コミュニティトップへ
高峰心霊学研究所トップへ 最新レポート クリエーター別で見る 商品別一覧 ゲームノベル・ゲームコミックを見る 前のページへ

<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


狂喜の宴〜Mad Carmine〜

Opening 『 Mad Carmine 』

「…月刊アトラスか」

男は雑誌のとある募集欄に目を止めると、クスリ、と嗤った。

『特集!ストーカーの魔の手は、すぐそこに!!/月刊アトラス編集部
  ――ストーカー特集を行います。
    過去に被害にあった方、もしくは現在被害にあって脅えている方の
    ご投稿を心よりお待ちしております。尚、必要ならばこちらにて
    ボディーガードを用意します』

「中々面白そうですね…遊ぶには退屈しなさそうだ」
椅子をくるりと回して立ち上がり、座ってた椅子に雑誌を投げるように置き捨てる。
「でも、ただ遊ぶだけではツマラナイ…何かもう少し捻りが欲しいところですね」
テーブルに置いてあったワイングラスを手にとり、全面ガラス張りの窓へと歩み寄る。
180度全面零れんばかりの夜景を見下ろしながらフム、と顎に手をかけた。
「実験、でもしてみますか…猫と犬…飼いならすのも悪くない」
男は暗闇に青い画面を映し出すパソコンのディスプレイを振り返る。

『ゴーストネット・カフェへようこそ!』

「ククク…アハハハハ…!」
クシャリと赤い髪を掻き上げ、男は声を出して笑い出した。
「そうだ…そうだ…猫と犬…アトラスとゴーストネット…! ククク、面白いですね!」


*****


――その日、碇麗香の眉間から皺が消えることはなかった。


デスクの上に山積みにされた投稿ハガキとファックス。
それを纏めて手にとり、1枚1枚丁寧に捲る。
「あ、それ、例のストーカー企画のですか?」
コピーを取りにやって来た、三下はその膨大な量の投書に目を丸くさせ、横から顔を覗かす。
「…そう。思ったより反響が大きくって少し驚いたわ」
ふぅ、と溜息を落としてコレ見てちょうだい、と三下に一通の手紙を差し出す。

『タイトル:助けて下さい PN:カーマイン
 最近、誰かに後をつけられているような気がします。見張られている感じ…。
 都内のマンションに住んでいるのですが、夜、窓から外を見ると3人の人影が
 こちらを見張ってるように見えました。
 一人暮らしで周りに友達もいません。助けて下さい。お願いします…』

「…これが何か?」
三下は首を傾げて顔を上げた。
「オカしいと思わない? この手の調査なら二流の興信所へ行けば難なく解決する内要よ?それをワザワザ、目立つような雑誌投稿へ…。他の投稿は過去の体験談か、ありもしないようなホラ吹きばかりなのに、ね。」
麗香はそう云って、机の引き出しから写真を3枚取り出した。
「これ見てちょうだい。少し気になってね、住所を頼りにマンションへ行ってきたの。で、これがそのときの写真」

手にした3枚の写真を順に三下に見せる。
1枚目はマンションの外見。高級団地と云った感じの白い建物だ。2枚目はオートロック式の玄関口。観葉植物を置いている所からして清潔感が漂ってくる。そして、3枚目は駐車場だ。
「…ん?」
ズラリと並ぶ高級車の影に何やら妖しい影が3つあるのが分かる。しかも、何か――ストーカーとか云った感じではなく、どちらかと云えば自分達によく似た人種――何かを知ろうとする…取材? 調査? そんな雰囲気が如実に伝わってくる。

「これは一体…どういうことでしょう? この投稿者<カーマイン>を…狙ってる? もしくは、カーマインさんが何かを企んで…」
三下は怪訝そうに眉を顰めて麗香を見るのと同時に、女は写真をスイ、と三下から奪い取ると
「知ってる? カーマインって…狂った紅い色のことよ。吸い込まれるような、それでいて目が覚めるような紅。私はきっとこのカーマインの裏に何かあると踏んでいるの…」
そう云って女はこちらを振り返る。
「と云うワケで、ウチの自慢の敏腕さん達。少し頼まれてくれないかしら…? まずは3人がどんな目的でカーマインに張り付いているのか…そうね、途中で私の古い知り合いも取材に協力させるから、そいつを利用してくれても結構よ」
派手に暴れても構わないから、と付け加えると麗香は穏やかに笑った。


――そして、紅い紅い狂った宴が今宵ここに開始する――


Scene-1 『 Breathing 』

息を吸う。
両足先を的の中心へ向け、弓の下端を膝頭に右手は腰にあてる。シャナリ…と黒髪もがその空気に身を潜めるかのように…静かに流れる。
少女はしなやかな仕草で両手を高く上げ、金色の眼で一点を見つめ、弓を左右に引き分けた。キリキリ、と弦がしなりその姿勢を何一つ崩すことなく――先にある的から視線を外さない。

ビュン。
一瞬の間を置いて、矢が少女の手元から一直線に放たれる。
何の迷いもない――矢はまるで少女の心をそのまま絵に描いたようにに空気を切り裂き、矢道を走りぬけ、28m先の的のど真ん中に突き刺さる。ヒュウ♪と何処からか声が聞こえるものの、彼女の耳には一切届かず。矢の着点を一心に見つめる金色の瞳と共に、放った姿勢を崩さずにその場に佇む。

少女はこの瞬間が何よりも好きだった。
矢が己の下から離れ、一直線に的へと向う。己の心に幾許かの乱れが存在していたのならば、矢は乱れの通り――まるで己の心を映し出したかのように――歪む。その乱れを気づかせてくれる、この残心の間が。己の心と向き合う絶好の場面であった。

数秒置いて少女は呼吸に合わせて顔を戻し、足を閉じた。そのとき初めて上で高く結い上げられた黒髪が、一房彼女の肩から落ちる。
誰もが一瞬目を奪われる、そんな凛、とした空気を纏った少女――矢塚朱姫。弓道を嗜んでいる実に健全な女子高生であった。

(何か…嫌な胸騒ぎがする)
朱姫は弓道具を片付けながら、昼間、アトラスにて受けた調査について――否、正確に云えば投稿者の主――カーマインに対して、何とも云えぬ不信感を抱いていた。それは確証が持てるものではなかったが、生まれてこの方、第六感とでも云うだろうか…このひしひしと胸に伝わる感情は的を外したことがない。
(…3人の人影には何も禍々しいものは感じなかった…むしろカーマインという人の方が…)
脳裏に過ぎった考えに少女は視線を矢筒に手中させた。そして、立てかけてあったいつも使わない漆塗りされたの竹弓と矢を手に取る。勿論それは、魔障を払い覗くという神聖な弓と矢。
(いつもなら持たないけど…念には念を、とも云うしな)
そう呟いて弓と矢を専用のケースに入れると、朱姫はスッくと立った。
(取り合えず、その駐車場へ行ってみよう。話はそれからだ)
出口に向かいながら、結い上げた紐を取り、黒髪を下ろす。艶を帯びたその髪が、彼女の余韻に引かれてキレイに流れ、一筋の風を残した。


Scene-2 『 Ominous Clouds 』

彼女の手には3枚の写真があった。
勿論、碇麗香から手渡されたあの写真である。朱姫はその写真を1枚1枚、目の前にあるマンションと見比べてキッと視線をその建物に向ける。辺りはスッカリ日が落ちて、高級住宅街らしく外灯がポツリポツリと灯りを点していた。

「ここね。カーマインって人のマンション――」

西の空に上った紅く大きな月を背に嫌に存在感を放った高層マンション。
少女には一抹の不安があった。
もしかしたら他の誰かと共に来たら良かったのかも知れない。
だがここで迷っている暇があったら、何か今後に役立つ手がかりを、という気概が彼女にはあった。背負った弓矢を再度、背負いなおすと朱姫は一目散にマンションの入り口へと駆けて行った。


が、しかし。


イキオイよく突っ走ってきたものの、少女は厚い壁に阻まれていた。
「オートロック…」
そう、ここはいくつもの高層マンションが立ち並ぶ高級住宅街。あーどうぞ入って下さいな、と云うわけにはいかないのだろう。ガラスとステンレスで出来た重厚な扉が頑なに侵入者を拒絶していた。
(…麗香さんはどうやって入ったのだろう?)
ふと朱姫はそのドアの前で腕を組んで首を傾げた。確かに麗香の写真には駐車場での写真がある。高級車がズラリとならんだ…
「ん?」
少女は何かに気がついて、入り口の外灯の明かりが零れる場所まで移動する。
「この写真…気がつかなかったけど、相当暗い…。もしかして地下?」
よくよく考えてみれば。
このようなマンションに付いている駐車場が青空駐車場と云うわけはなかろう。
朱姫はうーんと、暫く唸る。どの道ここ――マンション正面玄関――から入らないと地下の駐車場までは辿りつけれない。かと云って、入れてくれるような知り合いもいないし――
そう思って少女は、再びその扉を見た。厚いと云ってもガラス製だ。中は透けて見ることが出来る。
「どうにかして入れないものか…」
少女が困ったように、中を見据えて呟いたとき、中の観葉植物の傍から何やら小さい物がチラリチラリと葉を揺らした。まるで朱姫を誘導しているかのように、赤い舌を覗かせる――蝮<まむし>だ。
「蛇?!…って云うことは、冴那さん、来ているの?!」
無数の蛇を操るペットショップ『水月堂』のオーナー・巳主神冴那<みすがみさえな>も今回の調査に携わる一人である。細く短い三角の頭を持った蝮は、まるで朱姫の問いに答えるかのように再び赤い舌をチラつかせると、スルリスルリと巧みに壁を伝い、オートロックの解除の操作を器用にこなして行く。
「何で…どうして、番号まで…? もしかして冴那さん、もう既にカーマインの部屋にまで蛇たちを…」
少女が全てを発する前に、ピーという機会音と共に扉が左右に割れた。オートロックが解除されたのだ。朱姫はその様にあっけに取られていたが、この機会を逃しては次に進入することは出来ないだろう。キッと先を睨みつけ、その魔の扉を潜った。

その少女の姿を上から眺める無機質なもの。
朱姫は気づかなかったが――防犯カメラだ。

「ククク…猫が一匹進入しましたか…いや、『もう一匹』進入したと云った方が正確か」

防犯カメラの画面を通して一部始終をワイングラス片手に眺めていた男は、喉の奥で楽しそうに嗤った。赤い髪を無造作に垂らし、ソファに身を沈めている。
それを一房とって、軽く口付けると、
「ではまず…コチラからお相手しましょうか」
そう云うとテーブルに置いてあった分厚い辞書のような本を手に立ち上がる。
男は聞き取れない…何か呪文を唱えると、天井と云わず壁と云わず、ポトリポトリと蝮が落ちてきた。

「訊いているんでしょう? 今から貴方を迎えに行きます」


Scene-3 『 Action 』

足音を立てないように、誰かに見つからないように…朱姫は素早い身のこなしで持って、壁や所々に置いてある観葉植物の影を移動しながら、先を目指した。
地下駐車場へ辿り着く為には、非常用階段を使うかエレベーターを使うかの何れかである。少女は万が一、エレベーターに人が乗っている、あるいは降りたその場に人がいることを懸念して、金持ちが滅多に使わないであろう非常用階段を利用しようと考えた。
(もしかしたら冴那さんも駐車場にいるかも…)
朱姫は緑色の非常口ランプが上に点るドアを廊下の一角に見つけると、周囲に人気がないのを見計らって、そのドアに手を掛けた。
そのとき。
「朱姫?」
背後から聞き覚えのある声が少女を呼んだ。
朱姫は一瞬ビクっと躯を震わせたが、そろーりと後ろを振り返る。
「さ、沙倉さん?!」
少女は思わず大きな声でその男の名を呼んだ。余裕綽々な沙倉唯為<さくらゆい>がそこに立っていたのだ。
「シー。声がデカイ」
唯為は朱姫の口に手をあてて、少女を抱えるかのようにドアを開けて、一先ず非常口へと入った。廊下は嫌でも声が響く。入ってきた、もしくは出かける人間に不審に思われると厄介だ。
「さ…モガモガ…沙倉さ…モガ…」
思わぬ力が入ってしまったのであろう、少女は男の手から逃れようと暗い非常階段の踊り場で必死にもがいた。何日も開けられない倉庫のような匂いが充満している。
「あ、悪い」
男は苦笑い交じりで少女を解放すると、朱姫が背に背負っているモノに視線を止めた。
「それにしてもエラク大荷物だな」
「…腕自慢、という訳ではないけど、この話を聞いてとても嫌な感じがしたんです。だから杞憂かも知れませんが、念の為」
そう云って、朱姫は背を男に向けて弓矢を見せた。
「それより、沙倉さん、どうやって入ったんですか?」
朱姫は先ほど自分が四苦八苦して進入したことを思い出す。その問いに、ああ、と唯為は思い出したかのように、
「冴那の蛇に入れてもらった。アイツは夕刻からコッチに来てるからな」
「あ、沙倉さん、知ってたんですか…」
朱姫はそう云うと少し俯いた。何故かこのマンションに入ってから嫌な胸騒ぎがしてならない。
――もしかして冴那さんの身に何か…
その気配を感じ取ったのか、男はニッと笑って、朱姫の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「な、なんですか?! いきなり!」
「イヤイヤ、今時イー子だなぁ、と思ってな」
「…バカにしてるんですか」
「そうじゃない」
クック、と唯為は笑うと、
「さてさて、お喋りはこのくらいにして駐車場へと向うか。掃除屋が幕の内弁当を持って来る筈だからな」
黒いジャケットの裾を翻して軽快に階段を降りて行く男に、朱姫は一つ溜息を落とすと…その後を追った。


Scene-4 『 A Cat and Dog ―― Encounter 』

ガチャリ。
鉄製の重いドアを唯為が押しやると、そこは高級車がズラリと並ぶ地下駐車場だった。入ってすぐ下の床に黄色のペンキでべったりと「B1」と書かれている。男は誰もいないことを素早く視線を走らせて確認した後、「いくぞ」と後ろに控えている朱姫に声を掛けた。
それにコクンと頷いて返事を返した少女はキッと表情を引き締める。

コツンコツン…
タッタッタ…

二人だけの足音が篭った地下に響き、唯為は周囲を伺った。
「冴那さん…いませんね」
朱姫が半歩遅れて唯為の後を追う形で歩いていた。あまり車に興味のない朱姫でも分かるような、ベンツ・ポルシェといった車が所狭しと陳列している。
そこでふいに唯為が足を止めた。脇に視線を取られていた朱姫は、それに気づくのに些か遅れ、男の背中にボスンと激突する。
「…沙倉さん?」
鼻頭を押さえながら、少女は男を仰ぎ見た。しかし、男の銀の瞳は前方、見据えている。
「?」

「お前は……」
前方から聞き慣れない声がコチラに向けられた。
ハッと少女は前を見る。男が三人――カーマインの部屋番号と思われる駐車スペースに立っていたのだ。朱姫は慌てて身を翻し間合いを取ろうとしたが、隣にいた唯為が動こうとはせず――寧ろ警戒心が微塵も感じられなかった。
逆に些か呆れ調に眉を顰めて、云う。
「何、やってんだお前」
相手の着物に身を包んだ綺麗な男――十桐朔羅<つづぎりさくら>は、まるで苦虫を噛み潰したような嫌な表情を見せ、フン、と視線をこちらから――否、唯為から外す。
「そっちこそ、何をしてる?」
妙に険悪な雰囲気だったが…唯為はそれを楽しんでいるかのようにも見えた。
そこで、朱姫は
「沙倉さん、お知り合いですか…?」
と、唯為の傍から顔を覗かす。
「ん? まぁな。俺の可愛い遊び相手」
唯為はニタリと微笑んで、その笑みを朔羅に向けた。勿論、朔羅の溜息も同時に返って来る。
「遊び相手?」と不思議そうに朔羅の顔を覗き込んだのは、人懐っこそうな笑顔が似合う細身の男――御堂譲<みどうゆずる>だ。朱姫もその問いに思いっきり頷きたいところだった。『遊び相手』というにしては、何やら微妙な空気がこの二人には流れている。しかし、二人の後ろにいた一人の青年――宮小路皇騎<みやこうじこうき>の「それよりだ…」という静かな声が、駐車場に響き、朱姫の詮索はそこで終了した。

「実は私たち…アトラスの人間です。今回妙な投稿があって、このマンションに調査を」
少女はそう云って、何やら不穏な空気が流れている場に、切り返すように説明を始めた。もちろん、麗香から聞いていた「駐車場にいる3人」の話も加えて。
「だろうな。そこの男とは、昼間にも会ったからな」
皇騎は視線を唯為に向け、そしてコチラに向って云った。そこで、唯為のふぅ、という何処ともなくヤル気のない溜息が頭上から落ちてくる。
「なるほど…読めたな。結局、俺たちがある意味最初に目をつけた『三人』はお前達…ゴーストネットの人間だった、ってわけか。…とすると、例の書き込みの占い師も…?」
唯為は顎に手を掛け、得意そうにふふん、と鼻をならした。視線はどうやら朔羅に向っている。
「……そのようだな」
逆に視線を向けられた朔羅は、ふっと視線を外し止められている車の方へと向けた。それをまるで補うかのように、譲が真剣な面持ちで唯為を見る。
「実は僕達は個々に調査をしてたんです。そしてその占い師を尾行してきたところなんですが……」
占い師…? 朱姫はふとその妙なキーワードが頭に引っかかった。先日書き込まれたというゴーストネットの『ざくろ石』。確か、アトラスに『カーマイン』名で投稿してきた件と同じ時期だった…。
そして、
「私…三人に接触することでカーマインの手がかりを探ろうって考えてここに一人で乗り込んで来た。でも、先に冴那さんが来てて…ここにいると思ったのに、いないんです。何かあったのじゃないかって、胸騒ぎがしてならない」
黒髪を揺らし、心底心配した面持ちで少女は俯いた。もしや、自分が潜入するときにカーマインに気づかれてしまったのでは?それで冴那が危険な目に会ってるのでは? そう思うと胸が締め付けられるほど苦しかった。

「私の調査では、占い師と称する男、占いをする前に必ず過去の出来事を、勝手に占うらしい。生年月日も名前も訊かず、ましてや手相を見るわけじゃない。それなのに言い当てるらしいな」
胡散臭い奴だ、と朔羅が小さく舌打ちを漏らした。
その科白に、
「占い師…何も聞かずに云い当てる、だと? そんな話があるか」
唯為は朔羅の科白に乱暴に答えると、ふと…唯為は何かを思い出したかのように

「『Mad Carmine』…」

そう呟いた。
「……それは本当です。僕は占い師という男と接触しましたけど、確かに僕を見ただけで過去を言い当てられました。あれは過去を読まれている、という感じの方がしっくりきます。そればかりか、僕の持つ竜胆の力も、薄々気づいているようでした」
穏やかな口調とは裏腹に、チリリ、と何処か怒りを孕んだ険しい表情で譲が加える。続いて皇騎も、
「私がゴーストネットの書き込みに精神干渉した際、そこには底知れぬ高揚感と幸福感、そして嘲笑う気配が感じ取れた。それに…ざくろ石というハンドルネーム。ガーネットという宝石の意味に、『勝利』という言葉があるのも少し気になるな」

「あの…単純に考えたんですけど、あなた達も占い師を追ってここに来たワケでしょう?もしかして、さっき沙倉さんが云った何とかってヤツと同一人物なんじゃあ…」
朱姫は誰もが大なり小なり感じていたその内容をサラリと云ってのけた。ココまで来て妙な勘ぐりは無用の長物に思えたからだ。
「だろうな。唯為が言っていた『カーマイン』も、こちらの書き込みに利用された『ざくろ石』も、同じ深い紅を現す言葉だ。同じ場所に集まること自体、同一人物としか考えられないだろう」
目線だけで唯為の存在を確認し、朔羅は朱姫の言葉に同意した。それに譲も頷き、皇騎も「やはりそれしか考えられまい」と朔羅に向って言葉を発した。

唯為は顎に手を掛けて4人が話す会話を膨張と…何処か遠くで聞いていた。掃除屋が云っていた科白が気になったからだ。
「俺達が思っている以上に…ヤツは危険かも知れないな」
左手に携えている妖刀・緋櫻に視線を落とした後、唯為は顔を上げた。
「ここで団子になってても仕方ない。こうなった以上手分けしてマッドな紅ヤローをどうにかしないと、な」
朱姫は男の科白にコクンと頷いた。とにもかくにも、ココまで来たら行動あるのみ。その場にいる全員が無言の合図のように目配せして頷いた。

「それじゃ、僕達は正面から行きましょう」

手にした日本刀・竜胆を一度鞘から抜いて、その刃を数秒見やった譲が静かに…そして低く云う。そして、その足は既にエントランスへと向かい、歩み出していた。
譲の姿を後方で見ていた二人も、無言のまま足を動かし出す。それは譲と同じエントランス方向だった。それぞれの靴音と共に…朱姫と唯為から三人が離れて行く。

「朔羅ッ」

不意に低く何処か…縋るような声が朔羅を呼び止めた。唯為だった。
「…気をつけろよ」
振り返った朔羅に唯為は銀色の眼を向けた。
そこには普段の余裕綽々とした男からは感じられない何かが宿っているようで、一瞬朔羅は息を…詰まらせた。
「十桐家の大事な跡取だ。間違っても無茶するなよ」
唯為はふと淋しげに笑う。朱姫は思わず顔を上げた。男の何とも云えぬ表情と纏った空気に自分も呼応して胸が痛かった。
彼は呼び止められ、その向こうで顔を歪ませて笑っている唯為に、何を言えばいいのか瞬時には対応出来ないでいた。ただ普段自分をからかう時には、絶対に見せないだろう表情だったのは、不意打ちとしか云いようが無かった。
朔羅は歩く足を止め、唯為に向き直ってふふ…と小さく笑みを浮かべる。
「その言葉。そっくり返そう。無茶はするなよ…大事な本家の当主なのだからな」
云うや否や二人に背を向け、朔羅は少し足早に、譲と皇騎の後ろを追った。
「沙倉さん…」
二人のやり取りを後ろで見ていた朱姫は、何故か自分までもが切ない気分になった。どうしてだろう? 調査を共にしてから唯為がこんな表情を見せるのは初めてだったからか。
朱姫は何とも云えぬ表情で男を仰いだ。すると、その視線に気づいた唯為がふっといつもの笑みを少女に向けて、頭をワシワシと掻いた。
「ほら、俺達はエレベーターから行くぞ。冴那が上で待ってるだろうからな」
あっという間に切り替えてしまった男に、逆に少女は毒素を抜かれてしまった。
「それにしても、掃除屋…遅いな」
唯為が思い出したかのように、呟くと…まるでそれが合図になったかのように、ウィーンと…エレベーターの方でドアが開く音がした。

「!」
唯為と朱姫は、音のしたエレベーターの方へ向って一目散に駆けた。
(来る――!)
空気がピリリと痙攣したかのような緊張感を帯びる。間違いない、ヤツだ…!
「朱姫、いいか…お前は間合いの外からヤツを狙え。迂闊に近寄るなよ!」
男の緊迫した声に朱姫はコクンと頷く。走りながら、手にしていた弓と背にしていた矢筒を整え臨戦態勢に入る。

――それは実に静かな始まりだった。


Scene-6 『 Confrontation 』

「こんばんは」

開口一番が男云った科白は実に穏やかで…愉悦を含んでいた。
長い――腰まである――赤毛を後ろで一つに束ね、暗いグレイのトレンチコートを羽織り。
その下にはキッチリと黒いネクタイを締め上げ、右手にはシルバーの杖を、左手には分厚いビリジアンの辞書のような本を抱えている。
180cm近くあるのか? 細身の長身…モデルのような、それでいて学者のような知的さが漂ってくる。

「――カーマイン…」

名を呼ばれた男は、恍惚とした表情を浮かべ二人に微笑む。
「おやおや、今日は千客万来ですね。上の彼女のお仲間、と云った所でしょうか…?」
全てを見透かしたような赤い瞳に朱姫はぶるっと背筋を振るわせた。
「冴那はどうした…」
唯為は低く男に問う。しかし、赤毛の男は愉快そうに本をさするだけで、何も答えなかった。代わりに、
「沙倉唯為。櫻家当主…表向きは能のとある流派の本家筋。しかし、裏ではその手にする日本刀・『緋櫻』を受け継ぐ妖狩り…」
ペラリ、と一枚ページを捲り、クスクスと声を立てて嗤った。
「そして後ろのお嬢さん。矢塚朱姫…弓道が好きな女子高生…。ん? 興味深いのは貴方の前世の方か」
もう一枚、ページを捲る。唯為と朱姫は男の科白に大きく眉を顰めた。まさに、さきほど聞いた『占い師』と同じだ。
――何を…何を元にこの男は『記憶』を読んでいる…?
「まぁいい…訊きたいことは腐るほどあるが、取り合えずお前をブチ倒してからということにしようか…」
唯為はそう云うと、手にしていた藤色の布に包まれた一振りの刀を横一文字に目の高さまで掲げる。

『櫻・唯威の名の元に、汝、緋櫻の戒めを解き放つ』

低く静かに唱えると、人差し指で『櫻・唯威』の文字を素早く書き記し、その文字が金色に――そしてそれが刀全体を覆うように光りだす…! 一瞬ににして円状の霊気がその刀から噴出したかのように駆け抜け、布が吹き飛び、男の前髪を大きく揺らした。
シュゥゥゥゥ…
まるで、その『緋櫻』自身が息づいてるかのように、白い霊気が刀身から立ち上る。
「カーマインサンとやら。アンタとはいいオトモダチになれそうな気がするな」
唯為はニッと笑みを顔に貼り付けると、タンッ!と床を蹴って男に挑みこんだ――!

両手を柄に掛け、男の肩口へとブチ込もうと唯為は力を込める。しかし、男はクス、と一つ微笑みを零し、一足飛びでその場を退いた。そして、スラリと杖から――細身のサーベルを抜いた。仕込み杖だ。
「いい刀だ。しかし…私に着いて来れますか?」
鞘となっていた杖を床に無造作に放り投げ、男は再び本を脇に抱える。
それを見た唯為は、
「俺を片手で相手しようだと…? 死ぬぞ、貴様」
「片手で足りなくなったらそのときは考えますよ」
それに、この本はとても大事でね、と男は付け加える。

唯為の中に虫唾が走った。
気絶程度に留めておいて後でイビってやろうと最初は考えていた。が、何やらこの男に対して制御し切れない感情が沸々と湧いてくる。こちらを挑発するようなあの口調、嗤い、そしてあの――燃えるような赤い髪。
手を額にあてる。瞳を一瞬閉じて、ゆっくりと開いた時…彼の瞳の色は何色か。
そのとき。

「沙倉さん、伏せてッ!」

後方からキリキリと弦を撓らせて、こちらへ矢を向ける――朱姫だ。
唯為はハッと我を取り戻し、身を翻して矢道を開ける。
ビュンと一筋の矢が唯為の脇を駆け抜け、男に向って走る――! しかし、男は愉快そうな笑みを口元に作ったまま動かなかった。逆に、
「飛び道具は危険だ…命取りになりかねませんよ? お嬢さん」
男の科白の通りだった。
矢は男の傍まで――厳密に云えばコートに触れるその直前に白い光を放ってぶつかった、と思うと軌道を先程とは反対に――少女に向って破魔の矢が勢いを増して一直線に弾かれたのだ。

「朱姫ッ、避けろッ!」

唯為の声が篭った暗い駐車場に響く。少女は何よりも、自分の矢が弾かれたことにショックを受けていた。
――足が竦む。
唯為は舌打ちと漏らし、床を蹴って朱姫の元へと届く前に矢を斬ってしまおうと踵を返す。が、ここからは有に数メートルはある。とても間に合いそうになかった――。


Scene-7 『 See you 』

「……ッ!」

少女が身じろいて、もうダメだとぎゅっと目を瞑ったその瞬間。フッと躯が浮かびあがる感触を覚えた。数秒経って、痛くない――むしろ右から聞こえる整った心音に朱姫はそろりと目を開く。
「掃除屋…」
唯為が驚きと共にホッとした声で名を呼んだ。
「折角の幕の内弁当がこれでは台無しだ」
つと、掃除屋は口を開くと、指に辛うじて引っ掛けていた三人前の幕の内弁当が入った袋を手に溜息をついた。少女が仰ぐと、自分を横に抱き上げてあの場所から逃げてくれた――男の蒼い髪が目に映った。白いコートに紅い瞳が涼しく光っている。
――この人…さっき、沙倉さんが云っていた麗香さんと知り合いって云う、掃除屋…?
朱姫はドクンドクンと未だ納まらぬ心臓の音に手をぎゅっと握り締めながら自分を抱かかえている男に視線を向けた。しかし、こう…抱かかえられる、という行為に慣れていない朱姫は、何処か逃げ出したい気分で――助けて貰ったのだが――顔を俯かせる。
「あ、あの…」
「ん? ああ、すまない」
少女が言葉を紡ぐ前に、掃除屋は彼女をストン、と床に降ろした。細い――背も朱姫と同じくらいの華奢な男だった。
「来るのが遅い。弁当もお前も、だ」
唯為は溜息を吐くと、掃除屋に視線を向けた。しかも、何てタイミングだ、と付け加える。掃除屋はさて? と肩を竦めると、弁当が入った袋を唯為に手渡した。
「ちゃんと食えよ」

「…クラインか…?」

三人から間を置いた、男からふいに言葉が発せられる。
「懐かしいな…五年ぶりか…」
一瞬和んだ空気もまたすぐに緊迫した物へと変わる。そして、男の科白に唯為とクラインと呼ばれた――掃除屋は振り返った。
「相変わらずくだらないことを仕出かしてるな…凝りもなく」
掃除屋は溜息を一つ落とした。その科白に唯為は掃除屋に視線を向けた。
「…知り合いか?」
「愛人です」
間髪入れず、男から返事が返って来る。朱姫は目を見開くだけだった。
「ギャグのセンスも相変わらず悪い…コイツはタダの商売敵だ」
また溜息を一つ零す。何処までが本当で何処からが嘘なのか唯為や朱姫には図りかねた。
「知っていたなら、何故云わなかった」
「云っただろう? 親切に。しかもタダで。…それに、まさか本気でコイツにお前達が接触を試みるとは思っていなかった」
「ヤツの能力については…」
「私だってまともには対峙したことがない。ハッキリ云ってアイツが嫌いだからだ。だから会わないようにここ五年も雲隠れしたと云うのに」
「記憶…私達の記憶が取られて…いえ、読まれてしまうんだ」
朱姫は少し眉を顰めて、掃除屋に云った。どんな能力を使っているのか、それがどういう仕組みなのか、皆目分からなかった。
「アイツはすぐ逃げる。殺るなら今だぞ。じゃないと、コピーされるだけならまだしも記憶を『完全に奪われたら』……『経験が少ない』と死ぬぞ」
低く云って、掃除屋は朱姫と唯為に向って云った。
「お前は?」
「私を雇うには前払いが必要だ」
「いくら必要なんだ」
「百万単位」
朱姫の問いと掃除屋の答えに唯為は絶句した。そして、そんなモン払えるか、と緋櫻をチャキリ、と鳴らして男の方を振り返った。
「掃除屋さんはアテにならんようなんでな…こっちで第2ラウンド、始めるか」
「同感」
コクン、と唯為と朱姫は頷いて同意すると男の方を振り返った。

――が、そこに男の姿はなかった。
「!」
「さっきまで、そこにいた筈なのに――!?」
唯為は緋櫻を片手に、先程まで男が笑みを浮かべて立っていた場所に走り寄った。
――馬鹿な、後ろは壁で何処かに行こうものなら、俺達の傍を抜けるしかない筈だ…!
集中してみると、あの特有な空気の緊迫感がない。朱姫は後ろを振り返った。
「掃除屋サンッ! カーマインは何処へ?!」
掃除屋は溜息を吐いて肩を竦めた。
「…だから云っただろう? アイツはすぐ逃げる、と」

「失礼な。逃げるんじゃありませんよ…まだ犬が表で騒いでおりますので、そのお相手を」

三人に強烈な白色のライトがあてられた。車のヘッドライトだ。明かりが点いていたと云ってもそこは駐車場。暗いことには違いない。そこにイキナリ光をあてられれば――眩しい所の話ではなった。
「カーマインッ!」
手を翳しながら唯為が叫ぶ。

「また、お会いしましょう」

相変わらずの愉悦を含んだその声で、男はこちらに向って言葉を投げると、アクセルを吹かした。朱姫と掃除屋の傍を乱暴に駆け抜ける――ルーフCTRだ。
シルバーグリーンのボディの中に、赤毛の男が座っているのがチラリと確認できる。
「くッ!」
少女は手にしていた弓で通り過ぎた車に向って矢を放とうとしたが、遠く小さくなる車に、その矢は放たれることはなかった――


Epilogue 『 The End of Beginning 』

少女は今回の事件の結果報告をする為に、月刊アトラス編集部へと向っていた。チン、という音と共にエレベーターを降りて、ふと俯いていた視線を前に向けると、ふふ、と笑みを浮かべる冴那がいた。
「冴那さん!」
朱姫はぱぁっと表情を明るくさせて、女の元に駆け寄る。
「大丈夫ですか? 体…あんまり無茶はしない方が…」
心配そうな表情で、少女は少しばかり背の高い女を仰いだ。
「心配しなくても、大したことはなくてよ。それより、貴方にも唯為にも怪我がなくて良かったわ」
冴那はそう云うと、トン、と光が差し込む出窓の角に背を預けた。やはり、何処か辛そうだ、と朱姫は思った。
「…アノ男…カーマイン。また会おう、って云っていた…これで終わりじゃないんでしょうか?」
その科白に女は何処か遠い目をして、
「さぁ、どうかしらね…イカれたヤツだから、考えもつかないわ…」
と呟く。
結局、ゴーストネットの人間達も、アイツに逃げられた所か惨敗に帰した。あんなに余裕顔をしているのに、まるで…隙がなかった。
口元に手をあてて思案している朱姫に、冴那は頭を撫でる。
「今から考えたって、何も始まらないわ。考えるのは、『次』が起きてからにしなくて?」
クス、と冴那は微笑む。
「そうだな…そうですね」
朱姫もニッと笑った。例え…それが気休めだと分かっていても、少女も女もこの心のうちにズシンと残る不安と怒りが払拭できなくても、今から考えた所でどうしようもないことは明白だった。
「あ、そうだ。この近くに美味しいパフェのお店、見つけたんだ! 麗香さんへの報告は後回しにして、先に食べに行きませんか?!」
猫のような屈託のない笑顔で朱姫は云う。
「まぁ、いいわね。貴方の奢り?」
「…学生からお金取る気……?」
嘘よ、私の奢りで行きましょう、と冴那が返すと、二人はエレベーターに向って歩いていった。

<都内某所>

「今回は実に…楽しめましたね…」
クス、と嗤ってワイングラスを傾ける赤毛の男。
「記憶は帰してしまいましたが…あれを是非ともコンプリートしたい…」
恍惚とした表情で、全面ガラス張りの窓から、狂った都――東京を見下ろす。その口元からは愉悦と湧き上がる残忍な嘲笑が消えることはなかった――


Fin or To be Continued...?


□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0733 / 沙倉・唯為 / 男 / 27 / 妖狩り】
【0376 / 巳主神・冴那 / 女 / 600 / ペットショップオーナー】
【0550 / 矢塚・朱姫 / 女 / 17 / 高校生】

□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■         ライター通信          ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□

* 初めまして、本依頼担当ライターの相馬冬果(そうまとうか)と申します。
 この度は、東京怪談・月刊アトラス編集部からの依頼を受けて頂きありがとうございました。
* 今回の依頼は東京怪談・ゴーストネットOFFから同時にオープンしました、佐和美峰ライターの
 『狂気の宴〜ゴーストネットバスターズ〜』とのリンクシナリオとなっております。
* 時間の経過とカーマインとの接触が今回のメインテーマになっておりますので、
 他の参加者の方は勿論、佐和ライターが執筆されたゴーストネットの参加者の方の
 ノベルにも目を通して頂くと、より一層楽しんで頂けると思います。
* 犯人である『カーマイン』も含めて、今回の依頼は両ライターが練りに練って生み出した
 作品ですので、皆さまのご期待に添えられることを願っております。
* 注:『カーマイン』は佐和ライターと相馬の共通NPCとなっておりますが、
 それぞれのライターの世界に居住し、パラレル構造を持っておりますのでご了承下さいませ。


≪矢塚 朱姫 様≫
 初のご参加、ありがとうございます。
 意志の強いプレイングがとても印象的でした。
 最初の弓を放つシーンから、とてもいいテンポで書かせて頂きましたが如何でしたでしょうか?
 話の展開から矢塚さんのクールさが終盤に行くにつれて、書ききれていないことが
 とても残念です…。申し訳ありません。
 それでは、またの依頼でお会い出来ますことを願って…。
 

 相馬