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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


本当は恐ろしい君と僕の童話 第二幕『サンドリヨン』

 第一場 トンネルでドレスを脱がされた裸の継母

 興信所に行くなど、そもそも僕の本意ではなかった。
 切っ掛けは、突然の――そして余りに残酷な――親友喪失で精神失調を来たし、僕が勤務するT大学附属病院精神科を訪れた、一人の外来患者だ。

 八日前――二十代の若者5名(女2、男3)が、馴染みの飲食店を目指し、夜の池袋市街を徘徊していた。だがどうした訳か、人影も無い見知らぬ歩行者用地下通路に迷い込む。
 天井が低く、電灯の切れ掛かったそのトンネルに入った時、
「『ここ、何か感じる』とR子が言った」(E男(23)談)
 Y子(21)(因みに彼女が僕の患者だ)によると、親友の(つまり、この後死ぬことになる)R子(21)は昔から「そういうのが分かっちゃう人」だったらしい。
 霊感という妄想形態を取ったその自己愛は、だが今度ばかりは、地震前の動物の様な電気的異常への違和感が関与していたのかも知れない――ふと目をやった携帯電話が、
「デタラメな字が並んで、何やっても全然ダメ」(K男(23)談)
 という状態だった。
 そして、光射す出口前の角を曲がった時、彼らはそれが街明かりでないことに気付いた。外が見えないほど眩しいその巨大な光は彼らの目を眩ませ、それから約40分間、彼らの記憶は中断する。

 40分後の午後22時58分。歓楽街を北東方面に逸れた路上に集団で倒れていた彼らを、巡回中の警察官が発見、保護した。彼らの話とは裏腹に、昏倒の理由は目的の飲食店での泥酔であると、従業員の証言等から推測された。第一、そんな歩行者用通路など、付近に存在しなかった。
 但し、R子の姿が無かったため、警官が暫く辺りを見回ったものの見付からず、先に帰ったものと判断された――最も、それだけなら、そもそも警察も飲食店員に証言を取る必要は無い。

 翌午前07時27分、変わり果てたR子の死体が発見された。現場は、昨夜の路上から北西に1kmほどの工事現場敷地内。衣服は着ておらず、指紋と歯の治療痕からR子本人と確認された。顔で識別することは肉親でも不可能な――いや、肉親には決して見せられないような状態だった。

 興信所に行くなど、そもそも僕の本意ではなかった――まして、「怪奇探偵」だなんて。
 だが、患者がそんな場所に相談するのを、見過ごす訳にはいかない。結局、Y子を説得し切れず、僕が代行することで譲歩してしまった。
 ただ僕自身、病院でR子の司法解剖時の写真を――まだ執刀前にも関わらず、鋭利なメスのような切口で内臓や眼球を奪われたその死体を――見て以来、Y子達の記憶が幻想でないことを、感じ始めていた。

 第二場 浦島太郎はタイムマシンに乗せられて

「おまえもとうとう捜査一課か。大したもんだ。捜査一課ったらあれだぞ、刑事の花形だ」
 マルボロを口の端に咥えた四十過ぎの顔が、デスクの上の鳥カゴを覗き込んだまま、背後のソファに座る神経質そうなスーツの男に言った。
「何言ってるんですか陣内さん、全然感心して無いくせに。それに花形ってのは強行犯係でしょう。私は一課って言っても火災犯ですから」
 その日、陣内探偵事務所を訪れたのは、以前警察官をしていた頃の「陣内 十蔵(ジンナイ ジュウゾウ)」の後輩――「堤(ツツミ)」という三十半ばの刑事だった。
「それにしたって、一課に変わりはねぇさ。とくりゃあ、次はインターポールか」
「勘弁して下さい。ICPOはないですよ。本店来たって友人減っただけなんですから」
「それで、こんなモンを押し付けるのが、俺しか居なかったと――」
 陣内は堤の方に向き直りながら、鳥カゴを小突く。カゴの中の九官鳥が、「ガァ」と鳴いた。
「お願いしますよ。遺族も恋人もそれどころじゃなくて――ウチはペット禁止だし。二、三日だけですから」
 堤は、近くのマンションで起きた浴室での女性焼死事件の捜査のために、この管内の所轄に出向して来ていた。この九官鳥はその女性が飼っていたものだ。
「ふんっ。九官鳥なら、何か言ってみろ――」
 陣内がまたカゴを小突く――が、同じように「ガァ」と威嚇されただけだった。
「――まぁいい。言ったろ? ギブ・アンド・テイクだ」
 堤とガラステーブルを挟んだソファに、長身の陣内がボスッと腰を下ろす。彼は依頼事件の警察情報を求めていた。
「その話ですか……。私は担当じゃないので、余り詳しく知らないんですが――被害者は泥酔して自ら服を脱いだ後、急性アルコール中毒で死亡、その後、野良犬が食べた――そう見てるようですね」
「何!? 殺しじゃねぇってのか!?」
 思わず声を荒げた陣内の口から、煙草が落ちる。慌てて堤がテーブルから拾い、ひしゃげたスチール灰皿で揉み消した。
「まぁ、落ち着いて下さい。『キャトル・ミューティレーション』って御存知ですか?」
「何?」
「キャトル・ミューティレーション――『家畜虐殺』という意味なんですが、宇宙人が実験の為に牛などの内臓や血を奪うという――」
「待て待て待て! おい! おまえまさか、宇宙人が犯人だなんて言うんじゃねぇだろうな!」
 陣内は激昂して堤の言葉を遮った。
「いや、だから、落ち着いて最後まで話を聞いて下さい。アメリカに『死体農場』というのがあるんですが――」
「ああ、それなら聞いたことがある。確かFBIだったか――検死の実験施設だ。死体を――生前に同意した人物の死体を、土や水、車、様々な状況・環境に放置して、腐敗過程を調べるっていう奴だろ? 全く、スケールが違うな」
「そう。それと同じことを牛で確かめた人がいるんです――元FBI捜査官なんですが、70年代後半からアメリカ国内で報告され始めた家畜虐殺事件を捜査する内に、彼は年間牛死亡事故件数自体には変化がないと気が付いた。そこで実際に牛の死体を放置したところ、血液は地中に染みて消え、目や性器、臓器などの柔らかい部分は野生動物に食べられ、引き千切られた鋭利な切り口だけが残った――つまり、キャトル・ミューティレーションとそっくりになったんです。結局、彼はこう結論した――家畜虐殺は寿命や病気などで死んだ家畜が土に帰る途中の、自然な状態に過ぎない。当然人類の牧畜開始以来ずっとあったものだが、いつしか怪奇現象かのように騒ぎ立てられ、結果として誤った認識が広がった――」
「だから、どうした。通常、腐敗現象が現れ出すのは四十八時間以降だぞ。夏場だということを考慮しても、最大限見積もって午後十時半死亡から明朝七時半発見まで九時間しかない。野生動物に食べられただって? 現場は池袋だ。北米の農場じゃない――狼も鷲も居ないんだ! 野良犬より路上生活者の方が多い街で、連れ犬がガイシャ食べてるのを彼らが見過ごしたとでも言うつもりか!?――ったく、警察ってのは相変わらず荒い調査しかしやしねぇ」
「確かに、遺体発見当初は担当者だって非犯罪死体とは思わなかったでしょう。だからこそ、行政解剖ではなく司法解剖扱いなんですよ。しかしその結果、生活反応などから遺体の損壊はどれも死後になされたもので、衣服は現場近くに落ちていたけれど暴行も強盗も形跡が無かったんです。死亡推定時刻は、遺体の状態が状態ですから、正確な時間が割り出せていません。体温低下を基準にするには形態が変化し過ぎて――つまり、遺体の風通りが良くなり過ぎ――」
「堤、その言い方は止せ。ホトケに不遜だぞ」
「すみません。角膜の混濁や胃の内容物は器官自体が存在しないし、死斑も血液が殆ど存在しないんではっきりしない。それでも、午後十時半前まで目撃証言がある訳ですから、その間の九時間に、猛烈に空腹の野良犬が寄ってたかって集まったとでも考えるしかないじゃないですか。彼女の遺体が変わり果てるのに必要なはずの時間は、どこかへ消えてしまったんです」
 陣内の指先では、新しい煙草が紫煙を上げている。 
「それじゃあ、空飛ぶピラニアの群れに襲われたって言ってるのと変わらねぇよ。変死体ではあるが犯罪死体ではない――か」
「警察の仕事は謎の解明ではなく、犯罪の捜査なんです」
 堤は内ポケットから取り出した懐中時計に軽く目をやり、そして再び仕舞い込んだ。自嘲染みた彼の言葉は、陣内に古い警察時代を思い起こさせた。

 第三場 ブレーメン・カルテット

「ワリぃ、遅くなった。聞き込みに手間取っちまって」
 そう言って、陣内十蔵が自分の探偵事務所に駆け込んで来た。部屋の奥に積み上げられた古新聞の上の鳥かごの周りに、どちらも二十代の女性である和服姿の「当麻 鈴(タイマ スズ)」と白衣を着た金髪の「レイベル・ラブ」が立っている。
「上手なものねぇ、この子のお喋り。名前は何と仰るのかしら?」
 カゴの中の九官鳥について鈴が訊ねると、陣内は驚いたような顔をした。
「こいつ、喋ったのか?――いや、名前は知らねぇんだ、預かりモンなんでね。けど、俺の前じゃ、まだ一度だって喋ってないんだぜ? おい、何か言ってみろ」
 そう言って陣内は鳥カゴを小突いたが、ただ「ガァ」と威嚇されただけだった。
「ったく、大した鳥だよ。人を見やがる」
「そうやって、すぐ叩くからだ」
 レイベルにさらりと告げられ、陣内は部屋の中央のソファにどさりと腰掛けると、ノートパソコンを開いて向かいのソファに座っているもう一人の人物――長い髪の青年のことを訊ねる。
「で、こちらさんは?」
「初めまして、『宮小路 皇騎(ミヤコウジ コウキ)』と言います」
 陣内、当麻、レイベルの三人は、草間興信所で受けた「女性臓器消失遺体事件」の捜査に当たっており、事前の予定通り、この事務所に情報交換のため集まった。その捜査中に鈴と出会ったのが宮小路であり、彼はアトラス編集部の依頼で「浴室女性焼死事件」を追っていた。
「ああ、その事件か。昔、俺が警察やってた頃の後輩だった堤って奴が担当刑事やってるよ。その鳥を持ってきたのも奴なんだが――確か、被害者のペットだって言ってたな」
 陣内の台詞に、事件情報から被害者のペットのことを知っていた宮小路は得心がいった。
「なるほど、偶然かと思いましたが、そういう訳でしたか。ところで、その焼死事件――いえ、私の調べでは死後に発火したと見ているのですが、遺体が灰になった原因は低温火災に伴う人体ロウソク化現象で説明が付きます。重要なのはその前提となる死因と火元で、これは、浴室掃除中に洗剤の混合による塩素ガス中毒で死亡、その後、窓際のガラス瓶による集光で発火したようです。ただ、当麻さんによると――」
 宮小路は既にソファに着いた鈴の方を見る。
「はい。うちの視た限りでは、この二つの件、何か同じ霊的存在が関わっているんじゃないかしら。ただ、それが何とまでは……。でも、その分、感じるんです。ええ、とても強く」
「となると、私の事件もただの事故とは言い切れない――それで、こちらに御一緒に」
 宮小路が言った。
「あなたの力――」
 レイベルが、向かいのソファに座る鈴に問い掛ける。
「――その霊的な存在とやらの居場所を探ることは出来ないの?」
「近くに寄れば、感じ取れるのですけれど……」
「存在しないトンネルには近づけないものね。でも、分かったわ。つまり、あなたが大勢居れば、どれかは近くに当たるはずよ」
 その言葉の意味をまだ分からずに居る鈴に代わり、宮小路が答えた。
「なるほど――当麻さん、失礼ですが、これに息を吹きかけて戴けませんか?」
 宮小路が取り出したのは、一本のメモリースティックだった。それを見て、レイベルが言う。
「へぇ。あなた、面白いものを使うのね。でも、私はアナログなのも嫌いじゃないの」
 彼女が取り出したのは、一本の注射器だった。

 第四場 青髭の犯罪心理学講義

 情報交換の場を後にした陣内は、事前に行っていた事件関係者への聞き込みでの証言を、今一度、思い返していた。それによって分かったことは、謎を深めこそすれ、解き明かすものではあり得なかったのだ。
 まず分かったのは、被害者のR子は酔うと脱ぐ酒癖(くせ)があったということ――これにより、警察の見立ての信憑性を確認する結果となった。
 次に、陣内は遺体の状況から極度の恨みを持つものの犯行という可能性を考えていたが、それらしき有力な証言は得られなかった。生前のR子は、寧ろ霊感少女として好奇、或いは奇異の目で見られる傾向があったようだ。それ故か、R子自身どこか超然としたところがあって、鼻に付く、ウザいといった印象はあっても、惨殺したいほどの憎悪という表現はそぐわないようだった。もっとも、人知れず恨まれるということは、誰しもあり得ることだろうが。
 そして、ここからが不可解な証言だ。
 発見された当時、E男の指輪が無くなっていた。物取り目当てか――と思いきや、財布は全員盗られていなかった。と思ったら、F男のピアスが無くなって、耳から出血していた。更に意味不明なのが、Y子の上着の袖の飾りボタンが、両方無くなっていた。はっきり言って、どれも大した価値は無い。指輪にしても安い作りのイミテーションで簡単に抜けるため、落としたんじゃないかと本人が言っていたくらいだ。果たして記憶の無い間に無くしたものなのか、それとも犯人が盗ったのか――盗ったとすると目的は何だ? 或いは彼らの装飾品の中にどれか不明だが高価なものが紛れ込み、取り敢えず全部奪ったのか? だとすると、R子を惨殺した意味は? 体の中にでもその探し物があったのか? ちょっとあり得ないシチュエーションだ。
 陣内は今、一度聞き込みをしたE男、F男に、電話である確認を取ったところだった。
 そして、最後にK男へ携帯越しに質問をしながら、その姿を思い出す。先ほど彼は、時期外れなベッカムヘアに水色のサングラスをし、落ち着かない様子で両手を擦り合わせながら、言葉少なに返答を繰り返していた。
 ――手や髪、顔などを頻りに触るのは、嘘や隠し事、動揺の現れ――いや、単に小心なだけか。
 それが、その時の感想だ――だが、どうやらそれは思い違いだったようだ。
 陣内は携帯を切った。質問の答えは、三人ともイエス。レイベルによってもたらされたY子の情報と同じだ――彼らには全員、左手首に思春期の少年の潰れたニキビのような、小さな赤い腫れ痕がある。いや、ただの虫刺されだろう。K男が手首の辺りを頻りに掻いていたのは、そういう訳だった。事件当夜の彼らは、泥酔して初夏に路上で昏倒という、まるで吸血鬼の晩餐台に横たわるような状況だった。刺された一つが偶然同じような場所だということもあるだろう。けれど、彼らが刺されたのは皆、一ヶ所だけ――それが手首。
「寧ろ少な過ぎる――」
 陣内は思わずそう漏らした。それから、頭(かぶり)を振った。
 馬鹿げている。たかが、虫刺されだ。だが、ただの虫刺されも、四つ揃うとまるで魔女の刻印のような妙な説得力を帯びてくる。
「刻印――文字通り印を残したのか……!?」
 犯罪者が犯行現場で行う象徴的行動を「個性化」と呼ぶ。それは犯行に必要な合理的「手口」とは異なり、時に不合理な、或いは犯人個人のみに意味を持ち得る、犯行そのものに不必要な行動である。連続犯がこれを繰り返すと「署名」と呼ばれ、感情的・強迫的意味合いが強いものを「儀式」と言う。例えば、死体の状態に手を加えたり、犯行順序の定型化であったり、死体の一部の持ち帰り――
「!――ってことは、無くなった物もその為に……?」
 犯罪者が被害者の身体の一部、所持品、現場の写真等を持ち帰ることを、特に「記念品」と呼ぶ。それは犯行の記憶を回想したり、その成果を誇示するためであって、記念品自体の価値が重要なのではない――そう、イミテーション・リングやボタンのように。

 上池袋、マンション建築工事現場――
 R子の遺体発見現場である丁度その上に、陣内は立っていた。現場は工事の敷地内で立入禁止だが、陣内の交渉で――つまりは、警備員に軽く小遣いを握らせて――剥き出しの地面が晒されたその場所に、彼は立っていた。
 少し離れた敷地の入口に、鈴の姿がある。何も、彼女だけ入れてくれなかった訳ではない。鈴は既に一度この工事現場を訪れているが、なぜかここに残る霊的残滓が彼女の体質に合わず、無意味な疲労を防ぐために少し離れて見ているのだ。それ故、今度は陣内が試すこととなった。
 鈴ほど明確に霊と対話が出来る訳では無いが、陣内にも死者の死亡時の心理状態を読むという力がある。極度の苦痛を伴うので余り使いたくは無い――その為のもしもの場合を想定する意味も込めて、鈴も来ていた。この年で若い女性が付き添いというのは聊(いささ)か気恥ずかしい気もしたが、仕方が無い。最後の手段だ――もっとも、陣内が知らないだけで、実は鈴の方が年上――それもかなり――なのだが。
 兎も角、陣内は片膝を立ててしゃがみ込むと、右手で地面に触れた。
 一呼吸、二呼吸――鼻の奥の方に、熱い感覚を覚え始めた。側頭葉の脳血流が増加し、血管壁と髄膜の神経が圧迫され、こめかみを激痛が襲う。視界はホワイトアウトし、脳下垂体が全身のホルモン分泌を乱して三叉神経、肋間神経、坐骨神経が次々に悲鳴を上げる。脳内をパルスが駆け巡り、シナプスが幾種もの神経伝達物質を放出する。陣内の脳裡をR子が駆け抜ける。
 ――黒い恐怖たちが私を囲む七人の小人全てはあの中学校から戻れない特別な力の特別な私シンデレラでいたい私痛い私Y子助けてでもごめんね本当の自分霊感なんて無い自分魔法のドレスは無い裸の自分私だけのせいじゃない逆恨み痛い焼けるように痛いなぜ死ぬのなぜ私が死ぬの――黒――光――

 自分の見たイメージをもどかしそうに鈴に伝えた後、全身の苦痛に疲弊した陣内は一旦事務所へ帰ることになった。車の運転ぐらいなら目を瞑ってでも出来ると言う彼の言葉を信じ、鈴は残って調査を続けることにした。彼女の霊視を乱すあの感覚が、前に来た時より、弱まっているように感じたのだ。ただそれは、この現場に残る霊的残滓自体が減少しているためであり、その正体が鈴の中で焦点を結んだ訳ではない。それでも、他の霊に当夜のことを聞くことは出来るかも知れない。
 そう思って、鈴が霊視を始めようとした時、不意に光を感じて彼女は振り返った。
 ――何の事は無い、工事現場の周囲を巡るただの警告用の電飾が、一斉に点っただけだった。気付けば、大分、日が傾き始めている。
 ふと、鈴は、あることに気が付いた。前に来た時は分からなかったが、光が点った今、はっきりと分かる。電飾が、工事現場の入口付近だけ、点いていない。近付いて見てみれば、豆電球が割れているか、或いはソケットごと壊れて無くなっている。誰かの悪戯だろうか――いや、
「記念品……!?」
 そう、ここへ来る途中、陣内から聞いた話――犯罪者の「記念品」。でも、幾ら何でも豆電球を記念品にする犯罪者が居るだろうか――
 居る。鈴にはそう感じた。
 彼女の本業は骨董屋である。或種、記念品を集めるのが仕事といっても良い。犯罪者のそれと骨董を同等に見るのはどうかという向きもあるかも知れないが、根源の部分ではそれは同じだ。つまり、モノと価値との関係性の問題である。
 恐らく犯人は、小さくて綺麗なものが好きなのだ――そう、まるで大人にはガラクタ箱にしか見えないものが、子供にとっては宝箱であるようなものだ。とすると、犯人は子供?――そんな、まさか。
 鈴は霊視を始めた。近くに霊は居ないか?――あの夜、何が起きたのか。誰が犯人なのか。それを知っている霊は。

 第五場 お婆さんの留守に舌切り雀は糊をペロリ

 夕陽を浴びて鈍い鉄錆色に染められた曇り空の下、少し離れた駐車場に車を止め、事務所の入っている小汚いビルを目指し、繁華街の路地裏を歩く陣内の姿があった。
 鍵束を取り出しながら、ビルの狭い階段を上がり、事務所のドアを開ける。唯一の従業員であるアルバイト助手も、今日は休み――と、
『オカエリ、ジンナイ、オカエリ……』
「ん?」
 奥から、声がした。
 カーテンを閉め切った事務所内は薄暗く、視界が悪い。見渡す室内に人は――居るはずが無い。助手にしてはおかしな声だった――
 ぢゃか。
「!」
 右から軽い金属音。はっとして振り向く一瞬に、脳の奥が告げる。聞き覚えのある音、それも最近――鳥カゴだ――そこで陣内は思い出した。
「あ、九官鳥! おまえ、やっと喋りやがった!」
 部屋の隅の暗がり、積み上げられた古新聞の上の鳥カゴの中で、小さな影が動いた。
 陣内はそれに近付こうとして、だが再び足を止めた。
 部屋の奥――閉ざされた乳白色のカーテンが、揺れている。
 ――窓は、閉めて出たはずだ。

 陣内探偵事務所を目指し急ぐ、一台のタクシー。その中に鈴は居た。その手に、池袋の大型書店で手に入れた一冊の本を持っている。
 鈴には、浮遊霊との会話によって犯人が分かっていた。上手く霊視出来なかったのは、鈴が疫病神の子であり、敵対者の運に作用するという彼女の能力とやはり関係していた――犯人も、縁起が悪いとされる存在なのだ。
 そして今一つ――陣内の身が危険だ。

 陣内はもう一度、室内の気配を探る――誰も居ない。散らかってはいても、自分の城だ。何か動かしたり、どこかに隠れていれば必ず分かる。
 自分と九官鳥以外に、動くものはない――ただ、ひれひれと揺らめくカーテンだけが、お出でお出でと彼を呼ぶ。
 ゆっくり、近づく――お出で、お出で。
 自分を招くカーテン――その手と、慎重に握手を交わす。隙間から漏れる風に、額の汗を自己認識させられる。握り締めた手を、真横に引く。
 ぢゃっ。
「ッ!!」
 開け放たれた窓越しの丁度視線の高さの電線に、七つの黒い塊が、群れている。そしてその倍の数の無表情な瞳が、夕陽の紅(あか)を照り返しながら、ぢっとこちらを見つめている。
 くあぁ。
 一羽が鳴いた。間近で見ると斯くも大きいのか――鴉とは。
 ばささ。
 一羽が飛んで来た。思わず身を引く。そいつは窓の縁に留まり、咥えていた小さな金属円盤をからんと床に吐き捨てた。何だこれは。どこかで目にしたような……。それに、この一羽だけ、目の周りに黄色い隈取りがある。鴉ではない。
「――九官鳥、おまえ……」
『オカエリ、ジンナイ、オカエリ』
 未だ押さまらない心臓の鼓動を耳の奥の方で感じながら、ふと陣内の頭の中で瞬間的に思考が巡る。
 今、「ジンナイ」と呼んだ――そう言えばさっき玄関でも。亡くなった飼い主の名ではなく、「ジンナイ」と。確かに、仲間や助手がそれの前で何度も彼の名を呼んだ――だが、預かってまだ僅かで、もう憶えたというのか? 本当に、それが普通なのか?
『オカワリ、ジンナイ、オカワリ』
 聞き間違えだろうか、今、妙なことを言ったような……。
『オイシイナ。キモチイナ。タベタリ、アビタリ、ウレシイナ。ミンナデ アソンデ タノシイナ。ソシタラ オナカガ スイチャッタ。オカワリ、ジンナイ、オカワリ』
 ? 餌が足りないという意味か? 都会に溢れる残飯を漁るだけでは満足出来ないと言うことか? では何故そんなに大きいのだ。何を食べてそんなに肥え太ったのだ。濡れたように光る墨色の羽根は、何を食べてそんなに艶やかなのだ。
 九官鳥の声は言葉ではなく、飽く迄も鳴真似に過ぎない――だがそんなことさえ、混乱する陣内の頭からはすっかり抜け落ちていた。代わりに、あることを思い出す。
 九官鳥は今、目の前にいる。では、先ほどカゴの中で動いていたモノは、何だったのだ――。
 陣内は鴉たちに注意を残しつつ、ゆっくりと、返り見た。
「なッ!!」
 差し込む夕陽に血(あか)く染まり、止まり木に下がって揺れる――人の心臓。
 声も無く、後ずさる陣内。かつん――その足に、例の金属盤が触れた。思い出した。これは――堤が愛用していた懐中時計の蓋――。
『オカワリ、ジンナイ、オカワリ』
「――おまえらぁぁぁ!!」
 陣内は頭を抱え、絶叫した。
 怒りと絶望で歪む視界の中で、九官鳥の黄色い隈取が消えてゆく。陣内は悟った。堤から預かった時から、こいつは九官鳥などではなかった。なぜ今の今迄、九官鳥だと思い込んでいたのだろう。こいつは初めから、不幸を呼ぶ鴉だったのだ。

 なぜ自分は、あの鳥を九官鳥だと思い込んでいたのか――事務所前に着いたタクシーを降りる鈴は、そう考えていた。お釣りも貰わずに事務所へ急ぐその手にあるのは、鴉の生態について書かれた本だった。
 鴉は非常に頭のいい鳥だ。道路にクルミを置いて車に引かせて割る話、人に飼われている鴉が言葉を真似ることなどは、鈴もテレビで見たことがあった。だが、更に興味深いことも書かれていた。
 鴉には、丸いもの、キラキラしたものなどを集める習性がある。また、五、六羽ほどの集団で買物帰りの主婦を襲い、餌を手に入れることがある。更には、体に付いた寄生虫を退治するために煙突などの煙を浴びるが、近くに煙が無い場合、捨てられた煙草や墓地の線香を利用して、火事を起こすこともある――。

 古く伸びきったテープのようなその掠れた断片的な声で、窓枠の「鴉」が鳴(うた)う。
『カラス、ナゼ ナクノ。カラスハ ヤマニ、カワイイ ナナツノ コガ アルカラヨ……ヤマノ フルスヘ、イッテミテゴラン。マルイ メヲシタ イイコダヨ……』
 くあああ。ばさささ。
 窓の外。電線に蠢(うごめ)く六つの空飛ぶピラニアたちが、黒い翼をばたつかせて、一斉に笑(な)いた。

 第六場 今の自分は本当の自分ではない、と空虚なシンデレラ願望に逃避する醜いアヒルの子

“『灰かぶり』
 王子様のお妃捜しを兼ねたお城の舞踏会が三日間開かれることになりました。継母と二人の義姉は美しく着飾って出掛けましたが、少女は姉がわざと灰の中にばら撒いた豆を帰って来るまでに拾っておくよう言い付けられていました。いつもそのようなイジメを受けていたので、少女は「灰かぶり」と呼ばれていました。ですがその日は鳥達が来て豆を全部拾ってくれました。次の日には鳥の手助けに加えて、灰かぶりが実母の墓に植えて涙で育てたハシバミの木に美しいドレスや金の靴が現れ、舞踏会に行くことが出来ました。灰かぶりと王子は互いに引かれ合いましたが、十二時の鐘と共に彼女は去ります。そして舞踏会最後の三日目。昨日と同じように去る灰かぶりは、片方の靴を落としていきました。実は彼女が速く走れないように王子様が階段にタールを塗っておいたのです。王子様はその靴を手掛かりに灰かぶりを探します。姉達は足を切ってまで靴を履き、王子は二度とも騙され掛けますが、二回とも城に向かう途中で鳥が歌で足の血を教えます。そして灰かぶりには靴が合い、二人は再会することが出来たのでした。そして結婚式の日、教会に招かれた二人の姉は鳥達に両目を抉り出されてしまいました。シンデレラと王子様は目出度く結婚し、幸せに暮らしましたとさ”

 無秩序に増殖した眠らない夜の街並は、人知れず迷路と化して時に幾つもの死角を生み出すものだ――ある場所は路上生活者の寝床に、またある場所は刹那主義を公言して憚らない若者達の溜まり場に、そして時には非合法者達の取引場に……。けれども、もっと違う別の何かが潜んでいることもあるんだということを、知っておいた方が良いだろう。そして、今となっては本当の事を知る術もないけれど、僕の患者Y子とその友人達が足を踏み入れたのも、そんな場所だったに違いない。
 だが結局のところ、数日の時間と興信所の尽力と二十七杯のコーヒーを注いで探ったその事件の真相に、果たして僕は辿り着けたのだろうか?
 置き忘れた懐中時計を取りに陣内探偵事務所を訪れた「堤刑事」は、事務所前の路上で六羽の鴉の死体を発見した。すわ毒物かと保健所やら警察やらが動いて一騒動だったのだが、結局、この後世間を騒がすことになる毒物事件の、前兆とも言うべき最初の被害者達として処理されることになった。また、まるで摘出したばかりのような「R子」の心臓の方は、あの工事現場付近で見付かったことにされた。
 Y子は、ゆっくりとだが、順調に快復している。その治療の過程で、亡くなったR子のことが見えてきた。
 中学校という新環境に移った頃のR子は、小学生時代に得ていたクラス内での人気を、別の女生徒に奪われたと感じていたようだ。嫉妬と劣等感から来る憎悪と苦悩の日々を過ごした半年後、ある日、彼女が何気なく口にした予感が見事に的中。一躍、R子は霊感少女としての名声を得、人気者の地位を復活させる。と同時に、その名声は「選ばれた特別な存在(Y子談)」という幻想をR子自身に与え、その自尊心を満たす役割も果たしていただろう。やがて、他のクラスからも恋愛のオマジナイや占いの相談に来る子が現れるようになり、遂にはそれ以外のことでも小学生時代のようにリーダーシップを取るようになった。
 R子が霊感と主張していたのは、洗髪時に背後に誰か居るような気がするとか、急に感じる体のダルさとか、既視感などのような、程度の差はあれ誰もが体験する想像や錯覚の類だったんだろう(R子の感受性の強さは必要に周囲の目を気にするその性格からも読み取れる)。しかし周囲の注目を集めて誇大化した自己愛を満たすために発揮され続けた想像力は、やがてR子自身にもそれが演技なのか本当の霊感なのか分からない妄想じみたものになり、演技性人格障害を形成してしまったと思われる。
 だが、年齢が進むに連れ周囲の少女たちのオカルティックなものへの陶酔が薄れ、霊感少女の名声は逆に避けられる存在へと変化してしまう。その過程で最後までR子の側に残り、R子の自己愛を満たす役割を一手に引き受ける存在となっていったのが、Y子だ。周囲から孤立していく二人の間には妄想の感応関係が結実し、『二人組精神病』という殻を形成していく。
 Y子はR子とその霊感を信用して特別視し続け、R子を頼って彼女の自己愛を満たす存在である。また、R子はY子にとっての偶像(idol)で、人気歌手のファッションを真似る女子高生のように自分を「特別な」R子の側に置くことで同一化させ、「選ばれた特別なもの」になりたいという欲求をY子自身も満たしていた。しかし、同時に無意識においては、Y子はR子を祀り上げてやっているという認識によって頼られ願望を満たし、R子は自己愛を満たしてもらっているという頼り願望を満たしている。つまり、互いに相手に頼りつつも頼られているという共依存の関係にあったのだろう。Y子が僕の元を訪れたのは、この共依存関係がR子の死という最悪の形で崩れ、精神が不安定になった為だ。
 ところで、『瓜子姫』という昔話をご存知だろうか?
"瓜から生まれた瓜子姫は老夫婦に育てられ、美人に成長し、長者の元に嫁ぐことになりました。ところが、老夫婦の留守中に家で機を織っていた瓜子姫を騙して天邪鬼が侵入し、服を奪って彼女に成り済まし、本物を木に縛り付けてしまいました。しかし、嫁入りの駕籠がその木の側を通った時、鳥が鳴声で告げ口し、或いは天邪鬼に襲い掛かり、正体がばれました。捕らえられた天邪鬼はバラバラに切って山野に捨てられ、瓜子姫は晴れて結婚し、幸せに暮らしましたとさ"
 玉の輿結婚、本人に成り済ます邪魔者、衣服と木、嫁入りの途中で鳥に暴かれる偽者――シンデレラ(灰かぶり)との類似性が指摘されている。加えて、上記の話は西日本型のもので、東日本に伝わる『瓜子姫』は後半が異なる。
"瓜子姫の家に侵入した天邪鬼は、彼女を樹上から揺り落とす、或いはバラバラにする、目を潰すなどして殺し、剥いだ皮で瓜子姫に成り済ましました……"
 この東西の相違を踏まえて、再び灰かぶりとの類似性を考えると、服を失うという行為が実は死の暗示と言えるのかも知れない。故に、十二時の鐘が鳴って魔法が解け服が消えたことは、シンデレラが死んで皮を剥がれたことを意味する。そしてドレス=シンデレラの皮だとすると、死体となったシンデレラはハシバミに現れたドレスのように、つまり瓜子姫のように、木に掛けられるべき存在だと言える。それはなぜか?
 そのヒントが北欧神話の主神オーディンだ。彼は世界樹で首を吊って自分の体を槍で刺し、自らを主神である自分に捧げて(つまり彼は神であり祭祀者であり生贄でもある)、秘術を手に入れた。
 この北欧神話の世界樹ユグドラシルはトネリコだが、西洋でこれと並んで霊的な神木とされてきたのシンデレラに出てくるハシバミだ。これはケルトを始め全世界に伝わる古代神木信仰の名残と見ることも出来る。そして、その木に棲み付いてシンデレラを助けるのが鳥達である。木に吊るされたシンデレラの死体に集まる鳥達――これは、まるで鳥葬だ。
 鳥葬とは高い場所に遺体を置き、鳥獣の餌食にして白骨化させた後、骨だけを葬るという埋葬法のことである。鳥はその空飛ぶ姿から「天=神」と「地=人」を繋ぐ神の使者、もしくは霊魂の化身そのものと見なされた。死者の魂は鳥に食べられることによって天へと運ばれるのだ。鳥は死と再生の仲介者であり、故にシンデレラも鳥達に食べられることで真のシンデレラとして王子の前に再生するのだ。シンデレラは樹木が夏に葉を茂らせ冬に葉を落とすように、衣服を着替えることで死と再生を体験し、新たな自分へと生まれ変わったのだ。目を啄ばまれる姉達は過去のシンデレラ自身である。そう、知恵の泉を口にする代償として片目を失ったオーディン――彼もまた、常に二匹の鴉を従者としていた。
 時に僕ら精神科医や心理学者は、童話に人間の深層心理が隠されていると主張する。
 だがしかし、シンデレラをただ王子様や魔女を待って棚から牡丹餅的なシンデレラ・ストーリーを夢見るだけのネガティヴ少女と見縊ってはならない。なぜなら彼女こそが魔女なのだ。古代の女神であり巫女であり生贄でもあるというあのオーディンのような巫術の体現者、異界との交信者(チャネラー)なのだ。侮っていると後で手痛い竹箆(しっぺ)返しを食らうことになる――あの継母と義姉達のように。
 オーディンの武器であり、稲妻の象徴である投槍グングニルは、小人族ドヴェルグが作ったものである。であるならば、シンデレラにも、灰色の肌をした大きな黒い目の七人の小人達が付き従っていてもおかしくはない。そう、シンデレラは、白雪姫でもあったのだ。でもそれはそう、また別の童話――。

 幕

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

 0044/陣内 十蔵(ジンナイ ジュウゾウ)/男/42/私立探偵
 0319/当麻 鈴(タイマ スズ)/女/364(外見20代半ば)/骨董屋
 0606/レイベル・ラブ/女/395(外見20代)/ストリートドクター

(アトラス編集部からの参加)
 0461/宮小路 皇騎(ミヤコウジ コウキ)/男/20/大学生(財閥御曹司・陰陽師)

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■         ライター通信          ■
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 初めまして。πジゲンで御座います。この度は、御購入有難う御座いました。
 今回は敢えて最後のアクション描写はせず、そこに至る過程を中心に書かさせて戴きました。今回の事件はこれで解決となりますが、その陰にあるものは、新たな事件へと繋がるようです。また、他の参加者の皆さんの物語を読まれると、謎が解けたり、或いは逆に深まったり(笑)するかと思います。時間があれば、御一読下さるのも一興かと思います。
 かなり長文と成った為、長らくお待たせしてしまいましたが、いかがだったでしょうか? もし宜しければ、テラコン、或いは私のサイト(http://www.page.sannet.ne.jp/yskzkbys/)の BBS まで、御意見・御感想等を戴ければ、幸いです。
 それでは、またの御参加をお待ちしております。

 陣内 様
 探偵という職業柄、事件解決への原動力として、東奔西走の活躍をして戴きました。ダンディズムと人間臭さを併せ持った感じをイメージさせて戴きましたが、探偵事務所の様子など、勝手に描写させて戴いた部分、設定イメージと異なるようでしたら、是非御意見下さい。

 追伸:野口雨情作詞『七つの子』を、物語上、敢えて「七匹の子」の意味で引用させて戴きました(著作権切れ)が、本来的には「七歳の子」の意味が正しいようです。悪しからず。