国の富を失い、自分たちの住む東京を破壊される行為に流氓達が手を貸すとは思えない。
 彼らは日本のやくざより、さらにビジネス的感覚が高いのだから。
 なら考えつくことは一つ。
「中国が……あの国が嘘をついている? そういうことか?」
 納得しがたい、といった表情でテーブルの端をはじきながら焔が唯為に尋ねた。
 瞬間、華那が息をのんだ。
「ねえ、榊は言ったのよね「龍脈を作る基点の一つが動かされ、この東京にある「火」を象徴する塔に移されようとしている」って……その基点ってもしかして……」
 全員が一つの答えに行き着き、顔を見合わせた瞬間、高く美しくそして聞き慣れた声が展望室のカフェに響いた。
「リュー!!!!!」
 それは三人が良く知る声。
 草間興信所にいるアルバイトのあの女性。
 声を完璧に操る者――シュライン・エマの高く乱れた悲痛な叫びであった。

 
 ■17:00 東京タワー展望室■

 まるで重さを感じさせない動きだった。
 妖精のように、あるいは彼女だけ重力の支配から逃れているのだといわんばかりに、かろやかにつま先がアスファルトを蹴り、風をないでは着地する。
 彼女よりずっと体力的に上であり、人より優れた身体能力をもつはずの隆之介ですら、近づくことはできても、彼女に触れることはできなかった。
 心臓が肋骨という檻をうち破って、身体の外にでてしまうのではないかと恐ろしくなるほど鼓動がたかまっていた。
 なのに何かに引き寄せられるかのように、足を止めることが出来ない。
 否、止めればきっと良くないことが起きてしまう。そういう不安が絶えずまとわりつく。
 シュラインは雨に濡れた髪が頬に張り付く不快感に顔をしかめながらも、前を走る緑を追いかけ続けた。
「シュライン!」
 聞き慣れた知己の声が唐突に鼓膜を震わせた。彼だ。
 中島文彦――もとい張暁文は東京タワー前の道路でタクシーを降りた所だった。
 そして降りるや否や状況を把握し、シュラインや隆之介、そして碧海と共に緑を追いかけ始める。
 本来なら彼の持つ特殊能力、テレポートを使いたいところだが、いかんせん人目がありすぎた。
 人混みをすり抜け、かけ続ける美しい中国的美少女は嫌が応にも目立つ。
 彼女をテレポートで捕まえれば、きっと目立つ以上の大騒ぎになってしまうだろう。
「チッ」
 舌打ちをして地面を蹴る。
「来たぞ! 捕まえろ!!」
 東京タワーの入り口に居た男達が緑の姿をみて、色めきだつ。
 かすかに揺れる声のイントネーションから、彼らが日本人ではなく上海人……流氓達であることを察知する。
(どうする?)
 いざというときに――東京が破壊されるまえに「緑」を、――あの風水人形を殺せ。
 王老人と富春の真意が脳裏に浮かんでは消える。
 しかし「中国」は東京の破壊を望んでいる。
 ――どちらを、選ぶ?
「くそったれ!!」
 叫びしな、緑に手を伸ばしてきた男を殴り飛ばす。
「勝手な都合で人を動かそうとしやがって! ガキの使いじゃねぇんだぞ?!」
 懐から銃を取り出そうとしたアロハシャツの男の鳩尾に鋭い蹴りをたたき込む。
「シュラインさん! あれ!」
 碧海が悲鳴の様な声をあげる。
 と、緑は従業員と流氓の腕をすりぬけ、大展望室へと向かう階段を上り始めていた。
 白い中国服の裾が翻る。
 緑色の翡翠のイヤリングが雷鳴をうけて鮮やかに光る。
 閃光と轟音が同時に鳴り響き、辺りを白に染め上げる。
「リュー!!」
 シュラインが叫ぶ。しかし少女の耳には届かない。
 緑を追いかけて階段を上ってくる流氓の一人を、隆之介と暁文が同時に蹴り飛ばす。
 と、男はバランスを崩し、深紅に塗り込められた鉄の階段を仲間を巻き込みながら、転がり落ちていく。
「どういうこと!」
 階段を上りきったところで、聞き慣れた声がした。
 沖縄で同じ「依頼」をこなした湖影華那と黒月焔。そして二人の背後にひっそりと立つ優雅な男――沙倉唯為が、驚きもあらわにシュライン達を見ていた。
 事件に引き寄せられた7人にかまうことなく、緑は大展望台1Fに転がり込み、辺りを見渡す。
 瞬間、大展望台にあるカフェに銃声が響いた。
「やれやれ、王老人も眼が衰えたか。ここまで来るまでに始末してくれるかとおもっていたんですがね」
 黒髪をオールバックになでつけた、金縁眼鏡の男が中島文彦こと張暁文をにらんだ。
 彼の握る銃から放たれた弾丸から寸でのところで逃れた緑は、赤い鉄骨に寄りかかりながら、タワーの天井を黒檀のようなその瞳でにらんでいた。
「アンタ、誰よ」
「威 富春(ウェイ・フーチュン)、とだけ言っておきますよ。レディに名を名乗らないのは失礼ですから」
 酷薄な笑みを浮かべて言う。
「タダのちんぴらの親玉だろ」
「同感だ、先に銃をはなっておいて、今更紳士ぶるのはいただけないな」
 焔と唯為が嘲るように言う。
 と、富春は結構、と一声吐き捨てると芝居がかった動作で指を鳴らした。
 とたんにそれまでカフェに居た背広の男達が、客の仮面をかなぐり捨てて銃を取り出し、緑の方へ差し向けた。
「させるか!」
 焔が叫ぶ。
 とたんに顔に、否、全身に彫り込まれた「龍」が熱をはなちだす。
 黒い墨で書かれた線の一本一本が焔の身体から立ち上る熱と相乗し、ほのかな光を放ち出す。
 そして、龍と焔、双方の瞳が血よりも鮮やかに、錆びた月よりも眩く深紅に煌めいた。
「地獄に、堕ちろ」
 つぶやいた瞬間、焔をみた流氓たちが頭を抱えて悲鳴をあげ、銃を取り落とす。
「蛇が! 蛇が! 蛇がぁああ!!!」
 訳のわからない言葉を男達は繰り返す。おそらく彼らの脳裏をのぞき見れば、無数の蛇が己の身体をおおいつくし、毒牙を突き立てるというおぞましい光景が見られたことだろう。
 それこそが焔のもつ「龍眼」の見せる、悪意ある幻影、人の神経をさいなむ催眠の術であった。
 多くの流氓達が焔の見せる「龍眼」の幻のに苦痛を訴えるなか、富春の側に控えていた深紅の中国服の女性だけは落ち着いてハンドバッグから何らかの紙を取り出していた。
「符呪!」
 流氓であり、大陸の文化に知悉している暁文が女の次の行動を察知して叫ぶ。
 しかし一瞬遅く、女の唇がうごめいた。
「吾以日洗身・以月錬真・仙人輔我・日月佐形・二十八宿・與吾合并・千邪萬穢・逐水而清・急急如律令!」
 そう唱えたかとおもうと、朱色の丹砂で呪が書かれた紙が裂け、透明に透けるミミズのような長いぬめぬめとした生物が現れる。
「三巳虫か!」
 オカルト全般に精通する焔が忌々しげにつぶやく。みるだけで吐き気を催すぶよぶよとした白い虫は、人に取り憑き死をささやき続ける、中国の呪虫「三巳虫」であった。
 三巳虫はぬめり動きながら、まっすぐに焔と華那、そして唯為の居る方向へと恐るべき勢いで床をはい回り近づいてくる。
 大の男でさえ恐れをなし、逃げ出したくなる光景に、沙倉唯為は、まるで場違いな柔らかい余裕の笑みを浮かべた。
「櫻唯威の名の元に、汝、緋櫻の戒めを解き放つ……」
 歌うように豊かな抑揚で言い、水の中をひらめく魚のようにその腕が空に捧げられる。
 と、あわやかな桜色の光が唯為の周囲に灯ったかとおもうと、その手に集い「刀」の姿を作り出す。
 平安時代から代々「妖」の者を狩ってきた「櫻」の総本家当主だけが使うことを許される「緋櫻(ひおう)」の一降りであった。
 束をつかみ、流れるような動作で腰をおとすと、唯為は居合いの構えそのままに刀を抜き放ち、三方向からそれぞれ襲いかかってくる、三位一体の呪虫・三巳虫を一刀の元に切り捨てる。
 光のような白刃がぬめった皮膚を切り裂いた刹那、血の変わりに無数の花びらが吹き出し、周囲に降り積もる。
 それは季節はずれの桜の乱舞であった。
 そして三巳虫がうち倒された瞬間、術師である女が顔を歪め、喉をかきむしりばったりと倒れる。
「人を呪わば穴二つ。中国にはありませんか?」
 冷たく笑いながら唯為が聞く。
「形成逆転だな、おい」
 焔が聞いた瞬間、富春は暁文をちらりとみて高らかに笑い出した。
「お前達は騙されてる! 緑は龍に力を与える存在。この東京タワーを、火の塔の力を増幅し、龍を暴走させるために作られた風水人形。――暴走されてはこまるのは私もこの東京にすまうあなた方も同じだろうよ。それに我々はまだこの国から、この東京から全ての富を搾り取っては居ない。この国はまだまだ金になる遊び場だ」
 いうなり、緑に駆け寄りその腕を掴み上げる。が、すぐに華那の鞭により動きを縛され、富春は歯ぎしりしながら怒りのままに全員を見た。
「東京を破壊する?! どういうことだ!」
 隆之介が叫ぶ。
「そのままの意味ですよ」
 エレベータが開き、依頼主である男――榊千尋が微笑みを浮かべながら言った。
「困った方たちだ。ここまで騒ぎを大きくしてしまうとは」
 いつも通りの穏やかな微笑み、いつも通りののんびりとした口調。
 いつもと違うのは、右手に握られた黒い銃。
「ち、ひろ……さん」
 あまりの違和感に、碧海がつぶやく。
「納得がいかないわ」
 シュラインが蒼い瞳に静かな怒りを浮かべながら、つぶやく。
「あちらにも色々欲の張った方々がいらっしゃいましてね。龍を連れ戻すだけではなく、いっそのこと龍の力を使い日本に壊滅的打撃をうけ、その機に乗じ日本を侵略し、龍のちからもろとも日本を手に入れるべきだなんて、妄想じみた策略を巡らせてる人々がいるということです」
「じゃあ、なぜ、それを手助けするような真似をアンタはしたんだ!」
 隆之介が問う。すると榊はふっと息をもらした。
「本音と建て前という奴ですか、政府としては表だってあちらの意向を無視する事はできません」
 はっ、とシュラインが息をのんだ。
 だからなのだ。
 これだけの騒ぎなのに、榊以外の警察が出てこないこと。
 緑がここにつれてくるのをわかっていながら、それをわざわざ興信所に依頼したこと。
 それらはすべて「日本はあなたの国のために最大限努力しましたよ」と見せつけるパフォーマンスでしかなかったのだ。もちろん、緑を殺そうとする流氓達を放置していたのも。その一環に過ぎない。
 依頼の内容が矛盾していたのも、風水の理を考えれば理解その意図は理解できる。
 封じ込めるなら「木」を象徴する「緑」の風水人形ではなく、「水」を象徴する風水人形――封印の形代で無ければならなかったはずだ。
 そうでないということは、中国の意図は二つあったという事ではないか。
 龍を連れ戻したいと考える者と、龍を使って東京を破壊したいと考える者の二つが。
 窓の外で雷鳴が鳴り続けている。
 そんなはずはないのに、鉄骨がぎしぎしときしんでいるように感じられる。
 雷鳴が遠く、近くなる度、緑が展望窓の方へと近づいていく。
 赤い珊瑚のような無機質の唇がゆっくりと開く。
 ――――リュー…………。
 高く、細い声が見えない風水の龍を呼んでいる。
 雷鳴が冷気を帯びた光に変わり、東京タワーに巻き付くように落雷した。
 轟音。
 震える窓硝子、音の衝撃で倒れたカフェの椅子。
 急激な電圧の変化に、割れる電灯。
 辺りを包む闇。
 そして雷光が遠くでひらめくたびに、その微笑みに深い陰影を落とす榊。
「なかなか、物事は予定通りに進んでくれませんね。困りました」
 ゆっくりと銃の照準を緑に逢わせる。
「ですが、こんな事で東京を、この国を滅ぼさせる訳にはいかないんです」
 にっこりと、優しい聖母のような笑みを浮かべながら、榊は淡々という。
 純粋で無垢で残酷な、少年のような微笑み。
「まて! 榊!」
「千尋さんまって!」
 暁文と碧海が同時に叫ぶ。しかし無情にもそれをうち消すように雷鳴がなりひびき、塔を揺るがした。
 再度の落雷。
 全てをうち消す、冷徹な銃声。
 最後に――高く細い、龍をよぶ緑の――風水人形の悲鳴。
 小さく薄い少女の胸に、黒いちっぽけな空洞ができている。
 それは弾丸の貫いた痕であったが、不思議と血は流れでず、変わりに若木の香りのする緑色の――そう、リューの耳を飾る翡翠のイヤリングと同じ煙が、次々と空中にあふれ出しては周囲に拡散してきえる。
 そのたびに緑の瞳から生気がきえ、指先や、足から柔らかさが……有機的な要素がかき消えていく。
 最後にぴしり、と陶器にひびが入るような音がし、緑の全身が砕け散った!
「リューーーー!」
 シュラインが声の限りに叫ぶ。
 フロアには、ただ、白い陶器のカケラだけが残されていた。


■23:00 終わりの始まり■

「結局一体「風水人形」とは……いや、「緑」とは何だったんだろうな」
 レミ−マルタン・セントリモージュ。傑出した個性と高い品質で名高いブランデーが入ったグラスを揺らしながら、沙倉が、カウンターの中で使いもしないグラスを磨いている焔に向かって問いかけた。
「さあな。あの形態の「傀儡」は初めてみたな……道教か――丹鼎派の秘術か」
 グラスを薄暗い店の光にかざし、曇りを探しながら言う。
 いつもながらの飄々とした調子で、まるでさっきまでの騒ぎなど知らない、と言った様子で。
 面倒事を嫌い、興味を引かれたものだけをとことん追求する。ゆえに、事件の終わった後の後始末や悔恨などは警察や善良な一般市民に任せておけ、と言いたいのだろう。
 焔らしい態度に苦笑しながら、唯為は再びグラスを傾けた。
 結局、あの少女は少女の人形は何だったのだろう。
 人の様に感情を持ち、動き、叫び、そして嘆きの悲鳴を上げながら壊れていった……道具。
 「有機物」でも「無機物」でもない存在。
 この国の為に、破壊するしかない。それは傍目にもわかった。
 だが本当に?
 あれは破壊ではなく――殺人だったのではないか? と、かすかな疑問が棘が胸を刺し、酒の味を苦くする。
 語りかけるべき言葉もなく、流れる音楽もなく、ただ沈黙だけが焔の店をみたしている。
 と、それまでグラスを磨いていた炎が、背後の棚から複雑なクリスタルカットを施したワイングラスを取り出した。
 何をするのだろう、とぼんやりと眺めていると、焔は手品師のような鮮やかな手つきで、ポケットから一対の翡翠のイヤリングを……あの「風水人形」を飾っていた翠玉を取り出し、グラスにいれた。
 そしてゆっくりとウォッカを注ぎ、縁まで満たすと、マッチの火をかざす。
 室温で揮発したアルコールに、炎が燃え移る。
 地上で最も強い火酒の中で翡翠の玉が静かに揺れている。
 その上では蒼とも紅ともつかない焔が揺れている。
「まあ、魔力なんざかけらもないが、戦利品だ。せめてこうやって飾ってでもやらなきゃ可哀想だからな」
 照れを隠すように焔がいう。
 おそらく、これは彼なりの「緑」への弔いなのだろう。
(本来なら、炎は苦手なのだが……)
 微苦笑を浮かべながら、唯為は炎の向こうで笑う「焔」を見た。
 劫火のような紅蓮の髪も、恒星の様に激しく紅い瞳も。
 唯為の静かに光る銀の眼には、何よりも優しく見えた。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0086 / シュライン・エマ / 女 / 26 /草間興信所事務員&翻訳家&幽霊作家】
【0213 / 張・暁文(チャン・シャオウェン) / 男 / 24 / サラリーマン(自称)】
【0490 / 湖影・華那(こかげ・かな)/ 女 / 23 / S○クラブの女王】
【0365 / 大上隆之介(おおかみ・りゅうのすけ)/ 男 / 300 / 大学生 】
【0599 / 黒月・焔(くろつき・ほむら) / 男 / 27 / バーのマスター】
【0308 / 鷹科・碧海(たかしな・あおみ)/ 男 / 17 / 高校生】
【0733 / 沙倉・唯為(さくら・ゆい)/ 男 / 27 / 妖狩り】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは立神勇樹です。
 お待たせしてしまって申し訳ありません。
 今回は依頼完遂率70%というところでしょうか(汗)
 成功までにはおしい、たりない。という所ですね(汗)
 ちょっと難しかったかもしれません。
 「緑」あるいは「龍」を封じる方法にもう少し踏み込まれた方がいらっしゃったらまた別の結果になっていたかもしれません。
 では、再び不可思議な事件でお会い出来ることをお祈りしつつ。