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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


狂喜の宴〜ゴーストネットバスターズ〜

◇OPENING

「犬と猫……追い掛けられるのは鼠か、はたまた人間か…」
 机に捨て置かれている雑誌と、ディスプレイに浮かぶ文字を眺めて、一人の男がぽつりと呟いた。
 自分の考え付いたことが実に面白そうで、退屈させない自信があったからだ。
 男は深紅に染まる瞳を薄めると、ディスプレイに並ぶ文字を指先でなぞる。
「行き着く先に待っているのは、真綿で首を絞めるような苦痛に似た快楽に他ならない。フフフッ…」
 その口元に小さな笑みを湛え、無邪気な子供が悪戯を思い付いたように男は微笑んだ。

名前:ざくろ石に夢みし者
件名:貴方は知っているでしょうか?
とある人物に接した人々が、次々と記憶を無くしているということを。
その者は街角で占い師と称して、人々に接近しているそうです。
どうか貴方のお力で、その人物を探し出して、人々の記憶を取り戻して下さい。
そして何故そのようなことをしたのか、確かめて下さい。
とある人物を探し出すのは簡単でしょうが、接触する際にはそれ相当の能力が、必要となることでしょう。
またその人物を追うとなれば「貴方も追われることになる」ということだけは、肝に銘じておいて下さい。

「さてどんな人間が、私のところまで辿り着くのでしょうか」
 そう口にして、男は新規に書き込まれた内容を確かめることなく、椅子から立ち上がる。
 そして長い深紅の髪をひと房手にし、唇を寄せてから窓の外に広がる夜景を眺めた。
 これから始まる愉しい時間が、待ち遠しくてしょうがない。
「さぁ、宴の始まりです。宴には沢山の人がいないと愉しくありません」
 男は恍惚の表情を崩すことなく、机に置きっぱなしになっていた1冊の雑誌へと手を伸ばす。
『特集!ストーカーの魔の手は、すぐそこに!!/月刊アトラス編集部』
「こちらからはどんな人間が、愉しませてくれるのでしょうね」
 雑誌を握り潰したまま、男は再度椅子に腰を下ろすと、プツッとパソコンの電源をオフにした。

 ──狂喜に満ちた一つの宴が、紅い色に染め上げられながら始まろうとしていた…──

◇SCENE.1-宮小路皇騎/興味と行動

「奇妙な書き込みだな」
 皇騎は自室のパソコンの前で、ゴーストネットに書き込まれた内容を眺めていた。
 これは何かあるな。
 そう直感した皇騎は、この書き込みを調査する為、モニターを見つめていた目を細めて、心当たりのサイトへとアクセスする。
 そこでこの占い師について、何か情報はないか見て回ることにしたのだ。
 こういう内容を扱うのは、何もゴーストネットだけじゃない。この日本だけでも、それ相応のサイトが開設されているものだ。
 最初の数件ではそれらしい情報は見られなかったが、それでも根気良くネットを探し続けた。
 何処かに、この占い師の情報はないのか。
「いや、こういう話題は、必ず何処かで話されているものだ」
 モニターと睨めっこをしながら、自分に言い聞かせるように呟き、皇騎はまた違う場所へと検索を試みる。
 そして次に辿り着いたサイトで、漸く皇騎が望む占い師の情報を目撃した。
 日付はまだ新しく、1週間程前の書き込み。内容はゴーストネットに書き込みされていたのと類似していて、占ってもらうと必ず記憶を失うらしい、というものだった。
「やはり詳しい情報はないか…」
 皇騎はポツリと洩らしつつも、モニターを見つめながら他の書き込みにも目を向ける。
 そして何とか情報と言えそうなものを、3つ発見した。
 まず最初の書き込みにあった『占ってもらうと、必ず記憶を失う』こと。
 2つ目は『裏路地に周期的にお店を出している』こと。
 そして3つ目は『その素性は誰も知らない』ということだった。
「まぁ、占い師の素性など、普通は知り得んな」
 情報を頭に入れながら、今度は違う角度から情報収集でもするか、と皇騎はまたパチパチとキーを叩き、大規模な検索エンジンへアクセスした。
 ゴーストネットの書き込みに利用されたハンドルネームが、どこか引っ掛かっていたのだ。
 どうしてこんな名前で書き込んだのか。それも意味ありげな名前で、だ。
「ざくろ石……別名ガーネットか……」
 この宝石に、どんな意味が込められている?
 皇騎はモニターに映し出されたサイトを、椅子に寄り掛かりながら一つ一つ丁寧に確認していく。何かヒントが隠されているかもしれない、と心の中で思ったのだ。
「ガーネット…友愛…真実………そして勝利……か」
 ガーネットという宝石の意味は、そんな言葉で綴られていた。
「これでは判らんな」
 仕方あるまい、と小さく息を吐くと、皇騎は最初に眺めいてたゴーストネットを表示する。
 あまりネットで情報が得られなかった今、己の能力の一つで情報収集をした方がよさそうだ。
 皇騎は手の平をモニターに翳し、瞳をゆっくりと閉じる。
 そして手の平に意識を集中させたかと思うと、一気に精神を手の平に溜め込んだ。
 ネットワークの中に精神だけを送り込み、この書き込みをした人物の思念を探る。
 残留思念と呼ばれるそれは、ネットワークの構造と同じように、様々な人間の思いで張り巡らされていた。
 そこから”ざくろ石に夢みし者”という、ハンドルネームを使用している人間の思念に触れた時、皇騎は眉根を寄せて眉間を顰める。
「なんだ……これは……」
 皇騎の中に流れ込んでくる思念。
 それは書き込み内容とは、正反対の感情そのものだった。負の感情と表現するのは、語弊があるだろう。
 皇騎の心に流れ込んでくるのは、幸福感に伴う高揚感。それは書き込みをしている間中、ずっと続いている大元のようだ。
 そして嘲笑う様が見えたかと思うと、”さぁ見つけてごらんなさい”という言葉だけが、延々繰り返されている。
「これだけじゃ判らんな…」
 低く呟き、皇騎は翳していた手の形を変え、指先を胸の前で立てた。
 そしてそれをシュンッとモニターに向けた瞬間、そこからダミー─身代符─がネットワーク内に侵入する。
「この者の元へ導け」
 皇騎の言葉に従うように、ダミーはネットワーク内を移動し始めた。
 残留思念を追い、見えてくるのはクスクスと笑う姿に、紅い……紅いもの。それに続くように、相手の思念には裏路地らしき場所から見る風景が広がる。
「これは、占い師が構えている店か?」
 他にはないか。何かもっと詳しい情報が知りたいのだ。
 皇騎はダミーを使って、相手の元へと辿り着こうと試みた。
 しかし紅いものが間近に迫ったところで、いきなり相手の思念が自分に向けられるのを確認する。
『そんなところからじゃなく、私の場所までいらっしゃい』
 笑う姿で、そんなことを口ずさむ。
「マズイ…な」
 皇騎は不敵な笑みを湛える相手から急ぎダミーを戻し、ネットワークからの干渉を解除した。
 残留思念だけで、ここまで強い反応があるということは、このままにしておくわけにはいかない。
 椅子に掛けていた上着を掴み、皇騎は部屋を急ぎ後にした。

 街中を歩き、先程見えた場所が何処なのか、皇騎は記憶を頼りに歩き続ける。街はいつも通り、穏やかな空気が流れていた。
 なるべく大通りから外れた場所を探してみるが、どうにもあの時見えた景色は広がってこない。
 この辺りじゃないのか?
 そんな思いが皇騎の胸に芽生えた時、不意に「赤毛」という言葉と「記憶コレクター」という言葉が耳に届く。見れば男二人がこそこそと、言葉を交わしているようだ。
 それに少し耳を傾けていた皇騎だが、話しを聞けば聞くほど二人の会話が、無関係には思えなかった。
 見えた紅いものは髪の毛なのか。
 それに記憶も何やら関係しているらしい。
「気になるな」
 皇騎は二人の位置から見えないように移動すると、そっと物陰から伺い見る。
 そして二人が移動するのを、距離を取りながら後を追った。二人は皇騎の存在に気づくことなく歩き続けると、見覚えのある看板の建物へと消えていく。
 そこに二人が入って行くのを確認して、皇騎は入り口の前で立ち止まった。
「……ゴーストネット」
 どうやら二人の話していたことと、自身が調査していることは関係がありそうだな。
 皇騎はふっとシニカルな笑みを浮かべた後、足を建物へ向けて歩いて行く。
 中は比較的空いていて、人探しにはさして苦労しそうにない。案の定、まずはあの二人を探すことが先決だ、と白いコートの男を捜していた皇騎の前に、あっさりと二人の姿は発見出来た。
「もしやと思うが…貴方達も、何か”調査”をしているのか?」
 唐突に後ろから話し掛けた為、振り返った二人は少しばかり驚いた顔をする。
「そうだが…お前は?」
「失礼。私は宮小路皇騎。先ほどのお二方の会話を少し聞いてしまい…もしや、こちらの事件とも関わりがあるのでは?、と思ってな」
 返答を聞いた一人の青年が、皇騎を下から上まで見てきた。警戒されているのだろう。
 まぁこれくらいは、仕方あるまい、と皇騎も気にせず、相手が反応するのを待つ。
「まぁ、取り合えずそっちの話を訊くことにするか」
 肩を竦ませたポーズを取り、青年は皇騎を横を通り過ぎる。
 どうやら御眼鏡には、かなったようだ。
「で? ゴーストネットでは何が起きている?」
 近くにあった椅子に腰掛けた青年が、足を組みながら尋ねてきた。
 それに皇騎は横にある椅子に腰掛けてからパソコンを起動させる。その後ろでは白いコートの男が、皇騎が起動させたパソコンのモニターを覗き込んできた。
「俺の知り合いは『人を追いながら自分も追われる』とか訳の分からん事を言っていたか。もしかして…」
「そうだ…今回のコチラの事件の発端は『占い師』。先日の書き込みは知っているだろう?あの書き込みから普通でない――こう何かその裏に隠れる血生臭いものを感じ取った」
 皇騎は言ってブラウザを起動させると、あの書き込みを表示する。
「だから、私はネットから情報収集を徹底的に行い、占い師の元まで辿り着けたら、と思っていたのだが……」
 言いながら掲示板の情報をハッキングしてみる。
 これはさっきはしなかったことだが、なんとなく身元に関係するものはないか、と表示してみたのだ。
 しかしそこには思ってみなかった、膨大な文字列が浮かび上がってきた。
 何が書かれているのかは判らないそれに、皇騎と青年は眉間に皺を寄せる。
「何だ、これは」
「…フランス…いや違う、ドイツ語、だな…コレは」
 二人がモニターに唸り出すと、後ろから通る声がした。

「『狂喜の宴へようこそ。私は今回の宴が実に楽しくて仕方がない。さぁて、貴方方は私に辿り着くことが出来ますか?私はワイン片手に貴方方が真実を見出すことを心待ちにしてますよ』」

 その言葉に、皇騎と青年はハッとする。
 そして振り返った先では、紅い瞳をしたもう一人の男が、冷めたい空気を纏ってモニターを眺めている。
「おい…掃除屋。お前、何か知っているのか」
「それに…これはただ翻訳すればいいってものじゃない。何文字ものダミーの羅列によって綴られる一種の暗号だ…」
 簡単に言葉にした男は何事もなかったように、コートの胸ポケットに差していたサングラスを取り出し、静かにそれをかけた。
「さぁ?取り合えず読めたから読んでみただけだ。…私には他にも仕事がある。夜にでも差し入れしてやるから、後は自分達で程よく頑張れ」
 手を振ることも無く、男はさっさと店外に出て、雑踏に消えて行く。
 それを見ていた皇騎は言い知れぬものを感じ、青年に何かを言うでもなく出口へと向かう。銀色をした瞳の青年も何も言ってはこなかった。
 ただ「のちに出会うかもしれんな」と、何処かで予感するものを残してはいたが……。

「兎に角、私は占い師の場所へ行かねばな。話しはそれからだ」
 コツコツと靴音を鳴らし、それらしい裏路地を探す。
 歩いて、歩いて、漸く見つけたそこには──…すでに先客が居た。
 紅い髪をした男の前に、茶色の髪をした高校生くらいの少年。
 そして周囲を見渡してみれば、鋭い視線をその二人に向けている和装で銀髪をした青年が、壁に寄り掛かって立っている。
「どうやら私の同行者は、あの二人のようだな」
 暫く観察することにした皇騎だったが、占い師から向けられた挑戦的な視線と、立ち上がった少年を目にして、止めていた足を動かした。
 別方向から和装の青年が近づいてくるのを目の端で気に留めつつ、皇騎は少年の肩に手を置いた。

◇SCENE.2-ゴーストの3人組/尾行と思案

「誰だ」
 譲の怪訝そうな声がすると、二人の青年は譲と負けない程の先鋭な視線を占い師へと向けたのち、こちらへと視線を移す。
「私は十桐朔羅(つづぎり・さくら)。ゴーストネットの書き込みを見て、調査をしている」
 銀髪というには少し色が抜け過ぎて、白髪に見えなくもない頭髪に、透けるような肌という表現がピッタリくるような、色白の肌を持った青年が挨拶をした。
「奇遇だな。私もゴーストネットの書き込みについて調査している、宮小路皇騎(みやこうじ・こうき)という者だ。君は?」
 長い黒髪を後ろで束ね、外見は涼やかな表情ながら、何処か人間的余裕を漂わせた青年が挨拶をする。
 その皇騎に尋ねられた茶色の髪に蒼い瞳をした青年は、二人へ向き直って軽く会釈をした。
「僕は御堂譲(みどう・ゆずる)。同じようにゴーストネットの書き込みに、興味を持ったんですが…」
 そこで譲は口を噤(つぐ)んで、先程接触した人物へと視線を戻す。
「何か気になることでもあったのか?」
「気になる、と言えば気になることなんですが、それが的を得ているか、と言えばまだ断言出来ないんですよ」
「どういうことだ」
 朔羅は先程二人を見ていて、途中から譲の態度が強張ったように見えたのを思い出した。
 それが関係しているのだろうか。
 しかし考え込んでいた朔羅の耳に、「動くみたいだ」という皇騎の言葉が聞こえて、占い師の動向を見つめる。言葉通り、これから何処かへ移動するのか、男はコートを翻して颯爽と歩き出していた。
「どうしますか?僕はあの男を、尾行してみるつもりですけど」
 譲はギュッと持っている真剣の鞘を握り直し、二人の意思を確認する。
「私も行こう。どうもあの書き込みをした人物と、あの男が同一人物に思えてならん」
「十桐さんは、どうします?」
「………私も共に行動しよう」
 急ぎ決断した三人の眼は、ある一人の男へと向けられ、そして尾行は開始された。

 男は雑踏を抜けると、まるで三人を誘うように緩やかな速度で移動して行く。恐らく尾行されていることには気づいているはずなのに、男は結して撒こうとはしなかった。
「どういうつもりだ」
 冷静さを欠かない程度に、苛立たしそうな皇騎の声がする。
 隣りの譲も険しい表情を浮かべているところからして、皇騎と同じように思っているのかもしれない。逆に全くと言っていいほど、表情に変化がないのは朔羅だった。
 しかし朔羅が何も感じていないわけではない。表情こそ崩してはいないが、男の行動には聊か理解しがたいものがあるのだ。
 それを言葉にするなら…───
「このまま私達を、案内するつもりでしょうね」
 至極単純な答えが口から出た。
「……そういうことだろうな」
「僕達は尾行させられている、ってことですね」
 繁華街から外れ、徐々に住宅街へと景色が移ろいで行く中、占い師の足は1戸の高級そうなマンションへと向けられる。
 時刻は夕暮れを過ぎ、街が夜の顔を覗かし始める頃。マンションのエントランスには、淡い色をした照明が付けられていた。
 男は自室と思われる番号が書かれたポストから郵便物を取り出し、オートロックの施錠を外して中へと消えて行く。
 ──…どうやら此処が、占い師の住居であることは明白だった。
「このまま入りますか?」
 一旦入り口で足を止め、譲が他の二人に尋ねる。部屋番号は郵便受けから察しが付いていたし、尾行させていたのならオートロックを解除することも考えられたからだ。
 しかしそれを皇騎が、即座に否定した。
「否。いきなり接触するのは危険だと思うが」
「…………そうだな」
 続くように朔羅も入ることを拒む。
 このまま入るのは、男の手の上で踊らされているような気がした。それに罠かもしれない。尾行させるくらいなのだ。何か考えがあると思う方が、利口ってものだろう。
「深追いは”危険”ってことですね……」
 それに譲も部屋番号を押し掛けていた手を引き、エントランスから数歩後退する。
「取り合えず、何処かに移動した方がいいな。此処では目立つ」
「というと?」
「………此処の地下駐車場はどうだ」
 ポツリと朔羅が口にした。
「そうだな。そこも調べた方がいいだろう。あの男が車を所有している可能性もある」
 朔羅の言葉をキッカケに三人はその場を離れ、地下駐車場へ向かうことにした。
 けれど到着したそこには、優に100台くらいは入るだろう広さに、ズラリと高級外車が並んで駐車してある。右を見ても左を見ても、見えてくるのはポルシェやフェラーリといったスポーツカーや、ベンツばかりだ。
 この中で三人は左右に分かれ、あの占い師のルームナンバーと同じ駐車スペースを探す。
「確か……××××号室だったな」
 コンクリートに埋め込まれたナンバーを注意深く確認しながら、朔羅は順序良く車を探して行った。
 分かれて探している所為か、スペースを探すことは、そんなに手間取らないで見つかりそうだ。
 徐々に近づいてくる駐車スペースのナンバーに、朔羅は一台一台車の方も確認していく。
 そして漸く目的の駐車スペースを発見した朔羅は、他の場所を探していた二人を呼び寄せた。
 そこには一台の車が駐車されている。
「これは……確か……イエローバード……CTRか」
 随分と珍しい車だな、と俯き加減で考えそうになった朔羅の前に、思わぬ人物達が車の陰から姿を現し、視線と視線がぶつかった。

その頃───…
 高級マンションの一室で、コートを脱いだ男が独りグラスを傾ける。中に入っているのは深い紅をしたビンテージもののワイン。デカンタされていなくても、充分味わいのあるワインだ。
 ワイングラスに口を付け、コクリと喉奥に通した後、男は声高らかに笑い出す。
「くっくっく…はっはっは!愉快だよ、本当に愉快だ。猫も三匹、犬も三匹。さぁ皆さん!!私を愉しませて下さい!!」
 深紅の長い髪をパサリと払い除け、男は一人愉快そうに口元を歪ませる。

◇SCENE.3-ゴースト&アトラスの3人組

「お前は……」
 朔羅は驚いたように、相手を見つめた。そこに己にとって、あまり歓迎できない人物を発見したからだった。
「何、やってんだお前」
「そっちこそ、何をしてる?」
 眉を顰めて呆れたように問うてきた人物を目の前に、朔羅はこれでもかというくらい”出会いたくなかった”という顔をして、フンッと視線を外す。朔羅にとっては、腐れ縁としか言いようがない人物、それが目の前にいる沙倉唯為(さくら・ゆい)なのだ。
「沙倉さん、お知り合いですか…?」
 そんな二人の様子をキョロキョロと見ていた少女、矢塚朱姫(やつか・あけひ)が不思議顔で唯為を見上げた。
 すると唯為は意味ありげな笑みを浮かべて、朔羅へと視線を向ける。勿論、その視線の意味に気づいた朔羅は、ハァと溜息を洩らすしかなかった。
 この人は昔からこうだったな。
 諦めに似た胸中とはこのことだろう、とこの時朔羅は心底思う。
「ん?まぁな。俺の可愛い遊び相手」
「遊び相手?」
 不思議そうに、譲が朔羅の顔を覗き込んだ。
 二人にそんな雰囲気は伺い見れないし、なんとなくだが仲が良いようには見えなかったのだ。
 とそこに皇騎の「それよりだ…」という、静かな声が駐車場に響く。
 ここで自己紹介をしている暇はない、という思い故、少々声のトーンが低くなってしまった。
 けれど何を仕掛けてくるか判らない相手だけに、談笑していることは得策ではないはずだ。
 その思いが相手にも伝わったのか、今会ったばかりの矢塚朱姫が口を開く。
「実は私たち…アトラスの人間です。今回妙な投稿があって、このマンションに調査を」
 張り詰めた空気が広がる中、少女が自分達が此処にいる理由を語り出す。そこにはアトラス編集部の編集長、碇麗香から既に「駐車場にいる3人」と話しがあったことも伝えられた。
「だろうな。そこの男とは、昼間も会ったからな」
 と皇騎はチラリと男へ視線を向け、直ぐに朱姫へと視線を戻す。
「なるほど…読めたな。結局、俺たちがある意味最初に目をつけた『3人』はお前達…ゴーストネットの人間だった、ってわけか。とすると、例の書き込みの占い師も…?」
 唯為は顎に手を持っていき、鼻高々という表現が合うような態度を示しながら、朔羅を見つめていた。
「……そのようだな」
 朔羅はその視線を業と無視するように、目の前の車に視線を向ける。
 やはり唯為の馴れ馴れしい態度は、苦手な部類に入るらしい。
 そんな二人の様子をフォローするつもりはないが、譲が真剣な面持ちで唯為を見た。
「実は……僕達は個々に、調査をしてたんです。そしてその占い師を、尾行してきたところなんですが……」
 譲はまだ自分達が調査してきたことを、お互いに言い合っていないことに気づき、皇騎へ体を半歩向けた。
 それに察するものがあったのか、朱姫が話し始める。
「私…3人に接触することでカーマインの手がかりを探ろうって考えてここに一人で乗り込んで来た。でも、先に冴那さんが来てて…ここにいると思ったのに、いないんです。何かあったのじゃないかって、胸騒ぎがしてならない」
 長い髪をサラリと揺らしながら、朱姫は先に来た人物を案じてか俯いてしまう。
「私の調査では、占い師と称する男、占いをする前に必ず過去の出来事を、勝手に占うらしい。生年月日も名前も訊かず、ましてや手相を見るわけじゃない。それなのに言い当てるらしいな」
 胡散臭い奴だ、と今度は朔羅が小さく舌打ちをした。
「占い師…何も聞かずに云い当てる、だと?そんな話があるか」
 顔見知りであるが故か、朔羅の調査内容に、口調を聊か荒げた唯為の声がする。
 けれどそのまま直ぐに黙り込み、目線だけは朔羅に向けつつ、何やら考え込む姿勢を取り始めた。
 そしてその思案の最中、唯為が呟いた「『Mad Carmine』…」という言葉が漏れる。
 言葉を聞き取った譲は、チラリと視線を向けた後、占い師と接触した時の嫌な感じを思い出した。嫌なというより、気味が悪いとでもいうようなカンジ。
 それを胸中に収め、譲は重い口を開いた。
「……それは本当です。僕は占い師という男と接触しましたけど、確かに僕を見ただけで過去を言い当てられました。あれは過去を読まれている、という感じの方がしっくりきます。そればかりか、僕の持つ竜胆の力も、薄々気づいているようでした」
 口調とは裏腹に、譲の表情は固く険しいものになる。
 それほど相手に対する疑念が、強いのかもしれない。
「私がゴーストネットの書き込みに精神干渉した際、そこには底知れぬ高揚感と幸福感、そして嘲笑う気配が感じ取れた。それに…ざくろ石というハンドルネーム。ガーネットという宝石の意味に、『勝利』という言葉があるのも少し気になるな」
 譲に続いて、皇騎は誰を見るわけでもなく言葉を紡ぐ。
 それは己に対しても、再確認する行為でもあった。
 そして……各々言い合ったところで、結論は一つ──…。
「あの…単純に考えたんですけど、あなた達も占い師を追ってここに来たワケでしょう? もしかして、さっき沙倉さんが云った何とかってヤツと同一人物なんじゃあ…」
 此処に居る全員が感じていた思いを、朱姫がハッキリとした口調で言い放つ。
 もう全てを語り尽くしたのだ。それ以外に答えはない。
「だろうな。唯為が言っていた『カーマイン』も、こちらの書き込みに利用された『ざくろ石』も、同じ深い紅を現す言葉だ。同じ場所に集まること自体、同一人物としか考えられないだろう」
 目線だけで唯為の存在を認め、朔羅は朱姫の言葉に同意する。
 それに譲は頷き、皇騎も「やはりそれしか考えられまい」と、朔羅に向けて言葉を投げ掛けた。
 と此処まで黙って聞いていた唯為が、一旦自身の持つ刀に視線を落としたのち、顔を上げて自信タップリの表情を皆に見せる。考えが纏まったらしい。
「ここで団子になってても仕方ない。こうなった以上手分けしてマッドな紅ヤローをどうにかしないと、な」
 そう口にした言葉に、朱姫が力強く頷くと、全員がそれを合図にしたように軽く頷いて見せた。
 後は各々あの男を、追い詰めればいいのだ。いいや、追い詰めなくてはいけないのだ。
「それじゃ、僕達は正面から行きましょう」
 手にした竜胆を一度鞘から抜き、その刃を数秒見やった譲が、決意表明でもするように言葉にする。その足は既にエントランスへと向かい、歩み出していた。
 譲の姿を後方で見ていた二人も、無言のまま足を動かし出す。
 それは譲と同じエントランス方向だ。
 皇騎の革靴が鳴らす音と、朔羅の草鞋が鳴らす音が次第に二人から離れていく。

 その時──…
「朔羅ッ」
 突然朔羅は唯為に呼び止められた。その声はまるで子供が母親に置いてかれそうになって、不安を露にするような縋る声。
 そんな声色に驚いたまま、目だけで相手を見ていた朔羅の耳に届いたのは、
「…気をつけろよ」
 という身を案じる言葉。
 そこには普段の余裕が感じられず、別の思いが宿っているようで一瞬朔羅は、ウッ、と息を詰まらせる。
「十桐家の大事な跡取だ。間違っても無茶するなよ」
 言った本人である唯為の表情が、どこか寂しげに見える。唯為自身も何故こんな思いに支配されたのか、よく判ってはいない。
 嫌な予感が、胸一杯に広がっていったのだ。
 それに対し、呼び止められた朔羅は、その向こうで顔を歪ませて笑っている唯為に、何を言えばいいのか瞬時には対応出来なかった。
 ただ普段自分をからかう時には、絶対に見せないだろう表情だったのは、不意打ちとしか言いようが無い。これでは自分も唯為に言葉を掛けなくてはならないではないか。
 なるべくなら関わり合いになりたくないと思っていたのに、最後の最後でそれは卑怯だと心の中で舌打ちをした。
 だが──…
 朔羅は歩く足を止め、唯為に向き直ってふふ…と小さく笑みを浮かべる。
「その言葉。そっくり返そう。無茶はするなよ…大事な本家の当主なのだからな」
 言うや否やくるりと背を向け、朔羅は遅れを取った距離を取り戻すように、皇騎の後ろを付いて行った。
 その後ろで朱姫の呟きが聞こえたような気がしたが、朔羅は気持ちを入れ替えるように凛々しい顔つきになる。
 が何か気になり、もう一度チラリと振り返った先で、いつもの唯為を垣間見ることが出来た。
「どうかしたんですか?」
 朔羅の動きに譲が尋ねる。
「いや……。私達は私達のことをしなくてはな」
「あぁ……そうだな」
 三人は揃い、正面入り口へと歩いて行った。

◇SCENE.4-占い師との対峙

 アトラス編集部から依頼を受けた二人と別れ、三人はエントランスのある表へと向かうことにした。車があるということは、このマンション内にまだいるということになる。インターフォンを鳴らして、相手が部屋にいればラッキー。後はアトラスの方から得た情報と、こちらの情報から相手の真意を探ればいいのだ。
 尾行直後同様、譲が一歩前に行き、入り口脇にあるコールボタンをルームナンバーを確認しながら押していく。
 そして『CALL』ボタンを押すと、Luー、Luーと部屋を呼び出す音が聞こえてきた。
 3回、4回、5回…とコール音は聞こえてくるが、部屋に居るはずの男からの応答はない。
「おかしいな…」
 譲は一度切ってから、再度部屋への呼び出しをしてみるが、全く返答がなかった。
 とその時、地下駐車場から、大きな排気音が聞こえてくる。
「これは確か……」
「あの男の車です!」
「急ごう。此処で逃げられるわけにはいかん」
 その言葉にエントランスから走り出した譲は、丁度出てきた車の目前に飛び出す形になった。
「待てッ!」
 両手を左右に広げ、道を塞ぐ格好を取ったことで、車は道路に出る一歩手前で停止する。
 とガチャリと運転席のドアが開き、中から一人の男が姿を現す。──占い師と名乗る男だ。
 真っ紅な髪をサラリと流し、薄手の黒っぽいコートを身に纏う。そして手にはシルバー色の杖らしきものを握り締め、厚みのある本を一冊抱えていた。
 こうして見てみると、男が占い師だなんて誰も思わないだろう。見た目派手だが学者………もしくはモデルという風体だ。
「おや……」
「貴方に訊きたいことがある」
 譲の横にやって来た皇騎が、男にキツイ眼差しを向ける。
「貴方は……確かそこのボウヤを占っている時に、私を見ていた人ですね。…っとそちらの銀髪の彼も、私を見ていましたね」
「…………」
 一歩遅れて譲の横に並んだ朔羅を見つつ、男は至極冷静に言葉を返した。
 けれどこの時の三人の眼は、視線で相手を傷付けることが出来るくらい、研ぎ澄まされたナイフのような鋭さで相手を睨み付けている。
 普通なら怯んでしまい、ここまで冷静でいられるわけがない。
 それくらい三人の眼は、先鋭的だった。
 しかし男はその眼差しすらもお見通しだったのか、いきなりクックック…、と喉を鳴らして笑い出す。
「猫の次は犬ですか……。本当に貴方達は、私を愉しませてくれる」
「どういう意味だ。それより真意を教えてもらおう」
「真意?そんなものは、一つしかありません。………愉しいからですよ。人の持つ記憶と呼ばれる部分を奪うことも愉しいが、こうして私を追ってくる人間が現われることも、愉しくて仕方がない」
 男の口角が、ニヤリと上がる。
「てめぇ…」
 その物言いに、譲は持っていた竜胆の鞘を抜き、相手へ向かって軽く斬りかかった。とはいえ本人を斬るのではなく、その悪気を斬り付けるつもりで切っ先を向けたのだ。
 だがそれをひらりとかわした男は、次の瞬間には手にした杖を竹刀のように握り直して、譲の鳩尾を叩き付ける。
「ぐっ…」
 膝を付いてその場に崩れ落ちる譲に、男は余裕の笑みを浮かべて譲へと視線を向けた。
「刀という物は、”斬る”のではなく”叩く”ものなんですよ。よく覚えておくことですね。ってそれは、そういう使い方じゃないんでしたっけ。これは失礼…」
 ククク…と、男がまた笑みを洩らす。
 それを見ていた皇騎は胸の前で印を組むと、ブツブツと聞き取りにくい言葉を発し始めた。そして言い終わると同時に光の網が、男目掛けて飛んで行く。皇騎の持つ術の一つ、『羂索』である。
 しかし男はコートで全身を覆い隠すと、その網を弾き飛ばして消し去ってしまったのだ。
「どういうことだ。何故、弾くことが出来る…」
 それに驚いた顔をしたまま、皇騎はギロリと男を睨み付ける。何故ならこの術は、不動明王の力を用いたもので、そうそう弾かれるようなものではない。普通の者なら、簡単に捕らえることが出来る術だからである。
「このコートには結界が張られているんですよ。糸一本、一本にしっかりと……ね。ですから私自身を、どうこうすることは出来ません」
 残念でしたね、と男は涼しい顔をして、コートを払い除けた。
 譲の竜胆は相手に避けられ、皇騎の羂索は弾き消されてしまった。
 残るのは朔羅の能力のみ。
 自然、男の視線が朔羅へと向けられ、表情が待ち望んでいるように見て取れる。
 今迄言葉すら発しないで見ていた朔羅は、男が浮かべる薄笑いに対抗して、自身も口元に小さな笑みを浮かべた。
「あなた自身には何かをすることは出来ない。ということは、内面ならどうにかなる、という可能性があるな」
「やってみますか?貴方の能力で」
「そうだな……」
 朔羅は口元に指先を持っていき、小さな声で言葉を紡ぐと、スーッと指先を男に向けて差し向けた。その眼は笑みを浮かべた顔からは想像も出来ない程、冷たい色を覗かせている。
「ふ……何を………っと──このノイズはなんだ!?」
「力の方向を変えただけだ。あなたの思考を乱しているに過ぎんがな」
「なるほど……これは面白い能力だ……だが……」
 男は何かを振り払う仕草をした後、ニタリとした笑みを朔羅へと向けた。それだけで己の力が消え去ったのを、朔羅は感じる。
「これくらいなら、どうとでもなりますね。しかし……実に面白い!!貴方達の能力は、実に面白いものでしたよ」
「何が言いたい」
 まだ鳩尾を手で押さえているが、なんとか立ち上がった譲が相手に問う。すると男の手がすぅと本を開き、何やら書き込まれたページを数枚手にした。
「今日はとても愉しい時間を過ごせました。そんな時間を提供してくれた貴方達の能力に免じて、奪った記憶をお返ししましょう。まぁこんなのは、前座に過ぎなかったのですがね」
「人の記憶をなんだと思っている」
「記憶?そんなものは、どうでもいいんですよ。記憶なぞ、あってもなくても人間は生きていけるものです。なければまた作ることが出来るし、あれば過去に囚われ続けることになります。私はね、そんな記憶や感情というもので遊ぶのが、大好きなんですよ」
「愉しむ。ただそれだけの為に、記憶を奪ったというのか」
 普段なら何事にも乱されることなく振舞う皇騎が、手の平を強く握り締めて男を睨み付ける。
「その通りですよ。さてそろそろお別れです。いずれ又、何処かでお会いしましょう」
 言葉が終わるや否や、男が手にしていたページを破り取り、それらを空高くに舞い散らせる。ヒラヒラと紙が道路に撒き散らされ、一瞬三人の眼がそれらに向けられた。
 瞬間──…
 地響きに似た排気音が、聞こえてくる。
 ハッと三人は、男が居た場所へと視線を向けるが、時既に遅し。
 気づいた時には譲の横をすり抜けるように、一台の車が闇夜へと消え去る姿だけが目に入る。

 舞い散る紙に書かれた文字は、徐々に薄く見えにくくなり、最後には消えてなくなった。

 それから暫くして、記憶を無くしてしまった人達が、記憶を取り戻したという情報が、ゴーストネットの掲示板に書き込まれる。その情報から記憶を奪われた人達は、今では普通に生活しているらしいことが伺い知れた。

 けれど占い師と称していた男の存在は、そのまま煙のように消えてなくなり、噂すら耳にしなくなる。

『また会いましょう』
 の言葉だけを残して───…

◇SCENE.5-宮小路皇騎/独自調査と、男の行方

 カタカタカタ、とキーを叩きつつ目はモニターに向けて、皇騎はパソコンデスクの前に居た。
 今しているのは、陸運局へのハッキング。占い師と称していた人物が乗っていた、車について調べているところだった。
 しかし……。
「該当者及び、該当車種ナシ……か」
 そんなことだろう、と予測していたとはいえ、男の乗っていた車はナンバー登録されておらず、それどころかそのナンバー自体が登録されていないのだ。
 車に付けられていたナンバーは偽造されたものと判り、車から男の素性を探ることは断念するしかない。
 皇騎はふぅと一回息を吐き、今度はモニターをまた違う画面へと変え、カタカタ…とキーを叩く。
 たぶんこちらも駄目だろうがな。
 そんなことを考えてみるが、やってみないことには判らない。
 次に皇騎がハッキングしたのは、あのマンションの管理システムと銀行の預金名簿データ、そして役所の住民登録データだった。
 あのマンションはどうやら賃貸していたらしく、家賃を払うには大抵銀行引き落としを利用する。そこから名前が割り出せるかもしれない、と思ったのだ。
 1%程度の期待を込めて。
「………こちらも予想通りか」
 けれどエンターキーを押して出てきたのは、該当者ナシ。預金通帳から調べた名前では、住民登録されていなかった。
「恐らく通帳はATM機の横にある、郵送で通帳が作れてしまうシステムを利用したのか」
 今は身分証明書を添付しないと作れない場合があるが、少し前なら身分証明書を添付せずとも通帳が作れた。きっとその頃に作った通帳だったのだろう。
「これであの男の行方を、掴むことは出来ないか…」
 男の行方は判らないが、きっと何処かでまた何かをしようと企んでいるに違いない。
 また会うことがあれば──…
「私がガーネットに、相応しい者になろう」
 依頼には成功したものの、皇騎は歯痒い思いを胸に部屋から出て行く。
 皇騎が消えた部屋では、パソコンのモニターに一つの言葉が映し出されていた。

 ガーネット……勝利──…

 FIN or TO BE CONTINUED.....?

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0461】宮小路・皇騎(みやこうじ・こうき)/男/20歳
→大学生(財閥御曹司・陰陽師)
【0579】十桐・朔羅(つづぎり・さくら)/男/23歳
→言霊使い
【0588】御堂・譲(みどう・ゆずる)/男/17歳
→高校生

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■         ライター通信          ■
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東京怪談「狂喜の宴〜ゴーストネットバスターズ〜」にご参加下さり、ありがとうございました。
ライターを担当しました佐和美峰と申します。
作成した作品は、少しでもお客様の意図したものになっていたでしょうか?

::今回は全部で5シーンあり、SCENE.3は月刊アトラス編集部
より出ている「狂喜の宴〜Mad Carmine〜」とのリンクシナリオということで、
あちらの依頼と共通部分となっています。(勿論文章は違いますが)
::プレイング傾向が皆さん同じ方向だったので、バッチリでした!
::この話しに登場した自称:占い師ですが、今後も登場予定のあるNPCです。
 ので最後は『終わり か 続く』という表現をしました。
 ただこの依頼自体が続く、ということではありません(^^;;
::個人的にたぶん初めてに近い「どシリアス」な作品だった為、
 まだまだ不甲斐ない場面もあったかと思います。

この作品に対して、何か思うところがあれば、何なりとお申し出下さい。
これからの調査依頼に役立てたいと思います。

***宮小路・皇騎さま
初めてのご参加、ありがとうございます。
今回、冒頭の個別部分でアトラス編集部の方と少しだけ絡んで頂きました。
それと”ざくろ石”という言葉に着目して下さり、嬉しかったです。
残念ながら占い師は、取り逃がす形になってしまいましたが、宮小路さんの能力が劣っているわけではありませんので(汗)
また能力(羂索など)について、違うと思われたらご指摘下さい。
それではまたお会い出来るよう、精進致します。