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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


『ウエディング・プラン』

------<オープニング>--------------------------------------
●恋人たちのクリスマスイブ
12月24日
「由紀、誕生日おめでとう」水城は由紀に小さな箱を渡した。
「わー、あけてもいいかな?」水城はそれをきき軽くうなずいたので
由紀は嬉しそうにプレゼントをあけた。
「素敵なネックレスね」由紀が嬉しそうにするので水城は由紀に
ネックレスをさっそくつけてあげた。
「似合うかなー?」由紀は嬉しそうに言った。
「ああ、由紀似合ってるよ」水城はうなずきながら言った。
ありふれた中の幸せな恋人たちの一組の当たり前のクリスマスイブ。
最高のシュツエーションの雪。
「綺麗だね、雪〜♪」由紀は子供のように無邪気にくるくる回る。
「お前と同じ名前だな。」水城もそんな由紀を見てつられるように楽しさを
感じていた。
「ねー水城、ジュンブライドって素敵よね。」由紀が突然言い出した。
「なんで、六月なんだ?」水城は疑問に思った。
「六月はね家庭と結婚を司る女神、ZUNO(ジュノー)の守護月だから
6月に結婚すると女神の祝福を受けて幸せになるんだって。」
由紀は幸せそうに言った。
「由紀・・じゃー俺たち6月に結婚するか?」
「え?・・・うん・・」由紀の顔から笑顔がこぼれた。
その時だった『きぃぃーーーー』雪で滑った車が由紀にぶつかった。

―――-6月―――
題名:『ジュンブライド』
『こんにちは。月島水城といいます。彼女であった由紀が交通事故で
亡くなって5ヶ月ほど経ちました。
彼女と6月のジュンブライドで結婚を約束しました。
俺は今でも由紀の事を愛しています。
霊を見えるものの影響を受けて霊を見る能力がつくことをよく聞きます。
どうか、由紀を探してくださいませんか?そして俺は彼女と結婚式を挙げたいんです。』


●花嫁
「ゆゆちゃん、走ったらあぶないよ?」七森・沙耶(ななもり・さや)が
心配そうに言った。
「大丈夫だよ。」鈴代・ゆゆ(すずしろ・ゆゆ)がなんともかわいらしい
笑顔で答えた。
「あれですね、水城さんの家は・・」神坐生・守矢(かんざき・もりや)が発見した。
指定された家は多分別荘であろう。だいぶ森の中に来たし、それに家はでかいが
窓から見える限り家具や物が少ないことからそう思えるだろう。
「あれ?あれが由紀さんじゃないですか?」秋月・霞波(あきづき・かなみ)
が指を指した。
そこにいたのは長い髪に長い白い服のスカートを身にまとっていた。
シンプルな格好ではあるがその白い肌が彼女をいっそう引き立てており誰もが
見とれてしまうほどだ。
「きれいねー」慧蓮・エーリエル(えれん・えーりえる)がついつい言葉に
出てしまった。
依頼者の水城にも会わないといけないため一行は二手に分かれた。
「あなたが由紀さん?」慎が近づいて尋ねた。
『え?・・あっ!はい、そうです。桃矢由紀です』どうやら彼女が由紀らしい。
彼女は以外と明るくおしとやかにみえたが見た目よりずっと笑うと
人なつっこそうでかわいらしい。
しかし時々ぼーとしぐさを取り、なんだか抜けた感じが見られるときがある。
「結婚式!いいなぁ・・」ゆゆが口にだした。
『えっ?』突然の言葉に由紀はびっくりした。
「不思議な結婚式ね…でも、素敵だと思わない?斗南。死が二人を分かつまで、
じゃなくて死してなおよね。強い愛ね。私達も結婚式のお手伝いしましょう」
エーリエルが共の黒猫の斗南のほほをすすりながら言った。
「死をもってしても、二人の絆を裂くことはできない、か・・・」
慎もそんな2人に敬意と尊敬を抱いた。


●花婿
「あれ?あの人じゃない?」沙耶が一人の男性らしき人を発見した。
由紀に劣らないくらいきれいな人だ。長いまつげに綺麗な二重、色白の肌に少し
女まじりの入った顔をしていて王子様というよりお姫様というのも
似合ってしまうくらいだ。
「あの、あなたが水城さんですか?」守矢は水城らしき人に声をかけた。
「えっ?あ、君たちがお手伝いしてくれる人だね。俺は水島水城、
今日はよろしくな。」すっと手をのばし守夜と沙耶と霞波と笑顔で握手を交わした。
「水城さん、結婚式ちょっと悲しい式だけどお手伝いします。自分にも思い人いる
しその気持ち、分かります」霞波が言った。
「私もその気持ち分かります。私もそのくらい大切に思える人、思ってくれる人と
出会いたいです。今は兄なんですけどね」
沙耶は少し照れくさそうに言った。
「ええ、最愛の女性と添い遂げたい気持ちは痛いほど分かりますし
ボクもお手伝いしますよ」守夜もちゃんと理解していた。
本当のところを言うと成仏してあげたほうがいいのかもしれない・・
しかし2人の絆は大きいし、きっとお互いに後悔してしまう。
それなら最高の結婚式にしてあげたい・・皆、似たようなことを思ってここに
来ているだろう。
「あっ、由紀には会った?」水城は優しい笑顔でこちらに尋ねてきた。
「ええ、会いました。とっても美しい方ですね」霞波が水城の質問に答えた。
「由紀、ぼーとしてなかった?時々ぼーとしているんだ、でも話してみたら
そうでもないから安心して」水城は由紀の事をたくさん知っているようだ。
「水城さん、向こうに他の皆が由紀さんといるんです、
だからそちらに行きませんか?」沙耶が他の皆と会わす為に誘った。
「そうだな、ちゃんと俺も挨拶しておきたいから・・」
水城たちは由紀たちがいる方に足を傾けた。


●安らぎの気を与える者たち
『・・・私は水城のこと苦しめてないかな?』由紀が突然いいだした。
「え?どうして?」ゆゆが首をかしげながら不思議そうに聞いた。
ゴーストネットの掲示板を見る限り水城が由紀の事を好きで大切に思っていることが
十分と言っていいほど伝わってくる。
だからその質問が一同は不思議でたまらなかった。
『私はあの人の幸せを願ってる・・だからほかの人と結婚してもかまわないと
思っています。けど本当の事言うとその感情は7割だと思うの。
後の3割は嫉妬で邪魔している・・・』
由紀の目からは今にも涙か流れてしまいそうなほど追い詰められている
心があった。
「それはいい事と、とって見てもいいとおもうわ」エーリエルが答えた。
「そうだな。それだけ水城さんの事好きなんだよ。
それに由紀さんのこと本当に好きだと思うな」慎も迷いなく告げた。
「うん、お姉さんが人間だからとか幽霊だからとか水城さんには関係ないと
思うよ。水城さんはお姉ちゃんのことが好きなんだよ。」
ゆゆが由紀の頭をなでながら言った。
由紀は今まで気づかなかったがあることに気づいた。
「あ・・この森の空気・・穏やかになってる」由紀のことがよく分かっていない
3人だが由紀にはちゃんと理解できていた。
それは6人がここを訪れる前までいろんな魂の憎しみや悲しみが少量ではあるが
森を騒がせていた。しかし6人が訪れてからその魂たちが成仏されている。
簡単にいえば今までたくさんの霊に会い説得をしたりしているうちに
生まれてくる免疫のせいか霊たちは安心しているのだろう。
つまり6人が放つものは【安らぎの気】こういっても間違えではないだろう。

―――「お兄ちゃん〜!!」向こうから叫んでいるのは水城を連れて来た
沙耶の声だ。
その聞き覚えがある声に慎はそくざに反応した。
「おおー、沙耶!!」慎は声だけで大体分かっていたためすぐに反応を示した。
「この方が水城さんです」守矢が水城を紹介する形で言った。
当然のことながら初対面の3人(ゆゆ、慎、エーリエル)もまた水城の
可愛らしさとかっこよさがまじった顔に少し見とれてしまうかのように
少し照れた。
「こんにちは、月島水城です。今日はよろしくお願いします」
水城は楽しそうに言った。


●ウエディング・プラン「それぞれの準備」
――花嫁――
「わぁーゆゆちゃん、ここ支えてくれるかなー?」沙耶がゆゆに由紀の
おめかしを手伝ってもらえるように頼んだ。
「んーーここら辺でいい?」ゆゆは小さな体と手で由紀の髪の固定をした。
「うん、そこだよ。とめるね」そういうと沙耶はピンを使って髪を固定した。
そして霞波が机の上から一本のマーガレットを持ってきて、茎を慣れた
手つきで上手に切り髪の上につけた。
「真実の愛、花言葉ですよ」実は霞波は花屋である。
「私、ちょっと外行って来るね」ゆゆが個室を後にしようとしたとき
「私も・・ブーケ、作ってきますね」と言いゆゆと同時に個室を出た。
そして沙耶は最後の仕上げのメイクを始めた。
『・・・どうかなー?私綺麗になってるのかしら?』
由紀は目を閉じてメイクをしてもらいながら尋ねた。
「メイクっていうのは美しさをさらに美しくしてくれるだけじゃなくって
自分に自信がもてるものなんですよ。それを生かすかは腕しだいって言うのも
ありますけどね・・」沙耶は少し笑いながら言った。
そして数分してメイクが完了した。
「目をあけていいですよ」沙耶がそういうと由紀はゆっくりと目を開けた。
『すごい・・・なんか・・違う世界を見てるみたい・・』由紀の不思議そうで
嬉しそうな顔に沙耶もつられて微笑んだ。
そしてちょうどその時エーリエルが入ってきた。
なんとパールを基調にしたティアラや首飾りを用意していた。
『わー素敵。え?これを私に?』エーリエルは微笑みながら軽くうなずいた。
そして由紀は嬉しそうにティアラをつけた。
「それとこの不思議な新郎新婦にマリッジリングを提供するわ。
この世界中にただ二つ、二人の為だけにある指輪よ・・」
そしてそのうちの一つを由紀に手渡した。
そしてうらには名前が刻まれておりそれと「Kaether」という文字も
刻まれていた。
兼宝飾デザイナーであるエーリエルが簡単にいえば特注で作ってくれたのだ。
「似合ってます、由紀さん」沙耶も由紀の姿に感動をしていた。
『ありがとうございます、エーリエルさん、沙耶さん』
由紀は皆に感謝をしていた。
――花婿――
「よし、こんなもんだろ」慎が一言言い放った。
「あれですね、やはり女性と違って少し簡単ですね」守矢が言った。
着替えをおえた水城はを椅子から上へと2人を見上げていた。
「あ、僕ブーケの準備があるので行って来ますね」そういうと守矢はいそいそと
個室を後にした。
「さーて、最後の仕上げをするか〜」慎が腕を伸ばしながら言った。
その瞬間水城はびっくりした。「え?終わりじゃないのか?」
「なにいってるんだよ、男は髪型一つで変わるんだぞ!」
慎は少し指摘するように言った。
そういうと慎は水城のこちらを向いていた顔をきゅっと鏡のほうへ向けた。
「心配するなって、俺が一番の水城さんを引き出してやるから」
そして慎は真剣な顔で水城の髪を鏡とてらし合わせながらワックスなどを
使って整え始めた。
――隣の部屋――
隣の部屋では守矢と水城がブライダル用にアレンジしたものと特に
レンギョウの花を入れたブーケを作っていた。
そのため花言葉はお手のものである。
また守矢も花屋でありフラワーコーディネーターの資格を持っているため
ブーケは2人で力をあわせて作っていた。
「レンギョウの花を多めにいれときましょ?」
そういうと霞波はお花を選びレンギョを多めにして束ねた。
「叶えられた希望・・ですよね?」守矢が霞波からお花を受け取った。
「そうですよ」2人はお花の事をよく知っているため話が合うのは当然のようだ。
「ラウンドブーケとライダルどっちがいいとおもいますか?」
守矢が尋ねた。
「そうですねー・・やはり、ライダル用がいいとおもいます」霞波が答えた。
そしてライダル用に慣れた手つきで守矢が形を整えた。
―――通路――
「ランラン〜♪」楽しそうにゆゆは花婿の個室へ向かっていた。
ちょうどその時開いた窓のところに猫が居た。
「猫?」ゆゆは不思議そうに首をかしげた。大切に手入れされている綺麗な
黒猫だ。
「こっち、おいで?」ゆゆが猫を招き寄せた。
猫は最初は警戒していたがゆゆの優しい気配を察知したのかすぐに近づいてきた。
ゆゆは猫が近くに来て気づいたがどうやらエーリエルの黒猫の斗南のようだ。
「あっ!斗南だ〜!!」ゆゆが大声をだすと斗南がびっくりして逃げてしまった。
「わぁー」ゆゆは急いでおいかけた。
しかし途中で見失ってしまったようだ。
「あれ?ここどこ?」ゆゆは無我夢中で追いかけたため道が分からなくなった。
ゆゆは不安という感情が心の中をうごめいた。
「・・斗・・南?」ゆゆの声が震えていた。
『なかないで?』そこに居たのは霊ではないが妖精だった。
ゆゆ自身が妖精であるため、もちろん妖精を見る事ができる。
『あっちよ』妖精が指差すほうをみるとそこには斗南がいた。
走った性で疲れたのか眠ってしまった。
「斗南・・」ゆゆは安心したせいか斗南の前でぺたんっと座り込んでしまった。


●ウエディング・プラン「輝く道」
「ゆゆちゃん、どこにいってたの?」エーリエルが心配そうに聞いた。
「斗南と遊んでたの」あの後ゆゆは森の妖精たちに道を案内してもらった。
「ゆゆ、大丈夫だったか?森は迷いやすいって水城さんがいってたぞ!」
慎は水城さんから地図を送られてきた時に追伸として森の事が書かれていた。
「うん、森が味方してくれてるから」ゆゆの言葉に2人は首を傾げたが
ゆゆはうれしそうに2人を見上げた。
「由紀さん、これを・・」沙耶は兄からもらった大切な十字架のペンダントを
貸す事にした。
『まー、素敵ね、貸してくれるのですか?』
由紀は嬉しそうに沙耶に着けてもらった。
「それからこれも・・これはサムシングフォーの一つサムシングボロー、
借りたもの・・つまり『あなたと周りの人たちで分かち合う幸せ』という意味です。
友人から借りたものなんですけどね」
沙耶がそういうと由紀は涙目になってしまった。
そしてそれを受け取った。
「花嫁さんの用意は完了ですね」エーリエルが周りを見渡した後由紀を見て言った。
「花婿さんは会場で待ってます」守矢が言った。
「では、花嫁様どーぞこちらへ」霞波がドアを開けた。
「由紀さん、ブーケです」守矢が由紀に手渡した。
そして由紀はそれを受け取りブーケの花の匂いを嗅いだ。
「ありがとうございます・・まー・・素敵なブーケ。いい匂いです。」
由紀は嬉しそうにブーケを握り締めた。
そして由紀は一歩一歩まるで光り輝く道を見ているかのような感覚を受けていた。

●ウエディング・プラン「大切な人」
『「ギィィーー」』大きなドアが開いた。光輝くなかでまっているのは水城だ。
由紀は不安になってしまった。これがもし幻で触れることのできない
水城だったら・・という不安がうごめいた。
「由紀さん」沙耶が微笑で由紀さんにただその一言だけ言って由紀を見ている。
『・・・』由紀はその笑顔を見て自信を持ったようだ。
拍手の中由紀は入っていった。
「えい、」ゆゆは由紀の歩く道にジュータンのような光る道を見せた。
輝くチャペル、晴れ渡った空ありったけの祝福、そして周りにはたくさんの
紫と赤のチューリップを咲かる幻影を作り出した。
赤には『愛の告白』紫には『永遠の愛』という意味をもっている。
ゆゆは事前に守矢と霞波に聞いていたためこの花を選んだのだ。
「おめでとうございます!」エーリエルが第一声を放った
「おめでとうございます。水城さん、由紀さん、これ私からのお祝いです。
うらやましいなぁ☆」そういうと霞波は由紀が死んでる人なので少し悲しそうな
顔で水使いの力をいかして水を降らせて、二人のために虹を作り出す演出をした。
それを見た2人は感動を覚えた。
「おめでとう」慎は笑顔で2人を見た。
「お姉ちゃん、お兄ちゃん、きれいだよ」ゆゆもみとれながら拍手をした。
「おめでとうございます」守矢も2人を優しい目で向かえた。
「由紀さん、おめでとうございます」沙耶が後ろから言った。
由紀は一瞬動揺したがすぐに笑顔で『はい!』と今までで一番の笑顔と声を出した。
そして由紀は一歩一歩確かめるように歩き水城の元へ行き立ち止まった。
「由紀・・」水城は笑顔で由紀に手を伸ばした。由紀はまだ少し不安が残っている
のか少々震えながら手をだそうとしたが途中で止まってしまった。
しかし、水城は自分から一歩前にでて由紀の手を引っ張った。
「大丈夫、俺はここにいる」水城はやはり由紀の事をよく分かっていた。
「すてきね、あんなに心が通じ合って」エーリエルが言った。
隣にいた霞波が「そうですね、私もそう思います。あんなに心がつながっている
なんていいですよね、さっきまで由紀さんが霊だから・・って
少し悲しく感じていたのに・・今は違う感情が湧いてきました」
と共感した。
またそれを聞いていた守矢も同じように共感していた。
「そうですね、由紀さんも水城さんもお互いに信頼して、お互いに理解できて
最高のカップルですよね。」守矢は2人を見ながら言った。
――誓約――
牧師役として慎が右側の通路を通って祭壇の前に進んだ。
「月島水城、神の定めに従って・・いのちの限り、かたく節操を守ることを
誓いますか。」慎は長々と聖書を読みこなした。
「はい、誓います!」水城は真剣な顔で答えた。
「では、桃矢由紀、神の定めに従って・・・」慎が再び読み始めた。
『はい、誓います』由紀も真剣な顔で答えた。
――指輪の交換――
エーリエルが慎重に指輪を2人の前に微笑をしながら差し出して、
「どーぞ」とエーリエルが2人に声をかけた。
そして水城が由紀の指輪を取り由紀の指にはめた。
それから由紀も同じように水城の手に指輪をはめた。
その瞬間を見ていた沙耶が感動して涙目になった。
「すごいよね、すごく感動しちゃうな・・・」
守矢と霞波とゆゆも沙耶の気持ちが分かる。
「うん、私もあんなふうになりたいな」ゆゆはニコニコしながら答えた。
「ええ、私も感動です。こんなまじかで本当にお互いに愛し合っている2人を
見ることができて」
霞波も涙をこらえ、声をふるわせながら言った。
「2人とも、なかないでくださいね。僕も心にきてますよ」
守矢は笑顔で言った。
――誓いのキス――
「それでは、誓いのキスを」慎はうまく順序を進めていく。
そして水城は由紀の額に軽くキスをした。
由紀は少し照れながらも幸せそうに喜んでいる。
それをみた6人も自然と笑顔がこぼれた。
そして力の限り盛大な拍手をおくった。
――ブーケは誰の手に?!!――
そして由紀が自分の手に持っていたブーケを持ち替えた。
『いきますよ!』そういうと由紀は高々と投げた。
そしてマジックのようにブーケの数がみるみる増えた。
そして、沙耶、ゆゆ、エーリエル、霞波、女性陣たちの元全員の元に来た。
「へっ?!!」霞波が驚いた。「まぁー」エーリエルも驚いた。
もちろんそれは皆同じだ。
『私は幽霊、けど皆はこれから・・・だから皆に未来があるんですよ』
由紀はそう言ってトリックを明かさなかった。
――写真撮影――
「おーい、皆撮るぞ!」慎がカメラの準備をして待っていた。
守矢が真ん中に水城と由紀を誘導した。
(心中:水城さんと由紀さん・・緊張してるのか?)慎は少し考えてから
「はい、撮るぞ!」慎はセットしてから走ってきて沙耶の隣(端っこ)に並んだ。
「二人を見ていると、『永遠』というものを信じられる気がするよ」
水城と由紀に言った。2人はそれをきいて思わず笑顔がこぼれた。
沙耶はおもわず慎のほうを見ようとしたが写真撮影のため向くことが
できなかったが慎がどんな表情で言ったかは沙耶はおそらく理解しているだろう。
3・・2・・1「カシャ!!」シャッターが自動的に下りた。
「わー、目つぶってないかしらー?」エーリエルが少し心配する。
「私も、少し眩しくってつぶってしまったかもしれません」
霞波も心配そうだ。

こうしてすばらしい一日が過ぎ去った。

●その後
「ゆゆちゃん」ゆゆの名前を呼んだのは由紀だ。そして近づくと守矢もいた。
「お姉さん、どうしたの?」ゆゆは笑顔で尋ねた。
「うん、ブーケのお手伝いありがとうって伝えたくって」
実はゆゆと守矢の協力の元、実行されたトリックなのだ。
それは事前にブーケを数だけ作っておきゆゆの幻で一つにみせていたのだ。
そのためブーケを持ち換えたという動作を行ったわけだ。
そして投げたときに幻を解いたというトリックだ。
「ううん、どういたしまして。お姉さん、幸せになってね」
ゆゆはお礼を言われたことが嬉しくててれながら答えた。
「ありがとう、ゆゆちゃん。」
由紀はゆゆの頭を撫でながら笑顔で答えた。
――1週間後――
二通の手紙が届いた。一通目は慎からだった。
ゆゆは急いでベランダで中身を開封してみると写真が入っていた。
それは式の時に撮った集合写真を始めいろいろな写真が入っていた。
食事でご飯をほほばってるいる写真や笑顔で写ってる写真や水城に
抱っこしてもらい由紀と撮ったまるで家族みたいな写真も入っていた。
それに慎や沙耶、エーリエルや霞波や守矢と写っている写真などもあった。
それからもう一通を開封してみると水城さんと由紀さんのその後
の写真だった。とても穏やかで幸せそうな写真だ。
「お姉さんも、お兄さんも幸せそう・・」ゆゆは写真を長いこと見つめた。
そしてベランダの涼しい風を受けながらゆゆは結婚式の事を思い出していた。
こうしてゆゆはウエディング・プランナーとしての依頼を無事にこなした。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0230/七森・沙耶(ななもり・さや)/女/17/高校生
0565/七森・慎(ななもり・しん)/27/男/陰陽師
0564/神坐生・守矢/(かんざき・もりや)/23/男/花屋
0428/鈴代・ゆゆ/(すずしろ・ゆゆ)/10/女/鈴蘭の精
0696/秋月・霞波/(あきづき・かなみ)/21/女/自営業
0487/慧蓮・エーリエル/(えれん・えーりえる)/500/女/
旅行者(兼宝飾デザイナー)
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■         ライター通信          ■
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こんにちは。ライターを担当させていただいた葵桜です。
沙耶さん、慎さん今回も依頼を引き受けてくださって
本当にありがとうございます。
守矢さん、ゆゆさん、霞波さん、エーリエルさん、葵桜の
担当する依頼を受けていただきありがとうございました。
2人の結婚式はどうでしたか?
ジュンブライドは私も憧れているものなんですよ。
いつか、水城や由紀のようなお互いに愛し合って結婚したい
ものです。